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Posted by ブクログ
「いつまでも親がいる」よくぞこの題名で本を出版してくれた、この本の最高点はこの題名だ。
何か解決法、というか心の持ちようが示唆されているのかと思い購入。もはや自分にとってこれは喫緊の命題なのだ。例えば戦争をしていたり戦争直後、1960年ころはまだいつ死ぬかわからない社会、これを「生死観A」、現在はあるていど病気の治療などが進み皆が長生きする人生100年時代、といわれる社会で「生死観B」とする。
「生死観B」の社会は大人になった親と子が共に長期間暮らす社会。今は「生死観」を変えて生活するようですね、と言っている。
そして厄介なことに「生死観」を変えるのは子供の方だ、ということだ、と思う。年取った親は社会が変わっている現状を認識できない。
島田氏は「映画は父を殺すためにある」などの著書で、子供は親殺し、親を精神的に乗り越えるという「通過儀礼」を経て一人前の大人になるのだ、ということを言っている人。この本では狂言の野村万作氏(1931生)が親の万蔵が47歳の時死んで、やっと自分なりの狂言を表現できるようになった、との言葉を紹介。その万作の子供は萬斎(1966生)だが、この万作氏、ある番組で子の萬斎(その芸を)をけっこうきつく批判して、「これじゃあ子供は自由になれないな」と島田氏は思ったという。
「長寿社会になったことで、親はいつまでも生きている。それはめでたく有難いことだが、一方で重石が無くならないことを意味する。親があまりに長生きすれば、子供の方が先に亡くなってしまうこともある。そうなれば、生涯にわたって親から解放されないということにもなってくる」とも。・・そうなのだ。
親は子がストレスを感じている~自分が重石になって子を束縛していることは全く気ずいていない。だいたい今の90代の人の親はまだまだ人生50年時代の世界で、自分ではおおむね60歳までには親から解放されている。むしろ末っ子だったりすると20代で親は亡くなり、「親が重石」だということをまったく理解できないと思う。そこらへんが問題なのだ。
宗教学者なので生死観についてキリスト教やイスラム教、仏教、道教、儒教などの考え方も紹介しているが、やはり冒頭の「生死観B」という長生社会への考え方シフト、これだと思う。・・あきらめろってことですかね。
2021.2.28初版第1刷 購入
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