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2017年末に富岡八幡宮で起きた前代未聞の事件。元宮司の弟が宮司の姉を刺殺するという凶行の背景には、不透明かつ放漫な神社経営、神社本庁との軋轢などがあり、いずれも神社界の危機を象徴するものだった――。そもそも神社とはどのような場所で、何を祀っているのか。さらに、その収入源や経済格差、神社本庁の正体と歪な権力構造、「日本会議」との関係など、御簾(みす)の裏に隠された“暗部”を宗教学者が炙り出す。
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Posted by ブクログ
「こんぴらさんが離脱するという神社本庁ってなに??」と思っている方がもしいたら、この本を読むといいかもしれない。 この本は今(2020年6月)からちょうど2年半前の、富岡八幡宮宮司殺害事件を受けて宗教学者の島田裕巳によって書かれた、神社界の現状と課題を解説する新書だ。 まずは基礎知識として下記の...続きを読むことがわかった。 ・「神社本庁」ってまるで役所みたいだけどそうじゃなくて、いち宗教法人(ただし役所かのように思わせたかった意図はありそう)。 ・宗教法人には「(1)単位宗教法人(=神社や寺院や教会のように礼拝の施設を備えているもの)」と「(2)包括宗教法人(=宗派や教派や教団のように(1)単位宗教法人を傘下に持つもの)」がある。 ・「(1)単位宗教法人」にも2種類あって、「(1)-a.被包括宗教法人(=(2)包括宗教法人に包括されている(1)単位宗教法人)」と「(1)-b.単立宗教法人(=そうでないもの)」だ。 ・神社本庁は「(2)包括宗教法人」で、金刀比羅宮(こんぴらさん)は神社本庁傘下の「(1)-a.被包括宗教法人」から「(1)-b.単立宗教法人」になろうとしている、というわけだ。(富岡八幡宮も、事件より前に離脱している。) ・神道にもいくつかの系統があり、神社本庁が唯一の神道系包括宗教法人だというわけではない。が、圧倒的に傘下の神社の数は多い。 ・神道の単立宗教法人の有名どころは、靖国神社、伏見稲荷大社(稲荷信仰の総本山)。明治神宮は2004年に神社本庁を離脱するが2010年に復帰。宇佐神宮(八幡信仰の総本山)も2000年代から離脱するやせざるやでもめている。 そしてつまるところ神社本庁ってなんなの、という段になるとどんどんきな臭い話になっていく。とはいってもそこは安定の島田裕巳さん、過度に煽らず淡々と事実を述べているので、クールに読めます。 古代、中世、江戸時代の神道は、神仏習合で今とは全く違ったものだったのだよ、、、という(私は島田さんの別の著書で読んだときに目から鱗だった)歴史の説明があって、そのあとに続く終章で提示される現在の神社界の抱える問題点の数々は、一般人としても素直に「そのとおりじゃん」と頷けてしまう説得力の高さ。 神社仏閣めぐり、好きなのにな。 神社でお守り買うの、いやになっちゃうな。 手塚治虫でも読みたくなっちゃうな。
元宮司の弟が現宮司の姉を刺殺した富岡八幡宮事件から書き起こし、その背景にある神社ならではの事情に話を広げていくスタイルでたいへん読みやすい。神社の財務状況といったマテリアルなところから、神社本庁とはなにか、神社の政治学といった権力構造にいたるまで、よどみない。"神社本庁は「新宗教」である&...続きを読むquot;という喝破は、すごく自分のなかで合点がいった。伊勢神宮がいちばん偉いという権威は、明治以降の日本政府がつくった天皇制の秩序につながるもので、けっして日本古来のものではないということがわかったというのも収穫だった。
富岡八幡宮で起きた宮司殺害事件を導入部分に置き、神社経営の実態や神社間の格差の問題、そして、神社本庁を中心とする神社神道の体系の問題点にまで問題を掘り下げていく。神社神道は日本の伝統的宗教と思っていたが、実は、明治維新を境にして大きく変容したというか、それ以降に創られてきたものであるらしい。そして戦...続きを読む後、戦前の国家神道への回帰を目指す神社本庁の戦略は民心と離れ、政教分離の原則が根付いた現在は、もはや絵に描いた餅に過ぎない。そんな歴史も含め、神社への人々の自然な信仰さへ薄れ、まさに崩壊の危機に立っているのではないかという著者の訴えは現実味を増している。
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神社崩壊(新潮新書)
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島田裕巳
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