あらすじ
狂人が描いた絵を見る夜半過ぎ
不眠症が続く凶四郎の身辺に幽霊が出没する。
妻殺しの一件が解決した後も、未だ不眠症の癒えない南町の土久呂凶四郎は、
奉行の根岸の計らいで夜専門の見回りを続けることに。
江戸の闇は意外に騒がしく、今宵もまた幽霊が出る屏風だの、
盗みに入ったお店でお化けが出たと騒ぐ間抜けな泥棒だの、凶四郎は振り回される。
事件を解決する凶四郎に安眠できる日は訪れるのか。
大好評、耳袋秘帖・殺人事件シリーズ第5弾!
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Posted by ブクログ
とうとう、このシリーズを読み終わりました。読後感は少しせつないものとなりました。
風野真知雄さんの小説には、深くはないのかもしれませんが(と書くと怒られそうですが)、人生や世界への思いが特に根岸など主人公を通して出てきます。
例えば「この美しさは彫作という子どもや、妻のおふでに与えた暴力に見合うものだろうか(中略)
凶四郎は、この根付を、どぶのなかにでも投げつけてやりたくなった。」とかです。
また、今回は、赤月屋が最後焼け死ぬのですが、この赤月屋と、芥川龍之介の地獄変の絵仏師との、美への思いが重なっているようだったのが、印象的でした。
他にも色々ありましたが、眠れない凶四郎シリーズは、終了です。
また、新シリーズも、少ししたら読もうと思います。
Posted by ブクログ
今回は、凶四郎の川柳の師匠、よし乃が軸になって話が進む。
幽霊が見える絵が料理屋に飾ってあるという話。
あん摩にかかっていると、幽霊や怪物が出てくるという話。
コソ泥が入ってみるとその店には死んだ女房の幽霊が出て驚いたコソ泥が飛び出たところを狂四郎がお縄に。
などなど。
風野真知雄さんの本は、ト書きのような場所にも、愛情あふれる文章がきらりと光る。そんな風野真知雄さんの視点が好きで、よく読む。
Posted by ブクログ
心の隅から隅まで善良で綺麗でなくてもいい。せめて真ん中あたりは…
凶四郎の思いです
耳袋秘帖シリーズ愛読者なら誰でも知ってるしめさん登場。実はしめさん、誰よりも大事な脇役なのかしら。ふふふ。
Posted by ブクログ
松平定信をキライで歴史を読んできた
たまに小説で褒めてあると腹立たしい
耳袋シリーズの定信はしょうもない奴
に描かれていて肌に合う(´・ω・`)
Posted by ブクログ
耳袋秘帖シリーズ・ 眠れない凶四郎編(五)
今回は、凶四郎の周辺で幽霊がらみの珍事が続発。そうした謎を解決しつつ、ついに赤月屋の“闇の商売”と彼の過去が明らかになります。
赤月屋の“美しいもの”に対する執着の発端となったと思われる、彼の幼少期の出来事は、芥川龍之介の『地獄変』を彷彿とさせるような、壮絶なものでした。
そんな赤月屋の商才を認め、何とか救おうとする根岸奉行の心の広さも虚しく、哀しい結末になってしまいました。
そして、凶四郎は川柳の師匠・よし乃さんといい感じになっていたのですが、実はよし乃さんには“抱えている事情”があったことが判明。凶四郎が眠れる夜は訪れるのでしょうか・・。