【感想・ネタバレ】ラメルノエリキサのレビュー

あらすじ

【第28回小説すばる新人賞受賞作】「お前絶対ぶっ殺すからな!」女子高生・小峰りなは、夜道で背中を切られながらも、逃げる人影に叫んだ。退院後、りなは犯人を探すが、糸口は「ラメルノエリキサ」という犯人が残した謎の言葉のみ。そんな中、新たな通り魔事件が起こる。二つの事件を結ぶのはりなの元カレで!? 完璧な母親に苛立ち、犯人への復讐に異常なまでの執念を燃やす少女が疾走する青春小説。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

小説すばる新人賞作品。
すごく好きだった。
とにかくキャラクターと文体が良い。ミステリー要素をからめた青春エンタメですね。大好きでした。

主人公は強烈な自己愛と、やられたら1.2倍返しくらいでやり返す、復讐の権化という、普通なら決して好かれることない設定。なのに軽快でポップな文体と、あまりにも清々しく素直な行動原理に心惹かれてしまう。

文体はポップなんだけど、描写はしっかりしていてライト過ぎないのもまた良い。さすが小説すばる新人賞。

立川、完璧なママ、お姉ちゃんのキャラもすごく好き。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

強烈な個性を持つ主人公に少しでも感情移入できるかで、評価が大きく分かれる作品だと思う。
倫理観全無視、自分が正義の主人公の言動に、まともな感性を持つ人は嫌気がさしてしまうかもしれない。
だが私個人としては、自分の機嫌は自分でとり、決して悲観的にならない(そんな負の感情を持たせた奴を決して許さない)スタンスはとても推せる。私は大好きだ。文章も勢いがあり、一気に読み切ることができた。登場人物としては、姉も重要な存在で物語の後半にかけて魅力が増していく。
最後の〆の一文は清々しく、お気に入りの一冊になった。

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

思い込みが激しくてヤバい主人公に加えて、冷静な感じを装ったこれまたヤバいお姉ちゃんがたまらなくいい。面白かった!

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

「姉は私をこう名付けた―復讐の申し子と」。

復讐が生き甲斐でハンムラビ法典を愛好するマザコン女子高生が、警察に先んじて自分を切り付けた通り魔に復讐せんとする痛快爽快青春小説。あるいは復讐娯楽エンターテイメント。

主人公や周囲のキャラがかっとんでて楽しい。

「私は自分が好きだから、大好きな自分のためにいつでもすっきりしていたい。復讐とは誰かのためじゃない。大切な自分のすっきりのためのもの」

「痴漢やひったくりを恐れて音楽を聴くのを我慢するということは、痴漢やひったくりに音楽を聴く楽しい時間を奪われるということだ。それは痴漢やひったくりに遭わずして痴漢やひったくりに害されているのと同じ事」

etc名言のオンパレード。毒舌と暴言を織り交ぜた素晴らしくエッジの利いた一人称に痺れる。
自分が大好きで最高にイヤな性格なのに憎めない主人公の暴走から最後まで目がはなせない。

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2018年02月27日

Posted by ブクログ

復讐をモットーにしてる女子高生のりな。夜の帰り道で刺されて、復讐のために犯人捜しを始める。
復讐をしないと気が収まらない病気のような性格を除けば、思い遣りもあって明るい女の子。主人公りなの周りを含めて、軽やかに狂ってて面白かった。

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2018年02月27日

購入済み

ヤバめ思考の主人公が魅力

犯人探しの推理より、ヤバめ思考の主人公が次にどう動くのかの方がハラハラして、続きが気になってしまい、一気読み。
ずいぶん道徳とかけ離れた主人公だけど、なぜか憎めず共感してしまう。
そして主人公の姉はさらにいい味をだしていて、すごく怖い姉妹なのに微笑ましく感じてしまう。
軽く読める作品なので、たまに読み返してもよさそう。

#ドキドキハラハラ

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2025年01月13日

Posted by ブクログ

星3.5

主人公が個性的

思春期の思い込みが激しい子と
一言で片づけてよいかは、
今回の物語後にどう変わるのか
(または変わらないのか)によるので、
想像するしかない。

変わらない方が物語として
面白いかもしれないけど、
どこかで破滅しそうなので、
個人的には目が覚めたと信じたい。

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2023年05月20日

Posted by ブクログ

自分が痛手を負わされたことに対してはきっちりとやり返す「復讐の申し子」である女子高生・りな。ある日夜道で切りつけられ負傷した彼女が目論むのは犯人への復讐。犯人が残した「ラメルノエリキサ」という言葉の意味を探り、その後も続く通り魔事件の情報を集め、果たして彼女は犯人にたどり着くことができるのか。ミステリといえなくもないけれど、青春小説の比率が大きいかな。
ヒロインのりなのキャラクターが強烈です。復讐に執念を燃やす彼女の性格はある意味異常者かもしれないのですが。忌避する感情や嫌悪する感情よりもむしろ痛快感を覚えてしまいました。まあたしかにやることはえげつないといえばえげつないのですが。あっけらかんと突き抜けていてひたすら真っ直ぐ。元彼への復讐も……自業自得じゃないの? と思いましたし。どこからどこまでもすっきりできる作品です。
しかし実は一番凄いキャラってお姉ちゃんじゃないのかな。ラストのあれにはホント、笑っていいのか慄いていいのかほっこりしていいのかわかりませんでした。でもとんでもなく素敵な姉妹です。

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2021年09月29日

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ネタバレ

16歳の女子高生・小峰りなのモットーは、どんな些細な出来事でも自分にとって不愉快であれば、絶対やり返すということ。
付いたあだ名は『復讐の申し子』
そう、彼女は復讐に取り憑かれているのだ。
ある日、りなを襲う通り魔事件が発生。
何者かが、夜道を歩く彼女を背後から切り付けたのだ。
りなは犯人を追いかけるも
激しい痛みと怒りで意識が混濁し、逃げられてしまう。
犯人が残した唯一の手掛かりは
『ラメルノエリキサ』という謎の言葉。
怒りに燃えるりなは、退院後、自らの手で犯人を捕まえ復讐するため、独自の捜査を始める。
そして、彼女がたどり着いた事件の真相とは…。
第28回小説すばる新人賞受賞の、痛快青春ミステリー。


いやぁ~、面白かった!
一人称で語られる自らのルールに従い生きる主人公の物語といえばハードボイルド小説だが
あとがきにもあるようにこの作品も
まさに女子高生ハードボイルドと呼ぶべき痛快さで、
主人公、小峰りなの魅力で溢れている。

ユーモラスでリズミカルな文章、スピーディーに転がる物語展開、
誰にでも必ず復讐するという
過激で、不謹慎極まりないストーリー。
主人公の小峰りなも攻撃的かつ身勝手で
普通なら不快になっても仕方ないキャラなのだけれど、
いやはや、コレが面白いし魅力的なんだから仕方ない(笑)
(宮部みゆきが絶賛したのも確かに頷ける)

彼女のモットーに共感できるかどうかはともかく、
いつか復讐するその日に向かって
わきめもふらず猪突猛進する彼女の姿にどんどん惹かれていく。


完璧な母へのコンプレックスから
完璧な母の作る完璧な家族をぶち壊したいという欲求を密かに抱くりな。

完璧な母であるための装飾品としてしか娘を捉えられない、
本気で娘を愛せない母親。

そして、妹であるりなの復讐癖をなんとか止めさせようと奮闘する完璧な姉。

この家族三人の関係がどうにも切なく、
特に大好きな姉に本心を言えずに
一人傷ついていくりなの葛藤は、
思春期だからこそのアンビバレンツな感情がひしめき合い、
はるか昔に思春期を経験した僕自身も激しく共感してしまった。

そんなこんなで、いろんなことをぐるぐると思い悩む
実はナイーヴなりななのだけど、
ひとつ特筆すべきことがある。
彼女は、どんな時も決して暗くはならないし、
自己憐憫に陥ったりはしないのだ。

大好きな姉に嫌われたと感じ、心の動揺が隠せない時も、
私は私が好きだから自分を大事にするんだと、
あくまでも、自分を真っ直ぐに肯定していこうとする。
この心根に僕は激しく惹かれたし、
スゴい女の子だなと感動すら覚えた。


自らのルールに従い、一直線に進む
りなだが、
作者の渡辺 優は思春期の少女らしい弱さや脆さや寂しさや
心の揺らぎをすっ飛ばすことなく繊細に描いているので
ミステリーというより、青春ストーリーとして秀逸だし、

とんでもないストーリーの中に
一本筋が通っているりながいて、
傍若無人な彼女が
ときおり見せる『弱さ』にこそ、
読む者はどんどん惹かれていくのだろう。


懐かしの北欧バンド、Pineforest Crunchの『Barbie』をBGMに描かれるクライマックスは
実にエモーショナルで、
青春の残像、恋の残り香が胸を刺し、
何度も読み返したいほど、切なく僕の胸を撃ち抜いた。

周りになんと言われようとも
好きなことを好きと言えたり、
自分自身を肯定できるということは
何よりカッコいいってことを
小峰りなは僕に改めて教えてくれた。

『悲しみよこんにちは』
彼女がそう言える日が来ることを、
いい女になった彼女にまたいつか会える日を、
僕は心待ちにしている。

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2019年03月04日

Posted by ブクログ

おもしろい。
楽しい。
充分にたのしめる、愛の話だ。これは。

必然性がたかいことは物語の質が高いことだろうか。
ただ余白はない感じ。
木下半太が好きな人はきっと好き。それよりもよく練られているような感じはする。
映画とかにしやすそうだな。読後のまとまりがすごい。

「復讐」は誰にだって甘美で、後ろめたい。

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2018年09月01日

Posted by ブクログ

これは面白かった。主人公とお姉さんの性格のぶっ飛び方が小気味いい。これはなんだかお姉さんの方が将来的にはやばい感じがします。
復習がテーマの話だけど、ドロドロした感じはないし、意外にさらっとしてる。文章のテンポもいいのでさらりと読めますね。

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2018年03月13日

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ネタバレ

完璧なママに育てられた、二人の姉妹の妹の方が主人公。

復讐癖があり、小さい頃に飼い猫の手を2歳年上の女の子に折られると、その女の子を階段から突き落として腕を折り返した。

この度、帰宅地中で右腰を後ろから斬られる。その時に「ラメルノエリキサのため…」という言葉を聞く。

復讐に燃える主人公。2件目の犯行、三件目の反抗が発生。ラメルノエリキサが、「フラメルのエリクサ」を指すと導き出し、魔術研究の教授の講義を聞き、自分が処女だと知っている元カレの弟が犯人と辿り着く。
ボコボコにしてる途中で、不治の病の母親のためだったと知り、殺すのをやめる。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく読みやすかった。
ミステリーというより主人公の家族の話などいろんな要素があって面白い、お母さんから愛されてないとかそういうのはやっぱり子供が1番わかるものなんだなと思う、主人公が少し捻くれて攻撃的なのもそれが原因の一つなのかなとも思ったり。復讐心の強いりなには全然共感できなかった、
犯人については前半には予想がつかなかった。

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2022年09月09日

Posted by ブクログ

復讐することを心にきめている女の子のお話。いろいろと屈折しているし、社会的な正義や道徳とはずれているのだろうけれど、主人公の女の子含め皆憎めないところがある。読み終えた後、なぜか爽快な気持ちになる。
2019/3/14

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2019年03月14日

Posted by ブクログ

過激とも捉えられるほど復讐に執着する女子高生が主人公。見た目が可愛いだけあってこんな子が本当にいたら脅威だろうなあ

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2019年03月04日

Posted by ブクログ

女子高生・小峰りなのモットーは、やられたらやり返すこと。ハンムラビ法典以上の復讐の鬼である彼女が夜道で刺された。犯人が残した謎の言葉「ラメルノエリキサ」とは何か。第28回小説すばる新人賞を受賞した異色の青春小説。
エキセントリックだけど、それがとても魅力的なヒロイン。自己中心的で周りに流されない彼女が、犯人探しに疾走するうちに見つける大切なもの。大胆な設定だけど嘘臭くならないのは著者の巧さだろう。

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2018年06月24日

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