渡辺優のレビュー一覧

  • 女王様の電話番

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    一気読みしてしまった。

    知らない世界と知らない世界と少しだけ知ってる世界が絶妙に入り交じった物語。
    それで良いのかと思わなくもないしなんか色々ダメなのではと思う描写もあるけれどまあでもそうなるかな? という気もする。

    なんだろうな。
    とりあえず面白かった。

    普通に面白くて
    普通に胸糞で
    普通にみんな自分だけの天国と地獄を持っている
    持っていて良いというお話

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    2025年11月24日
  • ラメルノエリキサ

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    小説すばる新人賞作品。
    すごく好きだった。
    とにかくキャラクターと文体が良い。ミステリー要素をからめた青春エンタメですね。大好きでした。

    主人公は強烈な自己愛と、やられたら1.2倍返しくらいでやり返す、復讐の権化という、普通なら決して好かれることない設定。なのに軽快でポップな文体と、あまりにも清々しく素直な行動原理に心惹かれてしまう。

    文体はポップなんだけど、描写はしっかりしていてライト過ぎないのもまた良い。さすが小説すばる新人賞。

    立川、完璧なママ、お姉ちゃんのキャラもすごく好き。

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    2025年11月17日
  • 女王様の電話番

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    ブックカバーをつけて通勤途中に読みました。
    SMクラブの女王様ではなかった。
    性的描写は無いがLGBT&Aについてはよく触れられている。

    無店舗型風俗店の一端を垣間見ながらライトなミステリー小説を楽しめました。

    この世は「スーパーセックスワールド」である、というフレーズが印象に残った。

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    2025年11月10日
  • 女王様の電話番

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    初っ端に出てくるパワーワード
    「この世界はスーパーセックスワールドだ」
    読み終えた後ならこのパワーワードの意味も分かる。
    人と人とのつながりには性愛が必ずしもあるとは限らない。のに、性愛があることを前提に語られているパターンがいかに多いか。

    「悪魔の証明」がアセクシャルを語るにおいての文脈に登場するとは!
    まさに、"ない"ことの証明は極めて難しい。
    こんなに腑に落ちる「悪魔の証明」の使い方はないかもしれない。

    今年の読書でトップランクのお気に入り作品だ。

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    2025年11月05日
  • 女王様の電話番

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    めちゃくちゃ面白かった。
    アセクシャルの主人公が、性的サービスのある派遣型マッサージ店で電話番のアルバイトをする話です。
    アセクシャルの主人公の目を通して、普通とはなにか…ということを問う物語でした。

    主人公は突然連絡を断った女王様の美織さんを探そうとしますが、友だちでも家族でも恋人でもなく、何の利害関係もない相手を探そうとする主人公に周囲は戸惑います。
    自分も最初は読みながら主人公の行動に疑問を感じていたのですが、ただ好きだから探す…という、そういう感情をなぜ自分は不思議に思うのだろうと言われると説明できず。だって、それが普通だから…としか言えないんですよね。
    自分の中の「普通」が、本当に

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    2025年11月03日
  • 女王様の電話番

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    様々な性的嗜好について、あんた、分かってるの?と教えてくれる。というか、分かろうとしすぎない、嫌なら嫌と言う、嫌と言われて怒らないってことが共存のコツなのだろうか。100%分かってもらおう、分かろうとすることの図々しさ。反省。美織さんの生き方がいい。自分の価値観で生きるのって難しいけど 90

    oasisライブの待ち時間に読み終えた

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    2025年10月27日
  • 女王様の電話番

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    アセク
    ないの証明。無理だった、を繰り返さないと証明できない。無理だった、に至るまで向き合い続けることは精神的にしんどいし、それに相手を付き合わせるのも酷だよね。

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    2025年10月24日
  • 女王様の電話番

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    主人公にとってある「特別な人物」を探す過程で、主人公自身が徐々に自分自身を受け入れていく様子が丁寧に描かれている。
    最初は、主人公を取り巻く人物たちと同じように、主人公に対して「なんで?」「ちょっと理解できない…」となるエピソードばかりだったのですが、徐々に彼女の生きにくさに触れていくなかで途方もない孤独感を突きつけられていく。
    後半から主人公が周囲の人へ苛立ちや怒りを感じ始めるのですが、それってありのままの自分を受け入れつつあるから出てくる感情なのだろうなと思う。

    久々に刺さる小説でした。

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    2025年10月10日
  • 女王様の電話番

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    ネタバレ

    面白かった。登場人物たちのように、たしかに、人は人に対して自分の狭い価値観の中で理解しようとしてしまう。理解してほしいように理解してもらえないのは辛いと思った。このスーパーセックスワールドでアセクシャルでいるのは特に辛そう。アセクシャルにも種類があるから正しく理解するのには時間がかかると思った。
    ・お天気の話は素晴らしい。世界中どこにだって誰の上にだって空は等しく広がっているのだから。
    ・自分と違うセクシャリティよりも、モテない言い訳を探してる人間のほうがまだ想像できるんだろうねえ。

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    2025年09月16日
  • 月蝕島の信者たち

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    新興宗教と孤島の掛け合わせにテンション上がりつつ読んでいたら序盤で大勢の死が示唆されてクローズドサークル開幕!期待が高まる。金持ちの親戚がいる大学生がいなくても、ファンタジー要素入れなくても孤島クローズドサークルってできるんだ、と感動した。
    トリックもロジックも綱渡り部分があって緩めだけどしっかり作られてて、まさかそれが伏線ってところもあって面白かった。ミステリ部分も盛り盛りで好きだけど、自分の変化を嗤うような犯人の独白が刺さった。登場人物の描き方が好きなので、またこの著者の作品を読んでみたい。

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    2025年08月26日
  • ラメルノエリキサ

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    強烈な個性を持つ主人公に少しでも感情移入できるかで、評価が大きく分かれる作品だと思う。
    倫理観全無視、自分が正義の主人公の言動に、まともな感性を持つ人は嫌気がさしてしまうかもしれない。
    だが私個人としては、自分の機嫌は自分でとり、決して悲観的にならない(そんな負の感情を持たせた奴を決して許さない)スタンスはとても推せる。私は大好きだ。文章も勢いがあり、一気に読み切ることができた。登場人物としては、姉も重要な存在で物語の後半にかけて魅力が増していく。
    最後の〆の一文は清々しく、お気に入りの一冊になった。

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    2025年02月08日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    誰かと謎解き協議したくなる本

    難しい言葉や遠回しな言い方などなく、わかり易く、丁寧でとても読みやすかった!
    ミステリーも王道、クローズド・サークル、次々に起こる事件、そしてこの本の最大の特徴、色んな人(主に3人)の視点で物語が進むのが面白い!

    物語り終盤で、「ここまでの視点で犯人は特定可能である」っという一文
    痺れますね…この時点で犯人を特定出来た方はいるのでしょうか?いらっしゃったら凄いな。
    誰かとこの事件の謎を解くためにお話ししたくなる1冊でした!

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    2025年01月27日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    ここ最近読んだ本の中で一番おもしろかった!
    ミステリ好きならすごく楽しめる一冊だと思う。

    お金持ち一家の館でのクローズド・サークル…なのに探偵不在。
    読み始める前は探偵がいなくて大丈夫なのかな?と思ったけど、むしろ探偵がいないからこそみんなであれこれ調査して推理して、読みながら一緒に考えられる。
    最後はそれぞれが自分の推理を披露して推理合戦のようになるけど、よくある探偵が名推理を披露するより「そっか!この人、そうだよね…あ、この推理じゃダメじゃん」となる感じがまた楽しい。

    というミステリ好き代表みたいな、二ノ宮くん、なかなかクレイジー(笑)気持ちはわかるんだけどね!

    余談だけど、この本表

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    2024年07月18日
  • 私雨邸の殺人に関する各人の視点

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    おすすめです!

    (※自分語り)
     クローズドサークルと触れ込みのある作品を見ると心が躍る。何となくそういう作品は本格ミステリのジャンルに多い気がする。
    でも本格ミステリと言われるといつも躊躇する。
    私はジェンダー論に関する知識がまるでないし、本格ミステリにも全く詳しくない。だから滅多なことを言えないし言いたくないのだが、本格ミステリの名作と謳われる作品を読むと、
    美少女とか美人とかいる?ていうかビジュアルに関する記述いる?ビジュアルは百歩譲ってもスタイルに関する記述いる?このロマンスっぽい何かはいる?となることが少なくとも私の読んだ作品には多かった。どんなにトリックがすごかろうが驚かされよう

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    2024年04月30日
  • ラメルノエリキサ

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    思い込みが激しくてヤバい主人公に加えて、冷静な感じを装ったこれまたヤバいお姉ちゃんがたまらなくいい。面白かった!

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    2024年03月16日
  • 並行宇宙でしか生きられないわたしたちのたのしい暮らし

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    ほんタメのオットリしたイメージのまま読み進めたら脳がバグって…。
    本でこんなに声をあげて笑ったのは記憶がなく。なんでクワガタなんだよ、とかw
    渡辺優センセイが大スキになるエッセイ集!

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    2024年02月24日
  • 自由なサメと人間たちの夢

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    ずいぶん前に読みました。
    サメの話が好きでした。スタンド・バイ・ミーのエンドロールと同じくらい泣きました。個人的な体験なので、その程度がどれほどかが誰かに伝わるかは、わからないですけど。
    記憶もおぼろげです。自分にもサメがいれば良いなと思ったはずです。色々順応していくことに疲れたときに、何がダメで何が良いかもわからなくなったような人間をぺちんと叩いて顔を向かせて、話を聞いてやる姿勢を見せてくれるような感じがしました。
    学校帰りに時間を潰している時、古本屋で背表紙に惹かれて手に取りました。この題名が気にかかるような人の多くはそもそもきっとこの本に特別な思い入れを持てるような性質をしているんだろう

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    2024年02月01日
  • 並行宇宙でしか生きられないわたしたちのたのしい暮らし

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    最高におもしろかった!続きを出してほしい気持ちでいっぱいです!
    共感できるところとただただ笑えちゃうところと、とにかく最後まで楽しく読めました。

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    2023年06月03日
  • 悪い姉

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    私自身、ここ数年家族関係に悩むことが多かった。自分とは考えが合わず揉めてしまった時には、周りから「家族なんだから大切にしないと」というように、家族はこの上なく素晴らしいものであるかのように言われてきた。しかし、この作品に出会って、少し肩の荷が降りた気がする。私は家族のことが本当に大好きでありたい。だから自分の中での家族の理想像を、勝手に現実に重ねて落胆してしまっていたのだと思う。でも、時には協力し、時には距離を取るという家族の形も許されるし、むしろそれが当たり前のような気がした。

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    2022年08月25日
  • 並行宇宙でしか生きられないわたしたちのたのしい暮らし

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    仲がいい友達のおもしろい話をずっと聞いてるみたいで、たのしい。我慢しても終始フススッて笑っちゃう。イラストも最高にかわいい。

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    2021年02月11日