【感想・ネタバレ】日本の10大新宗教のレビュー

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ネタバレ

創価学会や天理教、生長の家、など、よく名前を聞くし近所にも施設がある宗教の変遷がよくわかり、面白かった。
新宗教に対する偏見みたいなモノはなしに、中立的に事実を取材して書いてある。
興味深いのは、新宗教の教祖はほとんど女性だということ。やはり最初は、病気や子どもを亡くしたことなどをきっかけに、祈祷などに頼るようになるみたいで、そこから“教祖”になってゆく。
中世に生まれた浄土真宗や日蓮宗や禅宗なんかも、最初はその時代の“新宗教”だったわけで、「念仏唱えれば極楽へ行けるなんてあり得ない」とも言える。でもそれを裏付けるような“宗教体系”を作っていき、組織を作り、信者を集め、宗教団体になってゆく。教祖は女性でも、2代目の代表者からはだいたい男性になる。
宗教って何なのかな、という観点からも面白い本でした。

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2019年10月05日

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ネタバレ

日本の10大新宗教 2007

数々の新宗教をざっくりとつかめる良書
2015年7月4日記述

宗教学者の島田裕巳氏による著作。
2007年出版。
新宗教について解説している。
しかし多くの新宗教があるのだなとそれだけでも勉強になる。

1.天理教
2.大本
3.生長の家
4.天照皇大神宮教と璽宇
5.立正佼成会と霊友会
6.創価学会
7.世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
8.PL教団
9.真如苑
10.GLA(ジー・エル・エー総合本部)

率直に言うと天理教、創価学会、PL教団くらいしか認識が無かった。
天理教は日本史で学んだ記憶がある。
開祖中山みきは人物名も教科書か何かで覚える機会があった。
他については宗教ということでCMやりまくる訳でも無いので知らんくても仕方ないのか。

大本の出口王仁三郎という人物は生長の家など他の新宗教に多くの影響を与えてきた。
正直言ってもうちょい知られるべき人物かもしれない。
まあ新宗教ということで評価が定まってないのかもしれんが・・

高度経済成長と核にして信者を拡大してきた新宗教。
創価学会や立正佼成会はその流れで拡大してきたのか。
創価学会が元は創価教育学会であったこと。
創立者牧口常三郎、2代戸田城聖・・

個人的には真如苑くらいしか参加出来そうにない。
著者の指摘にもあったように集団行動を強く伴う活動の難しさを感じる。
そのあたりが昨今の現状なのだろうと思う。

本書は多くの新宗教を取り上げており、ざっくりと全体像をつかむ意味でも良い。
ただ多くの人物名が出てくるのでその辺りの配慮があっても良かったかなと思えた。

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2021年12月23日

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筆者は東大の特任研究員で、代表的な新宗教に関してその発生から成長の経緯がよく分かった。個別の宗派への肩入れも感じられない。新宗教はとても身近にあり、時代の移り変わりを反映して姿を変え、分裂もしてゆく。献金の額の多さは信仰の証とされるので、教団は財を蓄え強大な建造物を創る。また、新宗教が勢力を拡大するのは社会が混乱しているときや過渡期にあるときで、貧困・不満からの脱却に応える教団が伸びる。新宗教は社会の表れであり、人間の性が生み出すものだと感じた。

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2017年02月19日

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さらっと読める、新宗教解説本の新書版という位置づけだろうか。後述でのせておくが、200ページの新書にいれるために、1宗教20~30ページにして、導入部分を読者の生活のなじみのある部分からしているために、内容が浅薄になるのは仕方ないと思う。むしろ、このページでうまくまとめていると思う。

新宗教の概要を全体的につかみたい人には良い本だと思う。10大宗教に漏れてしまったものも多いので、続とかであと10大宗教を追加してくれるといいなと思うのだが。また、あとがきにも書いてあるように、カルトと新宗教の境目が難しいと思った。

天理教
大本
生長の家
天照皇大神宮教と璽宇
立正佼成会と霊友会
創価学会
世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
PL教団
真如苑
GLA

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2014年01月17日

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いわゆる日本の「新興宗教」に関して、その創設や変遷の背景を踏まえながら、その特徴を明らかにするべくまとめられている本。新興宗教とうのはなかなかいろいろな意味で刺激的なもので、そういうものに対して概観がつかめるようになるこの本のような存在は非常にありがたい。

個人的に面白い信条を持っているなと思えたのはPL(あの野球のPL学園の!)で、「人生は芸術だ!」なんていかにも若者受けしそうな信条を掲げているのが興味をそそる。

ちなみに最近一番元気があるように見える幸福の科学はここでは収録されておらず。幸福の科学関連本はいろいろあるけれども、こうやって複数の新興宗教を同列に扱った本の中でどのような描かれ方をするのか興味があったので、そこだけ少し残念だったかもしれない。

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2012年08月06日

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島田裕巳氏の比較的最近の著作。日本の主だった新宗教を10選び、それぞれを概括的に解説している。さすがに宗教学者だけあってよく勉強しているなという感を覚えた。キリスト教以外の宗教についての知識が殆どない小生にとっては、日本全体の宗教的様相を改めて考察するいい材料となった。なお本書を、小生はマーケティングの見地からも読んでいた感がある。成功している新宗教は、いずれも日本の歴史的ニーズに対応しており、その結果として多くの信者を獲得している。なお、これはべつに宗教は多くの信者を集めるのが良いという意味ではなく、あくまでも精神的消費者としての大衆のニーズをつかむことに成功しているという意味である。その意味において、本書はマーケティングを研究する者が読んでも大いに価値があると考えられる。

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2012年05月11日

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新宗教(新興宗教)についてわかったようなわからないような。

わかったこと
・従来の宗教との類似性、違い
・各新宗教の教義(系列)の違いと関係
・新宗教の発展理由
わからない
・新宗教の目指すもの(創価学会は何となくわかった)
・宗教を起こす、教祖となる理由

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2011年11月11日

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天理教大本生長の家天照皇大神宮教璽宇立正佼成会霊友会創価学会世界救世教神慈秀明会真光系教団PL教団GLA

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2011年05月28日

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十大宗教とそれに関連する宗教を記述することで結果的に多くの宗教について解説していたが、例えば白光真宏会は入っていなかった。他の宗教から分かれた、連携したということがあまりない宗教は入れづらかったのかもしれない。あとは有名どころでも、阿含宗、オウム真理教、幸福の科学などはあまり記述なし。

気になったところのメモ。

・新宗教:キリスト教系以外は仏教or/and神道の影響をほぼ受ける
修験の影響を受けた宗教も多い
・真光:野口整体の愉気と活元を宗教的に解釈
・世界救世教系:聖地建設、自然農法への関心
・天理教から璽宇まで:神道系

・高度経済成長期に巨大になった霊友会、創価学会、立正佼成会など:日蓮系、法華経系
・PLの原点の徳光教:「お振替」という病気直し(モニター法に似ていると思った)
・新宗教:社会が不安定な時期に世直しを掲げて出てくるのが普通。
しかし・・・真如苑、GLAは世直し要素なし。
・カルト:終末論を強調、多額の献金要求
取締により社会性が生まれ成熟するのが普通→成熟を拒むとカルトのまま

古い絶版ムック「神人類と信人類たち」巻末の新宗教カタログで新宗教をさらったときは流れがわからなかったので、歴史が辿れてよかった。

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2024年02月09日

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宗教学者である島田裕巳さんが、日本の新宗教についてそれぞれの成り立ちなどを解説した本。この本には、いわゆるカルト宗教とされている団体は載っていない。
面白かったのは、割とどの宗教も相互に影響を受け合っていたりしたこと。あとGLAの「エジプトの神ワンツースリー」は面白かった。英語やん。

面白かったんだけど、私は宗教の成り立ちよりはそれを信仰している人達のこころの方に興味があるようで、教科書を読んでいるような気持ちだった。

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2022年11月30日

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統一教会の件で少し新興宗教関係の書籍を読んでいるが、その中の一冊。タイトルにあるように「日本の」宗教団体に限っているためキリスト教系などは論究がない。従って統一教会も含まれない。
10の団体(法人)が解説されているが、どれも平行に書かれているため、信者数など規模の異なる団体も濃淡の差がわからない。
各章を読む前に Wikipedia などで概要を予め知ってから読み出すとよい。その団体のホームページにも飛んでみるといいと思う。GLAなどはホームページを見ると本書の内容とかなり印象が違って見える。

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2022年09月13日

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日本の代表的な新宗教の歴史と概要について、客観的な視点でまとめられています。
有名なところでも、この手の話はあまり知らなかったので、ためになりました。
いろいろと問題のある場合もありますが、人それぞれの価値観や信仰があるので、ざっくりとでも知っておいて、損はないと思います。
偏見を助長するような内容ではありません。

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2021年11月14日

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ここで扱われている10大宗教とは、以下の通り。

01 天理教
02 大本
03 生長の家
04 天照皇大神宮教と璽宇
05 立正佼成会と霊友会
06 創価学会
07 世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
08 PL教団
09 真如苑
10 GLA

漢字変換が大変。
それはともかく、「大本」教について書かれた「大地の母」という小説は、とんでもないものらしい。著者によると、
「そこでくり広げられている物語は、想像を絶するもので、物語のあまりにもドラマチックな展開に、私は全十二巻を一気に読み終えた。『邪宗門』よりもその内容ははるかに強烈で、圧倒的だった。…全編を通して繰り返されるのは、神話的なドラマであり、初代教祖である出口なおと王仁三郎の神憑りであり、二人に降った神同士の対立と抗争である。そこでは、当たり前のように奇跡的な出来事が起こり、時間さえも逆戻りしたりするのである」(p54)


小説の作者は登場人物の出口王仁三郎の孫にあたる人で、すべて事実にもとづいていると述べているらしい。これは面白そうだ。そのうち読んでみるかもしれない。

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2018年09月19日

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内容が内容だけに、冒頭の断りに30頁近く割いている。

新興宗教というと、ネガティヴなイメージが付くため、本書では新宗教と記されている。

さて、新宗教と見聞きするとオウム真理教が思い浮かぶ。宗教やカルトの範疇を超え、テロである。その他、ライフスペースなんてのもありました。シャクティパッドという、頭をパチパチ叩いて、数百万の祈祷料だかお布施だか名目は知らんがお支払。
法の華なんてのもありました。教祖の「最高ですかー!」に帰依する門徒の「最高でーす!」のコールアンドレスポンス。
パナウェーブ研究所なるものもありましたね。白装束の彼ら。一時、メディアを騒がせました。白いワゴンで跋扈し、全身白づくめで、毒電波がどうたらこうたら。

長い歴史の中で見れば、キリスト教もユダヤ教時代から見れば新宗教、仏教だって、元はインドのバラモン教である。
昨今、世界でウェイウェイしてるイスラムもキリスト教、仏教の後発だ。

宗教。信仰は自由だと思う。心のよすがに、何を拝もうと、いくら金銭を払おうと、どんな格好をしようと。各々の自由だと思う。
自分の信仰に原理主義者であっても構わんと思う。
が、しかし。そこに排他主義や排斥思想が入ってくると、ややこしい。
自分の信じる信仰を皆に共有したい気持ちも分かる。が、しかしだ。貴方が信じるように、その誰かも何かを信じているやもしれん。
布教ってのが、実に厄介だな。

その点、八百万の神的な観念は争いを生みづらいようにも思う。それこそ、便所にも神様がいるってやつね。

宗教上の理由から、医療を拒む方々もいるらしい。自ら判断が出来ない幼子が事故に遭い、救急搬送され、運ばれた先の医師たちは人命優先で医療を施す。すると、後日その両親が病院側へ訴訟を起こすこともあるそうだ。

今日も日が昇り、一所懸命働いて、美味い酒を飲む。そんな日々にありがてー、と思う俺は、イエス生誕の日にはなんとなく、イルミネーションが綺麗だなと思い、年始には神社に詣でて、親戚の葬式は仏式で、何でもありのマルチなよくある日本人です。

人様に無理強いはしてはいけません。

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2017年10月10日

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比較的公平に書かれていると言うことだが、やはり著者の宗教観色濃く出ていて、本人は自覚していないかもしれないが教団の方向性に応じて記述内容に偏向を感じる。
新聞雑誌にも書かれているような、各教団の特異性でなく、普段の宗教活動の実態にもっと迫って欲しいのである。宗教学者らしいもっと突っ込んだ視点が欲しいところである。

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2015年01月19日

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信仰心は全くないけど、この方面には多少興味があって呼んでみた本。あと、本著者の葬式は要らない本が面白かったっていうのもあって。まあこれは、週刊誌を流し読む程度のものでした。宗教(特に新興)に対する拒否反応があって、ここに出てくるうちの過半数は知らない宗派だったけど、なんとなくの流れが分かりました。依然、信仰心が沸かないことには変わりないけど。

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2014年02月21日

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宗教関係の島田氏の著作は前々から気になってはいたのだが、
彼のオウムに対する総括とでもいったものを一度きちんと調べ
オウム関係の著作を読んでからでないと、他の著作にはちょっと
手が出しづらいなと思っていた。その、着手するには少々気が重い
作業が億劫で今まで手にしていなかった著者の本を読んだのは
単に古書店で105円という安さで売っていたからだ。安直で申し訳
ない。

で、この本の感想だが、読み物として実に面白いものに仕上がって
いると思う。まず何よりもこれらの新宗教をまとめて取り扱うと
いう著作自体が珍しいのではないだろうか。それだけでも一読の
価値はありそうだ。

気になったのは著者の視点が、ややもすれば取り扱う宗教内部に
入り込んで「ミイラ取りがミイラになる」危うさを感じてしまう
ことか。まあ、それがこの本を読み物として面白くしているの
かもしれないが。

それぞれの宗教に関しての記述が正しいかどうか、そして10の
宗教の選択の仕方に問題がないのかどうか。そのあたりも本当は
きちんと検証されなければならないのだろうが、それはこちらの
手には余る大仕事である。

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2014年01月05日

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新興宗教でなく新宗教という言葉があるのか、というところから驚きではありましたが、創価学会以外のいろんないわゆる新興宗教についてそのルーツや現状を解説している本ってあまりないと思うのでその点ではけっこう面白かった。宗教と言ってもけっこうヘビーな関わり方が必要な物からそうでもないものまでいろいろあるということもよくわかるし。

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2013年10月07日

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私は、家の宗教が金光教(こんこうきょう・岡山県に本部がある)で、幼稚園がルーテル(キリスト教系)、大学の友人が創価学会で、仲人さんが立正佼成会で人間ドックも去年まで佼成病院という無節操な「宗教遍歴(?)」があります。
この本では金光教は「10大」には漏れて、「おわりに」で「言及できなかった新宗教」の一つとして名前が挙がっている程度だったのがちょっと残念ですが、
1.天理教
2.大本
3.生長の家
4.天照皇大神宮教と璽宇
5.立正佼成会と霊友会
6.創価学会
7.世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
8.PL教団
9.真如苑
10.GLA
の10の「新宗教」が取り上げられています。なかなか面白かったです。
books75

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2012年08月17日

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新宗教のイメージ・・・。正直言って、何となくあまり良いイメージは持っていませんでした。何故なのか?純粋に新宗教ってなんだろうという興味があったのでとても参考になりました。

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2012年08月01日

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日本にはそもそも「宗教」という概念がない。
これって宗教?っていう行事が日常に溶け込んでいる。

だから「無宗教」と答えざるを得ない。

しかし。
いろんな宗教あるね。

ま、信仰は自由だけど、他人に迷惑かけたりは勘弁。
犯罪はもってのほか。

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2012年08月01日

Posted by ブクログ

名前は聞くが、まったく知らなかった新宗教の世界。インデックス的にわかるこの本で、とりあえずフムフム。

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2012年03月24日

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70点。10の新興宗教(本書では新宗教と呼ぶ)を選び、それら団体の来歴や教義、組織形態を客観的に概説した一冊。深く知る必要はないと思うけど、これくらいは知っててもいいんじゃないかなぐらいの感じ。
「吹奏楽の甲子園」と言われる普門館って立正佼成会の施設だったんだと初めて知った。ブラバンの憧れは言葉通り「聖地」だ。

社会が変われば不満の中身も変わるし、どういった人々が不満をもつかも変わる。宗教がそれら人々の受け皿になるんだとすれば、今後も新たなる新宗教が生まれるだろうし、それは時代を映す鏡にもなるのかもしれない。

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2012年01月26日

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新興宗教も一種の企業みたいなもんで、組織論で語れるものなんだなって感じ。余談だけど、電車の中でこの本読んでたら、近くの席の人に(宗教に)勧誘されそうになったw やっぱり偏見は取れないわ。(偏見を取り除くために書かれた本でもないんだけど)

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2011年11月13日

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名前程度でも知っていたのは4つくらい。
「新興宗教=教祖が神」みたいなイメージがあったけど、実はそうでもないということがわかったのは勉強になった。
そして、新興宗教は古くからある宗教を土台にして出来ているということも勉強になった。
しかしながら、この本をちゃんと理解するには基本的な宗教と歴史、あと多少の地理の知識があった方が良いと思う。
他の色々な本を読んだ後再度読み返してみたい1冊

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2011年09月22日

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天理教,大本,生長の家,天照皇大神宮教,立正佼成会,創価学会,世界救世教,PL教団,真如苑,GLAという,10の新宗教について,その成り立ちや仏教等との関連,他宗教との違いなどを解り易く説明している。
新宗教は,社会問題となる時にしか我々の前に出て来る機会はあまりなく,病気の治療法,予言などがきっかけになっている事が多い。このため,破壊的なカルトとして私も捉えてしまいがちだが,そんなことはない新宗教の方が多い。ただ,新宗教も信者を集めねばならず,そのためにはアクティブな活動を展開をする必要があり,注目の的になってしまうのだろう。
そもそも新宗教といっても,立正佼成会や創価学会,PL教団,世界救世教のような日蓮・観音信仰,天理教や大本のような神道系のものなど,必ずと言っていいほど,神道か仏教の影響を受けていて,多くはそのどちらの影響も受けいている。具体的には,天理教や大本,金光教は,名称は異なるものの,国常立命というオーソドックスな神を根源的な神として信仰している。これは,ユダヤ,キリスト,イスラム教が同一の神を信仰の対象としているのと基本的には同じ事である。
よく考えれば,キリスト教ですらも,当時としては異端であり,新宗教だったのは周知の事実である。
新宗教に信者が集まったのは,高度経済成長の時代で,地方から都市に移って来た新しい都市住民たちだった。彼らは未組織の労働者として不安定な立場にあり,都市に新たな人間関係のネットワークを築くうえで新宗教の信者になることは大いに役立った。また,面白いのは,高度経済成長時代に巨大教団に発展したのは,いずれも日蓮系・法華系教団であり,現世利益を説いている教団だったということだ。明日も知れぬ生活に対して,現世利益を説く教団は彼らの目から見ればまぶしかったのだろう。
このように,新宗教が興るのは,社会が危機に陥っていたり,不安定化している時期で,社会問題を批判したり,このままの状態が続けば決定的な危機が訪れることを強調する事によって発展して行く。(どこかの政党に似ているが)。
ただ,その時でも,地球がいついつ破滅するといった世紀末説を唱えるようなところは,地球が破滅することなく世紀末を過ぎた場合,信者を失ってしまうことに注意しなければならない。予言が外れた時は,信者が去っていくのは当然である。
今後,宗教として伸びて行くためには,江原啓之のように,霊界からのメッセージをメディアなどを通じ,柔らかく伝えるようなことをやっていかなければならないのかもしれない。GLAなどは,女性教祖がアイドル路線をはしったりしたこともある。これまでのように閉ざされた宗教ではなく,明るく,開かれた現代風の宗教を目指すべきなのだろう。
宗教とは,よく生きるための生き方の示唆である。そういう意味では,最近流行りのような,60歳からのライフセミナーとか,いきいきなんとかセミナーとかも,結局は宗教のようなものである。
日本人は,占いや言霊を信じ・楽しむ人種であり,宗教を受入れやすい性格を持っている。著者は,日本人が無宗教と言われることについて,『日本の場合,既成宗教が仏教と神道という2つの宗教が組み合わさった特殊な形態をとっているため,自分たちを神道の信者とも,仏教の信者とも決めることも出来ない。そこから特定の宗教に属していないという意識が生み出される。』と言っている。それに加え,私が思うに,生活の中に宗教がちりばめられ,毎日触れているからこそ,あらためて宗教を実感しにくく,自分は無宗教だと思ってしまうのではないだろうか。それは全く違っていて,日本人はめちゃめちゃ信仰心の厚い,仏教・神道の両宗教の信仰人種なのではないだろうかと思ってみたりする。

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2011年07月22日

Posted by ブクログ

創価学会や真如苑などの、日本の新興宗教の成り立ちから現在までの歴史をざっと解説してくれている。こういう本はwikipediaのコピーっぽくなりがちだけれど、10個並べて一冊の本にしているからこその意義がきちんとある。この新宗教は他の宗教とどう違うのか?何が強みなのか?それが島田裕己なりの観点からきちんと書いてある。ただの概要書に収まっていない良書。

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2011年03月23日

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それぞれの団体について、もう少し詳しく知りたい気もするけれど、そうすると10団体も取り上げられなくなっちゃうかな。まあまあ、実用的で満足しました。

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2011年08月06日

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正月に友達のうちに行ったら いつもは静かな住宅地なのに えっらい 人がいっぱいいたんだけどそれも 新宗教って奴だったんだ。。と 地名を見てわかりました。

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2011年09月20日

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特にかっちりした宗教観も持たず、何かを信じて生きてるわけでもないのに、時々妙に「宗教」が気になる。「宗教ってなんだろう」、「どんな事やってんの?」、「なんで、宗教やるの?」全然分らないから、気になる。 そんな訳で、読んでみた。いやぁ、いろいろあるのねぇ…。新しい発見もありました。 やっぱ、面白いねぇ「宗教」って。 でもやっぱり「なんで宗教やるの?」は分らない。自分には要らない(今のところ)。いっぺん、「めっちゃハマる教義」みたいなモンに出会ってみたいケドね。

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2011年09月04日

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