風野真知雄のレビュー一覧
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味見方同心シリーズのサードシーズン・魔食 味見方同心(三)
南町奉行所味見方同心・月浦魚之進が食べ物に関する事件や謎に挑む、連作四話が収録されております。
さて本巻の“お品書き”は・・
・閻魔様を祀った寺の前で売られている激辛稲荷寿司「怒り寿司」
・深川の岡場所にある汚い掘っ建て小屋で出される絶品きつねうどん「きったねうどん」
・美男といかつい男の二人組が提供する驚く程細いそうめん「爽麺くもの糸」
・コウモリが集めるサボテンの密?「刺の蜜」
・・といった、奇妙な珍料理が今回も登場。
第一話の激辛お稲荷さん(通称”お怒りさん”)は実際にありそうな感じですよね。
私も学生時代は辛い物が好きで -
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第十弾。
夕闇迫る逢魔ヶ刻の橋の上に佇み、親戚から預かった大金を紛失したことで途方に暮れる南町奉行所の同心・加麻田。
そんな時、同じ橋の上で異様な姿の遺体が発見されます。
町の民たちは「魔物のしわざ?」とザワつきますが・・。
”逢魔ヶ刻”とはいえ、まだ行きかう人の多い橋の上で起こった殺しを皮切りに、探索する同心たちの目前で橋のたもとにいた占い師が殺された件、紙問屋に出没するという女中の幽霊の件、商家を襲った「天狗つぶて」の件、そして亡くした大金の行方の件、等々・・といった謎を追っていくうちに、過去に起こった廻船問屋の詐欺トラブルが浮かび上がってくる展開です。 -
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2025年の一冊目!
「妻は、くノ一」が面白かったから他の本も読んでみたかった作家さん。
さらに猫、歌川国芳…と面白そうな題材だらけ。読むしかない!
ストーリーはフィクションだと思うけど、国芳をはじめ実在した人物がちょこちょこでてきて面白い。
月岡芳年がでてきたのは嬉しかったな。
どの話も事件?がおきるけど物々しい話ではなく、読者にどうなったか考えさせるような終わりだったり、少し物足りなさもあったけどゆったりと楽しめた。
話の中に出てくる浮世絵を検索して一緒に見るのも楽しかった。
最後の「団十郎の幽霊」が好きかな。
猫好きって、そうだよねぇ。 -
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時代物でありながら倒叙形式で描かれるミステリーシリーズ最新作。
八つ当たりでけがを負わされた鏡職人が考えた、事故に見せかけた殺人
嫌われ者の纏持ちを火事の最中での殉職に見せかけた殺人
かつて殺人事件が起きた『呪われた湯屋』で他の客もいる中で行った殺人
の三話。
これまでのシリーズ作品同様、犯人やざっくりした手口は描かれているものの、詳細は分からない。
そこを明らかにするのが一見冴えない感じの『ちぢれすっぽん』こと北町同心・亀無剣之介。
犯人が考えた完全犯罪をどう暴くのか、どう犯人を追い詰めるのかが毎回楽しみだ。
今回は若手同心・早瀬百次郎にも探索を任せるが、やはり亀無のようには行かない。 -
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風野真智雄にしてはシリアス。軽妙な部分はあるが、テーマ全体も重たい。作者の独白、私小説的な印象。
著者の作品にはよく、戯作者が出てくるがこういう心象から出てきていたのかとおもう。
恋川春町や、馬場文耕などを知れたのは良かった。自分が興味を持った狂歌、太田南畝とも同時代の話。
こういう反骨とお笑いが、好きだと、改めて認識する。
にしても、後半かなり厳しくおもたい話。いつも感じるスカッとした感じはなく。ちと考え込む。
そして、松平定信を作者のはどう捉えていたのかが気になる。南町奉行 耳袋秘帖でも出てくるが。。
ま、単純に良い悪い、好き嫌いで捉える必要はないのだろうが。。
改めて、きらん風月も -
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魔食 味見方同心(二)
(『味見方同心シリーズ』の、“サードシーズン”でございます)
南町奉行所味見方同心・月浦魚之進が食べ物がらみの謎に挑む、連作四話が収録されております。
さて本巻の“お品書き”は・・
・煮汁に浸りながら煮込みを食す「どっぷり汁」
・駕籠で名所を巡りながら料亭の弁当を食べる「料亭駕籠」
・鰻と猪肉をのせたそばに、梅酢の汁の組み合わせ「食い合わせそば」
・武士が包丁の代わりに刀で切った刺身を提供する「侍包丁」
・・といった、妙ちくりんというか、食べ方にクセがありすぎる料理の数々が登場(駕籠のヤツ以外は普通に食べようヨ!と言いたいw)。
でそんなクセツヨ料理に絡んで発生する -
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第九弾。
風の強い夜、“道端に人の腕が落ちている”との通報が入ります。
早速しめさんと雨傘屋が現場を見に行ったところ、本当に毛むくじゃらの太い腕が落ちていた(!)為、とりあえず番屋に持ち帰ったとたんに大音響と共に何かが飛び込んできて吃驚の面々。気が付くと件の腕が消えてしまっていて・・。
切り落とされた太い片腕が消えてしまうという、まさに“酒吞童子”の逸話を思わせる謎を皮切りに、同じ夜に茶問屋の用心棒をしていた浪人の死体が発見された件、“酒吞童子に殺される”と怯えていた隠居が“かまいたち”(?)に殺された件、勝手に蕎麦を届けにくる“出前小僧”の謎、目の前で人や -
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『味見方同心シリーズ』の、“サードシーズン”が始動。
本書はその第一弾でございます。
南町奉行所味見方同心・月浦魚之進が食べ物にまつわる謎や悪事に挑む、連作四話の構成となっております。
前作では、魚之進がおのぶにプロポーズをした場面で終わっていましたが、めでたく夫婦になって幸せな新婚生活を送っているようで良かったです。
そして、前シリーズでもおのぶは何かと謎解きに関わりたがる傾向にありましたが、魚之進と夫婦となった今、より積極的に事件解明の手助けするようになって、実際おのぶの推理が解決の糸口になっているので、頼もしい限りですね。
さて、今回は「化かされそば」「化粧寿司」「カラスの黒鍋」「ク -
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耳袋秘帖シリーズ「南町奉行」編・第八弾。
紙問屋〈大松屋〉の若旦那が溺死してしまいます。
亡くなった若旦那は、その夜“野だいこ(フリーの幇間)”の超弦亭ぽん助と遊んでいたことが判明。
ぽん助には、“彼(ぽん助)と遊んだ客はなぜか数日以内に死んでしまう”という不吉な噂があって・・。
今回は、次々と謎の死を遂げてしまう若旦那たちと、ぽん助がその死に関わっているのか?という謎をメインに追いつつ、その合間に“料亭に出現する座敷わらしの件”、“絵に描かれた猫の生気が抜けてしまった件”、“楽翁(松平定信)様が屋敷の庭から消えてしまった件”等・・といったサブの謎を解明して繋いでいくという、お馴染みの展開