あらすじ
洪作は四年に進級するが、自由奔放な文学グループと行動を共にするようになってからは成績は下がる一方で、ついには沼津の寺にあずけられる羽目になった。おくてで平凡な少年の前に、急速に未知の世界が開けはじめる。
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金枝たちとつるむようになって洪作の世界が大きく広がる。
このような友人たちと過ごす中学生活は魅力的でまぶしいものだっただろう。
いつの間にか洪作の幼さはなくなっていて、この時くらいから洪作自身の性質が色濃く表れるように感じた。
なぜか眉田さんが印象深い。特に物語に大きな影響を与えるわけではないが、そのパーソナリティが当時の井上靖にとっても印象深かったのだろうか、と考える。どこかしら年を取った洪作のようでもある。
金持ちの友人の夕食会に招かれる場面が好きだ。彼は確かにかなり裕福でどことなく育ちの良さを感じるけれど、嫌味がないと思った。素直に親睦を深めたいと述べるのにも、夕食に誘うスマートさにも好感を持つ。実際にモデルがいたというのもいい。彼に書斎の設計をしてもらったらしい。
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大正時代の男子中高生面白い!
「しろばんば」に次ぐ、作者の自伝的小説です。旧制中学3年となった主人公の学校生活や友達との交流が、日々の小さな出来事を通して描かれています。友達との会話や行動が本当に面白くて、クスクス笑ってしまいます。朝寝坊だったり、物を無くしたり、服装がだらしなかったりと、読みながら「ちょっとアンタ何やってるの!」とお小言したくなるような場面もあり微笑ましいです。
「しろばんば」でも思いましたが、人間は今も昔も変わらないですね。
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『しろばんば』に続き井上靖の自伝的小説三部作の第二部にあたるもの。
今度は中学校に上がった洪作が、前半では同学年の友人とつるむ平凡な日常が、後半ではふと出会った上の学年の友人の文化的でちょっと不良な面に触れ多いに影響されてゆく様が描かれている。
郷里に帰省したときの美しい風景の描写は秀逸。
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洪作の下巻の“ワル”っぷりは気持ちがいい程です。洪作すなわち作家井上靖氏が文学に興味を抱き始めたきっかけが興味深い。それにしても、詩歌をたしなむ不良学生たち・・・インテリジェント
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自伝的小説。16歳前後かな。三島から沼津の中学へ徒歩通学している。心情が手に取るようにわかりやすく、文章がとても読みやすい。道ですれ違う女子学生が直視できずうつむいてしまう様子やお金持ちのお宅にお呼ばれしたときに靴下を履いてなくて足が真っ黒だったり、気恥ずかしかったりほほえましかったりするエピソードがたくさん。
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主人公が年齢の割に世間知らずでバカ。毎日バカなことばかりしているので、安心して読める癒し系の作品に仕上がっている。
ハードボイルド文体に近いくらい内面描写に深く立ち入らず、深刻な出来事も起きず、昔のバカなガキの日常系という感じ。すぐ喧嘩して、異性への自意識に煩悶して、年上の女にいいように使われる。サライネス先生あたりが漫画家したらどうだろ。ケロロ軍曹の人でもいいかもしれない。
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伊豆湯ヶ島、浜松を経て三島の親戚宅から旧制沼津中学に通った時期の作者の自伝的小説。奔放で魅力的な友人達との出会いによって、行動範囲と視野が広がってゆく様子が瑞々しく描かれている。当時の中学生が将来を嘱望されたエリートであったことが、日常生活の描写から間接的に伝わってくることも興味深い。続編「北の海」も読みたい。
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新年を地元ですごし、新学期をむかえる・耕作が2人と別れ、上級生とつきあいを始めるこの巻。とても面白く、すらすら読めた。耕作の成長がおもしろく、ラーメンを食べるシーンや、足を骨折したく件、フランス料理を食べる件など印象深かった。今後の旅も楽しみ。
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成績が下がったことへの焦りと
一年上級の魅力ある先輩たちとの交流。
自分とは違うものや世界に憧れる思春期の切なくも懐かしい雰囲気が漂う。
羊羹の切り方や読んでいる本を気にしたり
寺に下宿させられるのが嫌で仕方なかったのに
友達に羨ましがられて気が変わったり
洪作の素朴さが等身大に感じられて面白い。
優等生として生きてきて、きちんと生きなければという思いもあれば
自堕落な生き方に憧れもする、思春期らしい葛藤というほど大袈裟でもないうつろう少年の気持ち。
友人に誤解されるなど、誰しも通る思春期の艱難が、淡々と日常に織り込まれ描かれている。
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下巻に入り、急に変わってい洪作。魅力的な上級生達。映画『いまを生きる』のような青春。貧しく何も知らない少年だった井上靖の自伝的小説。
清々しい若き感受性。ラストの伸びやかなかんじがとても好き。彼らがどのように成長していくかをしりたいけど、この瞬間が美しい。ラスト5ページのための800ページだな。
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上巻よりはすらすら読める!!と思う。個人的に金枝くんがツボだったので(下巻はよく出る)入り込めたんだと思う。時代は今とは全然違うけれど、自分自身がしっかりしないと日々は流れてしまったり、周りだけが成長してしまう。そう気付かせてくれる作品だと思いました。
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★3.5かな、でもおまけなし。あまりに半端な感じで終わってしまってるからなぁ。続きはあるんかな?
それはともかく要するに育ちが良いんでしょうな、洪作は(つまりは井上靖が、ということになるのかもしれませんけれども)。例えばフランス料理と寿司のくだりとか、こちらがイライラするくらいの天然ぶり。これくらい伸び伸びとしている方が良いんでしょうが、最早絶滅危惧種的な育てられ方なのかも知れず。
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再読
『しろばんば』に続く中学生3年時代
話の選び方も表現もなんとも微妙な仕上がりで
小学生だから良かったのか
『しろばんば』の完璧な出来栄えと比較すると何段も落ちる
どうしてこうも落差があるのかは不思議