あらすじ
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私たち日本人にとってはもはや、当たり前に身近な存在である神社。
しかし、私たちは神社のことをどれだけ知っているのだろう。
例えば、崇める対象ひとつとっても自然物、記紀神話の神、天皇、英雄と各神社によってさまざまだ。
神社信仰はいつから始まり、そしてどのように変わってきたものなのだろう。
神社を個別に紹介した本は数多くあるが、それらが日本の歴史の中で
どのような位置づけで生まれ、どのように変わってきたのかを明らかにするのが本書の試みである。
神社に焦点を当て日本人の歴史を振り返ったとき、そこにはこれまでと違った日本史の姿が立ち現れてくるはずである。
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Posted by ブクログ
「神社」は「何処の街にでも在る…」というような程度に身近であるが、永い歴史の中で「神社そのものの経過」、「神社と地域や人々との関係の変遷」、「神社が関連する人々の行動の変遷」等々、色々と考えるべきことが在るように思う。本書はそういうような諸事に関して、日本史の時代区分に沿って、各時代に起こったとされる方々の有名神社、言及した事象に関連する有名神社を例示しながら、簡明に説いている。
本書では“伝説”のような古事記や日本書紀の神話に関わる古い起こりを有するとされる神社から、各時代に起こっている種々の神社が取り上げられる。大名が祀られるようになる江戸時代辺りの神社や、明治時代に北海道で神社が拡がったという経過や、日露戦争等で活躍した軍人が祀られたという大正時代というような、歴史の中では新しいとされる時代に至るまで網羅され、各々に関して有名神社を例示している。
「神社」というモノに関して、本書はその「適当に詳しい他方にシンプルで解かり易いという解説、ガイド」と呼び得る、なかなかに得難い一冊となっている。広く御薦めしたい。