風野真知雄のレビュー一覧
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南町奉行シリーズ第五作。
今回はタイトルで示されているように犬にまつわる話。
犬わずらい(狂犬病)の不安、狛犬が犬に変化、突然現れた犬の首塚という犬に関係する事件が続く中で一つだけ変わり種の妖怪すねこすりは耳袋シリーズらしくて好きだった。
好きと言えばこのシリーズは三組のコンビが活躍するのだが、中でも女岡っ引きのしめさんと発明家の雨傘屋が今回も良い味を出している。
しめさんは話しやすい親しみやすさを発揮して聞き込みが上手いし、雨傘屋は不思議な事件も合理的な手段を見つけ出す。
夜眠れない凶四郎と源次コンビ、シリーズ初期からのレギュラー宮尾と椀田も頑張っている。
全体的にはこれまでの作品に -
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ネタバレ潜入 味見方同心(六)・完結編。
食べ物にまつわる謎や悪事を解決する、南町奉行所味見方同心・月浦魚之進の活躍を描く、連作四話が収録されております。
将軍暗殺計画を阻止する為、捜査を続けてきた魚之進達。
悪事の黒幕・北大路魯明庵こと徳川元春が、“疱瘡”を利用した暗殺を企んでいることを突きとめますが・・・。
“潜入” 味見方同心シリーズも、ついにこの巻で完結との事。
いつものように、市井にはびこる食べ物がらみの悪事を暴きつつ、大奥の八重乃さんや御広敷伊賀者・服部さんたちと連携して、暗殺計画を未然に防ぎその計画に加担していた者達も次々判明していきます。
その流れで、魚之進の元義姉・お静の実家の -
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第六弾。
深川、続いて神田の床屋で身元不明の首無し遺体が発見されます。
どちらも床屋のあるじは行方が知れず、その首切り事件を皮切りに“首がらみ”の事件が立て続けに起こって・・・。
今回は“首騒動”ということで、床屋での首切り事件を核に、ろくろっ首や、首無し亀、さらに女の首と狸の胴体が発見されるといった怪事件を、根岸奉行とその配下“根岸六人衆”(椀田、宮尾、凶四郎、源次、しめ、雨傘屋)が解決すべく奔走します。
首切り事件の糸口がなかなかつかめない中、“首無し亀”の事件で知り合った、元土佐藩士の浪人・佐野さんの証言から、かつて上方を荒らした盗人一味へと一気に繋が -
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〈耳袋秘帖 南町奉行〉シリーズ第四作。
江戸で火事が多発していることで根岸奉行は老中・水野忠成に叱責されるという冒頭シーン。このことは全編に渡って描かれ、その理由は最後に明かされるのだが、その合間に今回も様々な小ネタが挟まれる。
廻船問屋〈徳州屋〉が開いた「おとな花火の宴」(名前からして怪しい)で起きた怪異。
『赤猫』と呼ばれる大工が建てた家が焼ける事件に宿屋で起きた殺人事件。
火事もなく誰もいないのに勝手に鳴る『お化け半鐘』事件に再び起きた殺人事件。
燃えながら走る『火の玉小僧』事件と謎の『火消し婆』。
小ネタはその度に一応の解決はされるのだが、その繋がりについては今一つ分からないもの -
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第五弾。
中渋谷村にある、“犬神の家”と呼ばれる旗本屋敷に迷い込んで出てきた犬が、飼い主を噛んで逃亡。
“犬わずらい(狂犬病)”を警戒した根岸奉行の命で、昼間は“しめさん&雨傘屋”、夜間は“凶四郎&源次”が見廻りを強化する中、付近の神社で首に噛まれた跡のある死体が見つかって・・・。
今回は、渋谷村近辺で起こる、犬がらみの珍事を解決しつつ、背景にある“真神さま”と呼ばれる犬神信仰を絡めた不穏な動きを追求していく展開です。
この“真神(犬神)さま”に、楽翁様こと元老中・松平定信も魅了されてしまうというところが、信仰独特のマインドコントロール的な危うさが伝わってき