富野由悠季のレビュー一覧
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読書備忘録930(中)。
★★★★★。
次!中巻行きます!
オエンベリへと向かうマフティー部隊。
オエンベリはキンバレー部隊の元指令キンバレー大佐がやらかした反政府組織に対する非人道的な虐殺のあとが・・・。
一方ギギは、引き続きケネスのもとにいる。
ギギの予知的能力を幸運の女神と揶揄するキルケー部隊。
アデレート会議襲撃に向けて着々と準備を整えるマフティー。
あるタイミングでマフティー側に寝返るギギ。ハサウェイに会いに。
(この辺りがこの冬公開予定映画でキルケーの魔女という副題になっているのか?)
中巻で重要な要素のひとつ。
退役を申し出て未だ実現していなかった、ロンデニオン(ロンド -
Posted by ブクログ
読書備忘録930(上)。
★★★★★。
偉そうに言えば、富野さんは作家じゃないです!偉そうに言えばね!
しかし、唯一無二の宇宙世紀の世界観を維持しているのはこの方。
角川スニーカー文庫どうこうではないですが、誤植が多い。
でも1989年に出版されて、はや60刷!
すなわち何もかもが偉大なんです。
日本を代表する文化なんです。
文化を否定してはいけません!★5つです。
増えすぎた人口を地球が支えきれなくなり宇宙移民が始まる。
ユニバーサルセンチュリー(UC)が始まる。
UC0079。宇宙移民の理想と掛け離れた現実に嫌気がさしたサイド3の独裁政権が地球連邦に対して独立戦争を仕掛けた。いわゆ -
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従軍記者(重大なネタバレになるため人物詳細は伏せます)が北極海へ向かうユーコンの艦内で撮影したスナップ写真とキャプションで航海日誌のようにストーリーが無声で進んでいく中盤の表現手法にまず感心した。こういうやり方もあるのか。
前半はシャアがマッドアングラー隊に着任するまで。
そのシャアにガルマの死について問い詰めるブーンのシーン(帯で公開されているのとブーンが疑念を持っているのは前巻で描写があるのでネタバレではない)での緊張感たるや。当 当然すっとぼけるシャアの声には脳内で勝手にCV: 池田秀一がついてきます)
そして、先述の静謐な中盤を挟んで後半は一転大きな動きがあり、クセの強い従軍記者と捕虜 -
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深海からの脱出戦。
死線を何度も何度も掻い潜り、ついに生き延びたマッドアングラー隊の面々。
もうこれが、物語のクライマックスでいいんじゃないか、と思うほどの熱量でした。ジーク・ジオンの大合唱が、命を振り絞っての叫びの圧がやばい。
ちょっと言葉で表すには、自分の語彙力が足りないのでもどかしいのですが、久々の心震える戦いをみた、という感じです。
鬨の声を、心の底から出る叫びを、脅威と興奮と覚悟で圧倒されてしまいました。
物語上、アムロとガンダムとの戦いが待っているのはわかっていることだけど、これ以上の興奮をくれるのでしょうか。どうも、自分としてはここで盛り上がりすぎた、という気がしています。 -
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もはや大人が、そして親がその矜持を忘れ、享楽的な理想論に興じる世界となっている。「親」という世界の代表から切り離された子どもは道しるべを失い、大きな外骨格とでも言うべきマシンに乗り、その享楽めいた世界の歯車として戦い死んでいく。
便利になり、考えることが減った世界で退屈の連鎖がこれを作る。
資本主義の行き着く先がこれか?この先、こんな世界にならないと、断言できる要素があまりない。
結局のところ、理想論もイデオロギーも、突き詰めれば家族を最小単位とした個人間の人間関係の葛藤に行き着く。その傷みと痛みの否認が、「バグ」なんてものを生むのだろう。 -
Posted by ブクログ
失った悲しみを、得られなかったゆえの孤独を戦場という箱庭での遊戯に変えて誤魔化そうとする人々の物語。戦争なんてものも掘り下げていけばこんなものか?
大地母神マーファの包容を求めるもの達が、MSという服を着て、大人のふりして抱きついて行く。母の懐に飛び込んでいく勇ましく、そして爆散。
魂は、母のもとに帰れたか?
語り合いにて、共有されなかった悲しみ。その隙間は決して埋まることはないだろう。MSという衣を脱いで、語り合いに興じない限り。
「近代の危険は、利便性をささえるシステムそのものにあって、システムが稼働している限り、人は、危機にたいする想像力を低下させていったという事例には、こと欠かなか