知念実希人のレビュー一覧
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ネタバレ放送中のドラマ『天久鷹央の推理カルテ』第7話を見ていて思った。ん? 原作にこんな話あったっけ? もしかしてドラマオリジナルか?
…そんなわけなかった。原作は、2024年2月刊行の本作に収録されていたのだった。知念実希人ファンを自称する者として、本作の刊行を見落としていたのは、不覚も不覚。というわけで、1年以上も経ってから手に取ったのだった。
Karte.01「禁断の果実」。毎年、決まった時期に肝炎を発症するという少年。その理由とは。もちろんその疾患は知らなかったが、もう一つの真実は薄々感づいた読者もいるのでは。一見つっけんどんな鷹央の言葉に、優しさが滲む。
Karte.02「七色の猫」。そのまんまです、はい。正直、早い段階で怪しいとは思ったが、医学に留まらない鷹央の博識は、しっかりと見抜いていた。もちろんその疾患は知らなかった。知るわけないだろうがっ! ま、このくらい許されるだろう。
そして、ドラマ版第7話の原作に当たるKarte.03「遺された挑戦状」。鷹央の学生時代の恩師、御子神氷魚。鷹央は氷魚の主治医だったが、不治の病に冒され余命少ない彼女が不可解な死を遂げた。氷魚は鷹央に伝言を残していた。
最初に言っておくと、ドラマ版とまったく同じでした。というか、ドラマ版が原作に忠実だったわけである。師弟の絆の物語を、原作なら長編に、ドラマなら倍の2時間に、膨らませることも可能だろう。ちょっともったいない気がする。
病院という舞台ならではの大仕掛け、とだけ書いておきましょう。本格ミステリのトリックに突っ込みたくなることは多いが、これは病院を見事に活用(?)しており、説得力がないこともない。ある人物の予想通りの行動には突っ込みたい。
ドラマ『天久鷹央の推理カルテ』を見ていなかったら、本作の見落としに気づかなかったかもしれない。知念さん、すみません。テレビ朝日さん、ありがとう。 -
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天久翼の読心カルテ 神酒クリニックで乾杯を
著者:知念実希人(チネン ミキト)
**あらすじ**
神酒クリニック。
院長・神酒章一郎のもとに集まったのは、6人の天才たち。そしてその中には、あの天久鷹央の兄・天久翼の姿もあった。
資産家から依頼された「息子殺害の犯人捜し」をきっかけに、違法賭博、誘拐、殺人と、事件は複雑な闇を孕んでいく――。
現役医師・知念実希人による、もう1つの代表シリーズ。
ハードボイルド医療ミステリー、開幕!
**感想**
天久鷹央シリーズが大好きな私にとって、スピンオフとなるこの天久翼シリーズのスタートはとても嬉しいものでした。鷹央の兄・翼が新たな舞台でどのような活躍を見せるのか、期待が高まりながらの読書でした。
知念実希人さんは医師としての仕事を続けながら、次々と作品を発表されており、毎回そのエネルギーと創作力に驚かされます。どのような生活をされているのか気になるほどですが、どうかお身体には気をつけて、これからも多彩な作品を届けてほしいです。
本作は、事件解決という点では鷹央シリーズと共通していますが、アプローチの仕方に明確な違いがありました。神酒クリニックに集う6人の天才たちが、それぞれの得意分野を駆使して事件に挑む様子は、まるで医療版アベンジャーズ。緻密に張り巡らされた謎が少しずつ解けていく展開はスリリングで、飽きることがありません。
ただし、主人公である天久翼の登場シーンがやや少なめに感じられたのが少し気がかりでした。このシリーズの特性として、チームでの捜査に重きを置いているのかもしれませんね。すでに続巻も刊行されているとのことなので、今後の展開にも注目しながら読み進めていきたいです。 -
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鷹央と小鳥遊の出会いの物語。時系列的にはこれが一番最初だったようだけれど、どこからでも読めるのがこのシリーズの長所でもありました。まだまだ噛み合わない会話の応酬も楽しいです。なるほど、こうやって彼らはかけがえのない相棒になったのですね。そして宇宙人に命令されて殺人を犯したと主張する犯人の謎という事件もまた、さまざまな要素が絡んできてスケールの大きなものです。読み応えたっぷりの一作。
宇宙人による拉致&手術、謎の脳梗塞、怪しい宗教団体、これらの要素がいったいどのように絡んでくるのか。スリリングな展開でぐいぐい引っ張られて一気読み。一件落着したかのように思えたあとの真相にも衝撃でした。ううむ、あの人のやったことは許されることではないだろうけれど、私利私欲だけではなかったのだと思うし、そして選ばざるを得なかったあの結末は切なく感じます。それを許した鷹央の決断は苛烈なのか、それとも優しさなのか。 -
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連作ミステリ。「禁断の果実」「七色の猫」はややあっさりめの謎かな。とはいえ「七色の猫」の謎はなかなかに奇想天外でした。だってさまざまな色に塗られた猫がいっぱい放される事件って……猫好きからすると「なんてことするんだ!」ですね。ただフィクションとしては、面白い状況かも。
そしてメインの物語である「遺された挑戦状」はやはり白眉。鷹央が唯一尊敬する存在であり、同類でもあった御子神氷魚の死。病死としか思えない状態でしかも現場は密室であったが、生前の彼女の言葉からそれを殺人と確信した鷹央は捜査に乗り出すことになりますが。冒頭に現場見取り図があるので、絶対トリックがあるよねこれ、と考えたら解けました。犯人も当てられたし、となったのだけれど、その後の犯人と鷹央との対決がまだ続いたのにびっくり。犯人の仕掛けた「罠」の周到さにはやられました。 -
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ネタバレポツダム宣言を受諾しなかった日本のイフの世界を描いたお話。
広島、長崎以外にも新潟に核兵器が落とされたという物語上の設定を組み入れてくるあたり、強気に出たな〜と思った。
当初はテロだの核だのと不穏な言葉がいくつも並び、人間同士の腹の探り合いの描写が多くて最後まで読み切れるか不安だったが、後半戦では一転、サキの目的も分かり、スッキリと読み終えることができた。最後の核については表紙でバレバレ。せっかくだから表紙をもう少しひねれば良いのに。
18歳の女の子にしてやられる軍人たちにちょっとスカッとした。ストレスが多い人にはオススメかも。
誰も犠牲にすることなく世界を変えるなんてことが、現実世界でもできたらいいのにと思った。 -
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『天久鷹央の推理カルテ』がドラマ化され、原作はどんな感じかなあと思い、このエピソードのドラマがある前に急いで読んだ。
長編でしたが、面白かったのでサクサク読めた。安定して、小鳥遊先生は、無茶難題を鷹央先生から言われ、下僕のように扱われているのが面白い。この2人にとって大事な人が容疑者になったから⁈さあ、どうなる?という展開も良かった。
原作とドラマでは容疑者が違っていてビックリ!!(色々な事情があるんだろうなあ)まあ、真犯人は同じではありましたが、やはり、原作のほうがしっくりきた。
天久鷹央シリーズは、まだ数冊しか読んでいませんが、今後も時間をかけて読んでいきたいと思う。 -
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確かにひとつ前に読み終わった祈りのカルテの感想で「生きている人間を治療するより死んだ人間を解剖する話の方が好き」と言ったけどまさか次に選んだ話がそのパターンとは思わないじゃない。
フラグの回収が早すぎるんだよ自分。
と言うわけで読みまくっていた知念先生の作品ですがそろそろ手持ちが無くなってきた(多分あと一冊?二冊くらいかな?)のでもうこのまま一気に駆け抜けてしまおう!と思います。
今回の話も純正医大でのお話ですね。
と言うかよくよく考えたら総合病院なんて部署いくらでもあるし同じ場所で違うパターンの話書き放題だしクロスオーバーもさせ放題じゃんね!凄いな!舞台設定が整いすぎている!
そして今回のテーマは病理部ですね。病理部って基本的に外来とかに出ることもないしそもそもそこの職員と出会うこともほぼないけどめちゃくちゃ大事な仕事してるところだもんなぁ、そりゃあ舞台にするよなぁと納得しながら読みました。
鷹央先生が読みやすさを重視してるのかもだけど何かこっちの長編の方は「良質な二時間ドラマ」って感じでしたね。
途中から何となく展開は読めるんですよ。読めるんだけどきちんと病気によってその根拠を明確に示してくれるからこちらも納得するし、何より世の中にはどれだけ病気があるのかと思い知らされるというか。
多分まだ見つかってないような病気とかもあったりするんじゃないだろうか。
そして珍しく桜井さんがちゃんと刑事やってて「この人まじで刑事だったんだな」なんて失礼なことを考えてしまいました、いやだって、ねぇ?普段の桜井さん知ってたらそう思うじゃん?
今回バディ組んでた湊くんはなかなか成長したら優秀な刑事になりそうな気配があったので今後もどこかに出てきてほしいです。
そしてこの話と祈りのカルテのスピンオフである「クロスロード」って話がウェブで読めたんですけど(寧ろそれの期限が迫っていたので読む順番を早めたまである)、この話の前日譚って感じでした。
医者ってやっぱ同期とか多いんだろうしあぁいう会話多いのかなー、それにしてもどこで誰が何の話をしていても現れる小鳥先生は何なんだ、寧ろ小鳥先生を中心に世界が回っているまであるよこれ。
鴻ノ池のコミュ力の高さとかよく話題になるけど小鳥先生もなかなかだぞ……いやまぁ純正医大だしあの事件の後みたいだから仕方ないのかもしれないけど。