鎌田浩毅のレビュー一覧

  • 知っておきたい地球科学 ビッグバンから大地変動まで

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    宇宙の成り立ちから地球の資源、エネルギー、災害といった地球科学の基礎知識が詰まっている一冊でスケールは大きいながらも、自分の生活を少し見直すいい機会になる本だった。

    月の潮汐力のおかげで地球は24時間の自転をし、安定的に暮らすことができたり、特に災害関係の章は非常に面白かった!

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    2026年01月05日
  • 100年無敵の勉強法 ──何のために学ぶのか?

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    ネタバレ

    なぜ勉強するのか、効率の良い勉強方法、受験が終わった後の勉強方法などについて、作者が是非実践してほしいと思う方法がかいてある本だった。

    この本を読みながら知らなかったことや、勉強になったことがあるため、下に記すことにする。
    1 勉強とは、一生役立つような知恵を身につけること。

    2 自分に合った勉強できる時間帯、勉強時間の長さ、目標までの時間の使い方(その日によって勉強する内容を決めるなど)、モチベーションを保つための工夫など、自分に合った勉強方法を見つけると良い。

    3 勉強は楽しくするか辛くするかで、結果が変わる。

    4 スランプになったら、得意教科から行う。

    5 合格に向けて大事なこと→合格したのを想像しながら、合格しやすいと習った方法を実行する。

    6 勉強は試験のための その場しのぎではなく、一生役立つような、勉強方法を身につけるチャンスにするという考え方で行う。そうしていくと、結果的にどんな時でも何に直面しても、目の前の問題解決に強くなっていく。

    7 勉強するのは、人類の知的遺産と財産を身につけるため。人類の知的遺産とは、スマホな科学技術の成果や、哲学や思想など。それらは、学校で学ぶことが多い。
    その様な人類の蓄積してきた遺産などについて、きちんと勉強すると自分の中にある、まだ知らない能力をいくつも発見できる。

    8 好きなことよりも、できることを選んで進路を決めても良い。(好きだが、苦手でできないこともあるため)人生そのものがいくらでも選び直せる。最初に決めた目標にこだわらなくても良い。自分の好きな分野や得意な領域を見つけ、伸ばすために勉強がある。

    9 無駄なく能率の良い勉強方法
    なるべく苦労せずに仕事をこなして、良い結果を出すことを目的とする。

    棚上げ方法→ある程度時間をかけて進まなければ、それ以上気にせずこだわらない。(今の時点で分からなければ、とりあえず先に進む。)
    先に進んでみると思ったよりも簡単に理解できることが多いため。特に文系の教科に効果あり。しかし、個人差があるため、自分で一度やってみると良い。

    不完全法→多少の粗い所があっても期限までに許容範囲の内容と質で全体を完成させる。完璧を求めるあまり、おちいる不安などにハマることも、なくなる。

    1時間集中する方法→頭をクリエイティブに動かせるのは、1日1時間まで。その1時間で何をするか、時間に充てる勉強の優先順位をつけることが大切。
    また、頭を使いすぎないようにすること、1時間終わったら脳をクールダウンさせること。(ノート整理や単語帳作りなど、頭をあまり使わない作業をする。)ことも大切。

    15分だけでも集中する方法→人間は、集中力を維持できるのは、15分。そのため、15分勉強し、15分ごとに休憩する。15分ごとに勉強内容を変えても良い。また45分好きな教科をして、15分嫌いな教科をしても良い。(1時間集中する方法の応用)

    10 1週間のうち1日は最低でも、モチベーションを保つために、休息の日を作る。

    11 勉強中、気分が落ち込んできたら作業を中断する。「もう少し頑張れそう」と思っても無理をしないで休むこと。体操や散歩でも可能。眠くなったら、15分だけ目を閉じるのも良い。

    12 同じ睡眠時間を取るのでも、眠りの深さによって体力の回復は大きく違う。そのため、自分なりの睡眠時間やリズムをしっておくと良い。

    13 勉強のスタートは得意な教科から行うこと。苦手な分野は、最初は復習から始める。その際は、決められた科目の中で一番やりやすく、一番得意なことか着手すると良い。

    14 スランプとは、大変重要な脳のシグナルのこと。脳が「休め」というサインをしている証拠であり、一度休んで、そこからまた勉強プランをゆっくり立て直す。計画がうまくいかなかったら、すぐ変更しても良い。その際は、前の計画よりも楽に達成しやすいように設定する。

    15 試験当日の休憩時間の過ごし方
    血糖値が下がると集中力が下がりがちなため、甘いものを食べると良い。特に、果物や干し芋などは、ミネラルやビタミン、食物繊維が多いため、オススメ。

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    2026年01月14日
  • 日本の地下で何が起きているのか

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    妙に読みやすいなと思ったら勉強法、読書術などの著作でも見かける鎌田さんが筆者だった。本作は本業の方。スケールが大きすぎて逆にイメージしづらい地震や火山の話がわかりやすくまとめられている。「南海トラフ巨大地震」って言われてもみんなどこが影響するかわからんやろ「西日本大震災」にしたら、って提案はたしかに。

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    2025年11月21日
  • 「地震」と「火山」の国に暮らすあなたに贈る 大人のための地学の教室

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    地震や噴火のメカニズムが分かりやすく、専門的に書かれておりとても知的好奇心を刺激しました。
    ただ、南海トラフ地震に関しては巷の単純平均モデル(高い確率)での説明しかなく、時間予測モデルが無視されていたのでそこが誠実では無いなと思い星3です

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    2025年10月01日
  • 「地震」と「火山」の国に暮らすあなたに贈る 大人のための地学の教室

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    読みやすいようでなかなか頭に入ってこなくて、戻ったりして時間かかった。
    南海トラフ地震は必ずくる、富士山も噴火するかもしれない。
    わかっているけど仕組みなどわかって勉強になった。

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    2025年09月03日
  • 理科系の読書術 インプットからアウトプットまでの28のヒント

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    著者の鎌田浩毅(ひろき)氏は1955年生まれの火山学の大家。2021年3月に京都大学を退官し、名誉教授になった。専門に関する著書をたくさん出されているが、本書のような勉強法に関する本も出版されている。
    本書を読んで、氏が大変な読書家であることがわかる。ご自身の読書経験を通しての指南が書かれているが、その部分はさほど得るものはなかった。つまり、「9割は知っている」と書かれている通りであったが、末尾の「補章」の指摘が勉強になった。
    ビジネス書や自己啓発本の根底には「こうすればああなる」という計画主義がある。技術面でそれを言えばビジネス書になり、精神面でそれを言えば自己啓発本になる。しかし、現代は予測不能の時代。想定外の事態が起こりうる。となれば、ビジネス書や自己啓発本が売れなくなっているのも当然であろう。ビジネス書や自己啓発本の「浅さ」に、多くの人が気付いてしまったのだ。
    この流れは、ここ10年から20年の間に「教養」がやたらと謳われるようになった事ともリンクする。「テクニック」や「心構え」ではなく、「教養」に注目が行ったのは、まさにこの「浅さ」に気付いたがゆえだろう。

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    2025年06月17日
  • まんがで名作 これから科学者になる君へ 寺田寅彦エッセイ集

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    小学生向けに漫画化されていますが…
    オリジナルの随筆の方が味わい深い気がします。
    理屈の説明が図解されているのは、理解しやすくて良いかもしれません。

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    2025年06月03日
  • 首都直下 南海トラフ地震に備えよ

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    科学的かつ論理的に書かれており,地震に関して適切に恐れるために読むべき本.ストックからフローへ,人口やエネルギーの集中と分散など,視座を高めることができる.ただし,ある程度の教養人にとっては新しい情報が多いわけではない.

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    2025年05月26日
  • 首都直下 南海トラフ地震に備えよ

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     命を守る備えは日々の小さな一歩から。非常用袋に水、食料、薬を揃える。家具の固定、家族との連絡方法の確認。地図を見て避難所への道を覚える。隣人と挨拶し、助け合える関係を築く。
     災害は予測不能だが備えは意識で変えられる。今日の準備が明日の命を守る鍵となる。
     動き出すのは今思い立ったこの瞬間だ。

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    2024年11月23日
  • 理科系の読書術 インプットからアウトプットまでの28のヒント

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    とりあえず先に進む「棚上げ法」と、完璧に読まない「不完全法」となど、誰でもすぐにできるテクニックを紹介しつつ、手抜き読書術を勧めている。世にあふれる読書術には、身に付けるまで修練が必要なものも多い。だが、そういうものは身に付かないと主張している。

    同じ著者による『読まずにすませる読書術』(2019年、SB新書)を先に読んでいた。本書『理科系の読書術』は、その一年前に書かれたものだ。

    1人の人間がほぼ同じ時期に、同じ読書術というテーマで書いているので重複している箇所も少なくない。いや、ほとんど同じ内容と言っても過言ではない。

    同じ内容でも、『理科系の読書術』は、基本をより細かく説明しており、「読まずにすませる」の部分は補章としてさらりと説明している。一方、『読まずにすませる読書術』は、基本はさらりと説明し、「読まずにすませる」の部分を詳しく説明している。

    読書好きなら両方読んでも損はない。だが、普段あまり読書をしない人であれば『理科系の読書術』、読書が習慣化している人は『読まずにすませる読書術』を読むのがいいだろう。私は、普段から読書に慣れ親しんでいるので、後者の方に好感を持った。

    それぞれの特徴をまとめると下記のようになる。

    ■『理科系の読書術』 (2018年)
    ・あまり本を読まない読書初心者向け。
    ・「どうやったら本を苦労せずに読めるか」をテーマにしている。
    ・読書を妨げる最大の障壁である「心のバリア」を減らすテクニック集。
    ・中公新書(1ページ:一行当たり41字×16行)。文字サイズは一般的な新書サイズ。


    ■『読まずにすませる読書術』 (2019年)
    ・ある程度、読書に慣れ親しんでいる人向け。
    ・「読むべき本は読んで、読まなくていい本は読まない」ことを提案
    ・整体の「体癖」という考え方を取り入れた、頭よりも体の感覚を重視した取捨選択法。
    ・SB新書(1ページ:一行当たり39字×15行)。文字サイズは新書としては大きめ。

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    2024年11月11日
  • 読まずにすませる読書術 京大・鎌田流「超」理系的技法

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    本書は、「読むべき本は読んで、読まなくていい本は読まない読書術」を提案している本である。また、読むべき本でも全部読む必要はない。自分にとって必要な部分だけ読むこと、つまり「いかに読まないか」が大事だという。

    この考え方は多くの人が賛同できるところであろう。他の読書術の本でもよく見かける考え方で、ある程度本を読んできている人であれば、半ば常識といえる考え方ではないだろうか。ただ、わかっていても実践するのは難しい。本を読む習慣がない人であればすぐに実践できることかもしれないが、多読派の人は、本を読むことに重要性を感じており、また、本を読むこと自体が好きだからだ。

    私もそうだが、そのような人たちが求めているのは、考え方よりも再現可能な実践的で具体的な方法である。

    さて、本書の方法論のメインとなっているのは、整体の始祖・野口晴哉の「体癖」の考え方を取り入れたものである。五つの骨格の型が人の感受性を作り出しており、そのタイプによって、合う合わないを見分けるというものだ。

    頭よりも体の感覚を重視した取捨選択法である。私個人としては、この方法にはピンと来なかったが、ここに賛同できる人にとっては、これは必読の本になるだろうし、そうでない人にとっては本書でいうところの「読まなくていい本」に該当しそうである。

    メインテーマは「体癖」であるが、そのほかにも読書をする人に対して役に立つようなことをトピックス的に書いている。例えば「音楽的読書から絵画的読書に切り替える」という考え方だ。音楽的読書は音楽を聴くように最初から最後まで順番に追っていく。絵画的読書は美術館で好きな絵だけを見るように、読みたいところだけ読む。要は「つまみ読み」のことで、ただネーミングを変えただけだが、それ自体は大切な考え方である。

    あるいは、整理術やミニマリストな的考え方である『「いつか」ではなく、「今ここで」』ということを読書にも取り入れることで無駄を省こうとする。

    このように、他の読書術の本と同じような主張も少なくないが、読書術の本として一定の水準は保っており、読んで失敗したということにはならなそうである。多少気になる人は、著者が提唱しているように、つまみ読みしてみてもいいかもしれない。

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    2024年11月06日
  • 読まずにすませる読書術 京大・鎌田流「超」理系的技法

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    特にビジネス本、◯◯術、ライフハック本などについては、8割は知っていることなので読み飛ばして、2割の新規のところを読めばよい。
    この本自体も読み飛ばされるところ多い自己矛盾。
    体癖との関係は興味あるが牽強付会かも。

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    2024年11月03日
  • M9地震に備えよ 南海トラフ・九州・北海道

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    鎌田浩毅さんの著書を続けてもう一冊。3つのM9巨大地震が起こる可能性を説いた最新刊。先に読んだ「首都直下 南海トラフ地震に備えよ」と内容が結構被っていたが、情報量はこちらの方が多い。今年発生した能登半島、千葉県沖、台湾の地震についての分析もある。南海トラフ地震は「約10年後に(3.11の)10倍の災害規模で発生」とキッパリ仰る。とりあえず心の準備から。

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    2024年09月05日
  • 首都直下 南海トラフ地震に備えよ

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    先月「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表されたばかりのタイミング、かつ関東大震災から101年の9.1を迎えたのを機に。小難しい学術的解説は一切なし。地震だけではなく火山や異常気象にまで言及し〝災害大国で生き抜く方法〟に重きを置いた内容で、「長尺の目」の大切さを教えられる。情報量は物足りないが、噛んで含めるような説明はとても分かり易く、意識改革という点で色々参考になった。

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    2024年09月03日
  • 100年無敵の勉強法 ──何のために学ぶのか?

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    中・高校生を対象として書かれた本だが、中学受験する子が多いうちの学校の子にも役立つ内容。特に「活きた勉強」にする大切さや、学校での勉強が重要な理由は子どもたちに知っておいてほしい。勉強計画を立てることや休むことの必要性なども、家庭学習のヒントとして役立つ。

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    2024年07月02日
  • 首都直下 南海トラフ地震に備えよ

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    南海トラフ地震、火山噴火等、日本を取り巻く自然災害リスクについてわかり易く書かれています。大地震も悪い事ばかりではない、長尺の目で見るというのは新たな見方でした

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    2024年06月04日
  • 理科系の読書術 インプットからアウトプットまでの28のヒント

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    本への苦手意識がある人に向けた本。苦手意識はないけどなんとなく読んでみた。何を理科系というのかはともかく、内容的には納得出来るものと出来ないものが混ざっていた。

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    2024年05月12日
  • 揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義

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    ・日本列島で地震が起きない場所はない
     2000もの活断層は具体的にどこにあるのでしょうか。もしどこかに固まっていればそこを避ければいい、と思うかもしれませんが、残念なことに偏在していません。いえ、日本国内で活断層がない場所はありません。

    ・とりわけ近い将来に起こると危険視されている激甚災害の筆頭は、2035年±5年のあいだに発生が予測される「南海トラフ巨大地震」です。

    ・「3・11」のような海溝型の巨大地震が発生した場合、数か月から数年以内に、活火山の噴火を誘発することがあります。原因として考えられているのは、地盤にかかる圧力が変化した結果、マグマの動きが活発化する、というものです。


    ■地球温暖化の根拠
     こうした異常気象に関する話題が、メディアに登場しない日はありません。セットのように目にするのが「地球温暖化」という言葉です。たとえば「地球温暖化が人類を滅ぼす」「地球温暖化で今後気温は6℃上昇し、海水面も上がる」といった見出しが、新聞やウェブに躍っています。
     COP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)で締結された「パリ協定」をめぐり、先進国のパワーバランスが争いごとを生んでいるのも事実です。パリ協定とは、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」目的のために、国際的な取り組みをすることが合意された協定のことです。地球温暖化問題は、地球科学だけでなく、政治や経済にとっても切り離せない重要な課題でもあるでしょう。実際に地球の平均気温を調べると、過去400年の間に高くなってきたことがわかっています。20世紀に入ってからは、気象技術の発展によって、より詳細なデータが得られるようになりました。
     その20世紀以降のデータに限ってみると、たとえば日本では1898年以降、100年あたり約1.1℃の割合で平均気温が上昇しています(図5-1)。全国でソメイヨシノの開花日がここ20年ほどで早くなり、さくら前線が早くやってくるようになったことなどは実感しやすいでしょう。
     もう1つ、温暖化を示す根拠となるデータがあります。世界平均の海水面の変化です。それによると、1901~2010年のあいだに、海水面は19mm上昇しています。水は温度が上ると膨張し、体積が増えるという性質を持っています。
     そのため、地球温暖化によって海水の温度が上がることで海水の体積が増え、水位も上がったと考えられます。また、北極や南極付近にある大量の氷も、温暖化により海水温が上昇すれば融けるので、そのぶん海水の体積が増えて水位が上がります。
     この状態のまま温暖化が進行すれば、2100年ごろの地球全体の平均気温が現在より約2.6~4.8℃上昇し、海水面の平均は約45~322㎝上昇すると予測されているのです。
     さらに、温暖化問題で必ず話題になる二酸化炭素の濃度は、過去1000年間で280㎜から400㎜にまで上昇しています。これは急上昇といってもいい数値です。原因はすでにお気づきの通り、石油、石炭などの化石燃料を大量に使い続けたことです。これらを燃やせば、膨大な二酸化炭素が発生するからです。


    ■温暖化は自明ではない
     地球温暖化についての議論の中で、とくに産業革命以降に大量に放出された二酸化炭素(石炭、石油の使用など、人間の活動によって生じた二酸化炭素)が現在の温暖化を生んだのだ、という考え方があります。もちろんその可能性はあります。
     ところが、二酸化炭素が温暖化を引き起こす寄与率については、研究者によってなんと9 湖から1側まで、大きく意見が分かれているのです。
     2010年には、IPCC (気候変動に関する政府間パネル)が提出したデータの確実性を めぐって、何人かの研究者が疑義を呈しています。また、今後十数年間は寒冷化に向かうの だ、と主張する地球科学者は少なからずいます。
     私自身は、将来にわたって、今の勢いで地球温暖化が進むかどうかは必ずしも自明でない、 と考えています。たとえば、大規模な火山活動が始まると、地球の平均気温を数℃下げる現 象がたびたび起きてきました。こうした現象からも、温暖化の進行が当然の成り行きではな いことは、理解していただけるのではないでしょうか。
     人口の増大、都市化、経済活動は確かに地球環境と気候変動に影響を与えてきましたが、 ちょうじやく 実は地球科学の「長尺の目」で見ると、いずれ地球という大自然が吸収してくれる程度のも のなのです。人間による環境破壊には由々しきもの、目に余るものが多々ありますが、地球全体の営力から見ると小さいということも知っておいていただきたいと思います。よって結 果としては温暖化と寒冷化、双方の対策をすべきということに結論付けられるのです。
     もともと自然界には様々な周期の変動現象があります。たとえば、一般的に人類が文明を持たなかった時代の氷河期などのこうした現象は、近現代の人類の生産活動が起こした短期 的現象から区別して評価しなければなりません。
     また、人間が大量の二酸化炭素を排出しても、地球にはもっと大きなフィードバック機能 が備わっています。そもそも二酸化炭素量が増大しても、それらの多くは海に溶けるでしょ う。逆に大気中の二酸化炭素が減少すると、海に溶けたものが出てきて補うという、バッフアシステム(緩衝装置)もあるからです。 このような現象についての精査を踏まえないと、大気中の二酸化炭素が単純に増え続ける かどうかも決められません。たとえば大気中の二酸化炭素が減ることで、植物の光合成活動が弱まり、結果的に人間の食糧が減少する可能性すらあります。現在、地球上の食糧が確保 できているのは、二酸化炭素量がこれだけあるからだ、ともいえるのです。 人口増大が原因ではなく、二酸化炭素減少や寒冷化による食糧危機が生まれるかもしれません。人間のスケールのみで地球を判断すると大きく誤ってしまいます。 地球温暖化は先ほど述べたような「長尺の目」で捉えることが重要です。そうしないと、目先の国内外の政治状況、経済状況に振り回される事態から脱却できなくなります。
     日本は二酸化炭素の排出量を5~40%削減することや、SDGs (Sustainable Development Goals)などについて軽々しく約束したりしています。将来、長期にわたって温暖化するという結論を科学の世界がきちんと出していないにもかかわらず、政界・経済界のみの都合で決定していくのはとても危険だと考えています。
     人間にとって「たいへん困ったこと」があっても、地球にとってはすべてを吸収してしまうような巨大なメカニズムが存在しています。ここで地球も「困っている」と考えるのは、もしかすると人間の自信過剰かもしれないのです。地球の問題は、もっと長い尺度で眺めていかないといけません。


    自然災害が起きたとき、実際に必要となる緊急情報を挙げてみます。
    1 現在どこで、どんな危機的な災害が起きているのかという「災害地・危険度情報」
    2いつ避難するべきかという避難のタイミング、また、どちらの方向へ避難すべきかという具体的な「行動指示情報」
    (以上2点は、直接命に関わり、緊急の判断を要するものです)
    3刻々と変化していく災害の事実について、リアルタイムで的確に伝える「被害進行情報」
    4災害が起こった直後から急速に必要度が増す「安否情報」
    5ライフラインや道路の状況、運輸手段など、被災地での今後の生活に欠くことのできない「生活情報」

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    2024年01月27日
  • 世界がわかる資源の話

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    環境、資源、再生エネルギーの問題について、アカデミックな視点だけでなく、経済、そして世界政治からの視点など、様々な角度から問題を解説してあり、何故うまく足並みを揃えて世界が動けないのかなど、入門書として最適。

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    2023年12月24日
  • 100年無敵の勉強法 ──何のために学ぶのか?

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    目から鱗状態。全ての文章にハイライトが必要なぐらいタメになった。社会人になっても勉強を続けていることに背中を押してもらった気がする。いつか息子に「なんで勉強するのか」と聞かれたら著者のように分かりやすく説明したい。

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    2023年11月07日