鎌田浩毅のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
火山の中でも富士山を特集。噴火の際に避難のよりどころとなるハザードマップについての解説が詳しい。富士山に関しては,ハザードマップの作成が遅れていたらしい。なんでも山頂をめざす観光客の減少を心配する声が大きかったからだとか。でも富士山が活火山であることは紛れもない。備えがなければ被害は甚大になる。
富士山は休火山と習ったおぼえがあるが,今の火山学では休火山・死火山という分類は廃止,活火山かそうでないかに分けているという。実際のところ,噴火に先立っては,地震や火山性微動,山体変形などの予兆があるから,いまから富士登山で噴火災害を恐れることもないらしい。
富士山が今のきれいな成層火山になったの -
Posted by ブクログ
冒頭自作の詩で始まるのには驚いた。いかに火山が美しいか,滔々とうたっており,随分と熱がこもっている。内容は普通に火山についての啓蒙書。阿蘇山,冨士山,雲仙普賢岳,有珠山,三宅島の超有名五火山について見てゆくことで,火山についての一般的知識が得られる。
阿蘇は彼が火山を志すきっかけになった山だそうで,この章からは特に火山への愛が感じられる。阿蘇は世界でも有数のカルデラをもつ。私も一度行ったことがあるが,本当に巨大である。このカルデラができるのには,九州の北半分が埋まるくらいの噴火があったそうだ。火山灰は道東まで積もったという。富士山も,一度だけ登った。空気が薄くて大変な思いをした。雲仙は平成 -
Posted by ブクログ
京大で火山の研究されている教授・鎌田先生の著書。
芸術鑑賞や読書から食生活に至るまで、
日常生活の知的生産性を高めるヒントが提示されています。
知的な趣味として挙げられているジャズや骨董品収集など、
鎌田先生の趣味も色濃く反映されているものも多いですが、
日常生活レベルで真似できそうな部分が多くみられます。
・良書は手元においていつでも読み返せるように
・食事は常に控えめに
・午前中に集中するために、朝食で糖分をたくさん摂取する
・古典には常に触れておく
・芸術に触れる機会をつくる
・仕事や人間関係と距離を置く機会も持つ
これらは僕も、真似させてもらっているという -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本に書かれていることの多くは次の5点に集約される。
1)情報整理術
2)本の読み方
3)勉強法
4)時間の使い方
5)努力の継続性
この中で5番目の「努力の継続性」について、多くの著者はページを費やし、その心構え・考え方に始まり、テクニックを開陳している。
本書では、「努力が継続するシステム」の構築が、成果を得るために、大変有意な戦略になると説く。
根性論は一切不要。
テクニックとして努力が続けられる方法を身につける、習慣化することが、良い結果を生む。
「ただ続けているだけでは、力にならない。休止を挟んで繰り返す。そういう継続でないと大きな力は生まれない」
と著者は悟る。
大きな力を生む -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
日本列島には一〇八の活火山があり、思いがけない時に噴火しては人間社会を騒がせる。
噴火を科学の力(噴火予知)でやり過ごし、災害を減らす知恵が「減災」である。
一方、噴火の後には、長い期間にわたって火山の恵みを享受することができる。
火山の恩恵と魅力を伝えつつ、自然に対する畏敬の念を悠揚とした視点で書き綴る。
[ 目次 ]
第1章 火山噴火とはどんな現象か(溶岩流-地表に出たマグマ 軽石-泡立つマグマの破片 ほか)
第2章 噴火のタイプとその特徴(噴煙柱が立ちのぼるプリニー式噴火 爆発的なブルカノ式噴火 ほか)
第3章 噴火は予知できるか(地震を調べる 地殻変動を測る-火山体の膨 -
Posted by ブクログ
理系の人がどのように論理的発想を日常に生かしているのか書いた本。
鎌田先生は京都大学で火山の講義をされているようですが、
以下のようなライフハックが盛り込まれていました。
・科学的発想を活用して事務作業を効率良くする
・人間関係も京都の気遣いの発送を参考にこんな風にすると
程よい距離感でお付き合いできますよ、とか、
・お茶や書の選び方、
など粋な日本文化の味わい方もいろいろと書かれていました。
鎌田先生自体がユニークな方のようで
個性的なファッションの写真や書や骨とう品の写真、
自転車でフィールドワーク中の写真など、
見てもほほえましい写真が多数あります。
私のように文系の人もこの本を -
Posted by ブクログ
地学に対して予備知識も何もない私としては、地学者というのは石を観て石を割ってにたにたしている人種だと思ってました。我々歴史学の人間が史料や遺物に接するように。この本は著者が勤務校の京都大学で一般教養科目の講義内容を本に起こしたものですが、最新の地学における研究成果を簡潔にまとめた非常に読みやすい本です。地震の話から地球内部の様子、火山、大気、そして宇宙にまで幅広い地学の分野を分かりやすく解説してくれます。とくにプレート・テクトニクスの話は数千年の人類の歴史のみを対象としている我々歴史の人間には壮大すぎて圧倒されます。地学にはまった人も、疎い人も是非一読をお勧めする本です。