小田島雄志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ファウスト」を読んで以来、シェークスピアの中でも読みたかった作品のひとつ。
パックの最後の台詞はいい。
midsummerは真夏のことだとばかり思っていた。
イングランドは真夏がもっとも過ごしやすいと
聞いていたので。
観劇に際し再読。改めて読みなおしてみて「テンペスト」と似ていると思った。
形式的には二点、まず、宮廷における仮面劇である点。
次に、基本的にシェークスピアの独創である点。
そして、実質的には、気になるフレーズが幾つかあった点。
一つ目が、ラストのパックの台詞。作品自体が夢であることを示唆している(そもそも夏の夜の夢だし)
もう一つが、四幕二場の「この夢を解釈しようなん -
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Posted by ブクログ
お恥ずかしながら、今頃…です。なるほど、やっとピーター・グリーナウェイの「プロスペローの本」(映画見てないけどさ…)の由来がわかりました…。やー、やはり教養のひとつとしてシェイクスピアはちゃんと読んでおいた方がよいねー。シェイクスピアって、読む前はなんとなく気が重い(?)んだけど、読み始めると軽快であっという間に読めてしまう。「テンペスト」もテンポ良く読めました。この時代の「未開」の概念についてもこの作品から得るところは大きいですね。理想郷的な部分、野蛮なものと蔑む部分。個人的にはストーリーの本筋よりもそちらの方が興味深かったです。シェイクスピアの作品としては、「十二夜」が一番好きかも。 (1
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Posted by ブクログ
ある批評家が「粗暴で下品」と評しているのを見て、逆に興味が湧き、衝動買いしました。結果、この戯曲はとても面白く、大いに笑えました。
もしこの芝居を一言で表すなら、「シットコムの古典」です。登場人物の複雑な関係性と、舞台上の混乱を巧みに利用したストーリー展開は、現代のコメディにも通じるものがあります。人物の出入りの指示には緻密な計算が見られ、すでにシェイクスピアの非凡な作劇術が表れていると感じました。
現代の価値観にそぐわないという批判も理解できますが、上演時間が2時間未満とコンパクトで、舞台上ではスピード感あふれるドタバタ劇が繰り広げられます。難しいことを考えずに楽しめ、シェイクスピア入門とし -
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Posted by ブクログ
ネタバレシェイクスピアとなるとつい悲劇的な展開を望んでいる自分もいたが、猛烈にハッピーな喜劇だった。
翻訳も相まって読みやすく、読みづらいところは口に出せば分かりやすくなるところも戯曲ならではだな、と。
「この世界はすべてこれ一つの舞台、人間は男女問わずすべてこれ役者にすぎぬ」
この言葉から思うに、表題の「お気に召すまま(As you like it)」は役者は何でも演じることができるから、逆境であっても「お気に召すまま」に手に入れることも為すこともできるってことなんだろう。
あとロザリンドへの恋心を詩で語るシーンで韻を踏んでいたが、翻訳もちゃんと韻を踏んでて感動した。原作も読んでみたくなった。
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Posted by ブクログ
数々のシェイクスピア作品や、ガラスの動物園の翻訳をされている小田島雄志さんの著書。
岩波『ジュニア』新書とあるのでその年代向けの読み口かと思えば、けっこうしっかりしている……どうやら「小中学生から大人世代まで,幅広く読める入門新書」がコンセプトらしいと知る。通りで!
ひとつの名言に対して見開き2ページで、6割は解説、残りの4割はそれに絡めた小田島さんの実体験で構成される。シェイクスピアの名言集というよりも、小田島さんのエッセイを読んでいるような心地だった。
なんだか格言めく言葉の数々に頭を捻るもよし、気になった言葉からシェイクスピア作品に触れるもよし、ちょうどシェイクスピアを初めて読んだの -
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