渡辺優のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
真っ先に抱いた感想は「メンヘラっぽい」。
この短編集の登場人物たちも、作者も、この本を気に入る読者たちも。
これは馬鹿にしているわけではない。
人間の心を描写する必要のある小説というものにおいて、「メンヘラ」というのはとても現代らしい扱うべき対象だと思う。
「メンヘラ」というネットスラングは最近では大分世間にもなじんできたと思うが、はっきりと説明するのは難しい。
一言でいえば「心の健康を損なっている人」を指すが、多くの場合、その病状が著しく重い人は含まれない。
希死念慮が中途半端に強いものの実行には移さない、いわゆる「かまってちゃん」のような人を揶揄する意味合いを含めて呼称することが多い。
-
Posted by ブクログ
行きたくない、そんなときが誰にでも。
立ち止まっていることに対して、マイナスのイメージがあるのはなぜだろう。「行きたくない」けれど、別にここにいたいとか、ここが好きとかではない。明確にことばにできないけれど、「行きたくない」ときがある。逃避と言われても、目をそらしていたいことがある。各短編の登場人物それぞれに、「行きたくない」理由がある。結末は、前向きに立ち止まるようなものが多い。進んではいないけれど、進んでいるような。決して、読後が暗い作品ではない。
渡辺優「ピンポンツリースポンジ」将来、もっとロボットが発展したら、なんとなく理由はないけれど行きたくないと言い出すロボットが出て来るかもし -
Posted by ブクログ
「行きたくない」をテーマに6人の作家が書いた短編集
初読みの作家さんが多かったが、とても新鮮。そして 斬新。
「行きたくない」ことひとつがこんなにいろんな世界を持つなんて。
おもしろい!!
NEWSの加藤シゲアキの作品は 若い感性で幼馴染との距離感がイマドキ。
終わり方が(んん??)とは思うが。
近未来の渡辺優「ピンポンツリー」は想像するとシュールだし、
小嶋陽太郎や奥田亜希子の作品の日常の風景が 妙に心地よい。
そして 大好きな住野よる
いつもとはちょっと違ったテイストだけど、(分かる気がするよ)と
思わせる主人公の心の機微が秀逸。さすがだ。
どれも短編で飽きさせないので、お出かけの