ブックライブの書店員おすすめレビュー

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  • ブックライブ書店員

    誇り高い女学園で繰り広げられる、淑やかで甘美な群像劇。

    明確な主人公が存在しない本作の最大の魅力は、女生徒たちが影響しあうことで交錯する心、揺れる気持ちです。
    例えば「王子様」と呼ばれる少女・佐伯。昔から同性にも「かっこいい」と言われてきた彼女ですが、学園に入ってからは向けられる視線が少し変わったと感じています。その違和感は次第に増し、周囲の視線や言動によって王子様に「変えられていく」という苦しさに変わっていきました。
    そんな佐伯の前に突如現れるのは、滅多に学園に姿を現さない深窓の令嬢・星宮です。窓から飛び降り「ずっと遠くに逃げられるような気がしたのだけど」と言う彼女に、佐伯は一緒に逃げないかと提案。ふたりの少女による、ささやかな逃避行が始まります。

    このエピソードはほんの一例で、他にも魅力あるキャラクターが次々にフィーチャーされます。
    表紙で本作に惹かれた方も多いと思いますが、作中ではストーリーの深みと相まって、魅了させられるシーンが多いです。
    ピンときた方は、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

    2022年09月29日
  • ブックライブ書店員

    「泥田坊」と呼ばれ、奴隷のように暮らしていた夏羽。
    夏羽の住む村で家畜が次々に変死する事件が起き、それを解決するためにやってきた隠神という男と出会ったことで、夏羽の人生は一変します。
    古来よりこの世に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きるもの、「怪物」。
    その怪物と人間の間に立って活動するなんでも屋さんとして、"怪物屋さん"と呼ばれる「隠神探偵事務所」のメンバーとなった夏羽は、様々な人や怪物たちと出会い、成長していきます。
    なんでも屋さんの活動から、徐々に激しい戦いに巻き込まれていくのですが、夏羽の強い意志やまっすぐな優しさが周囲を動かし、だんだん協力者や仲間が増えていくのが熱い!
    屍鬼や化狸、アラクネ、化狐など、たくさんの怪物たちが登場しますが、それぞれが独自の生態系を維持するための工夫をしながら、現代社会の中で暮らしています。人間と協力関係を築いていたり、外界を完全に遮断していたり、多様な暮らし方が描かれているところも興味深いです。
    また、やんちゃで短気っぽいのに実はクレバーな戦い方の識など、意外な一面を持つキャラクターが多く、次は誰がどんな姿を見せてくれるのだろう、とわくわくします。
    妖怪が好きな方、少年マンガらしい熱い作品を探している方にぜひ読んでいただきたいです!

    2022年09月29日
  • ブックライブ書店員

    若く美しい母・静子から溺愛されている中学2年生の静一。
    クラスの女子・吹石に淡い思いを寄せたり、従兄弟のしげると遊んだり
    ごく普通の中学生として暮らしていた彼の日常は
    夏休み中に両親としげる一家との登山中に起きた事故から明確に壊れ始めます。
    事故当時に母が取った行動が信じられず、彼女の一挙手一投足に過敏になる静一。
    静一の心境を知ってか知らずか、吹石と静一の関係の進展を露骨に阻み、抑圧する静子。
    抑え込んでいた苦しみと狂気を解き放ち始めた母と、静一はどう闘っていくのでしょうか?
    事故の真相が明らかになるかどうか、というサスペンス要素もあり、
    とにかく緊張感がすさまじい一作です。

    2022年09月29日
  • ブックライブ書店員

    7年前に姿を消した元恋人・日下部日和(くさかべひより)を忘れられず、合コンで「元カノと結婚したいです」と言い放つトンデモ男・市松海路(いちまつかいろ)。
    世界が注目した若き映画監督としての才能を封印し、公務員として暮らしていた海路の前に
    ある日突然、日和が再び現れた。日和は驚くべき提案を海路に持ちかける…!!

    昔の恋人に思うところがあるという方なら古傷が疼くこと必至な序盤から、とにかく怒涛の展開。
    何を言ってもネタバレになってしまいそうなので、クセ強すぎかつ愛すべき登場人物についてお話させてください。
    主人公である海路の変人ぶりも相当なのですが、その海路の心を捉える日和の存在感が圧倒的なのです。
    浮世離れした美貌とアルカイックスマイル、そして時折発揮されるキラッキラの目力、
    そして何を言い出すかわからない危険さ…ファム・ファタールの名にふさわしい彼女の魅力が物語を牽引します。
    日和からの提案に乗った海路は、彼女の掴みどころのない言動の裏に隠されていた、
    支配的な母親との関係に否応なく巻き込まれていきます……!

    人間の業が織りなす超ハイテンションな悲喜劇、読むなら今です!

    2022年09月29日
  • ブックライブ書店員

    堅実な人生を歩むために、超富豪もイケメンもNG! 

    平和な専業主婦になるために生きてきた、超打算的JK主人公・マリが、平和とは正反対の職業であるイケメンミュージシャンに翻弄される話です!
    マリは若さを武器に堅実な旦那様と結婚することを目標にしているので、「結婚してやるからボーカルになれ」と勧誘してくるイケメンミュージシャン・碧を毛嫌いしており、ヒーローに向けているとは思えない言葉遣い・表情がとにかくクセになります! 大学の文化祭に行きたい理由も、芸能人がゲストだから……ではなく、高学歴高収入の教授を狙うためと、なかなか個性的です!
    長年の夢である専業主婦に向けて今の生活を続けるのか、碧とともにミュージシャンとして生きるのか、マリの出す答えとは……?

    2022年09月26日
  • ブックライブ書店員

    ファン必読!
    2022年夏アニメ話題作「リコリス・リコイル」のスピンオフ小説。

    銃器を用いて秘密裏に犯罪者を処分することを任務とするリコリス。
    いわゆる暗殺者である主人公・千束&たきな。

    本作はそんな彼女らの表の顔というべきか、看板娘として働くカフェ・喫茶リコリコでの日常を中心とした短編集的な内容となっている。

    エピソードごと、シーンごとに様々な人物の視点から描かれる点が面白く、グルメ小説か!?と思ってしまうようなコーヒーやスイーツといったカフェメニューの美味しそうな描写がGOOD。
    一部ガンアクションもあり、こちらも千束&たきなの連携の様子等、臨場感はバツグン。

    全体的に常連客たちとのふれあいをはじめ、人情味溢れるコメディ作品に仕上がっているが、リコリスの装備品や千束の使用銃器、射撃スタイルの解説等の内容も見逃せない!

    2022年09月26日
  • 長年連れ添った夫を亡くした、はな代。
    彼女の夫は悪い人ではないものの、ちょっとズレていたり、はな代のお洒落心に対し「みっともない」と言ってしまう、所謂“古いタイプ”の男性。
    はな代は街中で見かけた化粧品店の店員・堂島芳子(どうじま よしこ)と出会い、夫からの呪いを振り切り、美容やお洒落に目覚め“自分の好きなことをする”という新たな人生をゆっくりながらも歩み始めます。

    美容やメイクは何歳になってもやってよい!というのが主題のように思えますが、この物語のメインは違います!!
    自分の“好き”を見つける物語であり、人生の艶めきは何歳からでも得られることを教えてくれる物語でもあり、麗しいご婦人と可愛いご婦人の淡い想いの物語なのです。

    登場人物の関西口調もあり、物語全体的に流れるゆったりした空気感が心地よく、schwinn先生が言葉選びを非常に意識されているのを感じます。
    また端々に織り込まれたはな代の亡き夫との会話からは現代で言う“モラハラ夫”を感じますが、決してそれを批判するためではなく、今までは心に引っかかりを感じながらも受け入れてきたはな代の強さがそれを受け流しそれでも自分の好きを貫くしなやかな強さへ変化したことを表すために描かれているのです。
    恋愛の多様性、人生の多様性をサラリと描いているところもポイントです。

    物語の中に『花物語』という小説が登場します。
    今作『はなものがたり』のタイトルも『花物語』をリスペクトして付けられたのでは?と思う、物語の重要なアイテム。
    こちらは恐らく大正時代に発表された吉屋信子さんの少女小説かと思われます。
    少女や女性の友愛を描いた物語で、今作のはな代はその世界に憧れを抱いています。
    『花物語』を読むはな代は乙女全開でとにかく可愛らしいのですが、彼女にとって美しく凛とした芳子は憧れの物語の世界に引き込んでくれるような存在なのかもしれません。

    今後、芳子とはな代の関係がどうなっていくのか、彼女達の人生がどう進むのか見守りたいです。

    2022年09月16日
  • 一度夢を持っても、才能がある人を前に己の才能のなさを認識し夢を諦めてしまうことはあると思います。
    自分にはその“役割”は求められていないと割り切り、「自分がダイヤの原石ではないと気付かされるくらいなら誰ともぶつからない方が良い。」
    この物語はそうやって夢を諦めた主人公ふたりが再び自分のやりたかったことに向かって走り出す物語です。

    主人公の宇田川アイア(うだがわ あいあ)は元モデル。メイクアップアーティストになりたいという夢がありながらも、自分にはそれを求められていないと思い夢を諦めていました。
    そんな彼が通うのは芸能志望や美容志望が多い高校。
    毎年行われる葵祭アーティストコンテストは注目のイベントです。
    そこに出演するスタイリストとして半ば押し付けられる形で参加することになった炭崎純(すみさき じゅん)とモデル役の宇田川。
    ふたりとも自分の能力に自信が持てないという共通点がありました。
    宇田川と話す内、炭崎がモデル役とスタイリスト役を交換しようと提案してきます。
    実は炭崎はその身長の高さを活かせないかと小さい頃からウォーキングを習っており、モデルとしての基礎があったのです。
    彼女のウォーキングを見て可能性を感じた宇田川は彼女の提案を受け、逆の役割で葵コンに挑むことを決意するのです。

    物語の展開がスピーディーで勢いがあり、読み始めたらその波に飲み込まれるかのように一気に読み進めてしまいました。
    そして絵が美麗!!
    キャラクター達の表情もとても豊かで魅力的。
    何者にもなれないと諦めていた主人公が夢を探す物語や、才能がある主人公が華開く物語でもなく、「目標を見つけ才能がないとわかったうえで足掻く」というところが今までにない物語です。

    スポーツや演劇などの物語が好きな方には是非読んでいただきたい作品。
    宇田川と炭崎がどう輝いていくのか注目です!!

    2022年09月16日
  • ブックライブ書店員

    主人公の吉岡双葉は中学生の頃に同級生の田中洸に想いを寄せていました。一緒に夏祭りに行く約束をしていた双葉と洸ですが、洸は待ち合わせ場所に来ませんでした。二学期になり、学校へ行くと洸は転校していました。
    高校に入学してからも洸のことを忘れられない双葉でしたが、ある日以前とは雰囲気も性格もガラッと変わった洸が転校してきて…!?二人が紆余曲折ありながらも距離を縮めていく純愛ラブストーリーです。

    THE王道の恋愛マンガ。恋愛マンガが好きな人は絶対読むべき一冊です。お互いが一途に相手を想い、一生懸命恋をする姿がたまりません。お互いの過去を理解し、受け入れながら前に進む二人の関係に注目です。

    青春という言葉がこれほど似合うマンガは他にありません。最近ドキドキしてないなと思った方はぜひ『アオハライド』を読んでみてください。

    2022年09月12日
  • ブックライブ書店員

    幼馴染み兼婚約者・ウィリアムの浮気現場を目撃したセレスティアは、婚約破棄をしたことで「寝取られ令嬢」と呼ばれることに。そんな折、彼女は渋々参加したお茶会で、ゴールドスタイン家の御子息・アランと出会う。後日セレスティアは見目麗しく誰もが見惚れる彼から、なぜか縁談を申し込まれてしまう!?彼の誠実で熱心なアプローチに段々と絆されていく彼女だったが、一度傷ついた心は臆病でなかなか一歩が踏み出せなくて…。
    こんないい男に出会えるなら婚約破棄も悪くない!
    婚約者に裏切られ、男性を信用できなくなっていたセレスティアに対して、アランは何度も気持ちを伝えてきます。特にセレスティアが食べたがっていたケーキ屋さんを男1人で訪れ、彼女の好きなものを必死に考えた結果、大量のケーキを差し入れしてしまうアランは最高にかわいいです!そんな彼の行動に、彼女の凍り付いた心もきっと溶かされてしまうはず。一途に愛される喜びを、セレスティアと一緒に感じちゃってください!!

    2022年09月12日
  • ブックライブ書店員

    「まずは犬らしくお手とお座りな」
    一流リゾートホテルに転職してウキウキなはずの葵(あおい)だったが、現実は夜逃げした父親の借金返済に給料が消えていく日々。そんなときに出会ったのは、リゾートホテルの御曹司・幸村志季(ゆきむらしき)だった。傍若無人な振る舞いの彼を冷たくあしらったせいか、葵はすぐさまホテルの一室に呼び出されることに!?お金を渡す代わりに「お手とお座り」を要求された葵がとった行動とは…?
    この作品、志季がチャラ男のくせしてちゃんとキュンキュンさせてくるのがずるい!!
    志季の最初の頃の印象は横柄で女たらしの典型的なドラ息子。彼を好きになる要素なんてあるのかなと不安になりました。しかし実際は自分の行動を反省して、葵の様子をそれとなく見守ってくれたり、ピンチのときには助けてくれたり。不器用ではあるけれど葵に向き合おうとする姿がかわいらしく、また彼の成長を感じて応援したくなるはずです!お互いに欠けている部分を補い合いながら、ちょっとずつ近づいていく2人の距離をぜひ見守ってください!

    2022年09月12日
  • ブックライブ書店員

    真面目でおっとりした信國さんは、恋愛経験ゼロのうぶな女子高生。
    初めて恋した相手・隣の席の佐々木くんと両想いになるべく、雑誌のコラムを片手に日々勉強、日々実践!
    魅惑的なマシュマロボディや、一人称が「ウチ」&語尾に「~じゃけぇ」というバリバリの方言、素直で一途な性格など魅力いっぱいの彼女ですが、今日も元気にから回り。でもそのピュアさと挙動不審さがたまらなく可愛くて可笑しくて、ニヤニヤしちゃいます。
    (協力してくれるギャルのお友達との関係性もめっちゃイイです…)

    「俺のことが好きな気がする」じゃない、「大好き」だよ!気付いてあげてよ!と思いつつ、進みそうで進まないふたりをずっと見ていたくなる。
    初めての恋に迷走する女の子と、俺のこと好きなのかも…?と思いつつ紳士に接する男の子の、尊すぎる恋模様。
    最高に可愛くてもどかしい、純度100%の胸キュンすれ違いラブコメディです。

    2022年09月02日
  • ブックライブ書店員

    どんなに虐げられても真っすぐ生きる…!令和のシンデレラストーリー!

    家族から虐げられ辛い日々を送っていた主人公・キャスは、ある日妹の身代わりとして世間から「ケガレ公爵」と呼ばれ疎まれている・ジルに嫁ぐことになるが…?

    キャスはこれまで寝るのも床、食べ物もカビの生えたパンと辛い日々を送っていました。公爵家に嫁ぐことになって屋敷に来たものの、そこでも歓迎されず埃だらけの部屋を与えられます。
    そんな中でも、明るく掃除をしたり、固くなったパンでも喜んだりと、真っ直ぐ健気に頑張るキャスを見ると応援したくなりました。キャスがこれからどうやって幸せになっていくのか続きが気になります…!

    また、ジルを悩ませる「ケガレ」とは一体何なのかも謎に包まれていますし、キャスとケガレも何か関係がありそうで目が離せません!
    王道シンデレラストーリーが好きな方はもちろん、王道だけじゃ満足できない!なんて方にもおすすめの作品です!

    2022年09月02日
  • ブックライブ書店員

    こんなファミレスがあったら通いたい!?
    個性豊かな店員たちによるドタバタコメディー!

    子供、子猫、ミジンコのような小さい生き物が大好きな主人公・小鳥遊をはじめ、男性恐怖症で怖さのあまり男を殴り飛ばしてしまう伊波に、常に帯刀しているチーフの八千代さんなど個性が強すぎるファミレスの店員たちが見どころの作品です!
    これだけ個性が強いのだから、接客業に向かないようなとんでもない人ばかりが出てくる作品なのかな?と思うかもしれませんがそんなことはありません!
    普段はしっかり仕事をこなしているけれど、実は一癖も二癖もある店員たちの掛け合いはどれも面白く、現実にこんなファミレスがあったら毎日通うのになぁと思わせてくれます。
    ギャグのテンポもよく、4コママンガであるためスラスラ読むことが出来る作品になっております!
    日常系のマンガがお好きな方やギャグマンガが好きな方におススメです!

    2022年09月02日
  • ブックライブ書店員

    堕落した悪魔たちを更生させるため、カリスマ性を持つ人間を探しに人間界に降りてきた主人公・阿久津雅虎(あくつまさとら)。しかし、候補として勧誘した天音リリーは悪魔の天敵・天使であった。自らの身と仲間を守るためリリーを堕天させんとする阿久津と、野望のため阿久津の更生を決意するリリーの仁義なきハラグロラブコメ!
    はじめは目的のために高度な恋愛心理戦(笑)を繰り広げていくのですが、お互いのことを知っていくにつれて惹かれていく…というお話です。
    ここまで聞くと普通のラブコメかと思うかもしれませんが、実際はラブコメ2ギャグ8ぐらいの割合となっており、随所にパロディ・顔芸などの大量のネタが詰め込まれています。ギャグの中に潜むラブコメ、ラブコメの中に潜むギャグが不意打ちで感情を乱高下させてきます。濃すぎるサブキャラとの掛け合いも魅力的です。
    コメディ寄りのラブコメが好きという方に、ぜひ読んで頂きたい作品です!

    2022年09月02日
  • ブックライブ書店員

    『SKET DANCE』、『彼方のアストラ』を描いた篠原健太先生のマジカルコメディ!

    1話あたり20ページ前後で、ヒロイン・ニコちゃんの魔法を要として、物語が展開していきます。とにかく話がまとまっていて満足感がすごい! 特に、ギャグ回はこの作品の良さが顕著に出ており、1話の中でだれる場所がなく、オチへの着地がスムーズで素晴らしいです! さらに、ギャグ回と一口に言っても、お腹が痛くなるほど笑う回や、あるあるがおもしろい回、おもしろいけれどキャラクターが不憫で切なくなる回など様々な形の「おもしろい」が詰まっています! 
    話の構成、ネタの秀逸さを際立たせる「絵のうまさ」も忘れてはいけません。画力の幅が広い! ヤバい! マンガ家が描いたとは思えない破壊力のある絵も、ゲームのようなドット絵も、一昔前の少女マンガ風も、全部うまいし、それっぽいし、ありそう。

    笑いたい方はもちろん、笑いたくない気持ちの方も、ぜひ読んでみてください!

    2022年09月02日
  • ブックライブ書店員

    心に眠った厨二病を呼び起こす、妖退治物語!

    物語の舞台は烏森(からすもり)という土地。そこには、「妖を引き寄せ、力を与えてしまう」という厄介な性質があります。土地の力を受け、時に狂暴化する妖を、人知れず退治して平穏を守る存在…それこそが「結界師」!

    この作品の魅力のひとつは、個性豊かで深みのあるキャラクターです。
    主人公の良守や幼馴染の時音もさることながら、絶対に外せないのが数多くの敵キャラたち。人間に裏切られた過去、この世への悲しみ、昔の仲間への怒り…どの敵にもしっかりと動機があるので、倒すべき相手にも関わらず、思わず感情移入してしまいます。良守や時音がかっこよく見える理由は敵キャラにもあるのかも?
    そしてもうひとつの大きな魅力が、巻を追うごとに広く、深く展開していく物語です。
    序盤は短いエピソードが多い本作品ですが、平穏な日常とバトルを繰り返しているうちに、気づけば大きく深い事件に巻き込まれることになります。ミクロもマクロも練り込まれた展開は、読了後もきっと読み返したくなること間違いなし!

    烏森はなぜ強力なのか?結界師とは何なのか?数々の謎の真相を、ぜひ確かめてみてください!

    2022年09月02日
  • ブックライブ書店員

    同じ高校に通う同級生の小野と篠原は、お互い好意を寄せながらも友達以上恋人未満な関係を続けていた。ある日、小野は篠原に告白するが、篠原は動揺のあまり返事もせず走り去ってしまった。翌日、ちゃんと謝って返事をしようと考えていた篠原だったが、小野は交通事故で亡くなってしまう。ショックから立ち直れないまま篠原は小野のお墓参りに行くが、そこに現れたのはゾンビとなって生き返った小野。小野は、篠原とのイチャイチャが無ければ生きていけない体になっていた!?

    初めのうちは、意識するだけでドキドキしてしまう二人でしたが、お互いの恋心に素直になっていき、徐々に距離を詰めていく様にキュンキュンが止まりません…!
    また、小野が一度死んでしまった存在だからこそ、一緒に居られるうちに後悔することなく過ごそうとする様が切なく、作品のもうひとつの魅力になっています。大切な人との時間は有限であることに気づかされます。
    ラブコメ好きの方は是非ご一読ください!

    2022年08月30日
  • 主人公の沢渡依子(さわたり よりこ)は周りからAI人間と言われてしまうほど若干空気が読めない…というか、効率重視の行動をしてしまうアラサー女性。
    3年付き合った男性と結婚か!?と思った時に、「お前は結婚に向いていない」と突然振られてしまいます。
    ショックを受けた彼女は、就活のごとく“結婚”という目標に向けて緻密な計画を練るのです。
    しかし中々思い通りにいかない中参加した御見合いパーティーでチャラめの男性エステティシャン結城慧士(ゆうき けいし)と出会います。
    第一印象では相容れないタイプ…と思いつつも、彼の
    「データだけじゃわかんなくない?オレはそこに書いていない事のほうが知りたい」
    という言葉が気になり、なんとカップル成立に。
    しかし結城はサクラとして参加していた結婚願望のない男性だったのです…!!

    描くのは『酒と恋には酔って然るべき』(秋田書店)・『このうちとまれ』(リブレ)で一筋縄ではいかない男性とのじれキュンを描いているはるこ先生!!
    はるこ先生の描く登場人物は、女性キャラクターが頑張り屋で等身大な所と器用ながらもひと癖あり独特の距離感を保ちたがる男性が魅力的。
    今作もなかなかにクセモノで魅力的なキャラクターを描かれています。

    結城との初デートで依子が用意したのはアレルギーの有無や好き嫌い、免許の有無を記載するチェックリスト!
    更に災害時マップまで記載した周辺状況を用意してしまうほどの計画性の高さ。
    普通の男性ならば引いてしまうような行動に対して、結城は引くどころか「すごいね!」と受け入れた上で「焦らずゆっくりお互いを知っていこうよ」と返す余裕まで…!!
    更にはチェックリストも「おもしろいから初デートの記念にもらっておくね」と…!!
    結城はとにかくそつがない!!
    トンデモな行動をしてしまってもそれを受け止めてくれる男性って、ある意味女性の究極の理想のタイプ。
    一見チャラい彼ですが、正にかゆい所に手が届く男性と言えるのではないでしょうか。

    結婚願望もなくサクラとして参加しただけの結城。恐らく最初は依子に対して興味本位で近づいただけかもしれません。
    ですが次第に本気で依子のことが気になってきている様子。
    二人の関係は今後どうなってゆくのでしょうか…。
    結婚に邁進する依子ですが、本当の幸せは果たして“結婚”が正解なのかも含めて、先が楽しみです!!

    2022年08月26日
  • 『月見里』でちばてつや賞 ヤング部門 第79回大賞を受賞し、『GOD OF DOG』でもアウトローの世界を描いた木村航先生ですが、新作『チリアクタ』でもアウトローな男を主人公に物語を描いています。
    ですがアウトローマンガとは一線を画す今作。なんと主人公の芥 修(あくた おさむ)は元ヤクザでありながら自伝的なマンガ「隻眼の阿修羅」を連載する現役マンガ家!!
    物語はそんな芥と、彼の新担当となった新人編集者・三原玲奈(みはら れな)が出会うところからスタートします。

    芥は自身の持ちアパートにヤクザの抗争で親を失った身寄りのない子供たちを引き取り、家族として一緒に生活をしています。
    かつては自身も不遇な境遇で育ち道を踏み外していましたが親友を失ったことをキッカケに足を洗い、マンガを描き、未来に向けて「愛」を繋ぐことにしたのです。
    最初は芥の事情を何も知らず担当編集としてもやる気のなかった三原ですが、彼の家族に対する思いと作品から感じられる本気に次第に編集者として真剣に向き合うようになってゆくのです。

    今作はアウトローな人物を描きながらも「愛」がテーマとなっている上にどの登場人物もコミカルさがあり、アウトローマンガにある“ヘヴィーさ”を感じずに読むことができます。
    編集者の三原は、美人で根性がありプライドも高いのですが、妙に抜けていたり、記憶を引き出す時に耳に指を突っ込み変顔をするという、憎めないキャラクターです。
    芥も、重い過去があり元ヤクザというだけあり時たま背筋が凍るような鋭い表情をしますが、マッチングアプリを真剣にやっていたり、おとぼけなシーンも満載です。
    ですがマンガに対する姿勢は真剣そのもの。
    自分にできることに真剣に向き合う姿勢は漢気を感じます。

    作中で、ヤクザを辞めても現代社会で生きていくには厳しいところが示唆されています。
    そんな状況でも茨の道をかき分け人気マンガ家となった芥。
    数々の辛い経験をしてきたからこそ今があり、心に愛があるからこそそれらを乗り越えられたのでしょう。
    自身が描くマンガのキャラクター同様背中に隻眼の阿修羅を背負った彼が今は家族を背負い、道に迷った人たちを救っていく。新たなアウトローヒーローの誕生です!!

    2022年08月26日