井上靖のレビュー一覧

  • 天平の甍

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    奈良時代の最盛期である天平。その頃、唐から高僧・鑑真を日本に連れてきた僧侶・普照の物語。鑑真の渡航は当時では非合法的だった。天平二年、七年と出航するが難破。天平七年の遭難の際には海南島まで流されてしまう。そして天平十二年に渡航に成功。時間的、距離的に想像を絶する話です。

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    2023年11月14日
  • 敦煌

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    昔の中国を舞台とした物語。

    人の生きる様をときに熱く、ときに粛々と
    描いている。

    人生において、たとえ失敗したとしても
    次の道がまた開けるものなのだろうか。

    最後は…
    この主人公は心に秘めた事を
    成し遂げようとするが成功したのか失敗したのか?!

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    2023年06月27日
  • 敦煌

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    果てしなく広がる砂漠同様、スケールの大きな物語だった。 何十万の大軍や900年の時を経て陽の光を浴びた経巻など、大きな時の流れの中で何と人の人生の短く小さいことか・・・。 些細なことで悩んでいる自身がチッポケで、悩んでいること自体がバカバカしくなってくる。人の人生なんて、風や雨によって姿を変える砂漠の中の一粒の砂のようなもの。 人生なるようになるさ。おおらかに生きていこうっと・・・。(o^^o)v

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    2023年04月29日
  • 風林火山(新潮文庫)

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    武田信玄に関する本を探していてこの本に。信玄の側近を中心とした物語。信玄自身には間接的にしか触れられていないけど、小説としては読みやすかった。

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    2023年04月29日
  • 利休の死 戦国時代小説集

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    織田信長が上洛し、その後の話を短編で綴っているのだが、連続性には欠ける。明智光秀の本能寺の変の章は面白い。

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    2023年04月20日
  • しろばんば

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    面白かったけど、何故か井上靖の作品は退屈さを感じてしまう。子供が成長して行く気持ちの揺れや心理を上手に描いていると思う。

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    2023年02月23日
  • 敦煌

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     どういう経緯でそれが其処に在ったのか、今となっては我々に知る術は無い。


     色々あったけど、最後はやっぱり、皆んなのためになることをしようと思いました。


     誰かのそんな物語が、想いがあったとしたら。そんな風に悠久の彼方に思いを馳せるのも良いかも知れない。想像力は自由だ。

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    2023年02月19日
  • 風林火山(新潮文庫)

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    【シブかっこいい隻眼の軍師】

    山本勘助。
    風采の上がらぬ見た目。
    序盤から登場するも怪しさ満点。
    むしろ怪しさしかない。
    それがまさかこの人目線で進んでいくとは。
    だけど読み進めていくうちに
    意外なことに愛着が湧いてくる不思議。
    忠誠を誓った人にひたすらに愛を注いでいく人物像。
    感覚的で、説明のつかない愛情にどこか惹かれるものがあった。

    気になる武将に関わる小説を読み始めたけど
    次は趣向を変えて応仁の乱あたりから攻めてみようかな〜

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    2023年02月14日
  • 楼蘭

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    匈奴などの西狄の話は歴史でもなかなか出てこないので面白かったが、後半の日本の話はいらなかったな…。もっと騎馬民族や砂漠の民の歴史が読みたいなぁ。

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    2022年12月01日
  • 天平の甍

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    業行が印象的だった。怖いほどの執念が年々滲み出て、でも結局彼の意志が成し遂げられなかったのが、足元が崩れていくようで怖かった。
    普照は渡唐に際して確固たる目的がないように見えたけど、その時その時にとるべき最善を尽くして、結局最後は運も味方して元々の任務だった戒律師を日本に連れ帰ることを果たしたし、日本に帰ってからのモノの感じ方考え方がいいなと思った

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    2022年11月23日
  • 夏草冬濤(下)

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    ★3.5かな、でもおまけなし。あまりに半端な感じで終わってしまってるからなぁ。続きはあるんかな?
    それはともかく要するに育ちが良いんでしょうな、洪作は(つまりは井上靖が、ということになるのかもしれませんけれども)。例えばフランス料理と寿司のくだりとか、こちらがイライラするくらいの天然ぶり。これくらい伸び伸びとしている方が良いんでしょうが、最早絶滅危惧種的な育てられ方なのかも知れず。

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    2022年09月28日
  • 風と雲と砦

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    武田家の滅亡の話がこの作家には余程響くものあったんでしょうな。登場キャラ全部が消滅していくんだろうなと何となく思いながら読みました。
    まぁ時代を感じなくはない、現在の作家のテーストでは明らかにない。この感覚を良しとするかは微妙なところ、つまりそれほどこの作品が成功しているようにはちょっと思えなかったかな。まぁ普通でした、って大変偉そうではございますが。

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    2022年09月18日
  • 敦煌

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    中国西域でのちょうど1000年前の空想物語。都から遠くかつ広いゆえに宋時代の中国が統治しきれない西域、群小民族の覇権争い。現代のウイグル自治区の様相を思い浮かべてしまう、のと同時に、映画やTVシルクロードドキュメンタリーの映像記憶があるから、やすやすと思い浮かべるイメージが、なお空想を馳せさせて面白く且つ意義深く読んだ。

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    2022年09月07日
  • 後白河院

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    いつかの大河ドラマの清盛と、今やってる鎌倉殿の13人を必死で思い出しながら読んでる。難しい、観ててよかった。
    権威権力は持っているけれど実力(軍事力)を持たない朝廷=後白河法皇が、
    軍事力を持つ者らとどのように戦ったか。その時の大勢力に対し、対抗勢力に力をもたせ戦わせることで牽制し、戦わせてやがて滅びていくのを見ている。不気味で冷静で、軍事力はないが権威あるものの戦い方。
    後白河法皇、第一部〜第三部、言うことバラバラやん!って思ってたけど、第四部で、実は一目的は貫してるってことがわかった。

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    2022年06月16日
  • 額田女王

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    井上靖の描く額田女王は神秘的で、妖艶で、よく分かんないけどなんだか読んでてどきどきする女性だった。
    人の心を持たないようにしているから、逆に色気が出るのかな。でも、神に仕えるために天皇の死の悲しみさえも無いことにしないといけないのはすごくつらいことだよ。
    最後に「大津京に長く身につけたものを置いてきた」表現がすごく良かった。結局、額田はどっちのが幸せだったんだろう。

    歴史小説だけど、何回も同じこと繰り返し書いてくれるから分かりやすかった!靖ありがとう!

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    2022年05月23日
  • わが母の記

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    耄碌していく母
    井上先生の生活が伺える本でした。
    旭川記念館へ行った記念で購入致しました。
    ご冥福をお祈りいたします。

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    2022年04月07日
  • わが母の記

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    大作家が老いとともに生きる自分の母について書いたもの。母への思いを綴るというよりは、「花の下」「月の光」「雪の面」という3編で足かけ10年を追っていく。作家ならではというべきか、明治の男らしいちいうべきか、感情はあまり出さずに、いまでいう認知症の症状がだんだんと濃くなっていく母について書いている。
    書かれているのはおそらく昭和30~40年代頃のことなんけど、周囲の人たちの認知症の人への対し方がいまとちょっと違うなと思った。いまほど研究が進んだり人々の意識のなかでも「普通のこと」「誰でもなること」というものではなかったであろう頃。それゆえの忌避感やこういう接し方しちゃダメじゃんみたいなこともある

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    2021年10月23日
  • 利休の死 戦国時代小説集

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    戦国乱世を短編で描く。
    現代の研究成果からは遅れた描写が多いが、人生の終焉を迎えようとする武将たちの滅び。

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    2021年09月28日
  • しろばんば

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    前半がほんとにほんとに退屈で、何が名作なのかぜんぜんわからなかった。
    出てくる人みんな意地悪いし、仲も悪いし、冗談も言わないし。

    でも中〜終盤、特に死にまつわる話がよかった。

    さき子姉ちゃんの面影や、狂ってしまった犬飼先生や、もうろくしていくおぬいばあさんの姿。
    体験したことのない日常が描かれていて、素朴で情感が強かった。
    映画のなかった時代の映画のように思った。
    何十年も経ってから、記憶を頼りにこれだけのことが書けたのだとしたらものすごいことだと思う。

    ただとりとめがないので、「子供に読ませる名作」としては全然魅力的に思わない。

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    2021年09月08日
  • 孔子

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    孔子の伝記ではなく、架空の人物が孔子との生活を振り返りながら、天命とか仁とかのテーマに対して考察をしていくという内容。
    私は、儒教というのは徳だとか天命だとかによって、規則なり秩序なりがガチガチに決められているような印象を持っている。しかしこの本では、天はどう決めるか分からないが自分たちは一生懸命がんばる、仁は死んでも通す信念という意味もあるが相手を思うことというのもある、など実生活のシンプルな考え方を提示していた。これは老荘にも連なるのかな。

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    2021年09月05日