島田裕巳のレビュー一覧
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この社会では寝たきり老人を増やして平均寿命を伸ばしている。
長寿国・日本。
本当にその長寿が幸福につながるのだろうか。
殺人件数は減りつつも、介護殺人は増加の一途をたどる。
介護疲れからの殺人を、この国は仕方がないものと容認しているようにしか見えない。
今後の超高齢化により、介護はますます負担を増す。
もう親を捨てるしかない。
子が生き残るためには、もはや親を捨てるしかない時代に突入している。
孤独死、下流老人、老々介護、介護殺人。
高齢化社会から見えてくる現実は問題だらけなのに、それらの問題が家庭の問題として、自己責任とされている。
介護を放棄すれば罪になり、介 -
Posted by ブクログ
一般向けの書籍も多数発表している宗教学者・島田裕巳が、宗教の本質的な部分を構成する“死生観”について、神道、仏教、キリスト教、イスラム教等がどのような特徴をもち、他の宗教とどの点で共通し、また異なっているのかを考察したものである。
論旨は概ね以下である。
◆死という必ず巡ってくる出来事を前提として、いかに生きていくのか、それが死生観の本質である。死生観は、死後の世界についての考え方を含みこむことで、個々の宗教が世界をどう把握しているのか、即ち、それぞれの宗教の世界観に密接に結びついている。
◆神道には開祖が存在せず、教えも聖典もないため、死生観も曖昧で、死後に赴く場所も必ずしも明確になっていな -
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「スマホが神になる」角川新書。2016。島田裕己さん。
タイトルほどの衝撃性は無かったです。ちょっとハッタリ...。
でも、宗教とスマートフォンを巡る蘊蓄というか、ふむふむエッセイとして、読み易く楽しめました。
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ここ数年、著作を愉しんでいる宗教学者・島田裕己さん。
別段、何かの宗教の魅力を語るのではなくて、むしろ実は寺社仏閣を見物的に愉しむガイドのような読み方も出来る人です。
(真面目な宗教学の著作もある方なんでしょうが)
この本も、特段、すごく大きな期待もせずに(失礼)ふらっと読んでみました。
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●スマートフォンがとっても普及しています。
●ネットも出来て、ゲームも出来て -
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死とどう向き合うか、葬式とどう向き合うか、というよりも、
宗教とどう向き合うか、仏教とどう向き合うか、という話だったように思う。
かつて死は今より身近にあって、いつもそばで私達を見ていた。
元々は、いかに肉体の苦しみを和らげるか、ということが医療の目的であって、いかに精神の苦しみを和らげるか、ということが宗教の目的だった。
それらは「死を遠ざけること」と「死の恐怖を克服すること」のためにあるのではなくて、「死を受け入れること」のためにあった。だから医療と宗教は密接で、寧ろ同義だった。
けれどいつの間にか、医療の目的は「死を遠ざけること」に変わってしまった。死は忌むべき、克服すべきものとされ -
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著者の「なぜ八幡神社が日本で一番多いのか」は読んだが、さほど記憶に残っていない。本書の方が古代史好きの僕には刺激的な本だった。
でも皇祖神とは誰だったのか、という問いの前に皇祖神とは何かという定義が必要なのでは。
素人考えを云わせて貰えば、元々男神アマテルが持統天皇の時に女神アマテラスに性転換しているぐらいだから、本来の皇祖神であるはずがない。
本書では高御産巣日神が皇祖神ではと云う民俗学者や古代文学者、古代史家の説に触れている。
恐らく、纏向で多数の氏族で出来上がった揺籃時期のクニで、共同で祀られたのが太陽神だったと思う。疫病をきっかけに土地の神、大物主が復活するが、この土地の神と太陽神 -
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・ポイント
般若心経は空による大乗仏教の勝利宣言
-部派仏教を否定するだけではなく、最後は密教の教えに行き着き、それを称賛する流れが般若心境にある
-密教の立場は、マントラを唱えれば、それは現実に対して影響を与え、状況を変えることに結びつくというのが密教の立場
-すべての存在を構成している五蘊が実態のないものを悟った。あらゆるものは空である
-空は3科を全て否定(人間の感覚器官の働き、こころのなかに浮かぶイメージその他は全て空であり、実体ない
初期仏教の教え:12縁起⇒四諦⇒苦から解放
12縁起:迷いや悩みがどういったプロセスで生み出されるのかを説明
具体的な方法が八正道
色:物資的 -
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なかなか過激なタイトルでしたが、頭ごなしに否定するのではなく日本における葬式の歴史、文化の変遷、寺院の経済的背景を述べながら今の葬式形態に疑問を投げかけてきてますね。
歴史、民俗学、経済事情を述べながら(間違っていない)僧侶批難も交えつつ否定論を説いております。
わかりやすいといえばわかりやすいですが、それゆえ全体的に浅い気もしますし、一番大切な心の問題、信仰や先祖崇拝、先祖供養についてはほぼ触れられてないですね。
あと、宗教学者さん故か、即物的な意見だけで終わってしまいこれからの日本人の死生観や今後どうすべきかも書かれてないですし、結論は非常に曖昧でタイトルとは趣旨が異なってました。
ただ、 -
Posted by ブクログ
神社を種類?事に、登録されている数の多さを切り口に分析紹介する本。
紹介されている神社について、由来、歴史摂社や分社、信仰のされ方等かなり詳述されていて興味深く読める。
また、各神社の違いや日本の神仏習合の姿等が良く判る。
惜しむらくは、八幡神社が日本でいちばん多い理由がわからない。著者がなにか言いたいことがあるとか新しい理論、学説があって書かれていると言う本では無く(日本の宗教が雑ぱくなものであるという主張はあるようだが)神社のトレビア本という具合でしかない。
日本の神社、神社の姿を通しての神道の実体というものを知るには良い入門書とは思うがタイトルに偽りありという感じがしないでもないのである
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