渡辺優のレビュー一覧
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生と性が密接に結びついているこの世界の対極的な2つの孤独の物語のように感じた。
また、失踪した一人の女王様の謎が少しずつ明らかになるミステリー仕立てにもなっており面白く読めた。
主人公が見ている世界は、性風俗産業の中にいるにも関わらず現実味に欠けており、まるで仮想空間のように感じた。また、登場する人物も彼女にとって善人だけであるという点や好きな人と肉体的に繋がれないという主人公は、ネット空間あるいは仮想空間上の存在を思わせる。その世界が「スーパーセックスワールド」という空間なのだろう。
女王様を探すためコンプライアンス違反を簡単におかしたり、次々と明らかになる女王様の別の顔を知っても -
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新卒で就職した不動産会社を退職し、女王様をデリバリーするお店で電話番をしている志川の物語です。
人間好きで大胆不敵。そしてアセクシャルな女の子が主人公。何だかNHKドラマにもなった『恋せぬふたり』を思い起こさせるストーリーでした。
そんな要素もありつつ、ある日突然音信不通になり、姿を消した『女王様』美織さんを探していくというミステリー要素もあり2倍に楽しめました(*´꒳`*)
馴染みのない風俗という世界で志川が予想外の行動でズンズンと進みながら美織さんを探していきます。
その過程で、ふと自分を振り返り、何故美織さんにここまで執着してしまうのかという想いを突き詰めていきます。
最後まで志川 -
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世の中にはいろんな女王様がいるが、ファッションマッサージの女王様という存在は想像もしなかった。さらに、その電話番が顧客と女王様をマッチングさせる役割を担い、互いのニーズを汲み取りながら成立させている重要な仕事であることも、はじめて知った。
この仕事に就く志川はアセクシャルであるがゆえに、恋愛はできても結婚には至らず、将来にも不安を抱えている。周囲のさまざまな志向をもつ人々に触れる中で、自分もまた数ある在り方のひとつなのだと受け止めていく過程が描かれていた。
一方で、志川が美織に対して「その年齢でその仕事をしていて恥ずかしくないのか」と詰め寄る場面は強く印象に残った。それに対して、美織が仕 -
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ネタバレオーディブルにて。
すごく好きなお話だった。
美織さんが姿を消し、その理由や行方を捜すミステリ的な要素もありつつ、主軸はセクシャルマイノリティである志川の心の鬱屈や葛藤とそれらからの解放。
私は本当にLGBT関係に疎くて、アセクシャルという言葉に初めて触れました。
『自分はLGBTに偏見はない』と思っていましたが、物語の中でそれを言うのはマジョリティ側で、その発言自体がマジョリティとマイノリティにはっきりと線を引いているんだということを自覚させられた感覚で、ちょっと、頭をガンとやられた気分でした。
そもそも、性への欲求なんて千差万別でマジョリティもマイノリティもないのかもしれないけれど、目 -
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すごくおもしろかった。
スーパーセックスワールドっていうなんかふざけた言葉がしょっちゅう出てくるんだけど、最初はおもしろがっている軽い言葉だと思ってたのが、だんだん深い意味があるような、ないような感じになって、あらためて自分が知っているつもりの「普通」とか「常識」とかの実態が分からなくなった。
性愛、性欲、性交とかいろいろ…考えるほどに分からなくなった。
主人公のセクシュアリティについてよく理解できたわけじゃないけど、彼女の将来に対する不安や悩みはとても共感できるもので、まだ20代の彼女がこれから歳を重ねながらたくましく乗り越えて、幸せになってほしいなと思った。
シリアスでダークな切り口で -
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【『人は皆、愛に生きている』
私はそこに、『おまえ以外は』というメッセージを見た】 美しい広告看板が志川にはそう映る
「理解したよ」「まったく偏見ないんだ」
吉野はそう言いながら「でもさ」と続ける
「あのとき言ったこと、ぜんぶ間違ってたとは思わない」
結局、何ひとつ納得していない彼女に読みながらいらいら
『へぇ?本当にないのか?ちゃんとよく探したか?
悪魔の証明に挑戦するくらい、くまなく探したか?』
偏見がないと言う吉野に志川が心の中で問う
『電話C。私は彼女の中で、そんな無味乾燥とした記号的な存在だったのか?』
『私たちだって、女王様たちのことを商品として見ている。年齢やスリーサイズや -
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冒頭の一文、『この世界はスーパーサックスワールドだ。』ちょっと衝撃的な感じで始まる。
好きな人なのに性的欲求、性的魅力を感じない触れられたくないという、アセクシャルな志川。
自分が何者なのかわからず葛藤し、探していく話。
この仕事に関してはまったく知らない世界でした。
ジメジメしか感じもなく明るく淡々とこなしていく志川。女王様の美織さんに惹かれるが、突然彼女は失踪。危険な目に遭いながらも探していく。途中、ミステリー?って感じもあり、ドキドキしながら一気読みしました。
結果、わかったようなわからないような、スッキリとはしなかったのですが、なるほどねー。といった感じでした。 -
Posted by ブクログ
ふーむ、なかなか面白かった。
私は、何が「大丈夫」で、何が「大丈夫」じゃない人なんだろう?
そして、周りからは、どんなことが「大丈夫」って思われているんだろう?
自分のなかの線引きについて、またその線引きについて、自分と他人との間にある(もしくは、ない)落差について考えた。
ストーリーも、ほどよいミステリー要素があってぐんぐん読める。
そもそも、「女王様の電話番」っていうお仕事は、これまで読んだことがない職業で、お仕事小説としても面白かった。
出てくる人は、みんな何かしら問題を抱えているようで、すっきりした読後感というわけではないけれど、読んで良かった。 -
Posted by ブクログ
渡辺さんの小説を読んでいると、ああ、俺今小説を読んでいる!という気分になる。なんか、これこそが小説だよな!という気分になる。これ、ちゃんと褒め言葉になってますかね?どうやったらこんな設定が思い浮かぶのか?作家さんの頭の中はどうなっているのか、本当に不思議な気持ちになってしまう。この人にはジャンル分けなんて関係ないんでしょうね。
悪い姉に支配された世界からの脱出=生まれたときからの憧れだった姉からの精神的な自立、な物語。いわゆるストレートな親殺しのテーマなのだと思った。日常生活の中で麻友ちゃんの脳内で沸き起こる煩悶や苦悩や一喜一憂が軽快なリズムと言葉でひたすらに語られ続ける。いったいこれは何なん