渡辺優のレビュー一覧
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世の中にはいろんな女王様がいるが、ファッションマッサージの女王様という存在は想像もしなかった。さらに、その電話番が顧客と女王様をマッチングさせる役割を担い、互いのニーズを汲み取りながら成立させている重要な仕事であることも、はじめて知った。
この仕事に就く志川はアセクシャルであるがゆえに、恋愛はできても結婚には至らず、将来にも不安を抱えている。周囲のさまざまな志向をもつ人々に触れる中で、自分もまた数ある在り方のひとつなのだと受け止めていく過程が描かれていた。
一方で、志川が美織に対して「その年齢でその仕事をしていて恥ずかしくないのか」と詰め寄る場面は強く印象に残った。それに対して、美織が仕 -
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ネタバレオーディブルにて。
すごく好きなお話だった。
美織さんが姿を消し、その理由や行方を捜すミステリ的な要素もありつつ、主軸はセクシャルマイノリティである志川の心の鬱屈や葛藤とそれらからの解放。
私は本当にLGBT関係に疎くて、アセクシャルという言葉に初めて触れました。
『自分はLGBTに偏見はない』と思っていましたが、物語の中でそれを言うのはマジョリティ側で、その発言自体がマジョリティとマイノリティにはっきりと線を引いているんだということを自覚させられた感覚で、ちょっと、頭をガンとやられた気分でした。
そもそも、性への欲求なんて千差万別でマジョリティもマイノリティもないのかもしれないけれど、目 -
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すごくおもしろかった。
スーパーセックスワールドっていうなんかふざけた言葉がしょっちゅう出てくるんだけど、最初はおもしろがっている軽い言葉だと思ってたのが、だんだん深い意味があるような、ないような感じになって、あらためて自分が知っているつもりの「普通」とか「常識」とかの実態が分からなくなった。
性愛、性欲、性交とかいろいろ…考えるほどに分からなくなった。
主人公のセクシュアリティについてよく理解できたわけじゃないけど、彼女の将来に対する不安や悩みはとても共感できるもので、まだ20代の彼女がこれから歳を重ねながらたくましく乗り越えて、幸せになってほしいなと思った。
シリアスでダークな切り口で -
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【『人は皆、愛に生きている』
私はそこに、『おまえ以外は』というメッセージを見た】 美しい広告看板が志川にはそう映る
「理解したよ」「まったく偏見ないんだ」
吉野はそう言いながら「でもさ」と続ける
「あのとき言ったこと、ぜんぶ間違ってたとは思わない」
結局、何ひとつ納得していない彼女に読みながらいらいら
『へぇ?本当にないのか?ちゃんとよく探したか?
悪魔の証明に挑戦するくらい、くまなく探したか?』
偏見がないと言う吉野に志川が心の中で問う
『電話C。私は彼女の中で、そんな無味乾燥とした記号的な存在だったのか?』
『私たちだって、女王様たちのことを商品として見ている。年齢やスリーサイズや -
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冒頭の一文、『この世界はスーパーサックスワールドだ。』ちょっと衝撃的な感じで始まる。
好きな人なのに性的欲求、性的魅力を感じない触れられたくないという、アセクシャルな志川。
自分が何者なのかわからず葛藤し、探していく話。
この仕事に関してはまったく知らない世界でした。
ジメジメしか感じもなく明るく淡々とこなしていく志川。女王様の美織さんに惹かれるが、突然彼女は失踪。危険な目に遭いながらも探していく。途中、ミステリー?って感じもあり、ドキドキしながら一気読みしました。
結果、わかったようなわからないような、スッキリとはしなかったのですが、なるほどねー。といった感じでした。 -
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ふーむ、なかなか面白かった。
私は、何が「大丈夫」で、何が「大丈夫」じゃない人なんだろう?
そして、周りからは、どんなことが「大丈夫」って思われているんだろう?
自分のなかの線引きについて、またその線引きについて、自分と他人との間にある(もしくは、ない)落差について考えた。
ストーリーも、ほどよいミステリー要素があってぐんぐん読める。
そもそも、「女王様の電話番」っていうお仕事は、これまで読んだことがない職業で、お仕事小説としても面白かった。
出てくる人は、みんな何かしら問題を抱えているようで、すっきりした読後感というわけではないけれど、読んで良かった。 -
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ネタバレ個人的にめちゃくちゃ当たりだった。
小説ってこういう作品に当たることあるからやめられねえよ!
主人公のことを好きになれたし、美織さんのことも好きだなと思った。
私は風俗の電話番より友達が不倫を笑い話で披露してくる方が無理だし、彼氏が元カノとセックスしてたらどんなに良い彼氏でも良い彼氏ではなくなる。それが私にとっては普通。
でも、これは別に誰かにとっては普通じゃないし、そもそも共通の「普通」なんて存在しない。と読む中で何度も思った。
それにしても、吉野ちゃん無理すぎる。
自分の安心のために人のセクシャリティにずかすか入り込んだ上に、それを告げ口するとか、気持ち悪すぎる。相手を目の前にして、よ -
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ネタバレ序盤から「スーパー〇〇〇ワールド」が、連呼されていた。
官能的な表現が苦手だから、一瞬読むのを躊躇ったけど、それが完全に杞憂だったことに気付いた。
なぜかというと、この作品のテーマは「ジェンダー」だったから。ノイズにならないようにか、風俗が登場するのに、性描写は一切描かれていなかった。そのおかげで、この作品はすごく読みやすかった。
ホステス経験があるから、水商売の描写に違和感を持ってしまうことが多かったけど、この作品は夜の世界がすごくリアルで驚いた。
福利厚生はブラックだけど、無理やり勧誘されたり、ヤクザが出てきたりしない。綺麗に美化されることもなく、かと言って地獄のようでもない。夜 -
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渡辺さんの小説を読んでいると、ああ、俺今小説を読んでいる!という気分になる。なんか、これこそが小説だよな!という気分になる。これ、ちゃんと褒め言葉になってますかね?どうやったらこんな設定が思い浮かぶのか?作家さんの頭の中はどうなっているのか、本当に不思議な気持ちになってしまう。この人にはジャンル分けなんて関係ないんでしょうね。
悪い姉に支配された世界からの脱出=生まれたときからの憧れだった姉からの精神的な自立、な物語。いわゆるストレートな親殺しのテーマなのだと思った。日常生活の中で麻友ちゃんの脳内で沸き起こる煩悶や苦悩や一喜一憂が軽快なリズムと言葉でひたすらに語られ続ける。いったいこれは何なん -
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作品紹介・あらすじ
誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。
ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。
ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。
僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。
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6人の著者による、「行きたくない」をテーマにした短篇集。「とりあえず気楽に暇つぶし程度に読めそうだな」と手にとったのだけれど、そんな安易な気持ちはいい意味で裏切られた。
●加藤シゲアキ「ポケット」
アイドル・グループ「NEWS」のメ -
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新興宗教のプロモーションのために絶海の孤島に集まった運営と参加者。そこで繰り広げられる連続殺人。これは相当面白い。それぞれが持つ信念や信仰、思惑が絡み合い、不可解な状況はさらに折り重なっていく。次第に狭まっていく犯人の選択肢。正直、過去何作かを読んだ著者からして、ここまで正統派なミステリーを予想していなかった。もっと天の邪鬼な、ひねくれた物語を予想していた。その一点をして、少し拍子抜けしてしまった感はある。しかし普通にミステリーとして十分に面白かった。最初の登場人物紹介の連鎖はとても映像的で上手かった。
しかし連続殺人ミステリーっていうのは、納得できる動機の創造が最高に難しいんだろうなあ。とい