島田裕巳のレビュー一覧
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統一教会がなぜ「反共」として自民政治家と結びついたのかの経緯が理解できた。昨今の事件をきっかけに日本のいわゆる新宗教の成立から今日までの経緯をわかりやすく紹介してある。
そもそも日本の「政教分離」に至った経緯、政教分離が全国普遍のものではなく、イスラムなどでは政教一致があたりまえとなっている。
日本人が慣習として神社に参り、願をかける一方で、それが宗教活動とは少しも思わず、宗教施設の維持にも思いを馳せず自らを「無宗教」と語る矛盾を突きつけられる。
自称「無宗教」は政治への無関心とも結びついているので自戒したい。
★日本における共産主義=破壊活動防止法の対象
★A級戦犯の開放=冷戦深化=日本の反共活動
★日本近代の新宗教=生長の家(右)→「日本会議」へ(共通の思想)
★統一教会=キリスト教にて堕落を引き起こした「サタン」との対峙=サタン=共産主義=韓国からみた北朝鮮→朝鮮を植民地支配した日本への恨み
★岸氏と勝共連合のつながり
★戦前の国家神道体制=神道(内務省神社局)と他の宗教(内務省宗教局)の法律の区分け=宗教団体法による認可制→GHQ神道指令
★戦後の「信教の自由」にて1945宗教法人令制定=神社も宗教法人に→届出制 自由に立ち上げ可に
★天理教など、政界に出る流れ→信教の自由の確率で収まる
★新宗教→戦後高度経済成長期に、田舎から都会にでてきた人を取り込んで急成長→社会下層への広がり
★1990年代前半バブル時代に信者数ピークに 献金も高額に
★創価学会の特徴→排他性 日蓮の弟子、日興を宗祖とした日蓮正宗(途中で離れる)1955年に会員が初出馬。当選。1960年池田 会長就任 64年公明党 宗教政党として出発 戸田からの方針転換 69年選挙まで
拡大→73年オイルショック→都市部へ出る人の減少→『言論出版妨害事件』70年池田 謝罪、政教分離約束
★政教分離『たった一人の反乱』より
市立体育館の神式の起工式は違憲?政教分離に反する?
→「行為の目的が宗教的意義を持つか否か」判断基準に
→靖国神社「国家護持」問題 右翼と左翼の対立の象徴
→公式参拝をめぐる問題に
A級戦犯合祀されてる靖国神社に国家として公式参拝することへの批判
→天皇は頑なに参拝拒否
★日本人は無宗教?→【神道、仏教】神社や寺院に行き礼拝し祈りを捧げる=宗教行為⇔【キリスト教】日本人がクリスマスを祝う、キリスト教式の結婚式=宗教行為は伴わない
→無宗教?→一般の人は維持のための献金しない
★七五三の参拝を子供に促す、仏教式の葬儀に参列→信仰の強制にならない?社会的慣習にすぎない?「統一教会の信者でない私達も意識しないまま子供に信仰を強制している」
★ミッションスクールに通わす親の多くはキリスト教ではない。環境は生徒に影響を与えないはずがない。「改宗をさせないことで許容」
★日本人の無宗教は「特定の宗教に属しないまま日常的に宗教行為を行うこと」を意味する。神道、仏教、カトリックなどオーソドックスな教団なら許容するが新宗教は別物として否定的に捉える
→戦後の創価学会体験から。新宗教アレルギー→新宗教と自分は無関係という意思表示=自分は無宗教→だったらなぜ神社や、寺院に行くのか、信仰のあり方について考え自覚することに結びつく
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Posted by ブクログ
主要な宗教の勃興を、地理的広がりと絡めて学べる。教えの内容(一部主観的な箇所があるが)をちゃんと踏まえながら理解していける。わかりやすかった。
【ユダヤ教】
世界70億人のうち約1400万人しかいないにも関わらず大きな影響。アメリカの有名な映画監督にも。
戒律が厳しいとは何のこと?と思っていたが「割礼」のことと明かされている。割礼こそが、ユダヤ人と、それ以外をわける要因になっており、選民思想の体現と思われる。
ノルマン人の流入とあわせてユダヤ人がイギリスに流入したが、キリスト教が条件の商工ギルドには参加できなかったため、金融に特化。金儲けするも、イギリス王室に重税を取り立てられ、疲弊の結果追い出される。
1492年、スペインよりイスラム勢力が陥落されると、同時にユダヤ人も追い出される。
このような経緯から、世界にネットワークをきづくようになった。
【キリスト教】
ユダヤ教に対して世界宗教となる。カトリック(ヨーロッパ、アメリカ特に中南米)、プロテスタント(西ヨーロッパ、北アメリカ)、東方正教会に分かれる。
「禁欲」を重視する。「原罪」の教義の確率により、決定的となる。(アウグスティヌス)これについて筆者「人間はその誕生の直後に性行為を行うという罪を犯し、その罪は遺伝として後の人間すべてに及んでいるというのですからこれほど恐ろしい考え方はありません」「今の社会に原罪を強調するような宗教が突然現れたとしたらそれは危険なカルトと捉えられるかもしれません。人間の、自然なあり方や本能に反したことを説いているからです」と厳しい。
そんなキリスト教が広まった要因を「教会」としている。教会の役目として贖罪の機能の強調、そして儀礼を受けて「聖体」受領の場となるとのこと。そのために、「聖遺物」が教義上根拠とされたことがちゃんと明かされている。場所が面で作られ、そこに集まって儀式をする人々がその場所で信仰を深めていくことが、世界宗教になる、過程とわかった
教義の面では絶対の善なる神を説くキリスト教と対比してマニ教の善悪二元論が紹介。キリスト教の弱点としては、現実世界には善悪存在することだが、そこに対する反論として善悪二元論でアプローチしているのがマニ教。善悪二元論は、善なる神と悪なる神がいて、善悪を作っているという教えなので、反論とはいいながら、キリスト教同様理性的には納得感はない。
マニ教が、うまくキリスト教に突っ込めば今頃マニ教が世界宗教には、、、なってなかったか。
カトリックが教会を中心に、世界的に面で広がったのに対して、東方正教会は地域ごとに正教会があり、バラバラ感があるようす。ウクライナ問題に絡めてロシア正教会とウクライナ正教会の独立が解説してある。
世の中が、国家という線で分けられるのと並行して、宗教という線で分けられていることが、感じられる。
【イスラム教】
キリスト教との違い→メッセンジャーはムハンマド。最後の預言者。ムハンマドがメッセンジャーの地位を独占。イスラムではノア、アブラハム、モーセ、キリストは使徒だが正しく啓示を理解してないと位置づけ。一般信者がメッセンジャーになることはない→聖職者(キリスト教は聖職者の世界と俗人の世界がハッキリわけられている。仏教や神道にもあてはまる)不在。宣教師もいない。にも関わらずなぜか世界2位。
イスラム教のモスク→モスク中の「ミラフープ」という窪みがメッカの方角。礼拝はモスクに限らない。方角が大事。メッカにはカーバ(立方体)神殿があるがご神体はない。イスラムからしたら神が作った世界が神聖、聖俗の区別はない。(聖俗を、区別するいわゆる宗教と言えない・・・)
イスラム教を広めることはイスラム法を適用される世界の拡大を指す。「コーラン(神の啓示)」と「スンナ」→解釈や類推→「イジュマー」「キヤース」法学には派がある。「平和な家」↔「戦争の家」(例ハラール=鳥牛OKとハラーム=豚、屠畜方法の異なる鳥牛NG)↔ヒンドゥーとの対立=戦争の家)「平和な家」の拡大活動→イスラム信仰を広める→ジハード
【仏教】
地政学的には不利とされる。
インド発祥と言われるが、歴史を証するものが乏しいと言われる。そもそも古代インドの歴史書がないため。
まさかお釈迦さまが実在しないとはユメにも思わないが。
紀元前7世紀に釈迦が現れ、紀元前200年代のアショーカ王の頃栄えたのがかなり確かな年代とのこと。
仏教ネットワークの結節点は仏舎利塔。アショーカ王が84000作ったという。
インド仏教の伝承は比丘、比丘尼が集まって生活するサンガにおいて口伝え。→結集
働かない比丘、比丘尼はそれを学ぶ俗人により支えられた。仏塔に釈迦のエピソードが描かれた。やがて一人の人物の生涯として捉えられるように。
仏教はインド→中央アジア→シルクロード→中国→朝鮮→日本と伝来。地理的な変化の中で影響を受けた。
バーミヤンの仏教遺跡
西遊記→中国からシルクロード→ウズベキスタン→トルクメニスタン→アフガニスタン→インド
ただし、西遊記の時代にはガンダーラは荒廃し仏教も廃れていた。
仏教はインドで一度滅亡している。イギリス植民地以前。ヒンドゥー教にもとりこまれ、釈迦がビシュヌ神の化身にされてしまった。
中国仏教は中国では外来の新宗教とされた。道教、儒教があったため。やがて中国では国家の管理下におかれる僧官が定められた。世俗社会に位置づけられた。
中国仏教→偽経がたくさんあり。中国では輪廻転生の繰り返し→浄土進行が生まれる。観無量寿経は偽経の疑いがあるという。日本では善導大師の解説が重視されてきた。。→インド仏教の、ままでは中国で受け入れにくいため。それを日本も受け入れた。
地域の状況を踏まえて変容を許容する宗教としては特異ということになる。
インド→バラモン、ヒンドゥーとの違いをなくす
中国→道教、儒教との習合による変容
ベトナム仏教も同様
東南アジア→仏教のライバルがなく、そのまま定着
日本→浄土真宗→妻帯→蓮如上人→子だくさん(27)宗派の発展。
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Posted by ブクログ
正直、1回で全ては理解できませんでした。
ちょっと雑談できるくらいの知識をつけようと思い読んでみましたが、『ちょっと雑談』のレベルよりは深い話が書かれています。
宗教と政治の絡みはもちろん、宗教とSNS、宗教と社会の絡みなど興味深い話がたくさんありました。特に宗教と社会の章では、イスラム過激派の成り立ちやユダヤ人に天才が多い理由など、うっすら知っていることを深堀りできました。
宗教についてある程度知識のある方には物足りない内容かもしれませんが、ほぼ知識のない私には難しかったです。読み終わってすぐの今はお腹いっぱいなので、機会があればまた読みたいと思います。 -
ネタバレ 購入済み
ほっこりしました
Episode1
男性心理の描写が良かったです。宇宙愛って上手い言葉だと思います。
Episode2
自分も、小さい頃、一般的な地域の神社の儀式には参加出来ませんでしたので、当時の閉鎖感を思い出しましたが、今は自分の家柄を貫いたと考えています。また、子供に発熱がある時に宗教への信念と母親の責任感は同居出来ないものかと思いました。実体験としては、夜中に謎の発作が襲った時に、枕元に母がお札を置いてくれたことがありましたが、母の愛情と祈りが一緒になっていたせいか、安心した記憶があります。
Episode5
藤野さんの父と母の信仰をとりまく生活は、自分の実体験や親戚の見解を思い起こさせました。隠したりコソコソしたり、お父さんが不機嫌になるとか…。娘(藤野さん)の母を思いやる気持ちを経て、ガンが悪性でないことが判明した後のお墓参りのお父さんの言葉はぶっきらぼうだけど、自然な流れで宗教を受け入れる素敵な締め方だと思いました。
宗教ノンフィクション読了2冊目ですが、似たような話はあってもどれも違うので、読み比べを続けるつもりです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ創価学会や天理教、生長の家、など、よく名前を聞くし近所にも施設がある宗教の変遷がよくわかり、面白かった。
新宗教に対する偏見みたいなモノはなしに、中立的に事実を取材して書いてある。
興味深いのは、新宗教の教祖はほとんど女性だということ。やはり最初は、病気や子どもを亡くしたことなどをきっかけに、祈祷などに頼るようになるみたいで、そこから“教祖”になってゆく。
中世に生まれた浄土真宗や日蓮宗や禅宗なんかも、最初はその時代の“新宗教”だったわけで、「念仏唱えれば極楽へ行けるなんてあり得ない」とも言える。でもそれを裏付けるような“宗教体系”を作っていき、組織を作り、信者を集め、宗教団体になってゆく。教祖は女性でも、2代目の代表者からはだいたい男性になる。
宗教って何なのかな、という観点からも面白い本でした。 -
Posted by ブクログ
「神社」は「何処の街にでも在る…」というような程度に身近であるが、永い歴史の中で「神社そのものの経過」、「神社と地域や人々との関係の変遷」、「神社が関連する人々の行動の変遷」等々、色々と考えるべきことが在るように思う。本書はそういうような諸事に関して、日本史の時代区分に沿って、各時代に起こったとされる方々の有名神社、言及した事象に関連する有名神社を例示しながら、簡明に説いている。
本書では“伝説”のような古事記や日本書紀の神話に関わる古い起こりを有するとされる神社から、各時代に起こっている種々の神社が取り上げられる。大名が祀られるようになる江戸時代辺りの神社や、明治時代に北海道で神社が拡がったという経過や、日露戦争等で活躍した軍人が祀られたという大正時代というような、歴史の中では新しいとされる時代に至るまで網羅され、各々に関して有名神社を例示している。
「神社」というモノに関して、本書はその「適当に詳しい他方にシンプルで解かり易いという解説、ガイド」と呼び得る、なかなかに得難い一冊となっている。広く御薦めしたい。 -
Posted by ブクログ
カルトの説明がわかりやすく良かった。
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カルト教団とは「非常識でアブノーマルな宗教団体」ではなく、「憲法に定められた基本的人権を守らない団体」のことです。
例えば子供に学ばせずに宗教活動をさせたりするのは教育の機会を奪うこと、つきまとって入信をせまったり脱会をさせないようにプレッシャーをかけたりすれば精神の自由を奪うことに。
ほか「叩いて悪霊を追い出す」と言って嫌がる人に無理やり暴力をふるったり子供へ体罰を与えたりするのはもちろん、医者に連れて行かなかったり睡眠をとらせないなどもペケです。
あなたの入りたい宗教団体が現代の法律に触れるようなことをしていないか、入信前も入信した後もそこんとこ見極めて下さいね。
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「コツコツと人間が作ってきた良いルールを破らないと幸福になれない神サマのルールってやっぱりヘンです・・・」の手書きの一言、秀逸です!
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