島田裕巳のレビュー一覧
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近年パワースポットなどと呼ばれ、熱い注目を浴びている場所も、元をただせば何某かの信仰と結び付いている場所であることが多い。そのような聖地と呼ばれる場所が形成されるうえで、決定的に重要なのは祭司である。祭祀が営まれ、それがくり返されることによって、その空間は聖性を帯びてきた。
一方で、数百万単位の人間を集める聖地が、それこそいくつも存在しているのは日本くらいであるという。われわれ日本人の多くは、無宗教でありながら、複数の神を信仰するという離れ業を演じてきた。本書はそんな日本の聖地を辿り、その秘密を解き明かしていく一冊である。
◆本書の目次
第1章 クボ―御嶽 @久高島
第2章 大神神社 @ -
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これを、公明党や創価学会への賛美本ととるのも、批判本ととるもの、間違いだと思います。良い所も悪い所も含めて、公明党と創価学会を中立的にとらえてみようという内容になっていると思います。
少なくとも、公明党や創価学会がどのような団体かさえ知らずに批判ばかりしている人は、一読すべきだと思います。
特筆すべきは、戸田から池田への交替によって創価学会の進む方向が変わってきたことではないでしょうか。戸田がもう少し長生きしていたら、こんにちの創価学会は多少、性格の違う団体になっていたかもしれません。
公明党の住民相談については、他党の議員も見習って欲しいと思います。他党が全くやっていないという訳ではな -
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ネタバレ天理教と大本教が気になり読んだ。コンパクトに分かりやすくまとめられている。
大本教に関しては、王仁三郎の孫出口和明の手になる小説『大地の母』(全12巻)を読んだあと「大本のことだけは研究すまい」「大本にかんしての研究は不可能だ」と思ったって書いている。
『大地の母』は、ざっくり言えば事実に基づく「神話的なドラマであり、初代教祖である出口なおと王仁三郎の神憑りであり、二人に降った神同士の対立と抗争の話である」らしい(事実に基づく…?)。めちゃくちゃ気になるが、全12巻にわたる実録神々のケンカ話かぁ…。いや、でも『霊界物語』全81巻に比べたらまだ可愛いもんか。 -
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島田裕巳氏は、1953年東京都生まれの宗教学者・作家。東大文学部宗教学宗教史学専修課程卒、同大学院人文科学研究科修士課程修了、同博士課程満期退学。柳川啓一氏に師事し、通過儀礼の視点から宗教現象を研究。ヤマギシ会への参加経験を通じて宗教の実践と理想を体験的に探究した。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東大先端科学技術研究センター特任研究員などを歴任。ベストセラーとなった『葬式は、要らない』ほか、宗教史から現代宗教、死生観まで多岐にわたる一般向け著書多数。
本書は、世界の歴史の中で、帝国と宗教がお互いに利用し、利用されてきたさまを考察したもので、2023年に出版された。
概要及び(私に -
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こういう言い方はなんだが、思ったより面白かった。
神社は神所なので神職であったとしても人が住む場所ではない、という一方で寺はもともと中心としたのは仏舎利+それを納める仏塔でそこで修行する僧が集まるから居住空間というのはわかりやすい。
そもそも神社というか神道の社殿は存在せず、鳥居だけがあった、それ以前は鳥居すらなく自然環境のみや茅の輪を作る程度で重要なのは儀式というのは納得感がある。
あと新興宗教は現世利益がメインで、故人を弔うことは重視していないというのは言われてみればそうなのだろう。
日本人男性は50代から急に宗教を意識し始めるという話はちょっと面白かった。まぁ平均取っただけの単純な -
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☆☆☆ 2025年4月 ☆☆☆
『資本主義の終焉と歴史の危機』などで知られる水野和夫氏と宗教学者である島田裕巳氏の対談。ゼロ金利というのは、これ以上の成長は見込めない成熟状態に入っていることの現れであり、辺境から富を収奪することで繫栄する資本主義は終焉の時を迎えつつある・・・これが水野氏の意見であるというのが僕の中での予備知識。
この本『世界経済史講義』では、資本主義の歴史が対談と言う形でわかりやすく読者に提示される。理解が難しいところは何となくで飛ばしながら読んでも良いと思う。以下に、僕が興味深いと感じた点をまとめる。
<以下、興味深い点(引用ではなく、僕の言葉でまとめたもの>
・人 -
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最近読んだイスラム教関係の本の中では、一番分かりやすく「イスラム教とは何か」を説明している本だった。
イスラム共同体の思想の中には「良いな」と思える点はいくつもあるけれど、実際にイスラム教徒(がつくったイスラム共同体)とそれ以外が共存するとなったとき、果たして社会はうまく回るのかというのは私にはまだ分からない。
ただ、宗教が違えどお互いに信じたいものを信じて、お互いのことをリスペクトし合う社会が実現されればそれはとても素敵だと思う。
トルコ人の知り合いがインフレの影響もあってトルコでは金預金かドル預金をする人が多いと言っていたけれど、イスラム教において金貨・銀貨が正貨とされるのと関係して -
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タイトルから世界史を新たな視点から総復習できる感じかな?と思って読んでみました。十字軍のことなど、そういう面もありましたが、全体的には肩透かしを食らったような気がします。
繰り返し出てくるキリスト教=伝道・所属、イスラム教=伝道なし・個人という対比が私としては新鮮な視点でした。
イスラムの原理主義組織・テロ組織とされるものの実態(ゆるやかなネットワークに近い)というお話は、これまで考えたことがなかったのでなるほどな〜と思いました。
ネットワークに触れてテロを起こしたり武装蜂起したりする若者の特徴は、以前であれば新興宗教や過激な社会活動をする日本の若者と重なったのでしょうが、今だと闇バイトをやっ -
Posted by ブクログ
(新潮)新書なのでボリュームや深度には限りはあるものの、その中で礼賛にも罵倒にも偏る事なく、牧口・戸田・池田の三代を中心に学会を分析した好書だと思う。
ただ、読む順番は最初から読むのではなく、冒頭の補章は最後に読んだ方がいい。でないとまるで今の学会が飛ぶ鳥を落とす勢いの様に錯覚してしまうかも知れない。
今回の総選挙において公明党は予測以上の苦戦を強いられた。学会員の高齢化が大きな要因だと思うが、他にも当の自民党すら非公認とした候補を応援した事や、以前は右翼化する自民党に対する政権のバランサーとしての存在感が、自民の(気持ち)中道化によって存在感が薄れた事も考えられるのではないだろうか。
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