風野真知雄のレビュー一覧
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まだまだつづく、この話。
今回も4つの短編で。
『除夜の鐘』
音痴(謎)の和尚の話、と言っていいのだろうか。
除夜の鐘をつくときに、話の結末を迎える。
小鈴の店に看板が掛かる。
『下手っぴ名人』
小鈴の推理がさえる。
それにしても、彼女の発想はどこから来るのだろうか・・・・
前の巻でけりを付けた、平手からの手紙であることを思い出す小鈴。
『男の背中』
彫り物を入れている男たちをみて、謎を解く。
良くある、宝の地図みたいな話だ。
蛇、かえる、ナメクジ、イノシシ。
さて、この四つの共通点は?
『天狗の飛脚』
今なら良くあることだろうが、この時代は飛脚がそれに該当する訳だ。
『ウチならすぐ届けられます』というフレーズをうりにする業者同士のせめぎ合い。
もちろん、裏がある訳で・・・
それを知っているが故に、強くでられない。
なんやかんやのやりとりがありつつ、一応の決着を迎える。
その裏で、戸田吟斉と、鳥井耀三とのやりとりがあり、そして、おこうと、林洋三郎との話もちらりと。
うむ、まだつづくか。 -
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ネタバレ前巻も話が急速に動いたが
今回は更に吃驚するほどの急展開。
夢にも思わなかった驚きの事実が明らかになる。
あまりにも吃驚しすぎたのと
今後どうなるのか想像つかないのとで
若干パニックを起こしつつある。
そんな中、思いっきり文系だった彦馬が
いろいろと鍛錬していく中で逞しくなっていくのが頼もしくていい感じ。
それに比例して川村がだんだん狂気を帯びてくるのが怖い。
恋は盲目、とはこのことか、という。
可哀想だったのはこれを機に抜けようとして失敗しちゃった万三かな。
彼が静山の下に付いたらいい働きをしそうだったのに。残念。
あらかた謎が明らかになったところでこの先どう話を進めるのだろうか。
いつものことながら、早く続きが読みたい。 -
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ネタバレ前巻が緩やかに話が進んでいたのと対照的に
この巻は驚きの急展開が待ち受けていた、といったところか。
鳥居耀蔵と雙星雁二郎の登場によって
隠密絡みの不穏な面とコメディタッチの部分のコントラストが
よりくっきりとしてきたような気がする。
鳥居耀蔵は頭が切れると見せかけて意外とおバカなところが面白い。
呆れながらもその鳥居に付き合ってしまう川村真一郎の態度に
織江への恋慕の情によって冷静さを欠いている、ということが
さり気なく示されていて巧いな、と思ったのは深読みしすぎか???
雙星雁二郎は彦馬以上の、しかもタイプが違う変わり者だなと。
傍迷惑な奴か否か。
そんな迷惑野郎(爆)の雁二郎だが、意外と勘が冴えている、というか
洞察力がハンパないという才能を(作者に)与えられていて
そのおかげである意味キーパーソンになっているのもまた面白い。
耀蔵という頭の切れるバカが出てきたおかげで、
話が妙な具合に転がっていく。
今回も例に洩れず続きが気になって仕方がない終わり方なのであった。 -
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ネタバレ取り敢えず前巻最後で大ピンチだった織江が無事でよかった(爆)。
今回の謎解きは相変わらずのお気楽なものに混じって
殺しの下手人をあげるといった若干シリアスなものも含まれている。
それでもいつも通り飄々と謎を解いてしまう彦馬と
織江が彦馬に惚れていることに薄々気づいたらしき川村真一郎が
恋愛感情剥き出しで突っ走りそうな勢いになっている不穏な空気との対比が
このふたりの心持ちの余裕の有無を表している気がして興味深い。
この辺りからだいぶ静山が書く『甲子夜話』に絡めた話運びが多くなってきたような感じ。
この巻では適当に話題が散らされていて、話が急激に進展しないので安心して読めた気がする。
とはいえ、だいぶハマらされてきている(爆)。
続きが気になってしょうがない。いっそのこと買っちゃえって思うくらい(笑)。
余談だが、本編とは関係が薄い薀蓄が唐突に挟み込まれているのも面白い。
この巻では妻恋稲荷の現在の姿を解説してくれていたのが嬉しかった。
まさか時代小説で『ラブホテル』という単語を目にする日が来ようとは(笑)。 -
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ネタバレ彦馬と織江が再会できるのか、という大きな流れがある中に
(主に彦馬が)日常の謎を解くというミステリの部分も兼ね備えている。
読み進むにつれ細かいエピソードが増えてくるのでワクワクしてきた。
持ち込まれる謎はなんとなくほのぼのしたものが多い上に
彦馬が寺子屋の子供たちに謎解きを振って一緒に解決する形をとっている。
そこに幕府の隠密と平戸藩との攻防といった血生臭い部分が絡んでくることで
緩急がついて面白く読めるのかなー、などと考えてしまった。
時代小説であり、ミステリであり、ラブストーリーでもある。
これだけの要素を詰め込んでるのに、話運びがスムーズだというのがすごい。
個人的には今回松浦静山に斬られてしまったお弓の腕に
『しんさま命』の刺青があったかどうか触れられてなかったのが残念(爆)。
そして、織江がものすごく危ないところで話が終わっているので
続きが気になってしょうがない(笑)。 -
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ネタバレNHKでやってるドラマを見て読みたくなった。
時代小説なのに文体が砕けてるというのか。
あんまり読みやすいんで逆に吃驚した。
今で言うオタクで変わり者の雙星彦馬と、
ある意味ツンデレのくノ一、織江。
市川染五郎さんと瀧本美織ちゃんというキャスティングはものすごくハマっている。
(いちばんハマってるのは松浦静山の田中泯さんだけど)
ドラマを見ると彦馬が一方的に織江を想っている風に見えるのだが
実際原作を読んでみると、織江が案外彦馬のことを大切に想ってるのが見て取れて
このツンデレっぷりにデレデレしてしまう(何)。
織江はドラマよりも大人っぽく描かれてるかな。
彦馬が江戸へ上がる道中の双子の泥棒とサボテンの話とか
ドラマでは端折られているエピソードがある一方で
桜貝などドラマ独自のエピソードが存在するのが面白い。
…それはそうと、この話10冊もあるのか…。
先が気になってしょうがないんだけど。
文章が読みやすいのであっという間に読み終わっちゃうし。 -
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BS時代劇のドラマの最終回を見たらハマってしまい、次の日に、その原作全10巻を大人買いして、一週間ほどで一気に読んだ。
一口に言うと、軽い推理モノに恋愛ドラマとアクション、サスペンスを要所、要所に乗っけたってな感じ。
歴史小説ではなく時代小説ということもあって、娯楽性重視で文体も今風の慣用句や俗語のようなものもチラホラ。とても読みやすい。
平戸(長崎?)の、とあるさえない藩士の元に、突然、美しい嫁がやって来た。ところがその嫁は、幕府から密偵として差し向けられたくノ一であった。
一ヶ月後、任務を終えたくノ一は、突然に姿をくらましてしまう。夫のほうはというと、その一途さから嫁であるくノ一を探しに江戸へと向かう。それを知ったくノ一は、平戸での思い出を胸に、恋心がどんどん膨らんでいく。
こうして舞台は江戸へと移される。平戸藩、幕府、幕府お庭番(くノ一が属している幕府のスパイ組織のようなもの)の事情の中で、くノ一は夫の背後に暗躍するしかなく、夫はくノ一のわずかな気配や形跡を感じながらも、延々と二人は会えずじまいの物語が続く。
難点は、推理物や捕り物がなぜか日常的に展開され、その上に本来のテーマに基づいたエピソードが合間にはさんえあるという、間延び感が否めないところ。
このテーマで10巻はあまりにも長すぎる。3巻くらいにまとめられたら、とてもいい娯楽小説になるのだが。このジャンルの売れっ子作家らしいから、売り上げがほしい出版社側の意図として、あえて長編にしているのだろう。
とはいえ、冗長であるとか内容が薄いであるとか、ただ単にダラダラと話を長くしているという感じはなく、全編を通してなかなか楽しめるのも事実。一気に読める、とてもおもしろい小説でした。