島田裕巳のレビュー一覧
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本書を手に取るとそのボリュームに圧倒される。新書で400ページを越えてくるものは専門書としての役割を兼ねているものも多いが、本書は専門性を残しつつも、初学者が興味を持ちやすいトピックを皮切りに論が展開されていくため入門書としても十分通用する分かりやすさを備えている。
宗教が、政治や財政に大きく関わっていることは周知のとおりであるが、生活面を規律する面を取ってみても科学的な側面を覗かせる部分も大いにあり、当時の教養層に必須だったことも頷ける。
宗教史が現代情勢を読み解く基礎に置かれることも少なくない。まさに現代人の必須の教養といえるのではないだろうか。 -
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カルトという言葉には様々な意味合いが含まれているが、基本的には宗教との垣根は非常に難しい。本人たちが教義を信じ、行動を抑制していくという点では、宗教と変わるところはない。仮に、社会に危害を加える存在がカルトだというのであれば、宗教が全く違うと言い切ることも難しいように思う。より効果的な分類は規模感であろう。どの宗教も、最初は特定の宗派や社会に対する批判、脱出による歓喜を伴うという意味で、カルトであった時期がある。そこから規模を拡大させて大きな社会的影響力を持つにあたり、宗教に展望するのかもしれない。日本では主に戦後より、上京する若者の孤独感や自己実現欲求に漬け込む形で信者を拡大させてきたような
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出先で書店を覗いて眼に留め、入手して読んでいた一冊だ。なかなかに興味深い。
神社、中でも京都市内や近郊の神社に纏わる様々な話題を提供してくれる1冊である。
「神社」と一口に言っても様々なモノが在る。そういう中で「最強」というような呼び方が出来そうな存在は、起こった時期が相当に古いとされていて、『古事記』や『日本書紀』にも登場するような神々を祀ったという場所なのかもしれない。また、そういう例に該当するのでもなくとも、少しずつその権威を高めて行った経過を有する神社というのも見受けられる。
こういうような神社を巡る詳しい話題を提供してくれるのが本書である。
京都が都ということになる以前の奈良では仏教 -
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歴史的になぜ葬式仏教が生まれたか、流れが分かりやすかった。神道と仏教があるが、そのどちらが重んじるられてきたかは、その時代背景による作られたものであることがわかった。
仏式の葬儀の元は曹洞宗。江戸幕府が庶民がキリシタンでない事を証明させるために寺に所属させた。(檀家)江戸幕府は、本山を管理すればよく、本山が末社を管理。末社は檀家を管理する。【寺請制度】
お布施をすることによって、信徒は得を積むことになり、寺は潤う。(近年は僧侶が妻帯するようになったので、家族の生活や子の教育費にもお金がかかるのでお布施も高くなっている。)
曹洞宗の流れを組んだのが、天台宗、浄土宗、真言宗。
流れをくまな -
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統一教会がなぜ「反共」として自民政治家と結びついたのかの経緯が理解できた。昨今の事件をきっかけに日本のいわゆる新宗教の成立から今日までの経緯をわかりやすく紹介してある。
そもそも日本の「政教分離」に至った経緯、政教分離が全国普遍のものではなく、イスラムなどでは政教一致があたりまえとなっている。
日本人が慣習として神社に参り、願をかける一方で、それが宗教活動とは少しも思わず、宗教施設の維持にも思いを馳せず自らを「無宗教」と語る矛盾を突きつけられる。
自称「無宗教」は政治への無関心とも結びついているので自戒したい。
★日本における共産主義=破壊活動防止法の対象
★A級戦犯の開放=冷戦深化=日本の -
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主要な宗教の勃興を、地理的広がりと絡めて学べる。教えの内容(一部主観的な箇所があるが)をちゃんと踏まえながら理解していける。わかりやすかった。
【ユダヤ教】
世界70億人のうち約1400万人しかいないにも関わらず大きな影響。アメリカの有名な映画監督にも。
戒律が厳しいとは何のこと?と思っていたが「割礼」のことと明かされている。割礼こそが、ユダヤ人と、それ以外をわける要因になっており、選民思想の体現と思われる。
ノルマン人の流入とあわせてユダヤ人がイギリスに流入したが、キリスト教が条件の商工ギルドには参加できなかったため、金融に特化。金儲けするも、イギリス王室に重税を取り立てられ、疲弊の結果追
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