島田裕巳のレビュー一覧

  • 教養としての世界宗教史

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     本書を手に取るとそのボリュームに圧倒される。新書で400ページを越えてくるものは専門書としての役割を兼ねているものも多いが、本書は専門性を残しつつも、初学者が興味を持ちやすいトピックを皮切りに論が展開されていくため入門書としても十分通用する分かりやすさを備えている。
     宗教が、政治や財政に大きく関わっていることは周知のとおりであるが、生活面を規律する面を取ってみても科学的な側面を覗かせる部分も大いにあり、当時の教養層に必須だったことも頷ける。
     宗教史が現代情勢を読み解く基礎に置かれることも少なくない。まさに現代人の必須の教養といえるのではないだろうか。

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    2025年07月14日
  • [増補版]神道はなぜ教えがないのか

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    言われてみれば神道には教え(教義)がない。こういうものが宗教として成り立つのかどうか考えてしまうが、自然に対する畏敬がそのまま信仰になった素朴なアニミズムと言うのは案外こんなものかもしれない。それが未開の少数民族でなく、一億を超える人口を持つ日本で今も変わらず続いているところが稀有なのだろうか。
    イスラム教は厳しく偶像崇拝を禁じていると聞いた時に、いったい偶像なしでどうやって信仰心を保てるのか謎だったが、神道も同じだとの指摘になるほどと思った。言われなきゃ気づかないほど神道には宗教感がないとも言える。新たな気づきを得た一冊となった。

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    2025年05月05日
  • 日本人にとって皇室とは何か

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    今の日本の早急かつ慎重に決めなければいけない課題です。皇嗣家には逆風が吹き荒れ、愛子内親王の天皇待望論が支持されるのは、世論の流れです。
    政治家が本当に国民の代表であるなら、この問題を正面から堂々と粛々と議論すべきです。

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    2025年05月04日
  • 帝国と宗教

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    ローマ帝国やオスマン帝国といった多くの帝国と宗教の関係性を縦断的に読めるのが楽しい。中華帝国やモンゴル帝国の特殊性が垣間見えるのも面白い。仏教って帝国の宗教になったことないんだ……。気が付かなかった。

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    2025年05月04日
  • 葬式消滅 お墓も戒名もいらない

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    葬式と社会との関係性の移ろいを、その歴史を通じて社会学的に紐解いている。
    2010年に「葬式はいらない」と題して問題を投げかけ、当然のごとく業界から非難を浴びた筆者であるが、その予測を上回る速度で葬式という社会行為の存在感が薄れつつあるという展開は皮肉が効いていて、その分析も素直に頷ける部分が多かった。

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    2024年10月13日
  • 日本の10大カルト

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    カルトという言葉には様々な意味合いが含まれているが、基本的には宗教との垣根は非常に難しい。本人たちが教義を信じ、行動を抑制していくという点では、宗教と変わるところはない。仮に、社会に危害を加える存在がカルトだというのであれば、宗教が全く違うと言い切ることも難しいように思う。より効果的な分類は規模感であろう。どの宗教も、最初は特定の宗派や社会に対する批判、脱出による歓喜を伴うという意味で、カルトであった時期がある。そこから規模を拡大させて大きな社会的影響力を持つにあたり、宗教に展望するのかもしれない。日本では主に戦後より、上京する若者の孤独感や自己実現欲求に漬け込む形で信者を拡大させてきたような

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    2024年10月02日
  • 京都の最強神社 12社の謎を読み解く

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    出先で書店を覗いて眼に留め、入手して読んでいた一冊だ。なかなかに興味深い。
    神社、中でも京都市内や近郊の神社に纏わる様々な話題を提供してくれる1冊である。
    「神社」と一口に言っても様々なモノが在る。そういう中で「最強」というような呼び方が出来そうな存在は、起こった時期が相当に古いとされていて、『古事記』や『日本書紀』にも登場するような神々を祀ったという場所なのかもしれない。また、そういう例に該当するのでもなくとも、少しずつその権威を高めて行った経過を有する神社というのも見受けられる。
    こういうような神社を巡る詳しい話題を提供してくれるのが本書である。
    京都が都ということになる以前の奈良では仏教

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    2024年08月22日
  • [増補版]神道はなぜ教えがないのか

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    神道に関して今までふんわりとした理解しかなかったけれど、この本で基礎固めできたような感じ。神道のことをもっと知りたいと思える本だった。

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    2024年08月09日
  • 日本の10大カルト

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    ■なぜ宗教に惹かれるのか。その理由を考えるには、二つの事柄に着目する必要がある。一つは、その人間のおかれた状況。もう一つは、出会いである。
     人はいつも幸福な状態にあるとは限らない。不運に見舞われることもあり、不幸のどん底に突き落とされることだってある。しかし、それほどの不幸でなくとも、孤独に襲われることがある。この孤独が、人を宗教へと導く決定的な要素になりやすい。

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    2024年06月30日
  • プア充―高収入は、要らない―

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    ネタバレ

    プア充の実践法が物語調で簡単な言葉で述べられていた。とても読みやすく数時間で一気に読破。

    企業の成長に合わせて自分も成長するのが当たり前、これってホントに正しいのかなぁと思ってたタイミングで出会えた一冊。
    仕事に成長もやりがいもいらない。最低限の生活ができる収入でいい。お金が増えると欲も増え際限がない。などグッとくる表現多数。

    本書を参考に、人生100年時代の今、自分らしく収支を保ちながら生きていく方法を探していきたいと思う。

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    2024年05月14日
  • サクッとわかる ビジネス教養 宗教と世界

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    世界全体の宗教が俯瞰できる良書。宗教なんもわからん、という人でも理解しやすい。

    大きな傾向としては無宗教者が増えていくだろうけど、
    最近のパレスチナ問題や安倍元総理襲撃なんかを考えると、宗教の存在はまだまだ人類にとって大きな影響力を持っているといえるだろう。現代社会を考える重要なファクターとして、これから宗教のことをチマチマ学びたい。

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    2024年01月06日
  • 葬式消滅 お墓も戒名もいらない

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    歴史的になぜ葬式仏教が生まれたか、流れが分かりやすかった。神道と仏教があるが、そのどちらが重んじるられてきたかは、その時代背景による作られたものであることがわかった。

    仏式の葬儀の元は曹洞宗。江戸幕府が庶民がキリシタンでない事を証明させるために寺に所属させた。(檀家)江戸幕府は、本山を管理すればよく、本山が末社を管理。末社は檀家を管理する。【寺請制度】

    お布施をすることによって、信徒は得を積むことになり、寺は潤う。(近年は僧侶が妻帯するようになったので、家族の生活や子の教育費にもお金がかかるのでお布施も高くなっている。)

    曹洞宗の流れを組んだのが、天台宗、浄土宗、真言宗。

    流れをくまな

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    2023年08月15日
  • 宗教対立がわかると「世界史」がかわる

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    ネタバレ

    布教活動
    ユダヤ教→布教しない
    キリスト教→宣教師
    イスラム教→布教しない、啓典の民、待つ

    教団
    ユダヤ教→なし
    キリスト教→あり
    イスラム教→なし

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    2023年01月28日
  • 新宗教と政治と金

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    統一教会がなぜ「反共」として自民政治家と結びついたのかの経緯が理解できた。昨今の事件をきっかけに日本のいわゆる新宗教の成立から今日までの経緯をわかりやすく紹介してある。
    そもそも日本の「政教分離」に至った経緯、政教分離が全国普遍のものではなく、イスラムなどでは政教一致があたりまえとなっている。
    日本人が慣習として神社に参り、願をかける一方で、それが宗教活動とは少しも思わず、宗教施設の維持にも思いを馳せず自らを「無宗教」と語る矛盾を突きつけられる。
    自称「無宗教」は政治への無関心とも結びついているので自戒したい。

    ★日本における共産主義=破壊活動防止法の対象
    ★A級戦犯の開放=冷戦深化=日本の

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    2023年01月02日
  • 宗教の地政学

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    主要な宗教の勃興を、地理的広がりと絡めて学べる。教えの内容(一部主観的な箇所があるが)をちゃんと踏まえながら理解していける。わかりやすかった。

    【ユダヤ教】
    世界70億人のうち約1400万人しかいないにも関わらず大きな影響。アメリカの有名な映画監督にも。
    戒律が厳しいとは何のこと?と思っていたが「割礼」のことと明かされている。割礼こそが、ユダヤ人と、それ以外をわける要因になっており、選民思想の体現と思われる。
    ノルマン人の流入とあわせてユダヤ人がイギリスに流入したが、キリスト教が条件の商工ギルドには参加できなかったため、金融に特化。金儲けするも、イギリス王室に重税を取り立てられ、疲弊の結果追

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    2022年10月25日
  • サクッとわかる ビジネス教養 宗教と世界

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    すごく分かりやすかったし読みやすかった。イラストもなじみやすい。美術史の理解に宗教を勉強したくて読んだのだけど、おかげでより理解が深まりそう。

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    2022年09月13日
  • 葬式は、要らない

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    勉強になった。
    単なる葬式無用論ではなかった。
    戒名の意味、葬儀がともすれば豪奢になってしまう理由、葬式仏教とならざるを得ない寺院の現状がよく理解できた。
    自分の葬儀はできるだけ地味にとボンヤリと考えていたのですが、その根拠とすべき物を見出せた気がする。

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    2022年07月13日
  • サクッとわかる ビジネス教養 宗教と世界

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    海外映画をよく見るので購入。

    キリスト教やイスラム教に関して知識がないと理解できないシーンが多いなと思いました。
    特にアメリカ映画でよくある礼拝シーンなど。

    本書はとてもわかりやすく網羅的に知識が得られるためオススメです。

    最近イスラム過激派に関するドキュメンタリー映画をよく見ているのでこの系統の本を読んでいきたいですね。

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    2022年06月30日
  • 捨てられる宗教 葬式・墓・戒名を捨てた日本人の末路

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    捨てられる宗教 葬式・墓・戒名を捨てた日本人の末路。島田 裕巳先生の著書。生物であれば必ず最後には死を迎える。それなのに死が身近からなくなって死が遠くて特別な存在になってしまった。だから宗教は捨てられて、葬式・墓・戒名も捨てられた。それが今の日本。無宗教であるなんて国際社会から見たら断然少数派。自分が信じる宗教があって自分が信じる宗教を真剣に語れる人が国際社会では大多数。どの宗教を信じても個人の自由なのだから自分に合った宗教をもっと追い求めてもいいはず。

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    2022年06月27日
  • サクッとわかる ビジネス教養 宗教と世界

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    素晴らしく分かりやすい。
    如来は悟った人、菩薩は悟る前の求道者。
    神宮は天皇やその祖先を祀り、大社は神社の総本社。
    江戸時代の檀家制度が仏教を葬式仏教に。

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    2022年04月22日