渡辺優のレビュー一覧

  • 自由なサメと人間たちの夢

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    夢がテーマの短編集ですがどの切り口も今まで読んだどの本にも属さない斬新さを感じました。当初は巻頭の「ラスト・デイ」の毒気に当てられて読み進めてよいかどうか迷いましたが杞憂でした。「彼女の中の絵」のほっこり感、とても心地よかったです。

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    2020年04月05日
  • 自由なサメと人間たちの夢

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    人生のベストエンドに詰んでる人達がグッドエンドかもしれないルートを進んでいく様を見守るようなお話でした。どうしようもないけれど確かに救いがあると感じました。自分の事をゴミ屑だと思っているような人間ほど突き刺さる話であるような気がします。全てのお話に共感ポイントがあって1冊まるごと好きにならざるを得ませんでした。

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    2020年03月04日
  • 行きたくない

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    ネタバレ

     どうしても行きたくないときだって、ある。を綴った6人の作家さんの物語。

     内容紹介:誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。 ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。 ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。 僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。

     こちらの著書を購入したきっかけは、作家の一人の住野よるさんの作品が載っててそれで読んでみたいと思って購入したんですが、読んで見るとどの話も良かったです。特に心に残ったのが

     阿川

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    2019年09月23日
  • ラメルノエリキサ

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    「姉は私をこう名付けた―復讐の申し子と」。

    復讐が生き甲斐でハンムラビ法典を愛好するマザコン女子高生が、警察に先んじて自分を切り付けた通り魔に復讐せんとする痛快爽快青春小説。あるいは復讐娯楽エンターテイメント。

    主人公や周囲のキャラがかっとんでて楽しい。

    「私は自分が好きだから、大好きな自分のためにいつでもすっきりしていたい。復讐とは誰かのためじゃない。大切な自分のすっきりのためのもの」

    「痴漢やひったくりを恐れて音楽を聴くのを我慢するということは、痴漢やひったくりに音楽を聴く楽しい時間を奪われるということだ。それは痴漢やひったくりに遭わずして痴漢やひったくりに害されているのと同じ事」

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    2018年02月27日
  • ラメルノエリキサ

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    復讐をモットーにしてる女子高生のりな。夜の帰り道で刺されて、復讐のために犯人捜しを始める。
    復讐をしないと気が収まらない病気のような性格を除けば、思い遣りもあって明るい女の子。主人公りなの周りを含めて、軽やかに狂ってて面白かった。

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    2018年02月27日
  • 女王様の電話番

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    ネタバレ

    性的サービスを提供する方の女王様をデリバリーするお店の受付で電話番をする志川という女性が主人公。作品中に出てくるキーワードとして「大丈夫」や「スーパーセックスワールド」の2つが頭に残った。志川はアセクシュアルで他人に性欲を感じない。でも、「好き」という感情は男女関係なく持てる。そのため、男女/女女の関係で誤解も招く。言葉としては「大丈夫」や「セックス」と同じものを使っても、その意味するものは人それぞれ異なる。軽く読めるのだが、いろいろ考えだすと深みにはまりそうだ。

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    2026年07月03日
  • 女王様の電話番

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    ネタバレ

    この世はスーパーセックスワールドである、という衝撃的な文章で始まる。
    そのとおりである。
    好きという感情、おつきあいという過程、その先には性行為があり、結婚したら、レスであれば離婚理由にもなり得る。

    自分はメジャーだと思っているので、そのような世界が普通だと生きてきたけど、そうではない世界もあり、そうではない世界で生きてきた人たちにとっては、スーパーセックスワールド自体がその人たちの存在を否定してしまう。
    主人公はアセクシャルに分類されると自分では思っているけども、誰とも性行為ができないという悪魔の証明を世の中に求められている。証明できなければ、それは嘘なんでしょうと。
    そんな不毛な世界、嫌

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    2026年07月03日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    ネタバレ

    推理小説にしては珍しい、多人数視点で物語が進行していくクローズドミステリー。
    途中の【X】による、神視点の呟きは面白かった。
    「ここまでに十人全員が、一つずつ嘘をついている。」や、「ここまでの視点で犯人の特定が可能である」という所謂読者への挑戦上など、読んでいて楽しかった。

    犯人やトリック、動機に関しては良くも悪くも、ずば抜けたものではなく現実的かつ単純なものであった。
    逆にそれを推理できなかった自分は、二ノ宮と同じくミステリーファンとしてはまだまだなのだと感じた。

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    2026年06月28日
  • 女王様の電話番

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    飽きさせない内容でとても面白かったです。
    LGBTQIA+という概念は知っていても、こういった物語として擬似体験する事で、より深く知り得たように感じます。とは言っても未だ表層に過ぎないかもですけど。

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    2026年06月27日
  • 女王様の電話番

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    割り切れぬ「モヤモヤ」の奥に宿る、圧倒的な誠実さ
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    渡辺優『女王様の電話番』は、一人称の語りを通じて人間の内面を深く掘り下げていく、非常に誠実な小説だった。だからといって読者に心地よい共感をさせてくれるような、分かりやすい作品ではない。
    むしろ読み進めるほどに主人公の行動には納得がいかない場面が多く、戸惑いを覚えることも少なくない。
    風俗店の客と簡単に会ってしまったり、亡くなった客の家に忍び込んだりと、その倫理観や行動原理には多くの疑問符が浮かんでしまう。
    特に、吉野ちゃんとのダイニングでの会話は、率直にいって品を欠いている印象が否めず、読んでいてとても困惑した。
    そうした違和感を抱

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    2026年06月24日
  • 女王様の電話番

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    ネタバレ

    我々は確かにスーパーセックスワールドに生きているし、自分もそちら寄り。しかしアセクシャルは勿論、LGBTQ他いろんな人いる。昔に比べ理解は広まってるとはいえ、当事者でなきゃ本当はわからないし、生理的に嫌悪する古い人もいるだろう。しかもジャンルの中でもみな同じではない。だからジャンルでなくその「人」を見ればいい。誰もがそれぞれの地獄がある。でもそれぞれの天国もあるんだ。美織さんは嘘つきのとんでもないヤツだと思ってたが、 堂々として潔くブレない女性だったのが良かった。常識的には大分壊れてはいるんだけどwあと、「私あの人嫌い/苦手」の会話にドキッとした。人それぞれ見方違うよねーって。「正欲」との比較

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    2026年06月15日
  • 行きたくない

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    「いきたくない」
    そう思っちゃダメなのかな。
    自分は不出来なのかな。
    そんな気持ちがなんだか浄化された1冊。

    ピンポンツリースポンジ。ロボットと心。対極にあるものだと思ってたけど、実は違うのかも。ロボットが抱く気持ち。ほんとはあるのかも、と思うと、不思議な感覚となんだか心があったかくなる感じがした。

    シャイセ。日常の少しずつのストレスは、まわりの人が包んでくれる感覚で緩和されてて、その感覚がなくなった瞬間、耐えられなくなる感じ。すごーく沁みる。「いきたくない」って当然だよ、のシャイセの言葉に救われた。

    週末のアクアリウム。普通と普通じゃないの、境目。平常心と狂気の境目。人って、絶妙なバラ

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    2026年06月13日
  • 女王様の電話番

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     この本を読んで、風俗店で働くスタッフの人情話が書いてあって、難しい立場だということがわかりました。
     仕事上のサービスと恋愛との線引きが難しいと改めて思いました。
     面白い作品でした。

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    2026年06月11日
  • 女王様の電話番

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     生と性が密接に結びついているこの世界の対極的な2つの孤独の物語のように感じた。
     また、失踪した一人の女王様の謎が少しずつ明らかになるミステリー仕立てにもなっており面白く読めた。
     主人公が見ている世界は、性風俗産業の中にいるにも関わらず現実味に欠けており、まるで仮想空間のように思える。また、登場する人物も彼女にとって善人だけであるという点や好きな人と肉体的に繋がれないという主人公は、ネット空間あるいは仮想空間上の存在を思わせる。その世界が「スーパーセックスワールド」という空間なのだろう。 
     女王様を探すためコンプライアンス違反を簡単におかしたり、次々と明らかになる女王様の別の顔を知っても

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    2026年05月23日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    読みやすく登場人物の皆に個性があって面白い小説でした。
    ラストの驚きや探偵不在は楽しめました!
    広げた風呂敷が回収できてないんじゃないかと思えてしまった、特にお兄ちゃん。

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    2026年05月20日
  • 女王様の電話番

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    少しだけ、黄色い家を思い出す。
    消えた美織女王様を探すのだけれど、その過程の葛藤や恋愛、性に対する考えが新しくて息苦しい。恋愛至上主義へのアンチテーゼでもあるけど、こういう物語、もっと一般に流布して欲しい。

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    2026年05月19日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    クローズドサークルものを、登場人物の各々の視点で掘り下げる形で進行させるストーリ運び。
    特殊な状況下で死生観を改め直す人物、本格ミステリのような状況にワクワクする人物などなど様々な観点で事件を見つめるのが新鮮だった。

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    2026年05月19日
  • 女王様の電話番

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    多様性。孤独の形も人それぞれ。みんな違う人間で完全にわかりあうことはできない。特に人生に大きく関わることに関してもこれは一緒で、難しいと思う。
    お互いがそのことを理解して妥協し合う、しかないけど夢はない。

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    2026年05月13日
  • 女王様の電話番

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    新卒で就職した不動産会社を退職し、女王様をデリバリーするお店で電話番をしている志川の物語です。

    人間好きで大胆不敵。そしてアセクシャルな女の子が主人公。何だかNHKドラマにもなった『恋せぬふたり』を思い起こさせるストーリーでした。

    そんな要素もありつつ、ある日突然音信不通になり、姿を消した『女王様』美織さんを探していくというミステリー要素もあり2倍に楽しめました(*´꒳`*)
    馴染みのない風俗という世界で志川が予想外の行動でズンズンと進みながら美織さんを探していきます。
    その過程で、ふと自分を振り返り、何故美織さんにここまで執着してしまうのかという想いを突き詰めていきます。

    最後まで志川

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    2026年05月11日
  • 女王様の電話番

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    「アセクシャル」初めて知ったワード。なかなか生きづらいことがあるんだろうと想像。

    普段接することのない職業だけど、興味深く、読みやすくて、主人公の「大丈夫」や揺れる気持ちにも共感しながら、私にしてはなかなかの一気読み。

    美織さんの考え方はぶっ飛んでるように思えるけど、しっかり軸があってブレてない。結局、天国も地獄も自分の中の定義で決めるんだな、他の人の評価や基準を気にしてもしょうがないよね、とポジティブに受け止められる。

    この方の他の作品も読んでみようかな。

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    2026年05月12日