井上靖のレビュー一覧

  • 天平の甍

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    井上靖の流れるような文面が非常に魅力的。かつ、その知識の深さには感服する。

    日本史がある程度わかっている人なら、読んでいても疲れないと思うが、知らない人が読むと確実に挫折する。

    私は好きだが…

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    2020年11月04日
  • 額田女王

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    茜さす紫野行きしめ野行き野守は見ずや君が袖振る
     額田女王。
    紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに恋ひむやも 大海人皇子。
    大海人皇子とのあいだに、十市皇女を出生後、兄である中大兄皇子に求愛された額田女王。
    古代の狂わしい三人の愛の形が、恋歌として古代へと僕らを誘う。

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    2020年08月08日
  • あすなろ物語

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    井上靖の文体は、一文一文が練られてるから読み飛ばせない。なので速読派の自分でもすごく時間がかかってしまった。
    最後の方の星空にまつわる話が好き。「あすはなろう」の思いをもつ様々な人の生き方や死に方が胸を打った。

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    2020年03月09日
  • 楊貴妃伝

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    世界3大美女の楊貴妃。
    それ以上の事は知りませんでした。
    どういう人なのか知りたくて読んでみました。

    いろいろな楊貴妃の見方があるみたいですが、井上靖氏の見方として楊貴妃の数奇な生涯として紹介されています。

    傾国の美女の一人として数えられていますが、皇帝玄宗が楊貴妃に夢中になり、政治が疎かになったのか?
    又は楊貴妃が政治に口出しして、国を傾けさせたのか?

    これを想像して物語にするのが、小説の面白さ!浪漫ですね〜。

    時代背景やら登場人物を調べて読むと
    中国の歴史の勉強にもなりますよ。




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    2019年12月28日
  • 蒼き狼

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    中国の歴史はなかなか頭に入ってこないが、昭和の文豪達は、壮大なロマンに魅せられていたのだろう。
    男尊女卑が凄いことは、共通である。

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    2019年12月15日
  • 孔子

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    孔子と末弟子が、研究会の人たちと語る、孔子の名言集。
    「仁」「天命」など、孔子がどのように考えていたのかを皆で推測している。現代でも変わることのないテーマ。人の生き様の根底、つまりはポリシーとしてそれぞれの心に刻んでおきたい

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    2019年11月26日
  • 井上靖全詩集

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    『北国』『地中海』『運河』『季節』『遠征路』の五つの詩集と、その後に書かれた著者の詩を収録しています。

    著者の詩は、そのほとんどが散文詩であり、宮崎健三の「解説」にも書かれているように、いくつかの詩は著者の小説作品のなかにかたちを変えて取り入れられています。著者も『北国』の「あとがき」で、「私にとっては、これらの文章は、詩というより、非常に便利調法な詩の保存器であり、多少面倒臭い操作を施した詩の覚書である」と述べています。興味深いのは、著者の小説作品の文章から、そのエッセンスを結晶化して詩が生まれたのではなく、逆に本書に収められているような凝縮されたことばから、リーダビリティの高い著者の小説

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    2019年11月05日
  • 敦煌

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    大陸の広さが目に浮ぶ作品でした。砂漠、ずーっと続く砂漠と、そして街の物語。人間のエネルギー、民族の興亡を感じました。

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    2019年08月12日
  • あすなろ物語

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    主人公鮎太が幼少期、少年期、青年期、そして記者への就職後から関りがあった6人の女性たち。冴子、雪枝、(佐分利)信子、清香…。特に若い未亡人・信子への憧憬は切実。美人の義妹2人が共にいながら、3人の友人学生たちも同じ思いを抱いていたと思わせる表現が秀逸。「あるよな!」甘酸っぱい記憶に満ちた6つの章。ライバル社の記者・左山町介との妙な友情劇が異色で面白く、次第に親しみを感じていくところに著者の暖かさを感じた。

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    2019年05月25日
  • 幼き日のこと・青春放浪

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    井上靖の作品で、中学生か高校生の時に読んだものは『額田女王』と『黒い蝶』。それ以来読んでいなかった。歴史的作品を多く書く、品の良い作家というイメージだった。先日、『しろばんば』を読み、イメージが少し変わり、親近感が増して、『しろばんば』の世界をもっと知りたくなって手に取った。

    湯ヶ島での、おかのお婆さんとの暮らしについて書いているところが、やはり一番面白かった。エッセイなので、『しろばんば』のようにその世界に引き込まれることはなく、お婆さんの語り口も現代風で情感はないけれど、『しろばんば』の背景を色々と知ることができた。
    「…わが儘いっぱいに振舞ってはいたが、家庭で育つのと異って、甘えという

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    2019年05月01日
  • 孔子

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    二千五百年前、春秋末期の乱世に生きた孔子の人間像を描く歴史小説。
    『論語』に収められた孔子の詞はどのような背景を持って生まれてきたのか。十四年にも亘る亡命・遊説の旅は、何を目的にしていたのか。
    孔子と弟子たちが戦乱の中原を放浪する姿を、架空の弟子・蔫薑が語る形で、独自の解釈を与えてゆく。

    孔子サマといえば論語、春秋時代の代表的な思想家ですが、実はあまり好きでなないのです。
    たしかに理想は大事だけど、理想だけをふりかざしていては、戦乱の世の中を渡っていけないという思いが強くあり、その理想を他の人に押し付けるかのように思ってしまう・・・・・
    「晏子」の晏嬰が斉君を補佐していたころ、孔子が訪れたと

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    2019年03月29日
  • 風濤

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    「島国根性」なんて言葉がある以上、「半島」にもそれに類する言葉が生成されがちな事情はあるとは思ってたけれど、隣の大国の理不尽さにヒドい目にあい続けたらそりゃ「恨」が醸成されるよな。唐辛子が持ち込まれる前の話。

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    2019年02月27日
  • 風林火山(新潮文庫)

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    時代小説で山本勘助が主人公となっているが、武田に滅ぼされた諏訪の娘で勝頼の母である由布姫が大きな存在として描かれる。題名は男っぽいが内容は女性っぽい。

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    2019年01月14日
  • わが母の記

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    樹木希林の映画を見て購入。学生時代にしろばんば、あすなろ物語、とんこう、天平の甍など五十年前読んだ記憶が呼びさまされる。硬派な小説だけど爽やかさが感じられる。

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    2018年12月15日
  • 夏草冬濤(下)

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    再読
    『しろばんば』に続く中学生3年時代
    話の選び方も表現もなんとも微妙な仕上がりで
    小学生だから良かったのか
    『しろばんば』の完璧な出来栄えと比較すると何段も落ちる
    どうしてこうも落差があるのかは不思議

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    2018年10月19日
  • 風林火山(新潮文庫)

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    昨年の大河ドラマの原作ということで、かなり時代遅れですが、今更のように読んでみました。
    井上靖氏が描く登場人物の心象風景を描く物語としては優れているように思えますが、これを歴史的人物に仮託する手法には疑問を感じました。いろいろな細部において、必ずしも歴史的事実に基づいたストーリーとも思えず、歴史小説としては新田次郎氏の武田信玄の方が好ましく感じました。
    歴史上の人物にではなく、現代小説として描くか、もしくは、このような伝説的とはいえ高名な人物にモデルを取るのではなく、全く仮想の人物を主人公したほうが、この作品の魅力が増したように思えます。

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    2018年10月13日
  • あすなろ物語

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    明日は檜になろう物語。明日は何かになれるかな。むしろ明日は何かになろうとしているのかな。そのための行動を起こしてるんかな。というか自分のことを疑問形でしか語れなくなったら終わりやなと反省。

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    2018年10月08日
  • 楊貴妃伝

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    少なくとも楊貴妃について最後まで悪女の描写はなかった。メインの登場人物は玄宗皇帝・高力士・安禄山、サブキャラは梅妃・楊国忠・李林甫(影は薄い)といったところか。ちょう巨大な権力からの召集に逆らえば殺される、権力者の望むままに流されるしか選択肢のない中で女性らしく自分らしい愛を見つけていった、一種のラブロマンスといえなくもない。

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    2018年09月17日
  • 額田女王

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    最近、古墳飛鳥時代にこってる。この本は中大兄皇子、大海人皇子、中臣鎌足が活躍の時代。
    遷都は大変やったやろうなぁ。大和や難波宮や大津の宮、さらに百済に戦いに行く足場に九州まで移動したり。
    この本で描かれる額田女王は魅力的。自立した女性になってる。

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    2018年06月01日
  • 星と祭 下

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    過去に行ったヒマラヤトレッキングと重ねながら一気に読んだ。最後の描写はすごかった。下巻も涙腺が緩んだ。
    『氷壁』を読んだときは思わなかったが井上靖の綴る描写が美しく素晴らしい。他の作品も読みたくなった。

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    2018年04月25日