知念実希人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
真夏の救急外来に搬送された一人の男性。その死因は、あり得ないはずの「凍死」だった――。奇妙な事件の裏には日本全土を揺るがす脅威が潜んでおり、天才診断医・天久鷹央が仲間たちとともにその真相へと迫っていく。
毎回ながら不可解な導入から一気に物語に引き込まれた。今回はスケールも大きく、展開のスリルと緊張感にページをめくる手が止まらない。謎が次々と繋がっていく爽快感と、シリーズならではのキャラクターたちの掛け合いや関係性の変化が絶妙で、読んでいて心地よい緊張と安心感を同時に味わえた。
そして何より心に残ったのは、クライマックスでの犯人との対峙。誰を犠牲にし、誰を救うのかという究極の問いに対して、鷹央先生が示した迷いのない覚悟は本当にかっこよく、胸を打った。これはきっと著者・知念実希人さん自身の医師としての信条が表れているのだろう。物語を超えて、人の命と向き合う姿勢を突きつけられたように感じた。
読後には、人を救うとはどういうことかを改めて考えさせられた。こんな先生がそばにいたら、どれだけ心強いだろう。シリーズ最大級のスケールとともに、強い余韻を残す一冊だった。面白かった。 -
「仮面病棟」
ピエロのマスクを付けたコンビニ強盗が、病院に籠城し、自分が撃った女・川崎愛美の治療を要求した。
愛美の傷口を縫った外科医の速水秀悟は、院長の田所三郎や二人の看護師と共に脱出法を探すものの、病院の暗部が暴露され、事態は思いがけない展開を見せていく------。
少数のキャラクターを閉鎖空間に配置し、心理戦を掘り下げつつ、秘密を徐々に明かしていくという、少し懐かしい構成は、アドベンチャーゲームを彷彿とさせるが、計算され尽くしたプロットには、謎解きの面白さがたっぷりと詰まっていて、本格ミステリの味わいのある作品だ。
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Posted by ブクログ
『放課後ミステリクラブ』は、子どもにぜひ読ませたい「ミステリ入門」であり、同時に「読書入門」にもなる一冊だ。小学生が文学に触れるとき、児童書と大人向け小説のあいだにはどうしても乖離がある。たとえば、ミヒャエル・エンデの『モモ』は大人も子どもも楽しめるが、人を選ぶ面があるし、『おしりたんてい』は立派なミステリ入門ながら、やや児童寄りすぎる印象がある。
その中で、『放課後ミステリクラブ』は児童書と小説のちょうど中間に位置し、誰もが楽しめる。これは実に見事だ。事件の内容や動機は児童書らしく平和的で、キャラクターも個性豊かだが、一方でトリックや推理には一切の妥協がなく、大人でも十分に楽しめる構成となっている。「児童書だから」と侮ることはできない。
むしろ、児童書であることを逆手にとったミステリとしての工夫が光る。大人向けの本に、あれほど細かく「後々のヒント」となる表情や服装が描かれていれば冗長に感じるだろう。しかし児童書だからこそ許され、謎解きの手がかりとして機能するのだ。
また、小学4年生のミステリ好き・天馬くんが「読者への挑戦だ!」と語りかけてくるメタ的要素も、児童書ならではの魅力になっている。こうした演出は読者をぐっと物語に引き込む。
だからこそ、この作品が本屋大賞にノミネートされたのも納得できる。 -
Posted by ブクログ
医療×警察ミステリー!
これまた、しっかりした(?)医療ミステリーです。
鷹央シリーズよりも、このような物語の方が好きです!
主人公の医師、千早の父親が末期がんで死亡。
しかし、
「自分が死んだら、すぐに遺体を解剖して欲しい」
と謎の遺言を残す。
解剖すると、胃壁から、謎の暗号が見つかります。
さらに父親が28年前に、連続児童殺人事件の犯人を追っていた刑事だったことを知ります。犯人は捕まらず、そして、最後の事件ののち、父親は警察をやめてしまっていた。
28年前に何があったのか?
さらに父親の死後、28年前の連続殺人と同じような殺人事件が発生。
千早は病理医の紫織と、父親の部下だった桜井ともにその謎を解き明かすという展開です。
うまい具合にミスリードされて、最後まで騙されて(笑)大満足です。
そして、謎解きだけでは終わらない、そこにあった、父親の深い想い。
こういうの弱いんですよね。ホロリ来ちゃいます。
ということで、とってもお勧め!