あらすじ
釈迦誕生からその後の仏教の変遷をたどると、ブッダは実在の人物ではなく創り出された一つの観念だった。その観念から、人物としてのブッダが生み出されていった道筋を読み解いた日本初の画期的な「ブッダ伝」。
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Posted by ブクログ
我々が知っているブッダの教えは、本当にブッダの教えなのだろうか。インドで布教した原始仏教と、中国経由で日本に入ってきた大乗仏教とはだいぶ違いがある。すると、日本にはブッダの教えは実在しないのではないかと考える本。
刺激的なタイトルとは内容は異なるけれど、なかなか面白かった。
Posted by ブクログ
ゴータマ・シッダールタという人が実在したのは、したらしい。しかし、いわゆる仏教開祖としての個人、ブッダは存在しなかった。と、古い経典や周辺の文献などを追いつつ明らかにする、びっくり仰天の本。
つまり、城の4つの門外で4つの苦しみを見たとか、出家や苦行を経て、菩提樹の下で悟りを開いたとか、食中毒で死んだとか、一人が辿った生涯として伝えられているのはいずれも後世の付会・・・であるらしい。
多くの人の手を渡って来た遠大な思想である仏教に価値がないわけではないと思うけど、それをいささか問題視する筆致なのは、ある人間の極限的体験である「悟り」が出発点でないという辺りか。
一方、キリスト教やイスラム教と違って聖典が一つではないとか、教えの軸がはっきりしないとかいうのは、逆から見れば「融通無碍」という東アジア的価値観とは合致するようである。
Posted by ブクログ
・日本で定着しているのは、ブッダの没後に生まれた大乗仏教で、伝承に関った宗派の宗祖たちは、ブッダの存在すら知らなかった?という説は、葬式仏教しか知らない私のような人にとって、驚きでしょう。
この本の目的は、仏教という宗教の特徴を明らかにすることにある、とのことです。
島田裕巳さんは、様々な資料を読み解き「ブッダは実在しない」と考えた方が自然だ、と説いた後で「仏教は、つねに発展を続けていく宗教であり、開かれた宗教なのである。」と締めくくっている。仏教は、破滅に向かう暴走列車のような世界を止めることができるだろうか?
ブッダ(ゴータマ・シッダールタ)が、悟り、教えを説いたのは、2500年も前のことで、日本に仏教として伝わるのは、中国を経由してのことでした。そして、驚くべき事実が発覚?したのは、西欧で仏教の歴史が紐解かれてからのようです。
私も、勉強を始めたばかりで、読んでいる本も学術書ではないので、確かなことは言えませんが、一般の人は、仏教の教えを、自分の人生を照らす灯として使えば良いのでは?と思います。信仰の目的は、人生をより良いものにすることなのですから。
私は、信仰の薄い?家庭に育ち、クリスマスを祝い、初詣には行くものの、神さまを信じない不届き者?なので、当然のことながら、ブッダのことも、日本に伝わった仏教が、大乗仏教であったことも、知りませんでした。事実はどうであれ、伝承したプロセスを概観して、イメージをつくりたいと思いました。