井上靖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先日、行きつけの料理屋のママさんが、「先生にぴったりの言葉を見つけんです。聞いてくださいますか?」と美しいカバーに包まれた小ぶりのノートを大事そうに取り出してこられました。テレビや本で心に響く言葉を見つけた折々に書き記しておかれるのだそうです。「孔子の人柄は、温和であって、しかも厳格であり、威厳を備えながらも、威圧感がなく、礼儀正しく、しかも窮屈を感じさせなかった」「ほう、すごいですね」
「そうでしょう。この言葉を聞いたときに、杉先生そのものだって思ったんです」私自身としては、儒教の創始者であり世界四聖として名高い孔子になぞらえていただくなど、全くとんでもない限りです。いずれにしても、このよう -
Posted by ブクログ
本作を読む前に映画「わが母の記」を観て、樹木希林、役所広司の名演を含め甚く感動したことが一つ。そしてもうひとつには、過去2年の間に母、義母を続けて亡くしたこともあり、たまたま書店で背表紙を見つけた本作を読んでみた次第。
これが、思った以上に平易で軽く読み易い。これまで読んだ著者の作品の中でも珍しいほどに。映画を観た後でもあるので、もう少し胸に迫る重厚な読み応えを期待して読んだ割には、正直やや肩透かしを食った気さえしたほどに。
しかし裏返せば、それこそがまさに著者が意図した作風なのかも知れない。必要以上に感情に流されず、出来るだけ客観的に淡々と。しかし随所に著者らしい風趣ある文学的な表現や描写も