Posted by ブクログ
2018年03月24日
都道府県別で、3歳の平均寿命の差が出ている。
これは、結構、衝撃的な数字ではないだろうか。
日本では、地域・個人レベルでの「健康格差」が広がっている。
WHOは健康格差が生まれる要因を、所得、地域、雇用形態、家族構成と指摘している。
ぶしつけに言えば、所得が低く、地域GDPも平均より低く、雇用形態...続きを読むも非正規・無職、
家族もいないならば、短命になるということだ。
最終章は、「健康格差」は、「自己責任か」というテーマで、
一般人や俳優、専門家の意見交換がある。
いまだに、健康は、自己責任によるものだと意識が強いと感じた。
健康格差が広がると、社会保障費が増えるということは、
想像がつく。これは財政問題として国が解決しなければいけない。
なぜなら、今でも社会保障費は、膨れ上がっているからだ。
ただ、「今あなたの状態は、全てあなたの責任です」という、
冷酷な意識が日本を支配している。
税金を投入しての健康格差対策は、国民の支持を得られるのは、
かなり難しいだろうと思う。
この本では東京都の足立区の例があるが、
これから、地域の財政は間違いなくひっ迫する。
特に東京は、この20年で140万人高齢者が増加する。
その中で、「地域の健康」にどれくらい優先順位があるのか、
指導者達は、よくよく考えてもらいたい。
なぜなら、現在の健康格差は、ある面では、国が作り出したからだ。
経済格差が広がっている現在の日本は、
健康の格差も、急速に進んでいる。