完結作品一覧
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4.0おいしい料理を教わっていたはずなのに、私がおいしく食べられちゃうの!?料理がド下手な鈴白まなみ、21歳。料理教室で奮闘するも、なかなか腕が上達しない…そんなまなみに、講師のオネエ料理研究家、蓮実レイが二人だけの補習をしてくれていた。TVや雑誌で引っ張りだこな売れっ子で、毒舌だけど面倒見がよく、キレイなお姉さんの姿をしている蓮実。たまに見せる蓮実の男らしさにドキドキしながらも、まなみにとっては緊張せずに楽しく話せる唯一の男性だったけど…。「体の芯まであったまるコトしよっか…」無防備に抱きついたまなみに蓮実の男の部分が全開になって―…!!※この作品は「恋するオネエのお料理教室~ナカはとろ~りアツアツね」(1)~(3)の合本版です。
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-【この作品は、表題と「略奪愛~友達の好きな人と秘密のH~」を含む短編集です】「今日は逃げないのか?俺が好きならこいよ」幼馴染のしーちゃんは裏路地で私の胸をはだけ敏感なところに指を這わせ、ヌレヌレになった私の奥に深く突き入れた。ずっと昔から大好きだったお隣のしーちゃんにふられちゃった。公衆の面前でエッチな行為をしようって言われたんだけど、キス以上の行為は出来なくて…。そのしーちゃんが目の前で私の知らない女の人とエッチをしてる。人が入って来るかもしれない街の裏路地で私に見せつけるように…。逃げない私を誘うしーちゃん。こんな人通りの多い街の裏路地で私の敏感なところをグジュグジュになるまで刺激して、私の奥に突き入れるしーちゃん。感じちゃってる私も変態なのかな…。
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-うらない大好き中3少女・森本ぱせりは《しし座》。赤毛の頭がニンジンみたいな男の子・斉木郎は《おひつじ座》。幼なじみの2人の相性はバッチリなはずが、顔を合わせればケンカばかり……でもぱせりは郎に片思い中。中学校生活の部活動も残り1か月ほど。そんなさなかに男子バスケ部のマネージャーとして入部してきた「ミス二年」こと高田美果は、何かにつけ郎にべったり。そんな2人の様子を見て、ぱせりの心中は穏やかでなかった。そして毎年恒例の3年生男女混合試合。郎とぱせりは同じチームになってしまう。自分への態度と美果への態度がまったく違う郎にいらだち、全然呼吸があわない2人……。ある日、ぱせりは偶然、美果が落とした手紙を拾ってしまう。これは……ラブレター!? 岡本ゆり先生がお贈りするドキドキ&胸キュンラブコメの名作、第1巻(全4巻)!!
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-「これで俺好みのエッチな女に調教してあげる♪」セックスに積極的になれないまひるに、彼氏の望がそういいながら嬉々として彼女に付けたのは、ラブグッズ用の貞操帯!? スイッチを入れるといいところに当たるけど、振動が弱くてイキたいのにイケないという状況に陥ったまひるは、涙目で望にエッチなお願いを…。ラブグッズ、放置プレイ、お仕置き、お外セックスにコスプレ…腹黒変態彼氏が策士すぎて、まひるはいやいやながらもいつもイカされちゃう! 「縛られてこんなことされて興奮してるの?」イケメンで完璧だけどドSで変態な彼氏に、順調にエロく調教されていく天然彼女。ふたりのちょっぴり過激なラブエッチにドキドキ間違いなし!
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-私立一心学園高校に転校してきた姫神正人は、誰よりも正義を愛する男だった。その溢れんばかりの正義感は暴走をし、転校初日に番長の田ノ森をぶっ倒してしまう。周りを見回せば、エスケープに早弁、不純異性交遊……そう学園は「ワル」の巣窟であったのだ。そしてその中でも教師も恐れるワルの軍団がのさばっていた。その名も学園仕置組「必殺組」!! 当然のことながら必殺組に日々立ち向かう正人。その姿に心動かされ、冬海、百地、亜国は正人と共に学園を救う戦隊を結成する。その名も「学園戦隊プロジェクトV」!! ついに必殺組との決戦をむかえる……果たして!? 星川とみ先生がお贈りするコミカル学園ヒーローアクションの名作、第1巻(全2巻)!! 表題作の他、「ワンダーBOY」、「黒蝶館」の2作も同時収録!!
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3.0青北(あおきた)くんは、可愛いモノをこよなく愛する社長が経営するハルナツ広告社の若手社員♪ 可愛いモノが嫌いと公言する醒めた性格で社内でちょっと浮いている青北くんは、ある日人気キャラデザイナーの谷地(やち)の担当に。可愛いモノへの愛とこだわりが止まらない谷地のキャラにイラついて初めはケンカばかりだったけれど、濃さの裏側のアツさにトキメくようになって…!? その他、超天然社長×恋女房な右腕、コミュ障バイク便男子×きゃわわ社員などカップリングいろいろでお届けする超・新感覚★お仕事ラブコメ!! 【本作品は単話「ぺろぺろカンパニー」第1話~第3話を収録した電子通常版です】
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3.6悲惨な結婚生活に幕を閉じたラーラは、もう二度と恋などしないと思っていた。そんなとき、叔母の開いたパーティーで魅力的な男性ブライスと出会う。一瞬で彼に惹かれるが、すぐに自分に言い聞かせた。つらい経験から学んだはずよ。男性を信じ愛しても、ひどい目にあうだけだと! ところが彼は積極的にデートに誘ってくるし、強引だが意外にもやさしく彼女は心を許していく。そのときは考えもしなかった。信じた男性に再び裏切られ、手ひどく傷つくことになるとは…。
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4.3アメリカ一の大富豪ハードキャッスル氏が莫大な財産を譲る後継者を探している。そう連絡を受けたのはドミニク・ディ・バリ。幼い彼と母を追い出した父からなんて何も受け取りたくはない。ずっと復讐を願っていたはずだが、父の余命が3か月と聞いて戸惑う自分に気がつく。会社を見てまわるドミニクは、ベラという研究員と出会い、どうしようもなく気になりデートに誘う。ベラは心臓が破裂しそうだった。実は彼女も復讐のため、偽名を使って会社に忍びこんでいたのだ!
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5.0大切な友人の葬儀に参列中、倒れてしまった身重のミアは、運ばれた病院で思いがけない人物と出会う。友人の兄イーサン──傲慢きわまりない億万長者。7年前、ミアとイーサンは出会い、ひと目で激しい恋に落ちた。だが彼は彼女を捨てて一方的に去っていったのだ。そして今、ミアのおなかの子の父親が弟だと知ると、彼女を詐欺師呼ばわりし、財産目当てと決めつけて責めたてている。たとえ真実を話してもきっと彼は信じないだろう。だからこの秘密は絶対守らないと…。
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4.1制服に隠された想いと、繕ってきた顔―― 幼馴染でライバル副操縦士たちの歪んでいく境界線。 同期は訓練生ばかりの中、若くして航空機の副操縦士となり パイロットとしてキャリアを重ねている桜庭奏太。 顔よし・頭よし・セフレが絶えない人生イージーモードを送っているが 唯一目障りなのは――幼馴染であり、副操縦士として ナンバーワンエースと評される宇梶 紡の存在。 いつも飄々と流す宇梶に、桜庭の敵愾心は高まる日々。 だが女遊びがアダとなり、桜庭は同僚CAからストーカー被害に遭ってしまう。 エスカレートする行為に辟易した桜庭は 「俺とゲイにならないか!?」と宇梶にある依頼を持ちかけて…?
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4.3※この作品は、「この兄弟には問題がある!?」を含む短編集です。重複購入にご注意下さい。 大学生の竜太は最近、妙な夢を見て困惑気味。3年前に親の再婚で義弟になった茉莉とただならぬカンケイになる夢を見てしまうのだ。確かに茉莉は女のコと間違えられる位の可愛いルックスだし、家で無防備に振る舞う様には毎度ドギマギさせられてしまう程。それでもエッチな夢を見るのはマトモとは言えず、竜太は悶々とした日々を送っていた――。そんなある日、茉莉の部屋からの物音が気になり、中を覗いてみると、茉莉の××××を目撃してしまったのだ!!?不器用な義兄と小悪魔な義弟のラブ&エッチストーリー新鋭作家・山形シンの過激作品集デス!
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4.7漫画家・高世えり子が、科学の力で美味しさの秘密を解き明かす!!「安いお肉が高級肉に変身」「たった5分で絶品スイーツ」などなど、いつもの料理をパワーアップする秘訣やお役立ちレシピも満載!!
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3.3【電子限定版】描き下ろし番外編「その年の秋の話」収録。●先輩みたいに、すべて持っている人がなんで僕に執着するんだ!? 冴えない高校生・月(つき)の秘密――それは父のブランドでレディースの靴モデルをしてること!! 絶対に学校のリア充には知られたくない――けれどある日、スクールカースト頂点に君臨する先輩・直央(なおひさ)に秘密がバレてしまった!! しかも「ずっと君のファンだった」と、学校でも人目を気にせず真剣に口説いてきて!?
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4.1【電子限定版】描き下ろし番外編「オカマたちの夏」収録。●受難続きの王子様が、ド田舎で泥にまみれてまさかの恋愛バトル!? 超セレブな王子様系大学生・絢人(あやと)。試練の末に、晴れて貧乏学生の将太(しょうた)と恋人にv 付き合って初の夏休みで浮かれていたら、「休み中は実家の農家を手伝う」と将太があっさり帰省。――なんで恋人を置いて帰るんだよ!? 怒りのあまり電話もメールも完全無視!! でもどうしても逢いたくて、将太の実家にいきなり突撃すると、将太の許婚という少女が現れて!? 女装男子・絢人&貧乏男子・将太の[受難シリーズ]待望の続編、ついに登場!!
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2.5【電子限定版】描き下ろし番外編「かわいいダーリン」収録。●「住む世界が違うなら、俺がそこまで上り詰めてやる――」仕事ができて人望も厚い、イケメン社長の寺田(てらだ)v 大学時代から片想いをしている御曹司の同級生・若槻(わかつき)に釣り合うようになるため起業した、ハイスペック男子だ。「24時間368日、お前をずっと見守っている!」玉の輿ねらいで若槻に近づく女は、容赦なく口説いて排除!! しまくっていたら、週刊誌に女優とのデート現場をすっぱ抜かれた!? 若槻に軽蔑されると思っていたけれど――!?
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4.6仮面優等生を演じる加賀はヤンキーの早乙女に絡まれた挙句告白される。わけがわからず面食らっているとさらなる驚きが。なんと早乙女は加賀が腕を掴んだだけでアレが勃つほど敏感な奴だった! 撫でるだけでビクビクしたり、照れて赤面したり…。ヤンキーなんか大っ嫌いだったのに、予想外すぎて調子狂う!
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3.4君島兄弟には秘密がある。それは、弟の巧は兄である輝を抱きたいと思っていること。そして、オンナに事欠かない輝が、本当は誰かに抱かれてめちゃくちゃになりたいと思っていること。輝のオンナを抱くことで間接的にでも輝と繋がっていると思い、押さえ込んでいた欲望が解放されるとき…兄弟の絆が狂いだす。
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4.0小さいころから日本にあこがれていた少女・ナターシャは、はるばるロシアから日本へやってきました。右も左もわからない地で、なんとか下宿先にたどりついたのだけれど、そこは昔ながらの駄菓子屋さんで…!? 駄菓子×ロシア美少女の異文化交流コメディ!
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3.6【2巻に電子版特典付き!】「君の尻なら何百万も稼げる可能性がある」昔から男にお尻を触られては相手を殴り、問題を起こしてきた水希。ある日、仕事で出会ったイケメン・東澄にいきなり尻をつかまれ「脱いで見せてくれ!」と迫られた!!いつもの調子でつい手が出てしまった水希は、殴った拍子に百万円のカメラを壊してしまう…。すぐに弁償できない水希に東澄が出してきた条件は『お尻のモデル』になる事!! 渋々了承した水希の尻に、ぐりぐり装飾を挿れてくる東澄。これじゃ掘られるのと変わらなくないか!?でも東澄はゲイだっていうし、嫌悪感を覚えるはずなのにマッサージだと尻を揉まれて気持ちよくなってる自分もいて…。俺、どうしてこいつを受け入れちゃってんの!?
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4.8「俺の童貞、もらってくれません?」結婚を約束していた彼との同棲を解消し実家に戻ってきた茜を待っていたのは、とんだクセモノ男子だった!? 別れた男の趣味で買った下着を身に着け、食えない年下カレとの密事に溺れて……。強がり 背伸び アマノジャク……年下男子の時折みせる、一途な瞳にほだされそう――……!? 究極のギャップ萌えTL登場! ※この作品は「無敵恋愛Sgirl 2017年8月号」に収録されております。重複購入にご注意下さい。
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3.0好きって気持ちもセーエキも、ぜんぶ中に出して! 最近付き合い始めた無愛想な同級生・眞咲と、学校でエロい事ばかりしている羽世。本当はナマでしたいけど彼に嫌われたくなくて!? キスで勃っちゃう学生初H、無垢なお尻を快楽漬けに…小説家×旅先の処女、冷徹な家庭教師×ワガママ御曹司の拘束&調教、朝から晩まで繋がってたい双子の禁忌な関係など、やらしい&キケンな男子オンリー! みなみ遥渾身のエロス作品集の修正版が登場! ※こちらは修正版につき、性描写修正を加えておりますので、18歳未満の方にもご購読いただけます。
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-時期はずれの転校のため、友人の少ない女子高生・清田希世美。ある日、『アヴァベルオンライン』と、それを楽しむ吉乃、アレクサンドラという少女たちと出会い……。大人気スマホMMОRPGがコミックで登場!!
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4.1「お前のこと、ずっと抱きたかった……って言ったらどうする?」ある日、同棲中の彼氏にフラれたえなは、仲のいい同僚・清水の家に転がり込む。外見もボーイッシュでサバサバした性格のえなは、清水と入社当初から友達のように付き合っていた。ある夜、居候中の部屋で彼の意外な一面を見たえなは、清水が男の顔に見えてきて――? 表題作の他、再会、初恋、セフレ……ゲーム会社を舞台に描かれる様々な愛のカタチ。
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5.0まどか達が本屋さんで働くシチュエーションコメディー!部下には厳しく、上司(本部)にはゴマすりを忘れないサラリーマン店長のキュゥべえの下、マギカ堂書店で働くまどか達のおしごと模様をコミカルに描きます。3話分もの描き下ろしが収録された豪華仕様です!!
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5.0青年ノエルはとある骨董屋で手に入れた「遮光型情報端末」を装着し、悲劇と呼ばれた多数の地平線に介入し、“別の結末”へと辿り着く。豪華執筆陣の独自解釈に基づくSound Horizon至高のコミカライズ第1巻! ※本書は、『Nein ~9th story~(1) 限定版』を電子用に再構築した特別版です。
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-人工の女、自然の女 作家は常にストーリーを考えている。女性だ。彼女の担当編集者もまた女性。彼女は時に一人でストーリーを考え、それを今一度確認するように編集者に披露する。今書きつつあるのは、ジェンダーを越境する人物の小説。女なのに男の意識で生きてきた人。女になりたい男。その男から「女であること」の何たるかを吸収したい女。作家の趣味が全国の防波堤を見て回ること、という設定が象徴的だ。防波堤とは、陸の力と海の力が激突する場であり、それは性の境界を思わせるものでもある。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-淡いブルーとスカイブルー 女性同士の出会いと恋愛を描いた短篇小説。女性二人が、もう一人の女性の結婚式に出席するため夜の国道を2台のクルマで、つまり、一人1台に乗って連なりながら走っていく冒頭のシーンからして鮮やかである。1度目は電車の中。2度目はバーで。ごく短い時間のうちに2回会ってしまえば、それは偶然を超えて、運命になる。一人が一人に言う。「誰にも、その人を支配している色があるのよ」。そして一人は、淡いきれいなブルー。もう一人がスカイブルー。二人は絶妙なブルーの相違を互いの内に抱きながら生きる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-誕生日のドアは、一人で通れ 一緒に生活している男女がいる。まもなく男の35歳の誕生日がやってくる。3日後には、今度は女の35歳の誕生日だ。しかし、家の中の空気はおだやかではない。彼と様々な女性との関係がバレてしまったのだ。一つひとつ暴露されているあいだも腹が減ったといっては食事を作り、コーヒーを飲み、書いた小説(男は作家なのだ)をさんざんにけなされてもその小説について悪びれずに語ってしまう男がなんともユニークだ。誕生日、というものが毎年やってくるドアだとすれば、今年は一人でくぐるしかなさそうだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-「ストーリーは過去であり、過去はストーリーだ」 波乗りを好む男が、雑誌の取材でインタヴューに赴く。相手は57歳。その人も波乗りの練達で、しかもその人の祖父こそが、日本で初めてのサーファーの可能性もあるという。加えて彼の家には、日本最古のサーフボードが保存されている。過去はどんどんどこからか湧いてきて「波が呼ぶんだよ」という小説の話、その映画の話、ハワイの話に広がってゆく。「波が呼ぶんだよ」とはまさに片岡義男の小説のタイトルであり、ハワイは作家の父方のルーツである。自伝的要素を巧みにフィクションに混入した、手の込んだ作品だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-嫉妬心から好奇心へ、自分自身へ 愛する人の死。深く、悲しい喪失からこの物語は始まる。自分が表現する才能は無いが、音楽に係わる仕事をしたいと考えた主人公の女性は自分が世に送り出そうと考えていた女性歌手の遺品の整理をし、遺されたノートを見ていく過程で、亡き彼女の「恋愛生活」を知る。親しかったのは自分だけではなかった嫉妬心に震えるが、やがて嫉妬心は好奇心に変わり、トランスジェンダーの魅力を備えた女性、また別の作家の女性まで現れ、そこに身を投げることによって、今まで知らなかった自分の可能性が花開いていく。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-その複数の声を、一人で聞くということ ホテルに一人の女性が滞在している。彼女は朝食を取るために下まで降りていくがウォークマンを携帯させている。そこにはテープが挿入されており、いま、彼女は、その音声をイアフォンごしに聞きながら朝食の時間を楽しんでいる。そのテープには、2週間前に女性3人でさんざんに語り合ったことが録音してあるのだ。その時の熱気。口調。辛らつさとあけすけな内容。それらが朝の彼女の頭蓋の中に響き渡る。そしてその会話のあとの行為についても思い出している…… 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-記憶に残りたい、影響を与えたい、と願う素直さについて 物語の舞台は1950年代と思われる。敗戦から立ち直りつつある東京の発展を考慮して「これからは不動産だ」とハワイから来日した日系二世の男がいる。主人公はその男の息子(18歳)と、隣家の5歳年上の娘だ。父親から言いつけられた庭の整備を通じて二人は親密になるが、やがてハワイに戻る日がやってくる。互いに好意を持っている自分たちを励ますように彼女はある行動に出て、それは翌年、19歳の彼の晴れやかな姿となって結実する。年下の男子に影響を与えたい、と願う健全な女性の思いがまぶしい。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-海をめぐる二つの小説 ビターな味わいの小説である。まずは、おだやかな家族の風景から一転して悲劇が訪れ、しかしその悲劇は小説として書かれたものだった、という仕掛けから始まる。そして物語の視点は、その悲劇の小説を編集者として受け取った男のものとなる。その男は海辺で偶然、かつての知り合いと会い、その知り合いが小説を書こうとしていることを知る。知り合いの書いたものを読んでみると……そこに悲劇は無いが、編集者には不徹底な失敗した小説としか思えない。最初も最後も小説に係わる、あくまでビターな作品である。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-ヒントに近づくのか、遠ざかるのか 結婚をめぐる座談会が複数行なわれ、それらを収録した書籍が作られようとしている。担当者は独身の女性だ。この小説は二部構成になっていて、一部は全員が独身男性の座談会。二部は全員が男性作家の座談会だ。女性との付き合い、友人知人のエピソードなどを持ち出し、結婚、というものについて彼らは縦横に議論を交わす。一部も二部もたいへん饒舌である。この饒舌は虚無か? 必ずしもそうとは言えないが語るのが全員が男性であり、構成者だけが女性というところにもしかすると作家のシニシズムがあるのかもしれない。 【目次】 第一部 第二部 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-縛る、とはどういうことか 二人の女性がいる。その姿、身長、着ている服に共通したものがあり、そして年齢も共に28歳。非常によく似た二人だ。春の夕暮れ、世間ではまだ多くの人が働いている時間に彼女たちはホテルの11階の部屋に入る。ここからが自分たちだけの時間だ。自分たちだけ、でありつつ同時にそこに、二つの道具が挿入される。カメラとロープ。カメラは三脚で固定され、身体はロープで固定される。縛る、ということ、縛られる、ということの果ての無い快感がそこにある。縛ること、縛られることは彼女たちの生き方だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-誰にも知られることなく起こり、そして終わる 主人公は、およそ生活感のない一人の女性。彼女はピストルと、ピストルがもたらす狙撃に興味がある。しかしピストルの入手は日本では許されない行為だからカリフォルニアに渡ってピストルと、自分が持って生まれた狙撃の名手である、という事実を入手する。その後に行なわれる行動は、日常に亀裂を入れたい、という彼女の欲求のままに行なわれ、モラルや感情は一顧だにされない。すべては冷静に、最も怖ろしいままに進行する。そして被害者がすべて男性である、という事実をはたしてどう受け止めるべきなのか? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-それを終わらせるのは銃弾 主人公は殺し屋。女性だ。彼女は、謎の組織からの依頼を淡々とこなす。容赦はない。ミスもない。しかしこの作品ではそうした仕事人としての側面以外にプライヴェートな彼女のパーソナリティも描かれている。彼女の恋人は、男性としての身体機能を残した女性であり二人の愛情に曇りはない。二人はやがて唐突な事件に巻き込まれるが、自力で解決してみせる。さらに彼女の友人との悲しい別れについても躊躇なく判断し、やり遂げてみせる。すべては、銃弾と共に。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-二人しか知らない会話の内容 自信に満ち、幸福な女性二人は共に28歳。二人は熱心な会話に余念がない。コーヒーを飲みながら、あるいはベッドの上で尽きることのない会話はあふれてくる。その内容はズバリ、男性が勃起する、ということの笑ってしまうほどの豊かさについてだ。二人は勃起についての経験を語り合い、女性との係わりについて考察し、それを常に手許に置いておくために模型を作ろうかと話し……彼女たちをあれほど充実した表情にしているものの正体を知っているのは作者と読者だけ(他の作中人物は知らない)だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-やってきて、去っていくアメリカの青 金髪。そして美しい青い瞳。アメリカからジャズ・ピアニストの女性がやってくる。右も左もわからない彼女を迎えに行き、なにかと世話するのは、彼女と同じエージェントに所属する男。彼もまた同じくジャズ・ピアニストだ。アメリカと日本、二つの国で共有されている古い歌、それらの演奏を通じて彼らは親密になり、彼女の日本滞在は心地良いものとなる。しかしながら彼女には、実は壮絶な過去があった。親密になれたからこそ語られたその過去と、ある預かり物を残して、彼女は次なるアジアの国へと旅立って行く。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼は指輪をくれた、彼女は写真を始めた 男性が女性に指輪を贈る、といえばプロポーズ、ということになりそうだが必ずしもそうでない場合もある。しかもその指輪は男性が作ったものであり、波とサーフボードまで精巧に刻まれているとなると、これはなかなかめずらしい事例ではないか。贈ったほうももらったほうも、それから別々の道を歩み、女性のほうは写真の魅力に目覚め、そしてカメラを指輪の上に落として波形をつぶしてしまったことで二人は再会する機会を得ることになった。ところが……その再会が、二人の最後の機会になってしまったのだ…… 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-姉という無限のバリエーション 女は大学教授。男は小説家。二人はホテルで会い、そこで男女の営みをふんだんに行い、ある時は日本の経済や社会構造について長く突っ込んだ会話を交したりもする。いささか奔放な、とはいえそれなりによくあるインテリ同士のカップルといえそうだがしかし、小説の冒頭からこの二人が姉と弟であると知らされる読者としてはやはり戸惑いと共に読み進めることになるかもしれない。弟が書く小説の女性はすべて、この姉なのだという。姉は無限の色彩を持つクレヨンであり、弟は真っ白な紙だ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-眠ったら、けっして目を覚まさない女性の傍らで 28歳の女性がいる。出張先でさんざんな思いをして疲れ果てた彼女は同い年の友人を呼び出し、食事をし、酒を飲み、息を吹き返す。そこに友人の親しい男友達を呼び出し、宴は3人になった。ところで出張から帰って来た彼女にはお酒が入ると眠ってしまうクセがあった。その日もやはり眠ってしまい、残り二人はようやく部屋に運び込む。一度眠ったら絶対に起きない彼女の隣で二人はセックス。そして戯れに、この眠っている彼女に挿入してみよ、とそそのかす。さあ、男はどうする……という、秋の夜長の短篇小説。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-ないないづくしの関係が最高である 姉と弟がいる。何の不思議もない関係だが、ひとたび「男と女」になってしまうと一気に事態は変わる。互いに妻でなく夫でなく、結婚できず入籍できず恋人でも愛人でもなく、知らぬ仲でもなく他人に戻ることもできない。つまり、「姉と弟」でありながら「男と女」であることはそれだけで社会を歪ませるに十分なことなのだ。しかも弟は作家。彼は姉の言葉を、その教えを小説の中に吸収しようとし、その構想をまた姉の前で語り……こうしてますます、社会から逸脱した世界が広がっていく。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-あの瞬間はもはやどこにもなく、そして目の前にあるものはなにか? 作家がいる。作家はストーリーを自分の頭で考えるが何らかの外部からの刺激も必要だ。例えば一人の女性。バーに、あの女性がいたらいいな、と思えばいるし、思いがけず京都で再会したりもする。そんな都合よく……って当然だ、だってこれは片岡義男の小説なのだから。そして女性との会話の中には彼に書くことをうながしたまた別の女性、今では自分も作家になった女性の話題が出て会話に奥行きが生まれる。ある時、タイトルの着想が生まれ、そしてその時間もまた去っていき、さて今、彼の目の前にあるものは? 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-そして十年後も豪雨の日を迎える 女には、恋人と呼んで差し支えない相手がいた。その男が、話をしたい、ということでセダンで迎えに来る。女は激しい気性で、日本車の惨めさについて、戦後日本社会の貧弱さについて意見をぶちまける。やがて天候が変わり、湾岸線を走る車の上に豪雨が訪れる。彼女は豪雨の中、危険も顧みず、途方もない行動に出る……それからちょうど10年後の同じ日。また同じような天候だ。はたして彼女は何を思うのか? 短篇「八月の上半身」に話題としてのみ出てくる女性がここでは主人公。ぜひ、併読をお勧めしたい。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-凧がもたらしたあたらしい時間 一人暮らしの男性がいる。独身。彼には離婚歴がある。出勤前にコーヒーを飲みながら、写真立てを彼は見る。そこにはかつての妻の姿がある。そしてその妻が、凧を手にしていることに気がつく。さて、あの凧はどこにしまったのだったか? 思い立ったら探さずにはいられず、見つかったら、このまま出勤などしていられない。彼は外房の砂浜まで、一人で凧揚げに出かける。過去が急になつかしくなったのか。そうかもしれない。しかしその後、自分でも思いがけない行動に出て、あたらしい時間が始まることになる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼と過ごすこと、撮ること、外出すること 29歳の女性がいる。女優だ。訪ねてきた男性とベッドで過ごし、男性が帰る際はキチンと服を着て見送り、見送った後は自分も外出する。それがルールだが、もう一つ大事な行為がある。撮影だ。彼女は25歳から自分を撮り続け、30歳になったら写真集にまとめようとしている。ところで、彼女が外出して赴く先に、あるバーがある。この短篇のほかに「八月の上半身」「思い出の十二号埠頭」など『人生模様』に収録された短篇はどれも連作短篇としてそのバーと、登場人物の絶妙の重複がある。併読をおすすめしたい。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-彼は賢明な子だ、それにベーゴマがある 34歳の演歌歌手がいる。女性だ。最初の章では主に、彼女のたたずまいが描かれる。37歳になった元プロ野球選手がいる。二つ目の章が、彼の来歴と現在の素描だ。二人は離婚した元夫婦だが、主役は9歳の息子かもしれない。母と父は直接会うことはなく少年は母とホテルに泊まったり、父のほうに預けられる際には親戚にも囲まれたりしている。少年は多くを語らず、大人しいが聞かれたことの回答は明確で聡明だ。それにベーゴマがある。父とその兄から教わったベーゴマを、ほら、もう母親と楽しんでいる。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-男は願い、想像し、そして書いた 片岡作品には、小説を書こうとしている人物がしばしば登場する。さらに付け加えるなら、こんなストーリーはどうだろうかと主人公が想像を思い巡らせている様子がそのまま小説になっている、という形式のものがいくつかある。この作品もまたそうだ。編集者として勤めている雑誌が廃刊の危機にあり、その状況を突破し、想像を巡らせ、そして見事に完成した作品を読者に提示して終わる。本作中にも出てくる他の片岡作品、「海をもらった人」「指輪の中の海」「波が呼ぶんだよ」と併読すると読む楽しみは倍増するはずだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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3.0謎の女を書く ある日、急に目の前に現れ、またある日、まさかこのままになるとは思わず、別れてしまった女がいる。男はそのことを悔やみ、いつまでも忘れられない。そのことをバーの主人に切々と語っているがまさにそのバーカウンターの内側にこそ、その女がいたのだった。女々しい、と形容することは簡単だが、主人はその女を「小説に書きなさい」と言う。書くことで、いつまでも謎の女であり続けるのだ。しかし、その前にまた女が現れたらどうなる? それはわからない。なにしろ男は、まだ書き始めてもいないのだ。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-二度めには道があった 一組の男女がいるホテルの部屋。この小説は、その部屋から一歩も出ない。いや、正確には出るのだ、彼らの頭の中の思い出として。今日は、二人が出会ってちょうど1年目の日。そして女性の誕生日だ。二人の会話は、あからさまに二人がこれまで交わしてきた行為のこと。互いの身体をほめ合い、自分たちの相性を喜び、論じ、時に発見があって、飽きることがない。男嫌いと言われてきた女性が変わったのだ。彼女の中には男性を受け入れる「道」がなかった。しかし2度めからすぐに道ができ、彼は喜んでそこに挿入する。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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-別れた男は今、かき氷を作る 35歳の作家がいる。つい5ヶ月前に離婚し、妻子と別々に暮らすようになった。取材で瀬戸内まで出かけ、東京に帰ってきた彼はふと、かつて3人で暮らしていた家に行ってみようと思い立つ。わずか5ヶ月しか経過していないのに最寄りの駅の様子や商店街、住宅地のたたずまいなどあまりになつかしく、強いときめきすら覚える。ところが……訪ねていったかつての住まいでは意外な経験をすることになる。そしてその後、姉と一緒に住んでいる現在の住まいに帰り、そこで今度は読者が、意外な経験をすることになるのだ…… 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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5.02人の家は、今夜、3人になった 男性の住まいに、居候させてほしいと女性がやってくる。同居しているもう一人の女性の都合でしばらく家を明け渡さなくてはならないようだ。快諾した男性とくつろいでいると彼の姉が帰ってくる。ここは彼と姉の家なのだ。いつもは姉弟の家に、今日はプラス女性が一人。そのあと3人で観る映画がまた、兄弟と女性一人の関係を描いたものだった(この映画、あきらかにある作品を想定したものと思われるが、当ててみてください)。このあと、特別な何かが起きる? 起きない? それはぜひ、読んでお確かめください。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
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