渡辺優のレビュー一覧
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ネタバレどうしても行きたくないときだって、ある。を綴った6人の作家さんの物語。
内容紹介:誰に何を言われようと行きたくない場所もあれば、なんとなく気持ちがのらない朝だってある。 ふとしたきっかけでサボってしまうかもしれないし、人生を変えるような決意で回れ右をすることもあるかもしれない。 ひとはいつでも「行きたくない」気持ちを抱えている。 僕たちのそんな所在なさをそっと掬い上げる、刹那のきらめきを切り取った物語。
こちらの著書を購入したきっかけは、作家の一人の住野よるさんの作品が載っててそれで読んでみたいと思って購入したんですが、読んで見るとどの話も良かったです。特に心に残ったのが
阿川せんりさん・・・好き・嫌いどっち? 「あなたの好きな/わたしの嫌いなセカイ」
渡辺優さん・・・エラー?ロボットだって... 「ピンポンツリースポンジ」
小嶋陽太郎さん・・・人は見た目では。なんとなくホッ 「シャイセ」
住野よるさん・・・住野さんの空気が。幸せって... 「コンピレーション」
ほんとどれも良かったですが、やっぱり短くても住野さんワールドが一番良かった(^^) -
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「姉は私をこう名付けた―復讐の申し子と」。
復讐が生き甲斐でハンムラビ法典を愛好するマザコン女子高生が、警察に先んじて自分を切り付けた通り魔に復讐せんとする痛快爽快青春小説。あるいは復讐娯楽エンターテイメント。
主人公や周囲のキャラがかっとんでて楽しい。
「私は自分が好きだから、大好きな自分のためにいつでもすっきりしていたい。復讐とは誰かのためじゃない。大切な自分のすっきりのためのもの」
「痴漢やひったくりを恐れて音楽を聴くのを我慢するということは、痴漢やひったくりに音楽を聴く楽しい時間を奪われるということだ。それは痴漢やひったくりに遭わずして痴漢やひったくりに害されているのと同じ事」
etc名言のオンパレード。毒舌と暴言を織り交ぜた素晴らしくエッジの利いた一人称に痺れる。
自分が大好きで最高にイヤな性格なのに憎めない主人公の暴走から最後まで目がはなせない。 -
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主人公の志川は、派遣型のマッサージSM店で電話番をしている。徐々に仕事にも慣れていったが、ある日、食事の約束をしたその当日に憧れの女王様であった美織さんが姿を消してしまう。行方を探るうち、志川は彼女の知らなかった一面に触れていく。
物語の根底にあるのは、性の多様性、とりわけ描写が難しいアセクシャルというテーマだ。何でも性や恋愛に結びつける世の中に馴染めない志川の戸惑いは、読む者の思い込み・常識を揺さぶる。「ない」ことの証明は悪魔の証明にほかならず、自分の感覚を説明しきれない苦しさが丁寧に描かれる。
そのうえで、愛とは何かを改めて考えさせられる。性や恋愛の枠を外したところにある、純粋な温もりとはどのようなものだろうか。 -
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初読みの作家さんだったが、主人公の志川が魅力的なキャラクターに描かれミステリー要素もあり一気読み。新しい女性作家さんを発掘出来て嬉しい!
何年か前に、確かNHKドラマにアセクシャルが主人公だったのを観たような記憶がある。そこで”アセクシャル”なるものを初めて知ったのだが、性にとらわれずに自由な人間関係を結んでいる世界観が新鮮だった。
本作主人公の20代女性志川は、かねてから思いを寄せていた男性社員・星先輩と晴れてつきあうことになるのだが、自分がアセクシャルであることを、遅ればせながら自覚する。性的なことができない自分に気づき、気心の知れた同僚に正直に伝えたことで悪女扱いされ、会社を退職する羽目になった。次の仕事を探している内に、コールセンターの求人募集を見つけて応募。ところが、それは女王様をデリバリーする性風俗店「ファムファタル」の電話番の仕事だった。美織という優しい女王様に好感を持っていたところ、彼女が突然音信不通となる。志川は独自で彼女を捜索し始め、美織の意外な一面や複雑な事情が分かり、美織の生存すら案じられて、本を閉じられなかった。
LGBTは今では認識されているが、最近では、さらに「LGBTQ+」「LGBTQIA+」という言葉もあると初めて知った。
ちなみにQ…Questioning(クエスチョニング:性自認や性的指向を決められない、迷っている)I…Intersex(インターセックス:身体的性において男性と女性の両方の性別を有している)A…Asexual(アセクシャル:どの性にも恋愛感情を抱かない)とのこと。アセクシャルといっても一言では説明できない。
これほど区分けされるとこんがらがってしまう。却って区分けするからややこしくなってしまうのではないだろうか。どこに自分が属するかではなく、相手との向き合い方が大切なのでは?
志川の葛藤や揺れ動く細かい心情描写で何となくアセクシャルの世界観が理解できた気持ちになれた。 -
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この悩ましい、実に愉快な、あるがまま。
弱いまま強く生きる人びとのエッセイアンソロジー。
ご自身の虚弱をありのまま書くことで、そのひとそれぞれの健康観というものも、浮き上がる。
虚弱を知ることで健康が身に沁みる。
アンソロジーを読みながらわたし自身もふりかえって、わたしの生活や持病を再考する機会を得られている。
言いよどむような、明瞭に説明し難い虚弱は今の時代、より身近な話題となりつつある。
虚弱はコントロール不能な、横暴で、特定の原因がはっきりしない、肉体と魂からの時をこえた叫びだとわたしは思う。
上手く聞き取りたくても、叫び声が耳を障る。
この叫びは声だ。
声は、社会の中で生き抜くための摩擦の結果なのかもしれないし、自分自身の身体の仕組みの不具合さを健気にあらわしているのかもしれない。
誰もが大なり小なり健康に容易にはたどりつけないリアルを書いているし、ご自身の虚弱さにいかに向き合うかを押しつけがましくなく書かれている。
アンソロジーなので、虚弱の色彩もその向き合い方も、それについてわたしたちになにを訴えかけるのかも、人それぞれに豊かに文章として書かれていて、わたしは好感をもてた本。
『虚弱人生の振り返り、ならびに新たな幕開け』
渡辺 優
『脳みそグニャグニャ人生の半生』
トミヤマユキコ
『異常なし』
ヒオカ
これらのエッセイが特に共感した。
個人的には小中高の学校の先生におすすめの本。
虚弱もいろいろ、子どももいろいろ、成長もいろいろ。
道もいろいろ、だと思う。
社会もいろいろには現実まだなっていないからこそ、学校の中の多様性を視ることから虚弱について考え始められることがあるのではないか、とわたしはこっそり思う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ恥ずかしながら、アセクシャル、という方々の細かい状況を知りませんでした。
この本が全てでは無いのでしょうが、身の回りの今までの出来事で、納得できる事が沢山ありました。
全てをジャンルで分けて考えることは危険だと思うけれど、知ることは大切なことだと改めて感じます。
私は自分から勉強しに行く事はあまりしないので、せめて小説から、色々と知ることが出来るのはありがたい。
でも、知っているから良い訳じゃない。
本人がアセクシャルと伝えていながらも、分かると言っておきながら了解していない人々。
知っているという意味は広すぎる。
美織さんが、きっとよく分かんないのに単純にお笑いとか進めちゃうのとか、こりゃあ知識が大切ってだけじゃないのだ、と、ひとつ先の答えを教えてもらった。
正直、きっと職場にいたら私は美織さんを好きになれないかも。
でも、こうやって俯瞰で見れば、凄く素敵。
私の身の回りにも、こんな人たちが沢山いる。
はっとさせられた体験でした。