アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界

アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界

858円 (税込)

4pt

4.4

英軍は、なぜ日本軍捕虜に家畜同様の食物を与えて平然としていられるのか。女性兵士は、なぜ捕虜の面前で全裸のまま平然としていられるのか。ビルマ英軍収容所で強制労働の日々を送った歴史家の鋭利な筆はたえず読者を驚かせ、微苦笑させつつ西欧という怪物の正体を暴露してゆく。激しい怒りとユーモアの見事な結合がここにある。強烈な事実のもつ説得力の前に、私たちの西欧観は再出発を余儀なくされるだろう。

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アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界 のユーザーレビュー

ビルマ英軍収容所での日常。
敗戦後の強制収容所という特異な環境を綴った本著。私は、中盤の「捕虜の見た英軍」以降の章がグローバリズムを推進する社会を生きるうえで様々な気づきを与えてくれると感じた。
著者は、支配者層であるイギリス人から人種差別を受けているが、同時に旧日本軍を監視する支配層に近いビルマ人とインド人から、日本人というだけで羨望の目を向けられるというあべこべな環境に身を置いていた。そのため、イギリス人からは人種差別を受けるも、ビルマ人とインド人に対しては人種差別意識を持っていた。そのような立場だからこそ、それぞれの人種の価値基準となる文化を身体性や土地柄などから見出している。
多様性やグローバリズムを語る中で、文化の差異は避けて通れない。しかし、自国の文化に意識的になることはとても難しい。文化とは何かを考えるうえで、本著のエピソードは指針になるのではないだろうか。
また、戦争の凄惨な情景と馬鹿馬鹿しさ。日本での戦争経験者が少なくなっている今、戦争体験ないし敗戦は国民に何を与えるのかを知るのに最適な本だ。

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    Posted by ブクログ

    アジア•太平洋戦争に負けた日本は、各国に散らばった兵士たちが日本に帰国することが出来ず、現地でそのまま捕虜(既に戦争には負けているから敗残兵として収容された)となり、何年も労働に従事した。中でも終戦間際にソ連軍が大挙押し寄せた満州方面では、57万人以上がシベリアや中央アジアに連れ去られ、戦後何年も抑

    0
    2025年06月23日

    Posted by ブクログ

    なんとも言えない。多面的で変化するものであることが人間であるといったことだろうか。真に共感はし得ない心が描写されていた。

    0
    2025年03月06日

    Posted by ブクログ

    「西欧の人種差別意識を暴き出した名著」となっていて、確かにそうなのだが、西欧批判の書としてよりも、日本人、イギリス人、インド人、ビルマ人など、それぞれの文化を持った人間の考え方の違いが、作者の経験したことのみをフェアに書くことによって、よくわかる面白さというか、興味深い文化論・文明論になっていて、多

    0
    2018年04月08日

    Posted by ブクログ

    アルカトラズ島の刑務所とかグアンタナモ収容所みたいなイメージだったが、読み始めて気付く。アーロンって何だっけ。これは戦後捕虜の小松真一による『虜人日記』やシベリア抑留のような話で、ビルマの英軍による収容所の記録だ。

    著者が書いているように、ビルマで英軍に捕虜となったものの、ほとんど日本で知られてい

    0
    2025年05月01日

    Posted by ブクログ

    Human beings are recognized (authenticated)by “ideology”.

    ①「東洋人に対する彼らの絶対的な優越感は、まったく自然なもので、努力しているのではない。」
    →英軍の東洋人に対する家畜化は、英国の当然のイデオロギーによって疑う余地もなく遂行されてい

    0
    2023年11月15日

    Posted by ブクログ

    戦時には、民族、国柄、文化の違いが剥き出しになるが、それも一律ではなく各自の個性が現れるものということか。
    英国人が有色人を人間として見ていないというのはあるが、ソ連のシベリア抑留とは大きな違いは、民族性の違いか、政治体制の違いに依るものか?

    0
    2025年02月14日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    記録・実話として大変貴重な、価値のある本です。
    本書は色々な人の本で引用されていましたので、以前から読んでおかなくてはいけない本だと思っていました。
    聞きしに勝る、想像を絶するというか、これが日本人に対するイギリス系の人間達の本性なのだと思わされました。
    捕虜体験により、それまで日本で接していたイギ

    0
    2022年11月12日

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