風野真知雄のレビュー一覧
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第十一弾。
江戸の町に「両国の見世物小屋で人が殺された」という噂が出回ります。
ですが、町奉行所に“人が殺された”という実際の届けは入っておらず、真偽を確認する為に見世物小屋で賑わう両国広小路界隈の調査に乗り出す“チーム根岸”の面々ですが・・。
若い女性が殺されるという演目の〈殺され村〉、その〈殺され村〉で死んだ女が重箱から化けて出るという〈重箱から幽霊〉、謎の怪鳥が大風を起こす〈怪鳥、江戸襲来〉、胴体から離れたクビが踊る?〈生首踊り〉といった、様々な趣向を凝らした・・てか、今なら炎上しそうな見せ物の仕掛けの謎を解明しつつ、それらの裏で起きた犯罪の真相を追及する流れとなっております。
見世物の演目のあまりの禍々しさに、椀田さんとしめさんが一時離脱してしまう一方で、“からくり”が得意な雨傘屋は、天才からくり師・奇右衛門への聞き込みを担当し、“女性担当”の宮尾さんは〈殺され村〉でバイトをしている娘に接近して話を聞きだすという、“安定の役割”をきっちりこなしてくれております。
そして、いつものように根岸奉行が最終的な解決に持っていってくれるのですが、この度の事件の裏側に潜んでいた、人間の残虐性や危うい性向についての根岸さまの考察は何気に深いところをついているな・・と思わせるものがありました。
さらに、今回の事件の黒幕が暴かれたことによって、凶四郎さんと川柳の師匠・よし乃さんの関係に思わぬ転機が・・ラストのよし乃さんの一句が良いオチになっていましたね。
ところでちょっと思ったのですが、これを機に凶四郎さんが夜回りではなく昼勤務に復活するということもあるのでしょうか・・?
とりま、次巻も楽しみにしております~。 -
ネタバレ 購入済み
うーん、思ってたのと…。
違った…。
時代物好きで特に夫婦物語が好きだし面白そうだったから読んでみたけれど。
主役2人の名前からして織姫と彦星みたいな感じだから、離れ離れの夫婦なのかそれとも永遠に再会出来ない哀しい物語なのか…とも思ったり。
1話完結と思っていたらどうやら続くみたいですね?。
この作品、夫婦だからと言ってイチャつくものでもないし、まぁイチャつかなくてももっと読んでいて幸せを感じられるような内容ならば大好きになれたんだろうけど、ラブストーリーとして読むと後悔かな。
絵は綺麗だから好きなんだけど。
とにかくハッピーエンド希望。 -
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味見方同心シリーズのサードシーズン・魔食 味見方同心(三)
南町奉行所味見方同心・月浦魚之進が食べ物に関する事件や謎に挑む、連作四話が収録されております。
さて本巻の“お品書き”は・・
・閻魔様を祀った寺の前で売られている激辛稲荷寿司「怒り寿司」
・深川の岡場所にある汚い掘っ建て小屋で出される絶品きつねうどん「きったねうどん」
・美男といかつい男の二人組が提供する驚く程細いそうめん「爽麺くもの糸」
・コウモリが集めるサボテンの密?「刺の蜜」
・・といった、奇妙な珍料理が今回も登場。
第一話の激辛お稲荷さん(通称”お怒りさん”)は実際にありそうな感じですよね。
私も学生時代は辛い物が好きで、激辛カレーとか平気で食べていたのですが、いつの頃からか辛い物食べると何故か鼻水が止まらなくなるという謎の体質になってしまったので、本書に登場の”お怒りさん”はちょっと食べてみたいけど、辛さレベル”一辛”でもエライことになりそうだな・・と、思いながら読みました。
・・と、どうでもいい私の体質の変化の件は置いといて(^^;
すっかり頼れる味見方になった魚之進が、今回も安定の謎解きっぷりを見せてくれるのですが、第四話では魚之進の妻、おのぶさんが不思議な密の味を見事再現してお手柄でしたね。
で、おのぶさんといえば、ついに"おめでた"が判明してこちらでもお手柄(?)でございます。
魚之進もせっかくめでたいのに不安がってばかりいないで、もっと喜べよ!って感じですよね~。
ということで、今回もユルく楽しませて頂きました。
幸せいっぱいの魚之進ですが、彼の同僚で友人の本田さんにも早く春がくればいいですよね・・第三話で本田さんの姉・おつねさんのメイクで美男に化けることができたので、いっそ、おつねさんにメイクテクニックを習ってみては?と思った次第です~(* ̄m ̄) -
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第十弾。
夕闇迫る逢魔ヶ刻の橋の上に佇み、親戚から預かった大金を紛失したことで途方に暮れる南町奉行所の同心・加麻田。
そんな時、同じ橋の上で異様な姿の遺体が発見されます。
町の民たちは「魔物のしわざ?」とザワつきますが・・。
”逢魔ヶ刻”とはいえ、まだ行きかう人の多い橋の上で起こった殺しを皮切りに、探索する同心たちの目前で橋のたもとにいた占い師が殺された件、紙問屋に出没するという女中の幽霊の件、商家を襲った「天狗つぶて」の件、そして亡くした大金の行方の件、等々・・といった謎を追っていくうちに、過去に起こった廻船問屋の詐欺トラブルが浮かび上がってくる展開です。
今回も、いつもと同様”チーム根岸”のメンバーがそれぞれの役割をこなしているのですが、特に宮尾さんの”女中たらし”のスキルはメンバー達の共通認識となっているようで、椀田さんにも「女中殺しの宮尾さま」とイジられていました。
(で、勿論しっかり女中さん達から情報を聞き出す宮尾さまw)
一方、別ベクトルで聞き出し上手な女岡っ引きのしめさんは、殺された海産問屋の元番頭に胸をときめかせ、”乙女”な一面を見せてくれていましたね。(結果は色んな意味で残念でしたが・・汗)
そして、終盤では根岸奉行が名探偵よろしく真相解明してくれるのですが、今回エライ目にあった同心(部下)の加麻田さんの為に、格上の旗本にも「はっきり言うが、(略)奉行所の同心にずいぶんなことをしてくれたな」と、きっちり物申してくれるところとか、改めて根岸奉行って理想の上司ですよね~。
賢いだけでなく、ちゃんと部下を守ってくれるから”根岸様の為に一生懸命働こう”って気にもなるってもんです。
と、いうことで今回も安定の読み心地で楽しませて頂きました。
ご無沙汰しているメンバー・・坂巻さんや栗田さん、ひびきさんの再登場もお待ちしております~。 -
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2025年の一冊目!
「妻は、くノ一」が面白かったから他の本も読んでみたかった作家さん。
さらに猫、歌川国芳…と面白そうな題材だらけ。読むしかない!
ストーリーはフィクションだと思うけど、国芳をはじめ実在した人物がちょこちょこでてきて面白い。
月岡芳年がでてきたのは嬉しかったな。
どの話も事件?がおきるけど物々しい話ではなく、読者にどうなったか考えさせるような終わりだったり、少し物足りなさもあったけどゆったりと楽しめた。
話の中に出てくる浮世絵を検索して一緒に見るのも楽しかった。
最後の「団十郎の幽霊」が好きかな。
猫好きって、そうだよねぇ。 -
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時代物でありながら倒叙形式で描かれるミステリーシリーズ最新作。
八つ当たりでけがを負わされた鏡職人が考えた、事故に見せかけた殺人
嫌われ者の纏持ちを火事の最中での殉職に見せかけた殺人
かつて殺人事件が起きた『呪われた湯屋』で他の客もいる中で行った殺人
の三話。
これまでのシリーズ作品同様、犯人やざっくりした手口は描かれているものの、詳細は分からない。
そこを明らかにするのが一見冴えない感じの『ちぢれすっぽん』こと北町同心・亀無剣之介。
犯人が考えた完全犯罪をどう暴くのか、どう犯人を追い詰めるのかが毎回楽しみだ。
今回は若手同心・早瀬百次郎にも探索を任せるが、やはり亀無のようには行かない。
同じ人に同じ話を聞いても目のつけどころや感じ方の鋭敏さが違うのだろう。
そして今回も隣人の御書院番・松田重蔵の迷推理も健在。だがそこから解決のヒントも得られたりもする。
その松田の妹で出戻り中の志保との関係も相変わらず。
亀無と亡き妻との一人娘・おみちも懐いていて早く一緒になってくれればと思うが、上手くは進まない。
亀無のもう一つの得意技、剣の腕の見せ場が無いなとおもっていたら、最後の最後に嫌な展開で出てきた。
志保との関係は…。
『悪事をあばくうちに』『うんざりするばかり』の亀無が安らげるおみちや松田重蔵・志保兄妹との一時だが、それがこのような形になるとは。
シリーズ作品一覧
☆はレビュー登録あり
①「同心 亀無剣之介 わかれの花」
②「同心 亀無剣之介 消えた女」
③「同心 亀無剣之介 恨み猫」
④「同心 亀無剣之介 やぶ医者殺し」☆
⑤「同心 亀無剣之介 殺される町」☆
⑥ 本作 ☆ -
Posted by ブクログ
風野真智雄にしてはシリアス。軽妙な部分はあるが、テーマ全体も重たい。作者の独白、私小説的な印象。
著者の作品にはよく、戯作者が出てくるがこういう心象から出てきていたのかとおもう。
恋川春町や、馬場文耕などを知れたのは良かった。自分が興味を持った狂歌、太田南畝とも同時代の話。
こういう反骨とお笑いが、好きだと、改めて認識する。
にしても、後半かなり厳しくおもたい話。いつも感じるスカッとした感じはなく。ちと考え込む。
そして、松平定信を作者のはどう捉えていたのかが気になる。南町奉行 耳袋秘帖でも出てくるが。。
ま、単純に良い悪い、好き嫌いで捉える必要はないのだろうが。。
改めて、きらん風月も読みたくなる。 -
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魔食 味見方同心(二)
(『味見方同心シリーズ』の、“サードシーズン”でございます)
南町奉行所味見方同心・月浦魚之進が食べ物がらみの謎に挑む、連作四話が収録されております。
さて本巻の“お品書き”は・・
・煮汁に浸りながら煮込みを食す「どっぷり汁」
・駕籠で名所を巡りながら料亭の弁当を食べる「料亭駕籠」
・鰻と猪肉をのせたそばに、梅酢の汁の組み合わせ「食い合わせそば」
・武士が包丁の代わりに刀で切った刺身を提供する「侍包丁」
・・といった、妙ちくりんというか、食べ方にクセがありすぎる料理の数々が登場(駕籠のヤツ以外は普通に食べようヨ!と言いたいw)。
でそんなクセツヨ料理に絡んで発生する謎や事件を、魚之進が周りの協力を得ながら解決していく展開です。
第二話「料亭駕籠」では、権力者の大身旗本・中野石翁が乗るはずだった駕籠に乗った別の旗本が刺殺されてしまったことから、石翁を狙う人物を探る流れになったので、セカンドシーズンでの“将軍暗殺”みたいな、サードシーズン通しての案件になるのかな・・と思っていたのですが、第四話で石翁を狙う人物が判明して、あっさり解決されたので、この件は本巻限りだったようですね。
と、いう訳で今回も様々な謎を解決して、すっかり頼れる味見方となっている魚之進ですが、妻のおのぶさんやバディの麻次親分、同僚で友人の本田さんをはじめ、奉行所の上司の方々等、彼の周りの人達が魚之進に協力的なのが良いですね。
さらに今回は目付の愛坂さんが武家関係の案件で力になってくれて頼もしい限り。
(因みに愛坂さんは、同著者の別シリーズのメインキャラのようです)
魚之進の親しみやすい人柄ってのもあると思いますが、変に邪魔する輩が出てこないのでノンストレスで楽しませて頂きました。
さて、今後どんな“魔食”が登場するのか・・次巻を楽しみにしております~。