鎌田浩毅のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1.この本を一言で表すと?
物理の法則をわかりやすく解説し、そこから一般化と抽象化を行うことを解説した本。
2.よかった点を3~5つ
・初めて知った内容
→海王星の発見にもニュートンの影響があった(p118)、イオンエンジンは、宇宙空間での推進にのみ用いられる(p135)、地球の内部や地震も、波の性質から調べている(p173)、地球の磁場が生命を守る(p217)、
・そもそも人間が見ることのできない赤外線を、機材を使って漢書しているのが赤外線カメラですから、赤外線に対応する彩りは存在しないのです。(p227)
→言われてみればその通りだと思う。人間が見ることのできないものだから。
・「与えられた物理法則にのみ従って考える」「文字式や法則をイメージがする」と言う作業になれるのです。(p240)
物理の学習はまず、正しいとされている基本的な法則(ルール)を受け入れ、正しく使いこなせるようになることから始まります。(p242)
ここで先の棚上げ法を用いて「質量かける角速度イコール力」と、呪文のように口ずさみながら練習問題を解いていくと、そのうちに中身がわかってきます。(p252)
→予備校時代の時、数学は理解することと問題ができるようになる事は全く違うことだと言うことを教わった。物理も同じだと思う。そのことをよく解説できていると思う。
・将来予測のために膨大なシュミレーションがなされていますが、本来は予測のもとに立てた当初のモデルが信憑性のあるものかどうかの検証が必要なのです。(p265)
→モデル化すること自体が非常に難しい。そのモデル化が間違っていれば結果も間違ってくる。地球温暖化現象の趣味レーションを例に挙げているが、そのことをよく念頭に置いておくべきだと思う。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・物理現象の解説と、なぜ社会人にとって物理が有益なのかと言う解説の間に大きな溝があると思う。
・なぜ物理学がビジネスに効く教養なのかと言う点がよくわからなかった。
3.実議論したいこと
・物理モデルを自分の仕事に活かすとすればどのようにすれば良いのだろうか?
5.全体の感想・その他
・物理現象の解説の部分は、半分ぐらいは元々理解していた内容だった。 -
Posted by ブクログ
地球科学の研究者で、京大の人気教授であった著者が、どうして勉強しないといけないの?受験なんて意味ないんじゃないの?などの疑問に答えてくれます。
内容をまとめてみました。
○「コンテンツ学力」…覚えた知識がそのまま使える学力のこと
「ノウハウ学力」…新しい知識を獲得する能力(試験日までにこなす勉強のスケジュールを組むなど、限られた時間で成果を上げる訓練を積むこと)
この二つの学力が必要である。
○私たちが勉強するのは、人類の知的遺産を継承するため。受験で得た知識とノウハウは一生の宝。人類の遺産を知る始まりが、実は平凡に見える学校の勉強にある。
○自分プロデュースのための[戦略](自分が何になりたいか、どうしたいのかを考え、大きな枠組みを立てること)と[戦術](例えば数学ならばどの参考書にするのか、どのような手順で勉強するのか、などを具体的に考えること)が大切。
○[棚上げ法]今わからない事は無理に理解しようとせず、とりあえず先へ進む。実は、先に進んでみると、思ったよりも簡単に理解できることが多い。
○完璧主義を求めない不完全法。
○頭をクリエイティブに動かせるのは1日1時間までと考え時間管理をする1時間法。
持ち時間にはメリハリをつけ、大事な仕事から最初にやること。重要なことを普段から優先優先して行うようにしておく
○オフの時にするといいこと
1、勉強以外の何かに熱中する。
2、ぼーっとして過ごす時間を持つ
3、自分の人生を振り返る時間を持つ
○英検は読む書く聞く話すの4要素を持っており有効。
○本は面白いと思うものを本ものから順番に読み、ノートのようにたくさん書き込みをして使い倒す
受験にチャレンジすることは無用の努力ではなく、人生に不可欠な能力を身に付ける絶好のチャンスとなる。
「ノブレス・オブリージュ」フランス語で「地位あるものは責任を伴う」と言う意味。教育を受けてきたものが、勉強して得たことを社会に還元する、そのこと自体がとても楽しいこととなる。
賢い方が考える、無駄がなく、興味を持ち、活きた勉強をするススメが書かれていました。全体的にとても共感でき、ためになりました。が…将棋の楽しさを知り、勉強を拒絶するようになった息子くんをまた勉強に向かわせる自信は残念ながら生み出せませんでした。 -
Posted by ブクログ
息子が地球科学科を受験するというので、読んでみた。科学の入門書はやはり定番ブルーバックスでしょと、中でも出版年が新しい物を選択。著者は地学のみならず科学の伝道師として広くご活躍されている先生のようです。確かに読みやすく分かりやすかった。
仕事上、国の防災会議が出す地震発生確率の長期評価や津波の被害想定、自治体のハザードマップや地域防災計画に目を通してはいて、自然災害については一通り分かったつもりになっていたが、こうして体系的に噴火や地震という事象について読んでみると、表面的な結果だけをなぞっていたんだなという自らの浅学さが分かる。専門家ではないので、すべてを知る必要はないが、専門家たちがどのようなモデルや調査手法を用いていることは知っておくべきかなと。予測や想定の数字を小難しい解析をして出してはいるけど、そもそも論としてモデルや調査精度がどうなのよ?という事実もありそうだし。
地学だけの話じゃなくて、コロナ絡みで医学に対してはそれってどうなのよと疑ってみる人が増えたんじゃないか(あくまで科学的にね、感情的ではなく)。そしてそれは健全な方向性だと思う。
ひとつ疑問だったのは火山灰でコンピュータが壊れ、車のフィルターが詰まるとあったが、桜島から火山灰が日常的に降ってる鹿児島はコンピュータの故障率やエアフィルターの交換頻度が高いんだろうか?それとも建物や車が対策済みだったりする?
被災すればそれどころじゃないんで不謹慎ですが、地学ってホットな分野で面白いかもね。息子も面白いと思って学んでくれればよいなー。ま、その前に受かってもらわないとだけど。
→後日談:無事合格。ヘルメット買ってあげないとな -
Posted by ブクログ
火山学、地球科学を専門とする鎌田浩毅氏の本。
従来の所謂ビジネス書に対して疑問を投げかけつつ、想定外のことが起きることを前提にした「ゆるい計画主義」や、未来を計画的にコントロールするのでなく、かといってなすがままに身を委ねるだけでもない、偶発的な出来事を生かしていく「計画された偶発性」を提唱しているのは、ビジネス書を多読し、自身が御嶽山の噴火を予想できなかったことなどの経験を基にしているだけに説得力はある。
だからといって、ビジネス書自身を真っ向から否定しているのでもなく、火山学が意味のないことではないとも言っている。
恐らく講義として話を聞いた方が面白そうな内容と思われた。 -
Posted by ブクログ
基礎的な部分からかなり専門的な部分にまで踏み込んで火山と地震について述べられていた。
3.11はそれだけでインパクトが大き過ぎて、その4日後に富士山直下でM6.4、最大震度6弱の地震があったことは知らなかった。それ以降、山体が側火口のある北西ー南東ラインと直角の北東ー南西方向に伸びているらしく、宝永噴火から300年の沈黙もどうなることやら…。
2030年プラスマイナス5年のうちに南海トラフ地震が起きる可能性が高いとあったので専門家にはその被害をできるだけ少なくする対策を練ってもらい、一個人はそれに備えてやれることをやっておくしかないように思いました。「正しく恐れる」ことが大事なのだね。
7000年前の縄文日本人は鹿児島沖の薩摩硫黄島のカルデラ型巨大噴火で絶滅したらしいし、自分が生きているときにそんな日本の危機が起きちゃうのだろうか…。
新型コロナもなかなかだけど、そんな時代の変遷を冷静に目撃できる準備を物質的にも心理的にも用意しておこう。 -
Posted by ブクログ
火山の噴火による様々な被害。例えば、火山灰、溶岩流、噴石、火砕流、泥流。こうした被害はどこの火山でも起こり得るが、富士山が噴火した場合、その山体規模や東側に首都東京があることなど、日本に与える影響は計り知れない。富士山はここ300年ほど噴火していないが、いまも活火山であり、近いうちに噴火する可能性も十分あるという。著者は、東日本大震災や、近く起こるであろう南海トラフを震源とする東南海地震によって富士山の噴火が誘発されるという。実際、過去にもそのような関係性が見られる。
そのリスクに警鐘を鳴らすとともに、他方で、火山の恵みは噴火の被害よりもずっと長期にわたって恩恵を与えるという点にも留意を促し、いざという時のための準備を怠らないことが重要だと主張する。なるほど。