渡辺優のレビュー一覧

  • 女王様の電話番

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    風俗マッサージ店の電話番として「女王様」を客にマッチングの働きをする志川という女性が、「女王様」と呼びならわすセラピストの魅力的な女性・美織の失踪の謎を追って真相を追究していくミステリーのような展開。実は「女王様」とはセラピスト全員を指すのであるが、その美織その人のことであることがこの著者の意図であると読み進むうちに感じた。この志川の大胆な探偵まがいの行動にひやひやしつつ、いつのまにかこの世界に引き込まれた。志川さんの学生時代の女友たち、そして前職の先輩、同期。美織女王の顧客たちとの会話が生き生きとしている。このような業界が本当にあるのだろうか?そしてアセクシャルという性向が本当にあるのだろうか?と違和感は感じつつ、小説としては非常に面白かった。

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    2026年09月02日
  • 行きたくない

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    「行きたくない」をテーマに六人の作家さんが書き下ろした短編集。住野よるさん目当てで購入。
    同じテーマでもどの作品の内容もまるで違くて面白かった。
    特に好きだったのはピンポンツリースポンジとコンピレーション。
    どちらの作品もSFチックなのにどこか現実味があって読みやすかった。どんな世界なんだろうと読み解いていくのが気持ちいい。登場人物達の会話のテンポ感がいいのも好き。

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    2026年09月02日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    降り続く雨、土砂崩れによって嵐の館に閉じ込められた面々。そして密室で起こる殺人。
    様々な事情で館に滞在する人達のそれぞれの視点から物語が進んでいく。

    典型的なクローズド・サークルで起きる殺人事件。探偵不在とはこんなにカオスになるのかと思い知りました。
    ミステリサークルの二ノ宮くんの抑えきれないわくわくっぷりにはハラハラしましたが、先輩とのコンビネーションも地味におもしろかったです。

    殺人の動機にはえっ?そんなこと?という驚き。
    登場人物のキャラがそれぞれクセ強で最後まで飽きずに楽しめました。

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    2026年08月17日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    降り続く雨による土砂崩れで外界から隔絶された屋敷、私雨邸で主人の雨目石昭吉が死体となって発見された。様々な事情によりその場に居合わせた人々は、それぞれの視点から事件の真相を探り始めるが...

    多視点かつ多重解決の要素を取り込んだクローズドサークルもの。ミステリー研究会に所属する学生が意気揚々と事件の調査を始めるのを他視点者が鼻白んだ目で見ていたり、想定内の展開とはいえ次々と披露されるそれぞれの視点からの推理など、楽しめる部分もあったが、全体的にはややこじんまりとした印象。本格ミステリとしての完成度を期待しすぎなければ、最後の数ページで作品のテーマ性が浮かび上がってくる良作。

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    2026年08月15日
  • 女王様の電話番

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    ネタバレ

    電話番、予約管理だけじゃなく営業もしないとだから大変そう。でも人に会わなくてもいい仕事は好き。

    美織女王様から始まる電話番の大冒険。
    お店に最後までバレなくてよかったね。

    あと、前職界隈の方が本当に嫌いでした。吉野ちゃんはもちろん。結果、先輩も。
    アセクシャルのこと、本当に雑にしかわかってないし調べてないやん。本人と話すまでに調べたならもっと話し方あるやろがい。
    そして調べ方甘いんじゃい。というモヤモヤがすごかった。

    セクシャリティがどうであろうと、人間として接する時の態度は同じでしょ。人間として見下すなら私もあなたを見下しますけど?たまたまセクシャリティがマジョリティだからって何が偉いの?

    という怒りがふつふつと。

    美織女王様は、なんだか達観してるというか徹底してる人でしたね。あぁいう方は1人で力強く生きていける方です。

    なんだか主人公ちゃんが歩む人生の、歩幅が変わる時期の物語というか、大地の踏みしめっぷりが変わった気がするお話でした。

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    2026年08月12日
  • カラスは言った

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    主人公の自宅ベランダに飛来したカラスとの出会いから日常に変化が起き、成り行きでの旅をしながら自分を少し見つめ直して行く物語。
     
    主人公は素直だが掴み所がなくドライな感じで感情移入がしにくかったです。物語を通して情報と現実の違いや、人それぞれの価値観、他人との関わり方について考えさせられました。
     

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    2026年08月09日
  • 女王様の電話番

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    なかなか面白くいっきに読み終えた
    この世はスーパーセックスワールド
    そうかもしれないけど
    アセクシャルが奇異なのは若いうちだけなんですがね…とおばさんは思います
    そりゃまあ個人差があるだろうけどね!

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    2026年07月31日
  • 女王様の電話番

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    人は誰しも何かを語るときは自分自身を基準に良し悪しを決めがちだろうし、自分を基準に評価できないことは「一般的には」とか「世間的には」などとどこかで聞き齧った大多数の意見を正しいとばかりに批判の材料とする。しかし一般論に当てはまらないからといって批判される筋合いもないし、極小数派にすら属さないからといって存在していないことにされる必要もない。誰もが自分本位に生きているし、生きていい、それが一番楽だということ、なのだと思う。

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    2026年07月29日
  • 女王様の電話番

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    初めての世界を垣間見た。ノミネート作品だから読んでみようかなと思い手にとった。文章はとても読みやすくスラスラ読める。こういう世界もあるんだなぁ。

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    2026年07月28日
  • 女王様の電話番

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    ネタバレ

    登場人物たちが精神的に幼ない。幼さで物語が動くところが腑に落ちなかった。友人のセンシティブな言葉を聞いたあとに、「そんなことありえない!」と言える無神経な大人は少ないのではないか。起承転結の転の部分がその登場人物たちの動きと言動に支えられているから、説得力にかけるのではないかと気になった。

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    2026年07月26日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    ありそうな館での密室殺人!しかしそれぞれは身の潔白や犯人かと疑うが、謎解きには至らない「おい!事件どうすんだよ!」心の叫びから、知恵の輪が解ける如く、解決への光明が!再読必須な謎なミステリー

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    2026年07月22日
  • 女王様の電話番

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    設定に驚き。優しい色使いの表紙からは想像しなかった女王様。びっくりした。
    物語の冒頭、話の本筋に入る導入部分がやや長く感じた。テンポが遅いような。どうせならその業界のことをもっと教えてほしかった。
    自分の性自認?を通して、人との関わりや自己肯定をしていけばいいのか、みたいなことを思った。

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    2026年07月20日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    主語が頻繁に変わるので、個人的には少し読みにくかったです。題名通り各人の視点で話が進んでいきました。
    結末は割とあっさり。ただ、二ノ宮というキャラが苦手すぎてずっとイライラもやもやしてました。

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    2026年05月27日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    思ってたよりも、そこまで驚きが薄かった印象でした。 もっと仕掛けがたくさん含まれているのかと感じたのだが、まさにタイトルの通りに登場人物たちそれぞれの心理描写がより濃く反映されていた。
    こんな事を言ったらミステリファンの方に怒られるかも知れないが、館ミステリは仕掛けとか伏線回収が大事だと私は感じていて、読者に悟られずに、犯人を探すところにミステリの醍醐味があると感じています。
    渡辺さんの作品のイメージとしては、ミステリの
    印象があまり無かったので、少し私は、合わなかったなという印象です。

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    2026年05月24日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    謎のリアリティがある作品。

    当事者なのにどこか他人事、SNSの心配、心の中で愚痴を連発、穴だらけの推理で犯人だと指名する。
    自分が何人も出演してるのかと思えるくらい普通の人たちの集まりで中盤はぐだり気味な印象。

    それでもミステリーらしさは充分にあり、予想外の真相、解決パートの爽快感、オチは割りと好みで、それなりに楽しめました!

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    2026年05月21日
  • きみがいた世界は完璧でした、が

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    一言で表すと、デブなオタクの恋愛一人相撲ですかね。全然共感できない主人公でしたが、話のテンポ感がいいので読めてしまいました。現実にいる挙動が不審な人って、中身こんな感じなのかなあ。。

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    2026年04月24日
  • クラゲ・アイランドの夜明け

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    どうにもとらえどころのない、とても不思議な小説だった。初めは、クラゲに夢中なミサキがクラゲと心を同調させていく物語かと思っていた。なのにミサキはいきなり死んでしまい、友人のナツオの1人語りが始まる。ナツオは自分の考えを持たないどうにもはっきりしないキャラクターで、気弱な善良さだけでできている人間だ。ミサキの死をめぐっていろいろと話は展開していくが、語り部のナツオがこんな調子なので、どうにも盛り上がらない。最後に真相は明かされるものの、その真相を受けてのナツオの感情にもいまひとつ共感しきれないところもあった。僕たちを繋いでいるものとはいったい何だろう?技術の発展とはいったい何だろう?

    岩手県沖の洋上にある「楽園」で突如発生する新種クラゲの大発生。クラゲ好きなミサキは胸を踊らせるが、なぜか自ら死を選ぶ。ミサキはなぜ死んだのか?友人のナツオは答えを求めて行動をはじめる。

    装丁がとても素敵。


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    2026年03月28日
  • 短編アンソロジー 学校の怪談

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    ホラー。短編集。
    直近で異形コレクション『メロディアス』にて、久永実木彦「黒い安息の日々」を読んで、学園ホラーが読みたい気分になり、積読解消。
    小学校から高校まで。
    表紙のデフォルメされたイラストがとても可愛い。
    どの作品もなかなか良い感じ。無難に面白い。
    以前に瀬川ことび名義の作品を気に入っていた、瀬川貴次さんを発見できたのが個人的に嬉しい。
    シリーズものを書いているようだが、1冊で完結するような作品を読みたいです。お願いします。

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    2026年03月26日
  • ラメルノエリキサ

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    『女王様の電話番』で、第174回直木賞候補にも選ばれた渡辺優さん。

    本作は第28回小説すばる新人賞を受賞したデビュー作品。

    終始疾走感のある物語だった。

    何と言っても主人公の女子高生・小峰りなが魅力的。

    彼女の信条は「やられたら、やり返す」。
    勧善懲悪が好きな自分には超ビンゴ。

    物語は、りなが夜道でナイフで切り付けられた場面から始まる。
    犯人が残した謎の言葉「ラメルノエリキサ」を手掛りに、真相を追い復讐へと動き出す。

    復讐劇なのに重さはなく、むしろ爽快感があるのがこの作品の面白いところ。

    宮部みゆき氏が絶賛したのも頷ける。

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    2026年03月18日
  • ラメルノエリキサ

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    復讐に執念を燃やす、復讐の申し子、りな。夜道で襲われ、刃物で切り付けられる。その際、犯人が囁いた言葉、「ラメルノエリキサ」。りなには完璧な母と普通の父と、互いに分かり合える姉がいる。犯人は警察に捕まえてもらうのではなく、復讐をしなければすっきりしない。第二の犯行、第三の犯行、そして、同級生が洩らした言葉から推理し、犯人を捜し当てる。

    すごいキャラだった。ずいぶん歪んでいて、そんな自分を愛している。姉もまたすごいキャラだった。テンポよく、短く、すっと読める。小説というより、痛快なアニメっぽい。新人賞って、やっぱ、斬新なアイデア勝負なんだなあ。

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    2026年03月06日