鎌田浩毅のレビュー一覧
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経済誌に連載した「ビジネスパーソンのための地球科学入門」を元にした本。エネルギーの話は半分で,第二章の地球史・地球科学の記事の方が面白かった。
地球が経験し,これからも経験するであろう環境の激変を考えると,温暖化問題とか,エネルギー問題とか,しょぼい話だなーなんて感想を抱いてしまう。まあ人類にとっては死活問題なので,大事な問題なんだろうけど。興味という点では全球凍結とか巨大隕石とかの方が威勢が良くて好きだな。
いま太陽ってだいたい一億年に1パーセントづつ明るくなっていて,十億年後くらいには地球の表面温度が100℃を超えるとか。
前回の超大陸は三億年前のパンゲア。次回は二億五千万年後にパ -
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鎌田さんの本は何冊も読んでいるのだが、そのたびに強調される点が違うので新しい発見がある。
(1)富士山が噴火した場合には、噴石、火砕流、溶岩、岩なだれ、泥流が発生する可能性があり、特に、泥流となると三島とか富士宮市を含む広い範囲の被害が想定されること。
(2)アメリカのセントヘレンズ火山のように、山自体が噴火に伴い崩壊してしまう可能性もあること。(p137)
日本の真ん中に富士山のような標高の美しい形をした火山が存在すること自体、異例のことと考えるべきらしい。
(3)実際には、噴火が伴わなくても、2900年前には富士川河口直下型の地震で富士山の山体が崩壊したらしい。(p193)
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タイトルでかったら、漫画だった。でも中身は濃い。
基本的な情報として、火山灰は小さなチリとして、コンピュータの誤作動を引き起こすので、鉄道、ガス、電気などのライフラインや産業活動に大きなダメージをもたらす。
その前提で真剣に準備する必要がある。
(1)富士山は過去30年に一度噴火していたが、近年300年ほど噴火していない。(p115)
地下にマグマがたまっているのは確からしい。
(2)貞観地震の5年後(869年)に富士山の噴火があり、3連動だった宝永地震(1707年)の49日後に富士山は噴火している。(p127)
南海トラフと富士山噴火が連動したらどないしよ。
(3)富 -
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火山学のアウトリーチで有名な鎌田先生の本。
火山対策が気になっているので基礎勉強。
勉強した点。
(1)マグマができるような岩石が誘拐する条件は、以下のみっつのうちの一つが満たされた場合。「岩石に外から熱が加わる場合。このとき温度が上昇する。」「岩石がマントルを上昇する場合。このとき圧力は上昇する。」「揮発性成分が混入してくる場合。このときは温度も圧力もかわらない。」(p79)
この3つの条件がそれぞれ、プレートが貫入している日本列島の地下で行われている。
(2)現在地球の内部で発生する熱源の大部分は、放射性物質の崩壊による。(p173)
福島原発とおなじ原理。
(3) -
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どうなる? どうする?~富士山の噴火の兆候は低周波地震,その後数週間を経て噴火。現火口から噴火しないだろう。火山灰は,1000度の玄武岩が地表から出て急激に冷やされるために,粉々になったもので,ガラスの粉。コンピュータに吸い込まれると誤作動の原因となる。噴石はピストル並みの速度。黒い軽石はスコリアと呼ばれるもので,温度が500~600度。100年に一度噴火していたのに,300年ほど噴火しておらず,想定被害総額は2兆5000億円,東海・東南海・南海地震が連動した時の被害総額は53~81兆円~どうしましょう? 引っ越すかねえ。この先生は1955年東京生まれで,東大を卒業した後,通産省を経て京大へ。
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火山の中でも富士山を特集。噴火の際に避難のよりどころとなるハザードマップについての解説が詳しい。富士山に関しては,ハザードマップの作成が遅れていたらしい。なんでも山頂をめざす観光客の減少を心配する声が大きかったからだとか。でも富士山が活火山であることは紛れもない。備えがなければ被害は甚大になる。
富士山は休火山と習ったおぼえがあるが,今の火山学では休火山・死火山という分類は廃止,活火山かそうでないかに分けているという。実際のところ,噴火に先立っては,地震や火山性微動,山体変形などの予兆があるから,いまから富士登山で噴火災害を恐れることもないらしい。
富士山が今のきれいな成層火山になったの -
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冒頭自作の詩で始まるのには驚いた。いかに火山が美しいか,滔々とうたっており,随分と熱がこもっている。内容は普通に火山についての啓蒙書。阿蘇山,冨士山,雲仙普賢岳,有珠山,三宅島の超有名五火山について見てゆくことで,火山についての一般的知識が得られる。
阿蘇は彼が火山を志すきっかけになった山だそうで,この章からは特に火山への愛が感じられる。阿蘇は世界でも有数のカルデラをもつ。私も一度行ったことがあるが,本当に巨大である。このカルデラができるのには,九州の北半分が埋まるくらいの噴火があったそうだ。火山灰は道東まで積もったという。富士山も,一度だけ登った。空気が薄くて大変な思いをした。雲仙は平成 -
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京大で火山の研究されている教授・鎌田先生の著書。
芸術鑑賞や読書から食生活に至るまで、
日常生活の知的生産性を高めるヒントが提示されています。
知的な趣味として挙げられているジャズや骨董品収集など、
鎌田先生の趣味も色濃く反映されているものも多いですが、
日常生活レベルで真似できそうな部分が多くみられます。
・良書は手元においていつでも読み返せるように
・食事は常に控えめに
・午前中に集中するために、朝食で糖分をたくさん摂取する
・古典には常に触れておく
・芸術に触れる機会をつくる
・仕事や人間関係と距離を置く機会も持つ
これらは僕も、真似させてもらっているという