風野真知雄のレビュー一覧
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ネタバレ前巻も話が急速に動いたが
今回は更に吃驚するほどの急展開。
夢にも思わなかった驚きの事実が明らかになる。
あまりにも吃驚しすぎたのと
今後どうなるのか想像つかないのとで
若干パニックを起こしつつある。
そんな中、思いっきり文系だった彦馬が
いろいろと鍛錬していく中で逞しくなっていくのが頼もしくていい感じ。
それに比例して川村がだんだん狂気を帯びてくるのが怖い。
恋は盲目、とはこのことか、という。
可哀想だったのはこれを機に抜けようとして失敗しちゃった万三かな。
彼が静山の下に付いたらいい働きをしそうだったのに。残念。
あらかた謎が明らかになったところでこの先どう話を進めるのだろうか。
いつ -
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ネタバレ前巻が緩やかに話が進んでいたのと対照的に
この巻は驚きの急展開が待ち受けていた、といったところか。
鳥居耀蔵と雙星雁二郎の登場によって
隠密絡みの不穏な面とコメディタッチの部分のコントラストが
よりくっきりとしてきたような気がする。
鳥居耀蔵は頭が切れると見せかけて意外とおバカなところが面白い。
呆れながらもその鳥居に付き合ってしまう川村真一郎の態度に
織江への恋慕の情によって冷静さを欠いている、ということが
さり気なく示されていて巧いな、と思ったのは深読みしすぎか???
雙星雁二郎は彦馬以上の、しかもタイプが違う変わり者だなと。
傍迷惑な奴か否か。
そんな迷惑野郎(爆)の雁二郎だが、意外と -
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ネタバレ取り敢えず前巻最後で大ピンチだった織江が無事でよかった(爆)。
今回の謎解きは相変わらずのお気楽なものに混じって
殺しの下手人をあげるといった若干シリアスなものも含まれている。
それでもいつも通り飄々と謎を解いてしまう彦馬と
織江が彦馬に惚れていることに薄々気づいたらしき川村真一郎が
恋愛感情剥き出しで突っ走りそうな勢いになっている不穏な空気との対比が
このふたりの心持ちの余裕の有無を表している気がして興味深い。
この辺りからだいぶ静山が書く『甲子夜話』に絡めた話運びが多くなってきたような感じ。
この巻では適当に話題が散らされていて、話が急激に進展しないので安心して読めた気がする。
とはい -
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ネタバレ彦馬と織江が再会できるのか、という大きな流れがある中に
(主に彦馬が)日常の謎を解くというミステリの部分も兼ね備えている。
読み進むにつれ細かいエピソードが増えてくるのでワクワクしてきた。
持ち込まれる謎はなんとなくほのぼのしたものが多い上に
彦馬が寺子屋の子供たちに謎解きを振って一緒に解決する形をとっている。
そこに幕府の隠密と平戸藩との攻防といった血生臭い部分が絡んでくることで
緩急がついて面白く読めるのかなー、などと考えてしまった。
時代小説であり、ミステリであり、ラブストーリーでもある。
これだけの要素を詰め込んでるのに、話運びがスムーズだというのがすごい。
個人的には今回松浦静山 -
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ネタバレNHKでやってるドラマを見て読みたくなった。
時代小説なのに文体が砕けてるというのか。
あんまり読みやすいんで逆に吃驚した。
今で言うオタクで変わり者の雙星彦馬と、
ある意味ツンデレのくノ一、織江。
市川染五郎さんと瀧本美織ちゃんというキャスティングはものすごくハマっている。
(いちばんハマってるのは松浦静山の田中泯さんだけど)
ドラマを見ると彦馬が一方的に織江を想っている風に見えるのだが
実際原作を読んでみると、織江が案外彦馬のことを大切に想ってるのが見て取れて
このツンデレっぷりにデレデレしてしまう(何)。
織江はドラマよりも大人っぽく描かれてるかな。
彦馬が江戸へ上がる道中の双子の -
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BS時代劇のドラマの最終回を見たらハマってしまい、次の日に、その原作全10巻を大人買いして、一週間ほどで一気に読んだ。
一口に言うと、軽い推理モノに恋愛ドラマとアクション、サスペンスを要所、要所に乗っけたってな感じ。
歴史小説ではなく時代小説ということもあって、娯楽性重視で文体も今風の慣用句や俗語のようなものもチラホラ。とても読みやすい。
平戸(長崎?)の、とあるさえない藩士の元に、突然、美しい嫁がやって来た。ところがその嫁は、幕府から密偵として差し向けられたくノ一であった。
一ヶ月後、任務を終えたくノ一は、突然に姿をくらましてしまう。夫のほうはというと、その一途さから嫁であるくノ一を