無料版購入済 だんだんと内容が崩壊してきた
amie
2022年01月09日
1巻の冒頭は悪くない感じだった。
天才肌っぽいひねくれ系の主人公に、あまり学校に出てこないミステリアスな同級生の女性…、ありきたりな組み合わせではあるが、悪くはない。
作品のキモとなる能力系は、前世の偉人たちの能力を継承して発揮するというもの。
発想自体は「サタノファニ」と似た感じではある...続きを読むが、本作の連載開始の方が3年ほど早く、こちらが本家というところか?
となると、目の付け所は悪くない。
が、読み進めていくと、当初の設定からかなりの変更点が目につくようになる。
まず、ヒロイン灰都。
当初、「ミステリアスで得体のしれない感じ」の雰囲気を出していたはずが、数話であっさり崩壊、よく話すしよく懐くし、ギャグパートまでこなせる普通のキャラになってしまった。
「才能」からしても、寡黙でミステリアスな存在の方が良かったように思う。
ストーリーの進行にギャグもこなせるキャラが必要だったとしても、別キャラを用意すれば済んだのではないか?
主人公のキャラも同様。
寡黙な天才肌というキャラだったはずが、天才かどうかも分からない、タダの眼鏡陰キャになりつつある。
内に秘めた野望はなかなか興味深いが、3巻あたりからはギャグキャラもこなすようになってきてしまった。
「才能」も変化。
最初は前世のキャラが持っていた能力を付与されるというものだったのが、いつの間にか前世のキャラそのものになり(ただ、性別等は別)、さらにその能力も実際の過去の偉人が持っていた能力を大きく超え、単に連想される能力へと変化。
ストーリーも同様。
3巻あたりから舞台も含め、なんでもありの様相を呈するようになり、1巻最初の世界観とは大きく異なるようになってきた感がある。
要は、「なんでもありの設定」になってきたという感じであり、これらの変化は特に3巻からがひどい。
勝手に邪推するならば、紙媒体の「コミックブレイド」で連載開始したものの、わずか3話で同誌がWEB雑誌化し、本作自体は「コミックガーデン」というやはりWEB媒体の別雑誌に移行したことが効いているのではないかと思われる。
ともあれ、連載当初の雰囲気とはかなり趣を異にしており、安易な展開になっていることが残念に思えた。