渡辺優のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった。
アセクシャルの主人公が、性的サービスのある派遣型マッサージ店で電話番のアルバイトをする話です。
アセクシャルの主人公の目を通して、普通とはなにか…ということを問う物語でした。
主人公は突然連絡を断った女王様の美織さんを探そうとしますが、友だちでも家族でも恋人でもなく、何の利害関係もない相手を探そうとする主人公に周囲は戸惑います。
自分も最初は読みながら主人公の行動に疑問を感じていたのですが、ただ好きだから探す…という、そういう感情をなぜ自分は不思議に思うのだろうと言われると説明できず。だって、それが普通だから…としか言えないんですよね。
自分の中の「普通」が、本当に -
Posted by ブクログ
ここ最近読んだ本の中で一番おもしろかった!
ミステリ好きならすごく楽しめる一冊だと思う。
お金持ち一家の館でのクローズド・サークル…なのに探偵不在。
読み始める前は探偵がいなくて大丈夫なのかな?と思ったけど、むしろ探偵がいないからこそみんなであれこれ調査して推理して、読みながら一緒に考えられる。
最後はそれぞれが自分の推理を披露して推理合戦のようになるけど、よくある探偵が名推理を披露するより「そっか!この人、そうだよね…あ、この推理じゃダメじゃん」となる感じがまた楽しい。
というミステリ好き代表みたいな、二ノ宮くん、なかなかクレイジー(笑)気持ちはわかるんだけどね!
余談だけど、この本表 -
Posted by ブクログ
おすすめです!
(※自分語り)
クローズドサークルと触れ込みのある作品を見ると心が躍る。何となくそういう作品は本格ミステリのジャンルに多い気がする。
でも本格ミステリと言われるといつも躊躇する。
私はジェンダー論に関する知識がまるでないし、本格ミステリにも全く詳しくない。だから滅多なことを言えないし言いたくないのだが、本格ミステリの名作と謳われる作品を読むと、
美少女とか美人とかいる?ていうかビジュアルに関する記述いる?ビジュアルは百歩譲ってもスタイルに関する記述いる?このロマンスっぽい何かはいる?となることが少なくとも私の読んだ作品には多かった。どんなにトリックがすごかろうが驚かされよう -
Posted by ブクログ
ずいぶん前に読みました。
サメの話が好きでした。スタンド・バイ・ミーのエンドロールと同じくらい泣きました。個人的な体験なので、その程度がどれほどかが誰かに伝わるかは、わからないですけど。
記憶もおぼろげです。自分にもサメがいれば良いなと思ったはずです。色々順応していくことに疲れたときに、何がダメで何が良いかもわからなくなったような人間をぺちんと叩いて顔を向かせて、話を聞いてやる姿勢を見せてくれるような感じがしました。
学校帰りに時間を潰している時、古本屋で背表紙に惹かれて手に取りました。この題名が気にかかるような人の多くはそもそもきっとこの本に特別な思い入れを持てるような性質をしているんだろう