風野真知雄のレビュー一覧
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第六弾。
深川、続いて神田の床屋で身元不明の首無し遺体が発見されます。
どちらも床屋のあるじは行方が知れず、その首切り事件を皮切りに“首がらみ”の事件が立て続けに起こって・・・。
今回は“首騒動”ということで、床屋での首切り事件を核に、ろくろっ首や、首無し亀、さらに女の首と狸の胴体が発見されるといった怪事件を、根岸奉行とその配下“根岸六人衆”(椀田、宮尾、凶四郎、源次、しめ、雨傘屋)が解決すべく奔走します。
首切り事件の糸口がなかなかつかめない中、“首無し亀”の事件で知り合った、元土佐藩士の浪人・佐野さんの証言から、かつて上方を荒らした盗人一味へと一気に繋がっていきます。
この佐野さんが、何気にええキャラで、凶四郎から根岸奉行の家来にスカウトされていましたが、今後も登場するのでしょうかね。
さらに、佐野さんの彼女もいい味出ていて、宮尾さんの“好み”とのこと・・ってか、宮尾さん、ひびきさんの事が好きならもっとグイグイいってほしいですよね。
今後二人に何かしらの展開があることを期待します。
で、今回も鮮やかに謎を解いた根岸奉行でしたが、盗人一味に根岸奉行のかつての知り合いがいたり、ちょっと切ないラストでした。
“女郎蜘蛛”の彼女はなかなかの悪女っぷりでしたけどね。
因みに、本文中に瓦版の「文の春」というのが出てくるのですが、“これって、〇〇砲でお馴染みのあの雑誌をモジっているよね?本書の出版元だし・・”と、著者の遊び心にニヤついてしまった私です。 -
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〈耳袋秘帖 南町奉行〉シリーズ第四作。
江戸で火事が多発していることで根岸奉行は老中・水野忠成に叱責されるという冒頭シーン。このことは全編に渡って描かれ、その理由は最後に明かされるのだが、その合間に今回も様々な小ネタが挟まれる。
廻船問屋〈徳州屋〉が開いた「おとな花火の宴」(名前からして怪しい)で起きた怪異。
『赤猫』と呼ばれる大工が建てた家が焼ける事件に宿屋で起きた殺人事件。
火事もなく誰もいないのに勝手に鳴る『お化け半鐘』事件に再び起きた殺人事件。
燃えながら走る『火の玉小僧』事件と謎の『火消し婆』。
小ネタはその度に一応の解決はされるのだが、その繋がりについては今一つ分からないものもあった。私の読解力不足かも知れないが。
或いは次作に続く謎なのだろうか。
ただ今回もチーム・根岸の活躍は楽しい。
雨傘屋は現代の鑑識&トリック解明&からくり再現を担っているし、雨傘屋と組んでいる女岡っ引・しめさんは得意の聞き込みやひらめきで事件解明の切っ掛けを作っている。
また凶四郎&源次の夜回りコンビに椀田&宮尾のお久コンビもいて賑やか。
宮尾もしめさんに負けず劣らず聞き込みは上手い。だがその上を行くのは根岸。思わず語りたくなる雰囲気があるのだろう。
また椀田の姉・ひびきや根岸の思い人・力丸の久しぶりの登場も嬉しかった。
冒頭に登場した謎の女・お糸が今後もキーパーソンとなるのか。宮尾は美人に興味ないのに美人と縁がある。
ひびきも気が気ではないだろう。二人が良い感じになっているところも読んでみたいが。
※シリーズ作品一覧 ★はレビュー登録あり
①「南町奉行と大凶寺」★
②「南町奉行と深泥沼」
③「南町奉行と餓舎髑髏」★
④「南町奉行と火消婆」本作★
⑤「南町奉行と犬神の家」
⑥「南町奉行と首切り床屋」 -
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第五弾。
中渋谷村にある、“犬神の家”と呼ばれる旗本屋敷に迷い込んで出てきた犬が、飼い主を噛んで逃亡。
“犬わずらい(狂犬病)”を警戒した根岸奉行の命で、昼間は“しめさん&雨傘屋”、夜間は“凶四郎&源次”が見廻りを強化する中、付近の神社で首に噛まれた跡のある死体が見つかって・・・。
今回は、渋谷村近辺で起こる、犬がらみの珍事を解決しつつ、背景にある“真神さま”と呼ばれる犬神信仰を絡めた不穏な動きを追求していく展開です。
この“真神(犬神)さま”に、楽翁様こと元老中・松平定信も魅了されてしまうというところが、信仰独特のマインドコントロール的な危うさが伝わってきますね。
毎度のことながら、根岸奉行は、部下達の話を聞いただけで謎を解いてしまうという安定っぷりでございます。
ただ、全体的に何だかボンヤリした内容で、村人の失踪の件も“すねこすり”は必要だったかな~?なんて思ってしまった次第です。
とはいえ、肩肘張らずにスナック菓子感覚で読めるユルさがこのシリーズの良さなので、“まぁええか”とも思います。
ユルいといえば、第一話「狛犬変化」での宮尾さんと骨董屋の爺さんとの、“十手のやり取り”がいい意味で脱力していて個人的にツボでした。宮尾さんのこういうユル軽いところ、好きですね~(笑)。 -
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第四弾。
江戸の町で火事が多発。公儀から叱責を受けた町方は総出で“火の用心”の強化に努めることに。
そんな折、ある廻船問屋で開かれた花火の宴で、巨大な火花の妖かしが現れて・・・。
今回は多発する火災の裏側で怒っている出来事・・宗源火、“赤猫”と呼ばれる大工、火の玉小僧、火消し婆等々・・といった謎から、某藩のマッチポンプ的なお家騒動に至るまで、“チーム根岸”の面々がバランスの良い活躍ぶりで根岸奉行をサポートして、真相に迫っていきます。
最近、赤丸急上昇中の雨傘屋は、“からくり系”に強いので、根岸奉行も重宝している様子ですね。
そんな雨傘屋の上役(?)の、しめさんの承認欲求も微笑ましいものがあります。
そうそう、久しぶりに椀田さんの姉のひびきさんも少しだけ登場して嬉しかったです。
宮尾さんとの関係はどうなっていくのでしょうね・・そして、謎の女性・お糸も気になるところです。
という訳で、次巻も楽しみにしております~。 -
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耳袋秘帖シリーズ新章がいつの間にか出ていた。
といっても過去のシリーズのメンバーもそのまま出てくれているので嬉しい。さらに新メンバーも出来て覚えるのが大変になってきたが話は軽快なので楽しめる。
今回の謎は『大凶寺』という不吉な名前を付けられた寺。本当は『題経寺』という名前があるのだが、おみくじを引けば大凶ばかりが出る、墓石が倒される、幽霊が出る、檀家には不幸が起こる…などまさに『大凶』な寺になっている。和尚は京の本山に帰り、新しい和尚が派遣されたのだがその新しい和尚というのがどうも怪しい。
他に小ネタとして、頼まれて幽霊の振りをする女(こちらは後に殺害されてしまうので小ネタではないのだが)、松平定信が毎朝経験する不思議な出来事、亀の甲羅にきのこを生やして売る雨傘屋、路地裏で突然消える托鉢僧。
妖談シリーズの椀田・宮尾コンビはいつものように根岸奉行を警護し、凶四郎シリーズの凶四郎・源次コンビは夜の見回りで不審なことは見逃さない。そして個人的に好きなキャラ・女岡っ引のしめ婆さん(本人は『清香』という名前で呼んでもらいたいらしいが誰も呼ばない)に無理やり勧誘された雨傘屋(正確には「元」雨傘屋なのだが、本名は出されず皆雨傘屋と呼んでいる)という新コンビも結成。
今後はこの3組のコンビを中心に探索をするということになるのだろうか。たまには坂巻・栗田コンビも出して欲しいが。
肝心の本ネタの謎としてはちょっと拍子抜け。だがこれまでのシリーズは途中でラスボス的な敵が出てくるのでこちらもそのうちそうしたキャラが登場するのか。それともすでに登場しているのか。
※耳袋秘帖シリーズ
作品数が多くここには書ききれないため、シリーズ名だけ書いておきます。
「殺人事件」シリーズ 坂巻・栗田コンビ
「妖談」シリーズ 宮尾・椀田コンビ
「眠れない凶四郎」シリーズ 凶四郎・源次コンビ
「南町奉行」シリーズ 本編