あらすじ
お江戸は高田馬場の竹林に棲む、若くて美人で評判の月照尼(げっしょうに)の元には、人生相談に訪れる者がひきもきらない。その庵(いおり)の近くで、女好きの若旦那が死体で発見された。衣服には一筋の剃刀の跡。若旦那は、尼に会いに行くと言い残して家を出たという。やがて尼の周囲では殺人が相次ぐ。なぜか死体には、みな剃刀の跡が──。はたして尼の正体とは。根岸肥前守が、江戸の怪異を解き明かす、新「耳袋秘帖」シリーズ第二巻。
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体調を崩していたので一気に読みました。
根岸の言葉をいろいろ考えながら、読んでいます。深く考えることも、ないかもしれませんが、いろいろ当てはめてしまいます。
「恥もかかないような人生の、何が面白いというのか」
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美人な尼さんの周囲で殺人事件が多発する話。
尼さんなのに話し方がフランクだなと思いました。
腕田が姉に厳しいのが、毎回面白い。子供の頃の恨みつらみが笑
このシリーズだけか分かりませんが、話の軸が現代にも通ずることなので、読んでて共感や理解がしやすいです。
一押しの作家さん。
何も理解できない本を読むのもそれはそれで面白いですが。
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昔やんちゃしていて、今はどんな人間にも奥行きがあって見たままではない、と言う根岸奉行の人間観察力と懐の深さと好奇心旺盛なところに乾杯。こんな上司の下で働いてみたい。
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短編集かと思ったら、そうではなく。
一つ一つの話として成立しつつも、一冊で大きな話となっている。
脇役がいい。
それぞれに個性があって・・・・
実写ドラマを作るなら、このキャラは誰が演じるのがいいだろう、とか考えると又楽し。
さいごで、あぁ。と、思わせるところがにくい。
それにしても、猫の鳴き声を聞く度に『呼び捨てにするな』と言おうとする宮尾氏が、個人的には好みのキャラ。
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今回も面白かったです。
内容は、自分に照らし合わせると、ちょっと耳が痛いです。
好きなものは好きだし、欲しいものは欲しいけど、
躍らさせ過ぎないように気をつけたいと思います。
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若い女性は何時の時代も流行を追いかけるものなのですね。なんでだろう?そして、年をとる毎に興味が薄れていくのはなんでだろう?自分の好みがわかってくるからかな?生活に忙しくなるからなのかな?今回は江戸時代に一時流行した、月と星の柄に魅せられ、執着し過ぎて正気を失い、尼にならざるを得ない所まで追い詰められた美女のお話。美人の尼さんの周りで、男たちの思惑が蠢く。流行を生み出し、大金を得ようとする男たち。だが、行き過ぎた欲望は破滅を招く。今回もなかなか面白かったです。猫のうしろうも出てきて、宮尾を「みやぉ」と呼び捨てにするし。
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時代小説ではあるけれど、流行を仕掛けてぼろもうけしようとする黒幕たち、という構図が妙に現代的で面白い。
宮尾の剃刀克服大作戦につい笑ってしまった。かわいいことするなあ(彼のトラウマを考えると笑い事ではないのだけれど)
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新シリーズになってから、メインの二人が出ないとのことで、最近まで購入を控えていました。
今回買ってみて、まぁ新しいメンバーも悪くないな。と。
ちらほらと今までのサブメンバーが出ていますし、違和感無く読めます。
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江戸の世でも若い子はブームがお好き!
ブームを作り大もうけしてきたグループ。
片方で事件も起こしている。
金儲けにしてきた裏の事件を表面上はただ不思議な事件で人の噂にしか登らなかったが、、、
そんな奇妙な事件が人智を超えるものとして片付けらてしまうと、裏に隠された思惑があるはずだ。と
今回も大活躍。
青春時代を遊んだ仲間が今回も登場し痛快な作品に。
また、人には失敗したり悩んだりするのは恥ずかしいことでも無駄なことでもないんだ!と言い切る根岸肥前のかっこよさ!しびれます。
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耳袋秘帖妖談編の第2弾。
元ヤンチャな南町奉行の根岸備前守さんの究極の目的は、お金でどんな殺しも請け負う「闇の者」の組織を解明し、これを抹殺することとみつけたり!
どうもこの組織は、キリスト教となにかつながりがあるみたいなんだよねぇ…。
どれくらい続くお話になるのだろう。
この巻では、物欲がテーマになっているようでした。
お金儲けのために人為的に作られた流行に振り回されて、あたら若くて美しい娘としての人生を狂わせてしまった尼さんがいろいろあって還俗するまでのお話だったよ。
若い頃は迷うこともあるし、いろいろ悩んだうえで違ってたらまた別の道に進んでもいいんだね。
まぁ、それが若さの特権でもあるんだな!
Posted by ブクログ
新シリーズ第2弾、らしい。
根岸肥前守がだんだん松浦静山に見えてきた不思議。
下っ引きのしめさんとか、高田馬場の元陰間の尼さんとか
また強烈なキャラが増えた。
そしてイケメン宮尾に剃刀という新たな弱点を与えられるという。
もしやこれもイケメンゆえか???(笑)
今回は物欲に支配され振り回される、というのがテーマらしく
モノに溢れた現代に生きる自分たちにも深く関わる話だったと思う。
前作はそれで終わったのかと思っていたが
『闇の者』というテーマが引き継がれていることが読んでいるうちに解ってきた。
これはシリーズ通して語られる話なのだろうか。
Posted by ブクログ
裏表紙のあらすじでネタバレしているように見えますが、そうではないのでご安心を。
根岸の使う人間が、前作とまた違っている(レギュラー的にはでているんだけど、活躍の度合いがね)のも面白みがありますね。
各短編ごとの話も良いのですが、本作では全体を通しての事件が特に面白かったので、最後まで油断しないように。