井上靖のレビュー一覧

  • 天平の甍

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    ウ~ン。どうなんだろうか? 事実と思われることを積み重ねて書かれているとも言えるが、実際はそうでもない。井上靖の文名を高らしめた作品ではあるが、那辺にその文学的価値があるのだろうか? 普照のどっちつかずのキャラクターはよく描けているとは思えなくもないが、まだ、踏み込みが甘いような気もする。

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    2024年12月22日
  • 風林火山(新潮文庫)

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    単純に面白かった。
    大河ドラマで描かれたであろうように、何ゆえに山本勘助はかくなる人物と成り得たのかが分かるともっとよかった。
    すなわち、勘助の行動の原理は由布姫への執着にあると思うが、なぜ、かくまでに勘助は由布姫に執着してのであろうか?
    また、勘助が武田家の従者となり、抵抗なり、批判なりがあったと思うが、それをいかにして、打開していったのかも気になるところだ。
    軍略についての説明がもう少しあるとなおよかった。

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    2024年12月18日
  • 敦煌

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    映画を確かに見たが、覚えているのはラストのシーンのみ。そこまでの長い物語があったのだ。この物語は事実から逆算して井上が創り出したストーリーなのか。すごい。ただ面白いというほどではないな。

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    2024年10月24日
  • わが母の記

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    井上靖本人の母親の老いに関して
    家族が経験したことを
    本人目線で淡々と綴っている。

    とはいえ、母親の面倒を見たのは
    主に女姉妹家族や妻娘であるため、
    だから、淡々と分析できているのでしょう。

    母親がどんどん子供返りしていくとか、
    家族や周りを困らせているさまは、
    なぜ?と、
    分析せずには居れないのかもしれません。
    別荘があったり、お手伝いの方がいたり、
    家族が助け合えたり、
    恵まれているとはいえ、
    大変な時間をすごされたことでしょう。
    人が亡くなるということは、
    大きなことです。
    そして、全ての人が、行く道なのです。
    状況などは違えども、
    全ての家族が通る道なのです。
    感慨深くよませてもら

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    2024年09月06日
  • 楼蘭

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    中国歴史小説集かと思いきや、全12編中、中国関連は6編、インド2編、日本4編であった。インドはいいとして日本ものが光秀から現代ものまで一体どういう基準で選んでいるのか。しかも2編はすでに読んだ小説集とダブっている。
    表題作、楼蘭は、なかなか読ませるだけに、悲しい。

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    2024年06月20日
  • 風林火山(新潮文庫)

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    相当前に買ってもらった本を再読。最初に読んだのは小学生の頃で、何も覚えてないので実質初読なのだが…
    歴史小説は司馬遼太郎ばかり読んでいたのと、最近は大河小説が続いていたので、シンプルかつスッキリとした印象。ひたすら戦をするというよりはヒロインも出てくるし、恋焦がれるような?心理描写もある。短いもののコンテンツが盛りだくさんだった。

    解説は古いこともあってやや蛇足感が出てしまったか。歴史小説は素晴らしいジャンルだと思ってやまない

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    2024年06月13日
  • 敦煌

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    歴史に翻弄され、なりゆきにまかせながら生きる主人公の姿が印象的。
    ここまで自分の生き方にこだわりを持たない人はいるのだろうか。。
    シルクロードの砂漠の世界に徐々に没入できる作品。

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    2024年06月08日
  • 猟銃・闘牛

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    闘牛は実際にあった出来事をモチーフに書かれているそう。きっと恋愛パート以外は実話に近いのだろう。戦後間もないごたごたの時代の、泥臭く働く人たち。興行を成功させるには綺麗事だけでは済まないのだなと改めて思う。うさんくさい人とも付き合いながら、会社の命運を賭けて博打にも近いイベントを打ち出していく主人公。お仕事系の話が大好きなのでワクワクしながら読めた。

    猟銃は、出てくる女性たち三者三様の視点からの手紙が面白い。薔子に関しては二十歳という年齢設定の割に子供っぽい文章だなぁと感じてしまったが、当時のお嬢様はそんなものだったのかな。

    どの短編も出てくる人物が生き生きとしていて、魅力的でした。

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    2024年05月20日
  • 補陀落渡海記 井上靖短篇名作集

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    表題作を読みたくて購入。表題作以外は1作を除いて現代小説でしかも全く面白くない。
    表題作はまずまず。最も終わり方をもう少し工夫出来ないものか。それともこれは史実なのか。
    もう一つの歴史小説は磐梯山の噴火。凄まじい出来事のようだが、小説は今ひとつ。

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    2024年03月09日
  • あすなろ物語

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    あすなろ忌
    1953年の作品。
    明日は檜になろう“あすなろう。
    若い頃何かしらの感銘を受けて、いつか再読しようと持ち続けた一冊。
    親と離れて祖母と二人、小さな村の蔵で暮らしていた少年、鮎太の恋心と成長の物語。
    この少年の設定から、だいぶ本人に近いように思う。

    以下は、覚え書き
    ⚪︎深い深い雪の中で
     「しろばんば」と同時期。
     明日は檜になろうと一生懸命考えている木。
     永久に檜にはなれない。
     伊豆山の雪の中、あすなろの木の下で若い男女
     の心中事件。女は、鮎太の祖母の姪。時折、
     同居していた。男は、鮎太に勉強の必要を教え
     た大学生。この章の印象が強い。
     
    ⚪︎寒月がかかれば
     ここ

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    2024年01月29日
  • 楼蘭

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    古の桜蘭という国の状況が偲ばれ、古代人の想いも時を超えて伝わっ手きます
    他の短編も興味深く知識を広げる意味でいい本かもね

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    2024年01月18日
  • 氷壁

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    井上靖さん初読。

    「氷壁」というタイトルから「神々の山麓」のような山岳小説をイメージしていたが、内容は山以外の人間模様が中心の作品。

    二人の親友でもある登山家の一名が滑落事故で亡くなった。その死因を巡り、様々な憶測が絡み合うことで物語が進行していきます。

    終盤ハッピーエンドかと思いきや悲しい結末に。まぁ、そうなるよねと思いながら読み終えてしまいました。

    救いがない展開ですが、主人公の上司の豪放磊落でありながら、部下に語ったり、愛情を持って接するところになんとか救われた気がします。

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    2023年11月26日
  • 天平の甍

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    奈良時代の最盛期である天平。その頃、唐から高僧・鑑真を日本に連れてきた僧侶・普照の物語。鑑真の渡航は当時では非合法的だった。天平二年、七年と出航するが難破。天平七年の遭難の際には海南島まで流されてしまう。そして天平十二年に渡航に成功。時間的、距離的に想像を絶する話です。

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    2023年11月14日
  • 敦煌

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    昔の中国を舞台とした物語。

    人の生きる様をときに熱く、ときに粛々と
    描いている。

    人生において、たとえ失敗したとしても
    次の道がまた開けるものなのだろうか。

    最後は…
    この主人公は心に秘めた事を
    成し遂げようとするが成功したのか失敗したのか?!

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    2023年06月27日
  • 敦煌

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    果てしなく広がる砂漠同様、スケールの大きな物語だった。 何十万の大軍や900年の時を経て陽の光を浴びた経巻など、大きな時の流れの中で何と人の人生の短く小さいことか・・・。 些細なことで悩んでいる自身がチッポケで、悩んでいること自体がバカバカしくなってくる。人の人生なんて、風や雨によって姿を変える砂漠の中の一粒の砂のようなもの。 人生なるようになるさ。おおらかに生きていこうっと・・・。(o^^o)v

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    2023年04月29日
  • 風林火山(新潮文庫)

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    武田信玄に関する本を探していてこの本に。信玄の側近を中心とした物語。信玄自身には間接的にしか触れられていないけど、小説としては読みやすかった。

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    2023年04月29日
  • 利休の死 戦国時代小説集

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    織田信長が上洛し、その後の話を短編で綴っているのだが、連続性には欠ける。明智光秀の本能寺の変の章は面白い。

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    2023年04月20日
  • しろばんば

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    面白かったけど、何故か井上靖の作品は退屈さを感じてしまう。子供が成長して行く気持ちの揺れや心理を上手に描いていると思う。

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    2023年02月23日
  • 敦煌

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     どういう経緯でそれが其処に在ったのか、今となっては我々に知る術は無い。


     色々あったけど、最後はやっぱり、皆んなのためになることをしようと思いました。


     誰かのそんな物語が、想いがあったとしたら。そんな風に悠久の彼方に思いを馳せるのも良いかも知れない。想像力は自由だ。

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    2023年02月19日
  • 風林火山(新潮文庫)

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    【シブかっこいい隻眼の軍師】

    山本勘助。
    風采の上がらぬ見た目。
    序盤から登場するも怪しさ満点。
    むしろ怪しさしかない。
    それがまさかこの人目線で進んでいくとは。
    だけど読み進めていくうちに
    意外なことに愛着が湧いてくる不思議。
    忠誠を誓った人にひたすらに愛を注いでいく人物像。
    感覚的で、説明のつかない愛情にどこか惹かれるものがあった。

    気になる武将に関わる小説を読み始めたけど
    次は趣向を変えて応仁の乱あたりから攻めてみようかな〜

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    2023年02月14日