あらすじ
日本列島は2011年にマグニチュード9の巨大地震に見舞われて以来、千年ぶりの「大地変動の時代」に入った。4枚のプレートがひしめく日本で生き延びるには、地学の知識が不可欠だ。本書は、大学入試センター試験に出題された問題を解きながら、地球内部の構造、日本列島の成り立ち、地震と噴火のメカニズム、地球温暖化問題、宇宙の歴史まで、「壮大」かつ「実用的な」地学のエッセンスを、京大人気No.1教授の「科学の伝道師」が解説する。すべての日本人に捧げる、サバイバルのための地学入門!
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Posted by ブクログ
自分が高校生の時に学んだ理科の科目と言えば、化学、物理及び生物の3科目であった。地学のリテラシーについては本書でも触れられているが中学レベルに留まっている。だが、今後の南海トラフ地震や首都直下型地震に関する防災の知識を深めるためには地学の知識は欠かせない。そのような課題意識の下に本書を手に取った。
本書は誤解を恐れずに言えば、問題集の性格が強い。随所にセンター試験の過去問を軸に説明が展開される。タイトルが「やりなおし高校地学」とあるように、最低限の知識は求められるが、解説は非常に詳しいので、別途入門書が求められるということはない。当然、高校地学の知識など無いに等しい状態で問題に当たっていくことになるわけだが、存外に常識や直感が役に立っていると感じられ、それに科学的な裏付けを加えていく知的興奮ともいうべき感覚を味わえる。
何度も戻って読み返したい一冊に仕上がっている。
Posted by ブクログ
◯ ブラタモリ好きが高じて、地学を高校で勉強しなかったことを後悔したので読んでみたが、その奥深さに感動した。
◯センター試験の問題を合間に挟むことにより、知識の定着も図りつつ、説明も平易な文章で飽きさせない。
◯大学受験の時の余裕のなさを思い出しながら、新しい知識を得る楽しさも蘇ってきた。
◯どんどん地学関係の本も読んでいきたい。
Posted by ブクログ
受験科目に地学が含まれてる大学が少ないということで高校は地学を選択しなかったことを、ずっと悔いていた。結局地学の代わりに選んだ生物も受験には使わなかったし、最も興味のある科目を選んだらよかった、と。地球の大地から大気や水の循環から宇宙まで、地学の範囲はとても広い。高校時代に学べなかったことは、今からでも学べる。これを皮切りに地学の勉強をしていこうと思った。
Posted by ブクログ
文章が好き ◯読みやすい!
作品全体の雰囲気が好き ◯
内容結末に納得がいった ◯
また読みたい ◯
その他
『ブラタモリ』をみるようになって、地学に興味を持ちようになりました。
学生時代は全く触れなかった分野。
今になって面白さを感じる。
そんなレベルの私でもわかりやすい。
数値が出てくると、プツンと思考停止してしまうのはあいかわらずだけれど。
今年中に読み終わってよかった!
Posted by ブクログ
やり直すも何も高校で地学をやっていない。
が、日本人なら知るべき情報がたくさんあるし、むしろ新聞やテレビなどで聞き齧った情報も多いが、改めて頭の中が整理された。
最後の宇宙のことだけは良くわからなかったのと、まだ研究分野のせいか説明もポワーっとしてる感じだった。
Posted by ブクログ
地球や岩石、地質、大気、宇宙など、高校地学で扱う内容の基礎を網羅した概説本。一言で言ってしまえばこれに尽きるのだが、高校の教育課程(カリキュラム)で地学基礎や地学を開講している学校が極めて少なく、高校で地学を勉強した生徒も少ない中、もはや「倫理」と同様の絶滅希少種となってしまっている「地学」。だからこそ、このような一般向けの概説本の存在は極めて重要なのである。東日本大震災による大規模な地殻変動の影響がまだ続いている今の状況から、地震や火山、台風などについて興味を抱いた人も増えている中、一般教養として必読の書となるようにと記した著者の気概が表れている。
Posted by ブクログ
大学入試で選択しないと高校で真剣にその科目を勉強しない。今後もそんな実用主義的な人生を送る事になるのかと、自分自身が社会の歯車になったような味気なさを感じた。地学は、受験に必要ないからと消えていった科目。学び直せて良かった。下記はメモの一部。
引力は地球の中心から、距離の2乗に反比例して小さくなっていく。従い地表からの高さとともに重力が小さくなっていく。重力は引力と遠心力の合力、引力は地表から地球の中心までの距離の2乗に反比例するので、両極で最大になり緯度が低くなるほど小さくなる。赤道では最小。遠心力は赤道で最大。重力は引力が大きいほど大きくなる。従い重力は両極で最大、赤道で最小。
定期的に起こる地磁気逆転で、地軸はN曲とS曲がひっくり返る。通常、地球の磁場がバリアになり宇宙線や太陽風から地球を守っているが、地磁気がゼロになるこの逆転期間は1000年ほど続く。そのためこれが生物の大絶滅の原因の1つになったのではないかと言う説もある。
海洋プレートはわずかずつだが休みなく沈み続けるので年月を経ることに、たわみはどんどん大きくなっていく。このたわみに耐えきれなくなった時、大陸プレートが大きく弾かれて地震が起きる。
受験に関係なく学ぶ事の爽快な気持ち。読書には、そんな一面もある。
Posted by ブクログ
高校で地学を履修していなかった身としては、日本で生活する上での地学の重要さを再認識するきっかけになった。地球内部から宇宙まで幅広く網羅しているため、地学とはという初めの1冊にはちょうどよい。