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Posted by ブクログ 2018年07月29日
井上靖の最晩年の長編小説である。この名作には既に多くの評価がなされているから私の愚考を重ねても無意味である。
架空の孔子の弟子の語りが中心となるこの作品は紛れもなく作者自身の孔子に対する思いを述べたものである。孔子という人物の事績が弟子の記録によって言語化されていることを考えるならば、この作品は...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年07月23日
10代の頃大好きだった作家だが、この作品は未読だった。晩年に書かれた最後の長編だそうだ。とにかく紡ぎ出される言葉の美しさ。そこに書かれる孔子への限りない憧憬。儒教に対して断片的な知識しかない私にとっては、堅苦しく、封建社会の人々を縛る規範となった哲学、という印象が強かった。孔子の言葉の数々をこれほど...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年06月16日
内容は冗長なのに、エンキョウが見た風景が脳に焼き付いている。物語はゆっくりと行きつ戻りつしながら進む。こういう時間の流れ方はとても贅沢だ。それが本の中であっても、あるいは本の中だからこそ、余計に贅沢に感じるのか。
井上靖の小説はいつもこうだ。
読書がすばらしいのは、こういう体験ができるからだと改め...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月15日
まだ論語が出来る前に、ただひとりのこうしの弟子の生き残りとして、こうしとの思い出、言葉などを語るといった、ちょっといままでにはなかったかもしれない作品。
そして井上靖、最後の小説。80代に書いたという。
読んでいてダライラマの説法とはこんな感じなのかなと想像。ひとつの事柄について師が語り、周りが質問...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年10月08日
正直言って、話が次から次へと進む小説ではない。「では最後に・・・」などと言いながら、その後にもズルズルと話が変わって続いていくこともしばしば。その点で快適な読み心地とは言えないのかも知れない。しかし、小説全体を通して流れているゆったりとした雰囲気は心地よく、またどこか背筋を伸ばさずにはいられないよう...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年01月18日
孔子の死後、弟子の一人が師匠と同門の高弟たちについて語る。
人生をかけて学ぶに足る師を見出した弟子たちの姿と、彼らを愛し、導いた師の人間としての大きさが、じわじわと膨らんでくる。
類似した内容が繰り返される描き方には読みにくさも感じるが、孔子が生涯をかけて、いかに繰り返し同じことを説いたかを考...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
井上さんの作品は、まだ数冊しか読んでいないのですが、これはすごいと思いました。
架空の弟子の口から語られる孔子と孔子を取り囲む弟子たち、揺れ動く国と歴史。
たとえば同じ設定、同じ筋書きで別の人が書いていたら、この作品はなかった。
井上靖という人間の精神の深み、その澄み具合がこの作品を書かせたのだと思...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年05月21日
人間がこの世に生きていくうえには、「天命」という、すこぶる正体のわからぬ、
合理的とも不条理ともいえる掟のようなものがあって、どうやら人間というのは
そこから自由になることはできないようです。
自分が思う「正しいこと」をしていようと、しまいと、無関係。
そのうえで人間がどのように生きるべきか。
...続きを読む
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