【感想・ネタバレ】スマホが神になる 宗教を圧倒する「情報革命」の力のレビュー

あらすじ

IT社会になり、SNSが人間関係に激しい変化をもたらす中、スマホ向けゲーム「ポケモンGO」が社会現象になった。アメリカで無宗教者がこの20年で8%から18%に急増、その背景に過剰なネット依存というレポートが出され、宗教関係者は危機感を募らせている。退屈な時間をなくし、信仰する時間までも奪うインターネット、スマホの普及。ネットは今後、既存の宗教にどんな影響を与え、人々の信仰をどう変えていくのか分析する。

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Posted by ブクログ

宗教とはなんなのか
法律では「超自然的、超人間的本質の存在を確信し、畏敬崇拝する信条と行為」と習います。
でもそれは布教側からであって信仰する側からすればなんなのか。

日本的には「救いを求めるコミュニティ」
ではないかと思います。
友人曰く仏陀が日本の仏教を見聞きしたら「この教えって誰の?」って絶対聞くって言ってましたσ^_^;
まあ今はコミュニティってスマホが代替していってて信仰の入る隙というか時間がなくなってきてるように思います。

そういう意味でいうとこの本はよくわかります。

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2018年02月11日

Posted by ブクログ

スマホやポケモンGOと宗教との共通点が面白かった。
情報革命や資本主義による世界的な宗教の退潮は興味深い。
宗教学は広範囲すぎてとっつきづらいので、こういう身近なところから俯瞰できるのは良い。

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2016年10月11日

Posted by ブクログ

宗教学者によるスマホ社会の考察。スマホはイスラム教との相性が良いらしい。メッカの方向や祈りの時間など必要な情報が簡単に手に入る。意外な感じもするが、イスラム教で大切なのは型を実践することであり、他の宗教のような忠誠心が必要ないというのは知らなかった。 著者は、ポケモン GO を事例として考察しているけれど、ポケモンをやらない人や知らない人には、あまり良く分からない考察かもしれない。 ポケモンの話だけで1/3くらいのページを使っている。もっと鋭い洞察を期待したが、大体ニュースなどで知っていることが多かった。 本の厚さ同様、中身も薄い。

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2021年08月02日

Posted by ブクログ

確かに、スマホ(そしてAI・IoTも、もはや同義)が、あらゆるビジネスを破壊している。
紙の書籍はもちろん、音楽CD業界も、DVD&TVなど映像も含めたコンテンツビジネス業界。
もちろんゲームも、パッケージゲーム(家庭用ゲーム機)は、完全にスマホに置き換わった。
自動車産業も、電気自動車になってしまえば、既存の内燃エンジンノウハウは必要ない。
さらに自動運転になってしまえば、物流が大きく変わってしまう。
「医療」も「教育」も、遠隔での操作が出来るならば、地域による格差は無くなっていく。
そんな中、「宗教」こそスマホに駆逐されてしまうのではないか?というのが本書。
今まで「ビジネス」にしか注目していなかったが、言われてみれば確かに!
そもそも宗教の意味って、「神を信じる」にある。
浮世が不幸だから、極楽に救いを求める。
「たとえ貧乏でも正直に生きていれば、神様が天国に連れて行ってくれる」
これが基本の考え方。
宗教の宗派によって多少違いはあれど、基本は「神を信じる」ことにある。
スマホが万能で、スマホこそが神だから「宗教を駆逐する」という訳ではない。
単純に、スマホ依存になって、時間が限られるのだ。
アメリカでは、キリスト教の日曜礼拝の参加者が激減しているそうだ。
それも納得できる。
わざわざ救いを求めに教会に行くか?
スマホであらゆるものが手に入る(ような気がする)。
ゲームやったり、動画見たりで十分に忙しいのだ。
逆にイスラム教は、祖国からヨーロッパに亡命していることで、ヨーロッパでのイスラム教信者が増えているらしい。
イスラム教は「神」を崇める宗教ではないために、スマホのよう便利なIT機器と相性がよかったらしい。
それらも今後はどうなるか分からない。
確実に、想像すら出来ない未来が近づいて来ているのを感じる。
既存の考えに固執していては、間違いなく取り残されてしまうだろう。
「宗教」すら変わっていく未来で、我々は果たしてどうやって生き残るのか?
(2016/11/28)

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2020年10月17日

Posted by ブクログ

「スマホが神になる」角川新書。2016。島田裕己さん。

タイトルほどの衝撃性は無かったです。ちょっとハッタリ...。
でも、宗教とスマートフォンを巡る蘊蓄というか、ふむふむエッセイとして、読み易く楽しめました。



ここ数年、著作を愉しんでいる宗教学者・島田裕己さん。
別段、何かの宗教の魅力を語るのではなくて、むしろ実は寺社仏閣を見物的に愉しむガイドのような読み方も出来る人です。
(真面目な宗教学の著作もある方なんでしょうが)

この本も、特段、すごく大きな期待もせずに(失礼)ふらっと読んでみました。

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●スマートフォンがとっても普及しています。

●ネットも出来て、ゲームも出来て、色んな事が出来て便利ですね。

●便利なだけではなくて、「孤独なとき」「暇つぶし」「ちょっとさみしい時」にも、貴重な存在ですね。

●ところで、「孤独なとき」「暇つぶし」「ちょっとさみしい時」に貴重だったのが、宗教、特に新宗教と呼ばれるものでした。(一般には「新興宗教」と言うとピンときますね)

●例えば、創価学会・天理教・PL教団とかは、高度経済成長の時代に、ぐんと信者の数を増やしました。その時代に、大勢の若者、少年少女が、集団就職などで大都会に出てきました。

●その人たちは、知人のいない大都会で、孤独で寂しくて暇だったわけです(もちろん、仕事は大変だったでしょうが、休日に何をするか、ということで言うと)。

●遊ぼうにもお金もあまり無いし、そもそもタウン情報のようなものが無い。知人もいない。そういう方々をターゲットにして新宗教は飛躍的に信者を増やしました。

●そうなると、ネットやスマホの普及にともなって、新宗教は、近年ぐんぐんと信者を減らしています。大変です。(一部の例外も触れられています)

●つまり、新規の信者獲得が難しい上に、既存の信者さんの子供世代が、離脱することが多いということです。需要が減っているのでしょう。

●そういう意味では、スマホが、グーグルが、「神」に取って代わるというような言い方すら出来るのか。

と、言うのが大筋です。
「新宗教の戦後現代史」としては、面白かったです。

一方で、スマホが神なのか?という提起については
「まあ、そう言えばそうなのかもしれませんね」という感じです。
宗教、という言葉にどういうイメージを持つかですが、
「集団的に熱狂して何かに行動する」とか
「教義や神体があって、それを維持したり擁護するのに激しい態度も厭わない」
と、言ったような印象だとすれば、スマホにはそういうのは無いような気がしますね。

ちょっとこう、編集者根性のタイトル案かなあ、という感想...。

※新宗教についての分析はあっても、当然ですが、それぞれの新宗教について、擁護も非難もありません。そのあたりの姿勢は安心して読めます。


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それはそれとして、スマホなどデジタル機器の歩みや、世界の宗教状況についてのお話がちりばめられています。
それは面白かった。

●最近だと、アメリカ合衆国の方が、欧州よりもキリスト教はまだしも熱心である。

●欧州は、徐々に「脱キリスト教」が進んでいる。

●韓国では、北朝鮮との緊張関係の影響か、グーグルマップが使えない。だから、ポケモンGOも配信されていない。

●インターネットの網羅性が、ある種の「全能感」を醸し出す可能性。キリストと悪魔の挿話。

●(ネットだとかスマホとは限らないけれど)RPGゲームの物語は、たいていは宗教がらみの昔からある物語と似ている。「英雄」「通過儀礼」「父殺し」。

●「暇つぶし」としてのRPGゲームってすごいねえ、という話。目標を与えてくれてやりがいを与えてくれる。

●北米を中心に、キリスト教の中の、プロテスタントの中の、「福音派」のお話。割と過激な保守主義、キリスト教原理主義。スマホ否定。中絶否定。これがけっこう、勢力が強い。共和党支持層とかぶっている。つまり今で言うと、「トランプ支持層」。

●北米以外でも「福音派」は伸びている。保守反動、民族主義、反知性主義と関連?

●今、世界で伸びている宗教は少ない。比較的に巨大な勢力、キリスト教に次ぐNO.2であり、徐々に差を詰めているのが、イスラム教。

●イスラム教の特性は、教義うんぬんというよりも、「生活上の決まりごとを守る」「社会システム」ということ。キリスト教や仏教のイメージで言うと、けっこう違う。

●イスラム教は「メッカの方向」とか「礼拝の時間」とか「ラマダンの期限」とか、生活の細かいことが多い。これが、スマホのイスラム教便利アプリを使うと便利らしい。普及しているそうな。

●中世までのキリスト教では、「利子を取る」ということが教義的に禁じられていた。なるほどだから、ヴェニスの商人=ユダヤ人=キリスト教的に悪人、という図式になるのですね。

などなど。

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2017年03月07日

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