ブックライブの書店員おすすめレビュー

すべて のおすすめレビュー

  • ブックライブ書店員

    主人公の成瀬七海は、日本を代表するアイドルグループ「青春純情乙女ガールズ」で13年間活動していた元アイドルの無職(28)。
    人生の約半分をアイドル活動にささげた彼女にとって、「青春純情乙女ガールズ」は人生そのものであり、人生最高の夢でした。まだアイドルでいたかった、夢の終わりを見たくなかった七海にとって、アイドルをやめた今は「何もない人生」です。

    ある日の夜、廃校になってしまった母校の小学校に忍び込んで、たった1人で泣いていた七海。そんなとき、同じく学校に窓から忍び込んできた高校生・日下直人と出会います。直人との出会いによって、七海は少しずつ笑顔を取り戻していきます。惹かれ合っていく2人でしたが、どうやら直人は七海のことを年下だと勘違いしているようで…?

    青春時代をアイドルとして過ごしてきた当時の七海は、「ふつうのおんなのこ」とは程遠い存在でした。ではアイドルを辞めたからといって、「ふつうのおんなのこ」に戻れるのか?と訊かれれば、そんな簡単な話ではありません。普通の学生生活も恋愛も、アイドルじゃなければ体験できたかもしれないことを、七海は知らずに今まで生きてきたのです。
    そんな七海にとって人生初めての恋や、少しずつ「ふつうのおんなのこ」として生きていこうとする姿は、きっとあなたの心に響くはず。繊細で温かみのあるこの作品、ぜひゆっくりお楽しみください。

    2024年08月30日
  • ブックライブ書店員

    事故物件の元凶と交渉!? 幽霊たちと織りなす新感覚ホラーコメディ!
    霊感体質の売れないホラー漫画家・南無夢人の転居先には、長年住みついた幽霊がいた。他人と暮らすのが苦手な南無は、幽霊に出て行ってもらうため、交渉を持ち掛けることに…。
    幽霊との対話だけで事故物件の問題を解決させてしまう南無。その機転の利く解決方法に脱帽です…。生前の経験に縛られた幽霊たちが、南無の提案で新居を見つけることが出来ただけでなく、より満足した住処で暮らすことが出来ているところに、南無の手腕を感じました。生き生きした幽霊たちを見ると、ついつい彼らの新生活を応援したくなってしまいます! そして、独特な雰囲気をもつ南無ですが、一貫した行動からはカッコよさを感じます!
    怖くない魅力的な幽霊たちが描かれているので、どんな方でも楽しめる作品です!

    2024年08月30日
  • ブックライブ書店員

    「俺妹」『エロマンガ先生』の伏見つかさ×かんざきひろタッグによるTSドタバタラブコメ!

    非の打ち所がない、誰もが羨む“持てる者”である主人公・八隅千秋には唯一の悩みがあった。
    それは女子にまったくモテないこと。

    高校入学を機にモテモテになることを心に誓った千秋だが、マッドサイエンティストな姉・夕子の実験体として女の子になってしまう。
    さらに双子の妹・楓も局所的に男の子になってしまい、さあ大変!

    序盤からギャグ/コメディに全振り。
    TS・下ネタ・百合?妹?幼馴染?
    どこかポンコツなキャラクター達。
    要素多すぎ尖りすぎなハチャメチャっぷりでありながら、しっかり王道ラブコメのようにおさまるのはさすがの伏見つかさ。

    既存の伏見つかさ作品が好きな方はもちろん、コメディ作品が好きな方にもおすすめ。

    2024年08月29日
  • ブックライブ書店員

    この作品からBLに堕ちた人累計100,000万人突破!(※私調べ)
    一般人をも沼に引きずり込む、作りこまれた謎が謎を呼ぶ緻密なストーリー、圧倒画力、そしてアルトとエルヴァの切なく揺れる恋愛模様・・・すべてが混ざり合いあまりに美しく切ない。人はあまりに美しいものを見ると涙がでるんだ・・・知らない間に1000回ぐらい泣いてます・・・。そして終盤を迎えた今、全部をひっくりかえす衝撃の事実が明らかになり、1巻から読み返して大号泣の日々です・・・!!!

    短命の人を寄せ付けないエルヴァが、年下ワンコのアルトに長年つきまとわれているうちに、どんどん絆されて好きになっていく過程が胸キュンすぎて、全人類、大好き~~~!・・・なのはもちろん、一途に思い続け、島の偏見や常識からエルヴァを守るアルトの健気さにもキュン・・・!!!両方がキュンキュンさせてくるのですぐ心臓がダメになります。。
    それになんといっても、海からくる化け物の正体、アルトの治癒の力の真実、島の謎・・・すべてが明らかになった今が読むチャンスです!!(単行本で読んだ後に分冊で最新話まで追うのがオススメです!)

    2024年08月29日
  • ブックライブ書店員

    切ない・えっち・おバカに癒され・えっち・笑い・えっち・切ない・えっち・・・色んな感情とえっちの無限サンドイッチ!!!
    バリタチ風俗店長・貴宏と売れっ子ノンケホスト・レオの、ゲイとノンケのすれちがいに胸が締め付けられる・・・・が、その後の本気全開えっちの圧がすごすぎて、最高。ニチャァ笑顔になってしまう。。。
    えっちの時の手描きのセリフがとても多くて、臨場感がハンパない!これがBL界の4DXや~!!もはや音も空気もセリフも聞こえてくるレベル・・・すごい・・・見えるぞ・・・聴こえるぞ・・・このBLッ・・・!(ドドドド)

    えっちだけでなく感情の動きを描くのがとても上手で、ノンケだけどちゃんと「好き」だと証明したくてあたふたするレオの心情と、ノンケだから心が離れていくかもと悩む貴宏のすれ違いっぷりに胸キュン死に・・・!
    ストーリー+汁気えっちを求めるならこの作品おすすめです!

    2024年08月29日
  • ブックライブ書店員

    長い幼なじみ期間を経て付き合った千秋と和馬。
    別々の大学になったことで、幼馴染のころとは違い自分の知らない人と絡むお互いに、嫉妬したりやきもきしたり・・・・甘酸っぱい両想いにきゅんがすぎる❤不安になって焦ったり、誰にもとられたくないって気張ったりなどなど・・・より通じ合う二人がたーーっぷり見れて幸せの玉手箱・・・!親の問題はまだ未解決のところもあるけど、支えあってく2人に心が温まります。
    『いつか恋になるまで』の続編ですが、単品でも読めます!

    2024年08月28日
  • ブックライブ書店員

    湿度100000%のねっとり汁気ガン盛りのとにかくえっち!!!!!の一言につきる!
    いじわる溺愛系リスナー×真面目だけどえっちな配信者BL❤

    配信きり忘れから始まる2人の関係、脅迫もどきをしてガンガン距離を詰めてくる攻のクロがとにかくかっこいい~~~!!いじわるだけど優しくて、言葉攻めえっちのさなかに優しくしてくれたり、余裕がなくなったりともう最高・・・!ぐずぐずにとろけさせられちゃうシロが可愛すぎて❤個人的にハメ撮りシーンが大好きです!

    2024年08月28日
  • 主人公の山鼠(やまね)みや子は、父親の死後、実家の銭湯「小梅湯」を引き継ぎます。しかし、父親が遺した1千万円の借金が発覚!
    そんな中、ヤクザの蛇塚(へびづか)が現れ、借金の取り立てに来ますが、彼はなぜかみや子に優しく接し、共に借金を返済することを提案します。
    彼の助けを借りながら、みや子は銭湯を再建し、借金を返済するために奮闘しますが、蛇塚はみや子に対してなにやら執着があるようで…!?

    蛇塚の狙いは一体…。みや子と銭湯はどうなってしまうのか…!?

    タイトルだけ見ると、もしかしてイケナイお店で働かされる物語!?と思いそうですがご安心ください。
    銭湯を舞台にした、“最高”が詰まったラブコメ作品です!!

    この作品にはとにかく“可愛い”が詰まっています。
    主人公であるみや子の表情がコロコロと変化するところが可愛い!!
    1千万円の借金を肩代わりという絶望的な状況にも関わらず、自分の大切なものは自分で守ろうとする頑張り屋さんなところも可愛い!!
    そんなみや子への一途な思いが漏れ出てしまっている蛇塚が可愛い!!
    みや子の他意なき一言に一喜一憂してしまう姿も可愛い!!

    蛇塚のみや子への思いはかなり重めな気配がしますが、みや子がちょっぴり天然なせいでちょうど良いじれったさを演出しているところが良いのです。
    溺愛過ぎてお腹いっぱいになるのではなく、適度な焦れキュンが詰まっているので、かゆい所に手が届くようなラブコメになっています!
    会話のテンポも良く、ギャグとラブのバランスも絶妙で、ゆる~く楽しめる作品です。
    ふたりの関係が今後どう進展していくのか楽しみです!

    2024年08月28日
  • 母を亡くしたばかりの高校生・源間 菊光(げんま きくみつ)、彼女は親戚の家に居候していますが、彼女の父親が「悪魔」であるため親戚から煙たがられています。
    悪魔の強大な力と人間の優しき心を併せ持つ二世である彼女は、人間の世界でどう成長していくのか…!?

    作品全体に漂う独特の空気感と違和感に引き込まれました。

    その雰囲気を作り出しているのは、ユニークなキャラクターたちです。
    まずは主人公の悪魔二世である源間さんをご紹介します。

    彼女は普段、普通の高校生として過ごしていますが、その行動はどこか俯瞰的です。
    一見馴染んでいるように見えますが、人間を観察し、学び、演じているかのようなところがあります。そのため、他の登場人物との会話にもどこか違和感が漂います。
    そんな彼女ですが、人間を守るために悪魔と対話し、時には悪魔を退治します。
    彼女は悪魔二世であるためか、基本的なスタンスは人間寄りですが、最終的には独自の正義感で行動しており、その判断は非常に現代的な印象を受けます。

    次に、源間さんの同級生である河城くんをご紹介します。
    彼は人間でありながらも、悪魔に侵された人や状況を目の前にしても冷静さを保つ逸材です。
    源間さんの異常さを目撃してもそのまま受け入れる彼の姿勢は、器が大きいと取るべきか変わり者と取るべきか、悩むところ…。
    それでいて、バイト先の店長を心配して怪しげなセミナーに付き合ってあげたり、人の弱さを利用する存在に対して真剣に怒ったりと感情に揺れ幅があり、源間さんと対照的な描かれ方をしています。

    ホラーとユーモアの絶妙なバランスもこの物語の魅力です。
    悪魔によって引き起こされる事件はホラー的な要素を含みつつも、人間の心の弱さや身近に潜む恐怖などを描いています。
    そんな怖さがありながらも、軽やかなテンポと前述したようなユニークなキャラクター達によって読み口がライトになっており、ジワジワと読者の心に沁みこんできます。
    読めば読むほど味わい深くハマっていく作品です。

    今回がデビュー作とは思えないほどの期待の新作です。
    今のうちから是非チェックしてください!!

    2024年08月28日
  • 霊が視える高校1年生のニケこと二家光(にけ ひかり)。
    彼女にとって霊が視えることは当たり前の日常でした。
    ある日、最近学校に来ていない同級生のネモこと根元久楽(ねもと くらく)の家を訪れると、そこは元気な霊たちであふれていました。
    ネモの指摘によってニケには人間と霊の区別がほとんどついていないことが判明。このままではニケの命が危なくなる可能性も!?
    そこでニケは日光アレルギーであるネモの日よけになる代わりにおばけよけになって欲しいと頼みます。
    ふとした再会からはじまる摩訶不思議なラブストーリー!!

    描くのは『君に届け』の椎名軽穂先生。
    『君に届け』とは全く異なる読み口の作品に驚きました。

    実は読み始めた時には普通の学園ラブストーリーだと思いました。
    ですが次第に「あれ?なんか…おかしいぞ?」いう違和感を覚えはじめます。
    そして判明する、画面に描かれている人物が必ずしも生きている人ではないという衝撃!!
    「いや、そんなことある!?」とツッコミたくなりますが、この物語はオカルトギャグではありません。
    オカルト要素を盛り込みながらもしっかりとしたラブストーリーであり、人間ドラマを描いているのです。

    霊も怖い表現で描かれるのではなく、とにかく元気そう。
    読んでいて怖さは感じませんのでホラーが苦手な方でも大丈夫です。

    気持ちも行動も真っすぐなニケとこじらせ気質のネモのコンビが微笑ましく、今後の展開に期待大です!!
    さらに各所に散りばめられている、ニケの秘められた過去も気になるところ。

    椎名先生の新境地をご堪能ください!!

    2024年08月28日
  • 隕石が衝突し荒廃した地球。
    さらにはスカベンジャーと呼ばれる人間を主食とする奇形生物の増殖により、人は大地を捨て天へと暮らしを発展させていました。
    下層に残された人々は中層区域管理組織【国土浄組合】に支配されており、そこで血の繋がらない姉と上層を目指して懸命に生きる主人公のニチカ。彼の体には本人も知らない秘密が…!!

    様々な困難や敵と対峙しながら、ニチカ自身の過去や真実に迫る物語!!
    最下層から成り上がり?這い上がり?幸せを掴むことができるのか…!?

    描くのは『曇天に笑う』『煉獄に笑う』の唐々煙先生!!
    圧倒的な筆致は「さすが」の一言。
    世界観の表現力はもちろんのこと、キャラクターの生き生きとした描写が素晴らしいです。

    最初は自分自身が何者かも把握していなかったニチカ。
    彼の成長とともに、世界の謎や隠された真実が徐々に明らかになっていきます。
    様々な能力を持った個性的なキャラクター達も魅力的!
    スカベンジャーや組合とのバトルシーンはとにかくカッコイイ!!

    家族愛や友情、成長、そして人類の生存と進化も描かれており、バトルマンガとしてもファンタジー作品としても存分に楽しんでいただけると思います。

    果たしてニチカは姉の仇を討ち、上層部に革命を起こすことができいるのか!?
    奈落で強く生きる主人公を描いた『ガチアクタ』が好きな方には特におすすめの作品です!!

    2024年08月27日
  • ブックライブ書店員

    狂気的なまでの純粋さは二人の関係を壊すのか? すべてが美しくてしんどい……!! 歌舞伎青春ストーリー!

    歌舞伎役者の養子だが演技がドヘタな照親。そんな照親と幼馴染で歌舞伎の天才的な才能を持つが、女であるがゆえに舞台にあがることができない邦。照親は、邦を間接的に舞台にあげるべく、邦の演技を模倣して賞賛を得るが…。

    純粋さって時に狂気ですよね。まっすぐすぎると余計に。
    純粋な気持ちが裏付けになっているからこそ言えないこと。相手のことが人間として好きだから言えないこと。おそらく皆さん経験したことがあるのではないでしょうか。
    照親と、邦。この歪な関係性は果たしてどうなっていくのか……もう目が離せません!

    歌舞伎の艶めかしく美しい表現とストーリー性、そして、主人公たちの光と影を持った彩りある感情が重なり、今最高に熱いマンガとなっているので、ぜひご一読ください!

    2024年08月26日
  • ブックライブ書店員

    超絶ねっとり焦らされドS指示ボイスときどき優しみえっち……ドSSSS級えっちオブザイヤーを獲得した(※私の中で)全人類がHAPPYになる要素しかないBLです。

    隠キャエロ配信者×陽キャリスナーの大学の同級生BL!冒頭から最後までたっっっっぷりコーンにまでぎゅうぎゅうに詰まったソフトクリームのごときえっちがつまってます。
    攻も受もいつも照れ照れで、毎度初えっちみたいな緊張感が漂っており、処女厨としては1冊で5都市初夜ツアーを回った達成感がすごい・・・!
    配信者攻なので、BLCDを聞いているかのような錯覚にも陥り、1度で1000粒美味しいです。もう絶対絶対絶対読んで欲しい。。。
    しかも2巻になっても初心な鮮度を保っていて、奇跡・・・・ッ!付き合ってる2巻もまとめておすすめ!

    2024年08月26日
  • ブックライブ書店員

    「知らなかった 自分の中にこんな獣がいるなんて」
    高卒で入社して3年目の彩はまだ20歳。初めての後輩・火賀くんの教育係に任命されたはいいけれど……彼は彩より6歳も年上で!?
    人当たりがよくて大人な火賀くんと、背伸びして先輩であろうとする彩ちゃんのギャップがとてもかわいくて、終始癒される作品です。でも、大人に見えた火賀くんも、実は心の中で葛藤していて……? 好きだからこそ大切にしたい気持ちと、好きだからこそ触れたい・自分のものにしたいという矛盾した気持ちの中で、誠実に彩ちゃんと向き合う火賀くんはやっぱり大人だなあと思います。
    年上だけど後輩ポジ男子の、敬語とタメ口の使い分けに身もだえすること間違いなしな本作品、年上男子好きも年下男子好きもトリコにしちゃう火賀くんの破壊力を、ぜひ皆さま感じてみてください!

    2024年08月21日
  • ブックライブ書店員

    ドラマ・映画も大ヒットした、究極の騙し合いゲーム!

    バカ正直な大学生・神崎直のアパートに、ある日突然届いた小包。送り主は、心当たりのない「ライアーゲーム事務局」。不思議に思いながら開けた、その箱の中身は、なんと現金1億円。
    この日を境に、神崎直は、人を欺くマネーゲーム「ライアーゲーム」に巻き込まれていきます。

    戸田恵梨香さん × 松田翔太さんの実写ドラマ・映画も話題を呼んだ本作。
    魅力は、何といっても天才詐欺師・秋山深一の頭脳を駆使した戦い方です。
    冷静な判断力と卓越した洞察力で、どのゲームでも、読者が思いもよらない必勝法を編み出します。
    それだけでなく、実は情に厚い一面も持ち合わせており、良心を捨てていない敗者に対しては必ず救いの手を差し伸べるのです。
    そして、人を信じ抜こうとする神崎直と共に、「ライアーゲーム」の真の目的に迫っていきます。

    金のためなら人は平気で噓をつく。
    そんな人間の本性を暴く、騙し合いの世界に、あなたも。
    「ようこそ、ライアーゲームへ」

    2024年08月21日
  • ブックライブ書店員

    ビルマ英軍収容所での日常。
    敗戦後の強制収容所という特異な環境を綴った本著。私は、中盤の「捕虜の見た英軍」以降の章がグローバリズムを推進する社会を生きるうえで様々な気づきを与えてくれると感じた。
    著者は、支配者層であるイギリス人から人種差別を受けているが、同時に旧日本軍を監視する支配層に近いビルマ人とインド人から、日本人というだけで羨望の目を向けられるというあべこべな環境に身を置いていた。そのため、イギリス人からは人種差別を受けるも、ビルマ人とインド人に対しては人種差別意識を持っていた。そのような立場だからこそ、それぞれの人種の価値基準となる文化を身体性や土地柄などから見出している。
    多様性やグローバリズムを語る中で、文化の差異は避けて通れない。しかし、自国の文化に意識的になることはとても難しい。文化とは何かを考えるうえで、本著のエピソードは指針になるのではないだろうか。
    また、戦争の凄惨な情景と馬鹿馬鹿しさ。日本での戦争経験者が少なくなっている今、戦争体験ないし敗戦は国民に何を与えるのかを知るのに最適な本だ。

    2024年08月21日
  • ブックライブ書店員

    家庭は子どもにとって最小単位の社会である。その社会が荒れ果てていたら、どうすればいいのだろう。子どもにできることは何もなく、ただ環境に順応していくしかない。たとえ、その環境が異常だったとしても。

    兄は不良で、母はどこかずれていて、自分は不出来。そして、家はプレハブ。極貧家庭で育ち、兄と母に振り回され、だんだんと変調をきたす春人。早く兄と母から逃げ出したくて、大人になることを望んでも、9歳の春人にはまだ長い道のりが必要だった。

    《ほぼほぼ実話》と書いてある通り物語は淡々と進み、誇張表現を選ばない。同作者の『100万円の女たち』や『俺はまだ本気出してないだけ』と同様に、悲劇を悲劇として消化せず、一つの出来事として記述する。特に今作はその表現が光り、自分1人ではどうにもならない不条理に対して麻痺し始める春人の感覚とリンクする。セリフにも絵にも何も無駄がないことで漂う冷たい温度感は、彼の家族ないしは社会への不信感だろう。彼にしか描けない、強い作品だ。

    2024年08月21日
  • ブックライブ書店員

    ハイ、最高です。もう青春と青春と青春の豪速球ドストレート場外ホームラン100000点。
    三角関係のドロドロがメインと思いきや、とんでもない!期待するシーンも盛り込みつつ、元相棒と現相棒の攻同士に絆や認めあったりする所があって、もう眩しい・・眩しすぎる・・・光の三角関係すぎませんか・・・。もうこれは新しすぎる三角関係の形を構築している・・・。

    そして真琴がずっと鷲介一筋なのが、本人に伝わらずもどかしいッ・・・!全員の好きがお互いに届かずすれ違う、切なくて美しい珠玉の野球BL!続きが楽しみです!

    2024年08月13日
  • ブックライブ書店員

    お正月に親戚の集まりで孫が話す英国留学体験を聞いて「一生に一度でいいからイギリスに行きたい。お姫様のような旅がしてみたいわ」と言い出した80歳越えの祖母。そして、そんな祖母の願いをかなえてあげたい伯父たちが費用を負担してくれるという、それはそれはゴージャスな「ロンドンお姫様旅行計画」に乗った孫。祖母と孫、2人きりでの5泊7日のロンドン旅行、その顛末は…?
    本作は、「最後の晩ごはん」シリーズの椹野道流さんが書かれる、まるでよくできた小説のような、たった5泊7日とは思えない濃さの旅行記です。私は英国好きなので、タイトルにひかれて読み始めましたが、途中で何度か泣かされ、最後はしみじみと自己肯定感について考えさせられるという、単なるトラベルエッセイとは一味も二味も違う1冊でした。作中の孫である作者は、今のように簡単に画像や映像が残せない時代の記憶をたどって書かれたことで、この旅のことも今は亡き祖母のことも多少美化されつつも見つめ直されて、今だからこそ、このようなエッセイとして昇華されたのだろうと思いました。そして、人をもてなすとは、努力と自信とは、贈り物とは、謙虚と卑下とは…などについて考えさせられました。個人的には、今はもうない、かつてロンドンにあった日系デパートにかかわるお話を非常に懐かしく読みました。
    誇り高いおばあさま、ホスピタリティの権化としか言えないCAさんやホテルスタッフたち、あらゆる登場人物の金言にあふれた本作は、折に触れて何度も読み返したくなる1冊になること間違いなしです。ロンドンが大好きな方はもちろん、豪華な海外旅行に触れてみたい方、高齢者との接し方に悩んでいる方、おもてなしの神髄を知りたい方など、どなたにでも読んでいただきたいです!

    2024年08月08日
  • ブックライブ書店員

    あまりにもリアル。こんなBL見たことない。。
    ドラマチックな展開やロマンチックな出逢い、壮絶な過去、胸キュンキュンセリフ、そういうマンガ的要素を感じさせずに、リアルにそこにある惹かれあう二人がいて……。この二人生きてる………?と錯覚するほどの、圧倒的な距離感や感情の描写力がすごい。世界観に飲み込まれます。

    出逢いこそ奇特だった二人が、その後着実に距離を縮めていき、自分のトラウマをさらけ出すところ、新しい自分に変わっていくところ、そういったものがごく自然に丁寧に描かれていて、えっちまでたどり着くまでの過程が素晴らしい…!
    誰もが誰かの影であり、光であるとわかる素敵な作品です!

    2024年08月06日