島田裕巳のレビュー一覧

  • 宗教消滅 資本主義は宗教と心中する

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    昭和まで、地域や集落、企業や家族といった共同体に基盤をおいていた時代だった。資本主義によってその共同体は緩やかに解体されつつ、良い意味でも悪い意味でも、個の時代という自由に向かっている。

    繋がりをどう再定義するか、が、今後のテーマ。個性=タレント性ではない、というのが発見だった。

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    2019年04月03日
  • 京都がなぜいちばんなのか

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    京都の有名な寺社仏閣等の古今東西について書いた本です。

    江戸時代に描かれた京都の絵図と現在の状況を照らし合わせ、京都の有名な寺社仏閣等の古今東西について書いた本です。

    江戸時代に描かれた京都の絵図と現在の状況を照らし合わせたり、歴史的な史実などから、寺社がどのように移り変わってきたのかを具体的に書かれています。

    かなり歴史的な時代背景や、宗教の移り変わり等の話も入ったりするので、斜め読みにしないと、正直進まない時もあります。

    ただ、昔の風景は今とは全く違ったものではわけですが、どのように今に面影を残しているのかを知る手がかりにもなります。
    観光で訪れてみる時にも、また違った一面を知って

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    2019年03月03日
  • 平成宗教20年史

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    平成元年から20年間の日本宗教史を新興宗教中心に解説する。

    平成の始まりとともに注目されたのは麻原彰晃率いるオウム真理教。彼らは宗教団体というより、サリンを使ったテロ組織。そして、オウム真理教がなぜサリンを製造し、松本市や地下鉄でバラ撒いたのか。その動機は未だに不明。このオウム真理教の印象があまりに強すぎて、日本では「新興宗教=危険」になってしまった。

    そのオウムを反面教師として台頭したのが、創価学会。教祖の池田大作は麻原のように表舞台に出ず神秘性を維持し、過激思想にも走らず、政界への進出も果たす。

    良くも悪くも、この20年の日本宗教史はオウム真理教と創価学会の2代巨頭の歴史だった。

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    2019年01月25日
  • 仏像鑑賞入門

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    仏像そのもの及び人々の仏像に対する接し方の歴史を概観。お面をかぶった「部分秘仏」の千手観音など初めて知ったことも多かった。

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    2019年01月04日
  • 京都がなぜいちばんなのか

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    金閣寺について詳しい記述が楽しめた.確かに薄い金箔を張ったのでは、風雨ですぐに剥がれてしまうだろう.今のような金ぴかの様子が保持されていることの真相が理解できた.厚い五倍箔を使用した由.銀閣、さらに銅閣のあるようだ.明治政府の出した神仏分離令で多くの資産が廃棄されたことは、非常に嘆かわしいことだ.当時は国会がなく、行政だけで物事が進められたことは、現在でも次第にそれに近い形になりそうなので、監視が必要だと感じる.

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    2018年12月30日
  • 神社崩壊(新潮新書)

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    元宮司の弟が現宮司の姉を刺殺した富岡八幡宮事件から書き起こし、その背景にある神社ならではの事情に話を広げていくスタイルでたいへん読みやすい。神社の財務状況といったマテリアルなところから、神社本庁とはなにか、神社の政治学といった権力構造にいたるまで、よどみない。"神社本庁は「新宗教」である"という喝破は、すごく自分のなかで合点がいった。伊勢神宮がいちばん偉いという権威は、明治以降の日本政府がつくった天皇制の秩序につながるもので、けっして日本古来のものではないということがわかったというのも収穫だった。

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    2018年11月23日
  • もう親を捨てるしかない 介護・葬式・遺産は、要らない

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    時代は変わった。もう個人で親を介護しなければならない時代ではない。無理に介護すれば、介護殺人につながりかねないほど余裕がないのが、現代だ。そのために、親離れより一歩進め、親捨てを勧めている。なぜこんなに介護が大変になったのかを丁寧に分析し、日本人の長寿命化がその原因を喝破している。世界を見渡すと、安楽死を認めている国も多いことを指摘し、長寿命を安楽死という形で解決している先進国があることも提示し、我々一人一人に考えを変えることを促している。終活の無駄加減にも言及しているのが興味深い。

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    2018年11月12日
  • 殺戮の宗教史(東京堂出版)

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    宗教の専門家によるキリスト教、イスラム教、仏教、ユダヤ教を中心とした宗教史。宗教どおしの争いに焦点を当て分析している。勉強にはなったが、結論がはっきりしないように思う。
    「経済が発展するということは、新たな経済格差が生まれるということでもある。それまでの生活基盤を失ってしまう人間たちも出てくる。彼らは都市のスラムに住むことを余儀なくされたり、自分たちの境遇に対する不満を募らせていく」p4
    「(文明の衝突)今後、危険な衝突が起こるとすれば、それは西欧の倣慢さ、イスラムの不寛容、そして中華文明固有の独断などが相互に作用して起きるだろう(ハンチントン)」p64
    「アッラーは、イスラム教を信仰するム

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    2018年10月23日
  • 葬式は、要らない

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    祖父の死をきっかけに、葬式について学んでみたいと思った。
    本書は、葬式に関する根本的な意義を問い直す。

    ・葬式仏教
    ・直葬
    ・戒名のまやかし
    ・檀家の意味
    ・弔いは特権的
    ・寺の収入
    ・日本の僧侶の破戒

    などについて。

    第1章 葬式は贅沢である
    第2章 急速に変わりつつある葬式
    第3章 日本人の葬式はなぜ贅沢になったのか
    第4章 世間体が葬式を贅沢にする
    第5章 なぜ死後に戒名を授かるのか
    第6章 見栄と名誉
    第7章 檀家という贅沢
    第8章 日本人の葬式はどこへ向かおうとしているのか
    第9章 葬式をしないための方法
    第10章 葬式の先にある理想的な死のあり方

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    2018年10月12日
  • 世界はこのままイスラーム化するのか

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    イスラムについてほとんど知らなかったので貴重な内容だ。ただ現在の近代国家とイスラム社会はどう折り合いをつけるのだろうか?サウジアラビアやエジプトがイスラム教の国家だと思っていたけど、それは大きな誤解だと分かった。また、スンナ派とシーア派の共存も難しそうだし、イスラムと国民国家は両立しないし、このさきどうなるのだろうか?

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    2018年10月20日
  • 葬式は、要らない

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    葬式の段取りや節約に関する本は数あれど、葬式の歴史を遡り、そのあり方を具体的に書いた本はこれまでなかった。良書。
    「生き方とその延長線上にある死に方が、自ずと葬式を無用なものにする。」

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    2018年10月10日
  • 葬式は、要らない

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    日本の葬式代がいかに高いかよくわかる.特に戒名代に関する謎が歴史的経緯も踏まえ理解しやすい.知っていて損はない知識.

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    2018年10月09日
  • 浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎

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    中学の歴史の授業で、浄土宗は法然、浄土真宗は親鸞、時宗は・・・と、ただただ暗記した。そこには、教祖の人物イメージが湧くようなエピソードまでおしえられることなく、その宗教のなにが新しくて発展したのかという記述まで深く教えられることはないかと思う。
    この本を読んで、教祖のイメージが湧き、何がその宗教がすごかったのか、広まったのかという理由がわかり、興味深く読ませてもらいました。
    教科書の暗記のために歴史の勉強ではなく、こういう本で歴史が学ぶのが面白い。

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    2018年07月22日
  • 「日本人の神」入門   神道の歴史を読み解く

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    信仰とか、神様というものに無縁でした。
    でも、日本文化を知る上で「日本人と神」の関係を知ることが大事なのでは?という歴史的観点からこの本を手にしてみました。

    これまでは日本人は「無神教」「多神教」というイメージでひとくくりにしていましたが、それはあくまでも現代の話。昔は、日本独自の宗教観というものがちゃんと存在していました。

    その中でも「一神教」と「多神教」の違いについて言及してあるところが印象的でした。
    日本の神は「神社」や「寺」という『場所』に依存した神様。だから、その場所に行かないと拝むことができないし、その場所を離れて瞬間に忘れてしまう。

    一方、キリスト教やイスラム教などの「一神

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    2018年04月04日
  • もう親を捨てるしかない 介護・葬式・遺産は、要らない

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    ネタバレ

    もうすぐ介護されるであろう親世代こそ読んでほしい。親孝行は普通できないもの、できる人は幸せと書いてあり、少し救ってくれました。
    親がしてくれたことを、自分の子供にして、自分自身は子供からの見返りは求めないように生きようと思いました。

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    2018年02月21日
  • 世界の宗教がざっくりわかる

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    宗教学者の島田裕巳が文字通り、一神教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教からアジアの宗教である仏教、ヒンズー教、マニ教、そして神道を含む日本の宗教まで一通り網羅した一冊。

    一神教的な考え方が世界の主流であることを改めて知れたし、現世利益的なものがないと世界宗教になりえないことを知ることができた。

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    2017年11月19日
  • 浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎

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    日本の仏教の歴史について知るには非常にいい本だと思います。
    が、読み方を失敗しました。

    こういう本を読むたびに、「高校のときの日本史の授業って、一体なんだったんだろう」って思います。

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    2017年11月12日
  • 葬式は、要らない

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    日本の葬式の多くは、仏教に結び付いてしまっているため、また、日本では世間体を気にする人が多いため、葬式の料金が非常に高額になっています。
    そこを見直そう、ということを主張した本です。
    決して、完全に葬式をなくそう、という主張の本ではありません。

    が、葬式の簡略化が進んでいる現在の状況を考えると、いずれ、葬式はなくなるかもしれない、という予想には納得できるものがあります。

    自分自身、身近なところで、すぐに葬式が行われる可能性は低いですが、とりあえず、このタイミングで読んでおいてよかった、と思っています。

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    2017年11月12日
  • もう親を捨てるしかない 介護・葬式・遺産は、要らない

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    ネタバレ

    子どもの教育に金をかけたからといってそれは親の恩ということにはならない。しっかりと将来を見据え、将来において破綻しないための戦略と戦術を立てて望まない限り、未来は切り開かれない。そういう社会。サバイバルを必要とする社会。子供は親に甘えているわけにはいかないし、親も子供に甘えているわけにはいかない。親を捨てられるようにしておくのが親の務めではないか。
    なのだけれど。現実にそうなってきているし。親が生きたいと言ったときどうするかはかなり難題かなあ。

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    2017年05月13日
  • 日本の10大新宗教

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    筆者は東大の特任研究員で、代表的な新宗教に関してその発生から成長の経緯がよく分かった。個別の宗派への肩入れも感じられない。新宗教はとても身近にあり、時代の移り変わりを反映して姿を変え、分裂もしてゆく。献金の額の多さは信仰の証とされるので、教団は財を蓄え強大な建造物を創る。また、新宗教が勢力を拡大するのは社会が混乱しているときや過渡期にあるときで、貧困・不満からの脱却に応える教団が伸びる。新宗教は社会の表れであり、人間の性が生み出すものだと感じた。

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    2017年02月19日