小田島雄志のレビュー一覧
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1年ぶりのシェイクスピア。
読んでいなかった名作がありました!!
面白かった。実に面白かった。
シェイクスピアのコメディ、ラブロマンスの部門でかなり上位に入るでしょう。
とはいえ、どこかで読んだような設定が多いのは否めません。
女子が男子を演じて恋を試すのは、まぁ良くある設定。
少年男優が女子を演じていて、さらに男子に化けるという性倒錯設定は、見る者に妙な世界観を与えるのに効果的よね。
今回は、結構鋭い女子目線の台詞が多ございました。
解説も非常に興味深くよみました。
今回はかなり明確な「原作」がありそうですね。
シェイクスピアの作品ではありますが、天才脚本家としての作品でしょうか。
そし -
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悲劇。2幕2場までは数ある恋愛作品でもトップにおいても差し支えないと思っている。特に2幕2場。 前回はそれ以降が冗長に思えたが、小田島訳は快い緊張感が最後まで続いていて劇的。前回の岩波版はより叙情的だ。どちらを好むかは人によるだろうが、原文には岩波が近かろう。例示が適切かは判断しかねるが一応挙げてみる。ロミオの「どうした笑うのか?」に対して。白水「ベンヴォーリオ:いや、泣きたいくらいだ。ロミオ:何を泣きたがる?ベンヴォーリオ:泣きたぎる君の心を思って。」岩波「ベンヴォーリオ:どうして泣きたいくらいだ。ロミオ:やさしの友よ、訊くは何をだ?ベンヴォーリオ:やさしいのはそっち、君の心の重荷をだ。」
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悲喜劇。前回読んだときはおとぎ話、スペクタクルにすぎると思ったが、評価を改めた。まず、詩的な美しさがある。原文で読みたくなるほどに。シェークスピアの想像力が存分に発揮されている。また、プロスペローにシェークスピア自身またはシェークスピア劇の全ての主人公達を重ね合わせるのも可能だと思う。個人的には「大地に礎を持たぬ今の幻の世界と同様に (like the baseless fabric of this vision)〜仕上げをするものは眠りなのだ(Is rounded with a sleep)」までから、プロスペローの支配する島全体をシェークスピアの人生に対する夢と解釈するD・G・ジェイムズに
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ボードレールの「理想」(L'Ideal)に曰く「深淵のように深いこの心が求めるのは、/あなただ、マクベス夫人よ、罪にくじけない魂」。 「いいは悪いで、悪いはいい(Fair is foul,foul is fair.)」というコンセプトのもとに成りたっていると思う。絶えず希望の中に絶望があり、絶望の中に希望がある。その意味で、Time and the hour runs through the roughest day.とThe night is long that never finds a day.はこれをよく表現していると思う。個人的にシェークスピアは「時」という概念を非常に重視
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シェークスピア中最も好きな作品。ただ、初読の時の感動はなかった。その分客観視できたのではないかと勝手に思っているが。例えば、繰り返される「心臓が破れる」という気に入っている表現ひとつとってもhysterica passio→rising heart→cracked→sidesという表現なのだと知った。 特に、好きな場面は以下。まず、「ほんのわずかのあやまちが(O most small fault)〜だいじな分別を追い出しおって(And thy dear judgement out)」まで。次に、バイロン卿の引用で有名な「ええい、必要を論ずるな(O,reason not the need)〜おお
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"To expostulate why day is day, night is night, and time is time/ Were nothing but to waste night, day, and time./ Therefore, since brevity is the soul of wit,/ And tediousness the limbs and outward flourishes,/ I will be brief." So, I just say Hamlet is Hamlet.
読むたびに印象が違う。昔はものを思わざりけり。 -
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Posted by ブクログ
映画鑑賞が趣味なので、シェイクスピアの名前は何度も聞いてきたが、作品自体ははじめて読んだ
昔の作品すぎて、なんとなくとっつきにくい印象と舞台役者が神格化してる一種の宗教みたいなイメージがあって読む気がしなかったが、放送中のドラマがモチーフにしていたのでなんとなく読んでみた
結論としては驚くくらい笑えて面白かった
400年前に書かれたとは到底思えない
特にクライマックスの劇中劇をさらにメタ化する構造をこの時代に発明してたことに衝撃を受けた
現代で作られている作品の元をたどれば、すべてシェイクスピアにつながるというのは本当なんだろうなと
他の作品も読みたいと思わされる作品だった -
Posted by ブクログ
フジテレビで放送中のテレビドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(三谷幸喜, 2025)にはまり、購入。
妖精の王オーベロン・女王タイテーニアの夫婦と、彼らの喧嘩に巻き込まれた人間たち——ハーミア・ライサンダー・ディミートリアス・ヘレナの4人と、ボトム——の小騒動。いたずらな魔法のせいであべこべのめちゃめちゃになり、しかし本人たちは大真面目で何も気付いていないというおかしみがいい。当人たちが真面目であればあるほどおもしろくなる、というコメディーの特徴を再認識した。
個人的にほぼ初めてのシェイクスピア作品。本作のどこがどのように文学的に/演劇的に優れているか、といった分析 -
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