あらすじ
ある日、突然、カラスが言った。
「横山さん、第一森林線が突破されました。至急連絡をください」
僕は横山ではなく、森林線も知らない。
職場と家の往復だった日常に迷い込んだカラスに誘導され家を出ると、《ズッキーニ》なる配信者に追われ、仙台から名古屋までフェリーでの逃避行を余儀なくされる。
情報をもつ鳥と何もない僕。
旅の果てで見つけたものとは――?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
カラスが話す不思議な設定を取り込んだ小説かと思ったら違った。近未来的な要素がもっと盛り込まれるかと思ったら違った。人間がずっと昔から悩みつづけている人と人との繋がりや係り方の話だった。舞台は船上や名古屋、東京、長野と移り変わるが、手に汗握るというよりは穏やかな印象の話だった。それでも、一気読みできる楽しさがあった。
Posted by ブクログ
表紙とあらすじで気になり購入。
突然喋るカラスが現れて、そのカラスの目的とは?ってお話なんですけど、部外者って言葉たくさん出てくるんですけど、本当に、人間ってそうだよなって。
誰かの事を信じるってことは、その誰かが自由に考えたり感じたり行動する能力があるってことを否定してる。他人を信用しないっていうのは、他人の人格を認めることだ。
俺は自分の意志を持った自由な人間だから、嫌いになったら縁を切る。
そういう考えもあるのか!と思いました。
2つ目の文章はわたしも通ずる所があり、とても共感しました。
誰かに寄りかかって責任やら全てを崇拝、目標とすることはいい時もあるけど、される側は重責とかすごいですよね。
信じすぎないというのも大事ですが、主人公がすぐ人を好きになる人間性がとても心配であり、愛おしく感じました。