渡辺優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ビックリするようなあらすじ紹介に興味津々で本作を手に取りました。いやぁ賛否両論あるとは思いますが、真面目なお話が、ここまでユーモア溢れる世界観で表現された作品は他にないかなぁと思います。
本作は、デリバリーヘルスの電話番を務める女性が主人公。その主人公は自分のセクシャリティに悩みを抱えていたが、とある女王様と出会ったことをキッカケに自分の性と向き合うというお話。
本作の1番の魅力は、ボキャブラリーかなぁと思います。それが現れているのはまさに本作の1行目かなと。「この世界はスーパーセックスワールドだ。」こんな強烈な1行目は見たことないですし、この1行目を読んだ瞬間、主人公の突飛な発想にすごく -
Posted by ブクログ
会話や物語の進み方のテンポがよくとても読みやすい作品なのに、読み終えた後には胸に残るものがあるような作品であった。
主人公の志川は、自分が何者なのか言葉にできず、「アセクシャル」という言葉を知ってもそれで「理解した」とはならない。むしろこの作品は、「1つの言葉を知っただけで全てを分かった気になること」の危険性を何度も何度も読者に突きつけてくる。
性風俗の電話番という少し変わった仕事、職場で起こるささいな謎。切ってもきり離せない男と女という枠組みと、そこに入り込めない感情。読みながらそれらに思いを馳せることがきっと大切なのだなと私は思った。 -
Posted by ブクログ
村田沙耶香と似たテーマを扱っているが、村田作品のほうは現実世界と小説世界の境界線が分かりやすいので、あちらの世界のフィクションだよね、というある意味安心感がある。
一方でこの作品は現実世界と地続きになっているので、安心感よりも心をざわつかせるようなリアリティがあると思う。恐らく読者の共感度合いもこちらのほうが高いのではなかろうか。
マイノリティを扱った小説はいくつもあるが、性風俗(SMの女王様)の店を舞台にその電話番として雇われた主人公が、実はアセクシャル(無性愛者)で、あえて性描写を徹底して排除して物語を展開している点が、個人的には他に無いオリジナリティを感じられてとても面白かった。
主人 -
Posted by ブクログ
ここ最近読んだ本の中で一番おもしろかった!
ミステリ好きならすごく楽しめる一冊だと思う。
お金持ち一家の館でのクローズド・サークル…なのに探偵不在。
読み始める前は探偵がいなくて大丈夫なのかな?と思ったけど、むしろ探偵がいないからこそみんなであれこれ調査して推理して、読みながら一緒に考えられる。
最後はそれぞれが自分の推理を披露して推理合戦のようになるけど、よくある探偵が名推理を披露するより「そっか!この人、そうだよね…あ、この推理じゃダメじゃん」となる感じがまた楽しい。
というミステリ好き代表みたいな、二ノ宮くん、なかなかクレイジー(笑)気持ちはわかるんだけどね!
余談だけど、この本表 -
Posted by ブクログ
おすすめです!
(※自分語り)
クローズドサークルと触れ込みのある作品を見ると心が躍る。何となくそういう作品は本格ミステリのジャンルに多い気がする。
でも本格ミステリと言われるといつも躊躇する。
私はジェンダー論に関する知識がまるでないし、本格ミステリにも全く詳しくない。だから滅多なことを言えないし言いたくないのだが、本格ミステリの名作と謳われる作品を読むと、
美少女とか美人とかいる?ていうかビジュアルに関する記述いる?ビジュアルは百歩譲ってもスタイルに関する記述いる?このロマンスっぽい何かはいる?となることが少なくとも私の読んだ作品には多かった。どんなにトリックがすごかろうが驚かされよう -
Posted by ブクログ
ずいぶん前に読みました。
サメの話が好きでした。スタンド・バイ・ミーのエンドロールと同じくらい泣きました。個人的な体験なので、その程度がどれほどかが誰かに伝わるかは、わからないですけど。
記憶もおぼろげです。自分にもサメがいれば良いなと思ったはずです。色々順応していくことに疲れたときに、何がダメで何が良いかもわからなくなったような人間をぺちんと叩いて顔を向かせて、話を聞いてやる姿勢を見せてくれるような感じがしました。
学校帰りに時間を潰している時、古本屋で背表紙に惹かれて手に取りました。この題名が気にかかるような人の多くはそもそもきっとこの本に特別な思い入れを持てるような性質をしているんだろう