渡辺優のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
復讐に執念を燃やす、復讐の申し子、りな。夜道で襲われ、刃物で切り付けられる。その際、犯人が囁いた言葉、「ラメルノエリキサ」。りなには完璧な母と普通の父と、互いに分かり合える姉がいる。犯人は警察に捕まえてもらうのではなく、復讐をしなければすっきりしない。第二の犯行、第三の犯行、そして、同級生が洩らした言葉から推理し、犯人を捜し当てる。
すごいキャラだった。ずいぶん歪んでいて、そんな自分を愛している。姉もまたすごいキャラだった。テンポよく、短く、すっと読める。小説というより、痛快なアニメっぽい。新人賞って、やっぱ、斬新なアイデア勝負なんだなあ。 -
Posted by ブクログ
自分の確固たる判断力を持たず、流されるままにふらふらと生きる平和ボケな現代人(?)日本人(?)への痛烈な皮肉のこもったロードムービーな1冊。
他人の意見や感想を聞いては「なるほど」とそれに共感し、また別の意見や感想を聞いてはそちらにも「なるほど」と共感する。ほめられれば喜び、けなされれば怒る。ネットや端末に情報だけでなく、感情までもを依存する僕らは深く考えることもなくただ当たり前に生きているけれども、その主体性とは何か、と問われたような気持ちになった。
サメへの憧憬はあんなに前向きに描かれていたのに、カラスへの依存はこんなにも辛辣に描かれ、思わずカラスに同情してしまった(笑)
-
Posted by ブクログ
ある日、カラスが話しかけてきた。
人違い。そして、謎のワードを告げるカラス。
いつの間にか、カラスと旅をしている主人公。
最後まで不思議な話のまま、幕を下ろす。
よく、「他人事」の対義語のように「自分事」という言葉が使われる。
「自分事として受け止めなさい」みたいな。
でも、自分の外側で起きた出来事に対して、他人事と自分事の境界ってどう設けたらいいのだろう。
結局は、興味を持ちなさいという話なんだろうか。
作中にある「死」に対する態度もそうかもしれない。
真正面から写真や動画で撮って流すことが冒涜なのだとしたら、その場を見て見ぬフリをして後にすることが正しい態度なのだろうか。
見た