島田裕巳のレビュー一覧

  • ブッダは実在しない

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    ゴータマ・シッダールタという人が実在したのは、したらしい。しかし、いわゆる仏教開祖としての個人、ブッダは存在しなかった。と、古い経典や周辺の文献などを追いつつ明らかにする、びっくり仰天の本。

    つまり、城の4つの門外で4つの苦しみを見たとか、出家や苦行を経て、菩提樹の下で悟りを開いたとか、食中毒で死んだとか、一人が辿った生涯として伝えられているのはいずれも後世の付会・・・であるらしい。

    多くの人の手を渡って来た遠大な思想である仏教に価値がないわけではないと思うけど、それをいささか問題視する筆致なのは、ある人間の極限的体験である「悟り」が出発点でないという辺りか。

    一方、キリスト教やイスラム

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    2019年07月01日
  • 浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎

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    副題にあるような「仏教宗派の謎」というものでもないように思うけど、日本における仏教宗派の成立、歴史と現在のポジションを概観する本。


    浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)
    いわゆる南都六宗から天台・真言、浄土系、禅系、日蓮と現代に通じる宗派にももちろん一通り触れられていて、それぞれの開祖や中興の祖のエピソードも添えられている。仏教って何?くらいの単純な関心を抱いて読むオレなんかにはありがたい内容である。

    新書ということで話をかいつまんであるだけに、その業界地図や変遷はかえってわかりやすくなっている。偉い開祖が亡くなると、宗派も千々に分かれて乱れ再習合していく様子も、いたって

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    2019年06月18日
  • 葬式は、要らない

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    葬式をテーマにしてますが、最後はどのような人生を送るか、人生の延長線上に葬式がある、と人生観でまとめてます。
    ・葬式は贅沢
    ・墓も贅沢
    ・戒名はいらない。自分でつけることも可能。檀家関係なければ完全自由。
    ・戒の無い僧侶から戒名もらうのはおかしい
    ・最期をいかに生きるか
    ・故人の死により会葬者同士が久しぶりに再会することもある。それは故人の人徳。

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    2018年12月30日
  • 神社崩壊(新潮新書)

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    富岡八幡宮で起きた宮司殺害事件を導入部分に置き、神社経営の実態や神社間の格差の問題、そして、神社本庁を中心とする神社神道の体系の問題点にまで問題を掘り下げていく。神社神道は日本の伝統的宗教と思っていたが、実は、明治維新を境にして大きく変容したというか、それ以降に創られてきたものであるらしい。そして戦後、戦前の国家神道への回帰を目指す神社本庁の戦略は民心と離れ、政教分離の原則が根付いた現在は、もはや絵に描いた餅に過ぎない。そんな歴史も含め、神社への人々の自然な信仰さへ薄れ、まさに崩壊の危機に立っているのではないかという著者の訴えは現実味を増している。

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    2018年12月09日
  • 日本の10大新宗教

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    ここで扱われている10大宗教とは、以下の通り。

    01 天理教
    02 大本
    03 生長の家
    04 天照皇大神宮教と璽宇
    05 立正佼成会と霊友会
    06 創価学会
    07 世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
    08 PL教団
    09 真如苑
    10 GLA

    漢字変換が大変。
    それはともかく、「大本」教について書かれた「大地の母」という小説は、とんでもないものらしい。著者によると、
    「そこでくり広げられている物語は、想像を絶するもので、物語のあまりにもドラマチックな展開に、私は全十二巻を一気に読み終えた。『邪宗門』よりもその内容ははるかに強烈で、圧倒的だった。…全編を通して繰り返されるのは、神話的なドラ

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    2018年09月19日
  • なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか 【最強11神社】八幡/天神/稲荷/伊勢/出雲/春日/熊野/祗園/諏訪/白山/住吉の信仰系統

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    記紀神話に登場する神は367柱。その他、神仏習合で出てきたり、廃仏毀釈、神仏分離で勧請したりで、新たに生まれたり、中世から近代になると故人が神に昇華する、と。乃木神社の乃木希典のような軍神だったり。
    寺については、学問が絡むので、書物など歴史を紐解くものが残っているが、神社については、歴史書はとても稀有だ。
    しかし、八幡様は元々、韓国の神だったのか。神様分けたり移したりってのは知っていたが、八幡様を戦時中に軍神として崇めていたのは既知だが、よもや朝鮮半島からだったとは。
    渡来人から諸々入ってきたから当然ちゃ当然だけども。
    日本人が、各国の文化を何でも咀嚼してものにするってのは、太古から変わらな

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    2018年08月07日
  • 京都がなぜいちばんなのか

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    タイトルは下世話な砕けたものだが、内容はかなり専門的な部分まで突っ込んだ真面目な本です。
    京都は千年の歴史の積み重ねがある。それは散歩がそのまま歴史探訪となるということにも繋がる至福の街でもある。
    「京都がなぜいちばんなのか」というより、どうやって京都は今の京都になったのかを探る歴史書であり案内書であり、京都の神社仏閣の中でも代表的な伏見稲荷神社、八坂神社、清水寺、苔寺(西芳寺)、金閣寺、銀閣寺、平等院などの歴史を細かく辿っている。

    特に、京都第一の名所である金閣寺(鹿苑寺)に関しては、執拗なほどページを割いていて、消失前の金閣寺と今の金閣寺の違いを述べている。
    具体的には消失前の金閣寺に比

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    2018年07月31日
  • 葬式格差

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    火葬代の東西格差などなかなか気づかない驚きの
    データなどもあるにはあるが、中身としては
    宗教学者と言うよりは宗教ライターの本といった感じか。
    最近適当な新書ばかり出してるような気がしますw
    それでも読みやすくはあるのでついつい手に取って
    読んでしまうし、専門的な内容を書かれても
    理解できないのですがw

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    2018年05月14日
  • なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか 【最強11神社】八幡/天神/稲荷/伊勢/出雲/春日/熊野/祗園/諏訪/白山/住吉の信仰系統

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    引越し先近くに、春日神社があり、祀られている神様の名前が書いてあった。
    天児屋根命(あめのこやねのみこと)って書いてあるが、初めて聞いたぞ、何者だ?
    ということで、この本で調べてみました。
    調べて納得、神社に祀られている神様の多くが、古事記・日本書紀では登場しないということだ。これだけで、驚き。
    身近な神社について、調べてみるとおもしろいかと。

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    2018年04月28日
  • 芸能人と新宗教

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    結構、新宗教と芸能人の結びつきが多いのを初めて知った。芸能人にとっては新規ファン獲得の要素は無いというのも理由を知ると納得できる。

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    2018年04月04日
  • 教養としての日本宗教事件史

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    事件を取り上げたというよりも、宗教の通史っぽく感じた。
    なんやかや宗教雑学が詰め込まれていて勉強になる。
    仏教と神道の違いの一つに、偶像崇拝をするか否かがあるとかね。確かにそうだよなー。

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    2018年02月11日
  • 人は死んだらどこに行くのか

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    世界的宗教の死生観の比較。インド発祥のバラモン教や仏教(釈迦は否定していたが…)が輪廻をベースにしていて日本人には割と親しみやすいのかもしれないが、イスラム教やキリスト教も輪廻を否定していない。その他世界各地の原始的宗教にも輪廻は当然の如く認められているので輪廻という響きに古今東西の人類はどこか惹かれるのだろう。人から人への輪廻なら記憶もあるいは引き継がれるのかもしれないが、人から記憶する脳がないウィルスへの転生だと記憶はどうなるのだろうか。

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    2017年12月27日
  • 日本の10大新宗教

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    内容が内容だけに、冒頭の断りに30頁近く割いている。

    新興宗教というと、ネガティヴなイメージが付くため、本書では新宗教と記されている。

    さて、新宗教と見聞きするとオウム真理教が思い浮かぶ。宗教やカルトの範疇を超え、テロである。その他、ライフスペースなんてのもありました。シャクティパッドという、頭をパチパチ叩いて、数百万の祈祷料だかお布施だか名目は知らんがお支払。
    法の華なんてのもありました。教祖の「最高ですかー!」に帰依する門徒の「最高でーす!」のコールアンドレスポンス。
    パナウェーブ研究所なるものもありましたね。白装束の彼ら。一時、メディアを騒がせました。白いワゴンで跋扈し、全身白づ

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    2017年10月10日
  • キリスト教入門

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    キリスト教を知るには参考になる本ではあるが、宗教学者にしては間違った記述もあり誤解して理解される可能性がある。

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    2017年09月16日
  • なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか 【最強11神社】八幡/天神/稲荷/伊勢/出雲/春日/熊野/祗園/諏訪/白山/住吉の信仰系統

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    「なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか」幻冬舎新書 2013年 島田裕巳さん。

    軽いタッチで書かれた読み易い本です。新書ですものね。
    宗教学者の島田裕巳さんの本は、寺社巡りが好きなので時折愉しく読ませて貰っています。これは、八幡神社とか、諏訪神社とか、そういう「どこにでもある身近な神社」がそれぞれどういう謂われがあるか、というのをまとめた読み物です。
    こういうの、電子書籍で持っておくと、どこでもいつでも読めるし検索も出来て便利です。

    細かい情報は備忘するにも煩雑すぎるので、ここに書きませんが。読み終えて、どの神社の歴史も、「伝説レベルの歴史」と「証拠が残っている歴史」とを突き合わせてみると

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    2017年08月12日
  • 冠婚葬祭でモメる100の理由

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    冠、婚、葬、祭について、Q&A形式で語られる。婚、葬についてが殆ど。
    『葬式は要らない』の著者でもあり、あの時も納得だらけだったけども、今回もだな。
    現在の葬式の形式って、江戸時代の寺請制度からってのは、戒名諸々で大分知ったけど、地方から都市化、さらにグローバル化で色々と変わってゆく今を改めて読むと新たな発見も。

    結婚ね。家。生い立ち。環境ね。
    伝統、しきたり、習わし。
    ね。
    納得の一言に尽きる一冊でした。

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    2017年07月05日
  • 世界の宗教がざっくりわかる

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    確かにざっくりわかった。ただ、ざっくり過ぎて、キリスト教なんかについては知ってることの方が多かったし、あんまり知らないヒンズー教については物足りなかった。もうちょい深入りした本も読みたい。

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    2017年06月10日
  • 浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎

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    仏教は日本では国家主導で広まり、都が藤原京に移った696年、試験に合格した者だけが正式な僧侶とみなされる年分度者の制度が生まれた。最澄、空海が亡くなった後に、天台宗と真言宗にも年分度者の定員が認められ、それぞれ宗派としての独立を高めていく。

    中国で天台宗を開いた天台智?は釈迦の教えを整理して、大乗仏典のひとつである法華経を最高位に位置付け、誰もが仏になれると説かれている点を強調した。日本の法華信仰は法華義疏に遡るが、これは聖徳太子の著作ではない可能性が高い。天台本覚論の核心にある草木成仏の思想は、あらゆるものに霊魂が宿っているとする日本古代のアニミズムを背景として、徹底した現実肯定の思想に発

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    2018年10月31日
  • もう親を捨てるしかない 介護・葬式・遺産は、要らない

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    ネタバレ

    死生観に触れる本はよく読むけれど、この本はいわゆるジャケ買い。
    「親を断捨離」なんていう強烈な帯をもっていて面食らったが、読んでみるとそれ程非道な内容でもなく、なるほどなと思える。幸い、僕の家は自動的に断捨離されているので、正直「ふうん」というような印象になってしまった、苦笑。それでも、「物忘れは死への恐怖を軽減させる」は今までにない考え方で、あっと思わされた。

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    2017年04月26日
  • 浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎

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    仏教系私学の建学の精神についての基本的な理解をするために本書をとった。これまで知らなかったことが多く非常に勉強になった。

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    2017年04月22日