あらすじ
ヴァイキング達が跋扈する11世紀北欧を舞台にトルフィンが本当の戦士を目指す物語。父親の仇を討つために過ごした幼少期、奴隷として農場で過ごした青年期を経てトルフィンはヴィンランドへの渡航を本格的に模索するようになる。北海最強の武力集団・ヨーム戦士団の居城・ヨムスボルグを中心にバルト海が戦火に包まれたヨーム継承戦争にまきこまれたトルフィンだが、辛くも戦争を生き抜いた。東ローマ帝国への交易で莫大な資金を調達したトルフィン達一行はアイスランドに帰郷。故郷のアイスランドで結婚式を挙げたトルフィンとグズリーズはヴィンランド移住計画の賛同者を募る。そして、ついに約束の地・ヴィンランドへ辿り着く。ヴィンランド開拓を進めるトルフィン達の前に、先住民族のウーヌゥ人が現れ、動揺するアルネイズ村の一行。ウーヌゥ人と友好を望むトルフィンだが、イーヴァルなど一部の人間はウーヌゥ人との交流に懐疑的。しかも、イーヴァルは禁止されている「剣」を持ち込んでいた。一方、ウーヌゥ人の長老ミスグェゲブージュは「儀式」を行い、トルフィンらノウド人がもたらす破滅の未来を予知する。そんな中、グズリーズの妊娠が発覚、そしてついに、ヒルドは憎しみを解放し、トルフィンを赦すことを決意する。大いなる希望と一抹の不安を宿し、ヴィンランドの麦は燦然と輝く。
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北欧を舞台にしたヴァイキングの物語。主人公・トルフィンの少年時代は、殺された父親の仇を取ることだけが生きがいでした。少年ながらに、侵略・略奪・戦争を繰り返し、その過程で人を傷つけることを平気に感じてしまう。そんな彼が、戦って、成長して、失望して、希望を見つける過程が、ゆっくりと描かれていくマンガです。
「世の中から……戦争と奴隷を失くすことは、できないもんかな…」
いつしかトルフィンは、そんな夢を口にします。
ヴァイキングとしての過去の過ちを悔いながら、殺してしまった多くの人の魂を背負って夢に進むトルフィン。彼を通じて「本当の強さとは何だろう」という問いに対する答えが、あるいは願いが、丁寧に丁寧に描かれている傑作です。
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匿名
続きが気になります!!
ヴィンランド・サガ27巻!ずっと待ってました!
トルフィン達開拓団と「ヴィンランド」の先住民であるウーヌゥの人々との交流、互いの信頼関係が育まれつつあると思われた中、忽然と姿を消したマルクランド入植地の人々。
「ウーヌゥの仕業だ!」イーヴァルとウッゲさんを中心に開拓団に剣呑な空気が漂う。開拓団とウーヌゥの人々はこのまま敵同士になってしまうのか!?
ウーヌゥの人々、族長もプルムクさんもニスカワジージュちゃん(むっさ可愛い!)も皆魅力的で、仲良くなって欲しいけど…次回が気になります!!
戦
徹底的に不戦になったトルフィンを見続けて赦すに至ったヒルドだが、
「奪われた者」として反戦への思いが強すぎるが故に。悲しく難しい
展開。止められるのかトルフィン。
Posted by ブクログ
トルフィンの考え方はトルフィンと同じ強さと人生経験を持った人なら納得できるだろうけど、そんな人はトルフィンしかいないので反対派の気持ちが分かってしまうのが辛いところ。
トルフィンは好きなのですが、彼の考え方が絶対という描き方をされていたら苦手な雰囲気の作品になっていたと思うので反対派も一理あるように描いてくれるのはありがたい。
イーヴァルが先住民の腕を切り落とした件、確かにヒルドのいう通り「余計な事」なのですが、そう考えられるのはトルフィンが10倍強いということを知っている人だけ。トルフィンが強さを開示しなかった(武力の誇示による抑止力を否定した)ことは失敗ではと暗に示してしまっているのはなんとも。
ヴィンランド開拓はもう史実通り失敗が目に見えてきてしまいましたが、物語としてはどこを落としどころにするのか注視したい。
先は長いのか?
このままひたすら暗い未来に突き進むのか?ドラマとしての魅力が薄れてきた。ワクワクする要素が乏しい。ただただ陰鬱。もういいかな?