鎌田浩毅のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
地球科学的な視座に立つと、富士山はいつ噴火してもおかしくないスタンバイ状態にあり、日本列島にはそういうスタンバイ状態の火山が20ぐらいあるのだそうです。
噴火の引き金となる要素として、本書では、次の2つを挙げています。
1.マグマだまりが巨大地震などで大きく揺すられること
2.マグマだまりの圧力が抜けてマグマのなかの水が水蒸気になること
東日本大震災で日本列島の火山のマグマだまりは揺すられていますが、なぜか富士山はいまのところ持ちこたえています。とはいえ、いくつかの火山は噴火しており、富士山の噴火も次の大地震がトリガーになる可能性は高いようです。
経済的な損害額は、首都直下地震が100兆円、南海トラフ地震が220兆円と試算されており、東日本大震災(50兆円)どころではない被害が続くとなると、ならず者国家に囲まれた日本の地政学リスクや日本の国家財政から、そのヤバさは深刻です。個人レベルで何をしておくべきか、改めて考えされられる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
読んだ感がある(よみごたえがある)本だった
わからないことはわからないと書いてくれてあるし
でもここまではわかるとか、こういう考えかたをしようとか
そういう記載もあってレベルの低い私が読むにもとても良い
一般的な(東大京大レベルではない)大学の文系の一般教養で
何回かにわけて講義してもらうような内容量で
(一般人にもわかりやすい言葉と内容で書かれてるという意味)
そう思うと本の値段の数百倍の価値はある
地学の授業がどうしても身にはいらなかったのは
きっとどこか遠い世界の話してるんだろうなあ
って思ってたせいだと思った
歴史は繰返す じゃないけど、千年に1度の震災とか
なんかすごいことだなと -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、大人になってから自学を楽しく勉強するのにとても良い本だった。地学の基礎知識から始まり、2030年代に必ず起こると言われている。南海トラフ地震またそれを起因とする富士山の噴火、首都直下型地震の被害、予測や被害を軽減するための対策まで書かれており、このタイミングで大変良い本を読めたと思う。プレートテクトニクスの理論が1970年代までは議論中であり、自分が小学生の頃に初めて教科書に載ったと言うことには大変驚きだった。変化の時代に最前線だった人たちはさぞ面白かっただろう。今で言うと、AIがそれに当たると思う。勉強してみようと思った。
-
Posted by ブクログ
2011年の東日本大震災は東北地方から関東までの広い範囲でこれまでに経験したことの無いような巨大な揺れを感じると共に、ビルの高さをも越える巨大な津波によって多くの尊い命が失われた。私の所属する会社も全国に支店があったため、社員本人が亡くなったり、ご家族まで加えれば相当数の被害者が身近に居た事を覚えている。運良く当時は九州地方に赴任していたため、自身が直接揺れを感じた事もなく、友人や家族、同僚からの聞き伝えであるが、その悲惨さは今でも鮮明に覚えている。あれから10年以上が経過した今、我々が直面する危機としては南海トラフや首都直下型地震である。これも発生率の高さが話題になってから久しく時間が経過して、そろそろ東日本の悲劇の記憶も人々から薄れ始めた矢先、2024年の元旦には能登地方を中心に巨大地震が発生した。考えてみると日本は太平洋プレートやフィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートがぶつかり、トラフや海溝に囲まれた世界でも類を見ない地震の巣窟である。地球の表面積の僅か0.29%の土地に世界中で発生する20%の地震が集中して起こっている場所だ。よって日本で生活する以上は大なり小なり地震の揺れからは逃げる事は不可能だ。
特に大きなマグニチュード7クラスの地震については、そうそう頻繁に発生するものでは無い。だからこそ人々は「まさか今地震で死ぬ事はないだろう」と心の中では思っている。これは地震後の津波被害に遭われた方の多くが抱いた考え方にも共通するところが多いそうだ。
本書はそうした避けられない地震から身を守るための、地震そのものの発生メカニズムから、過去の大地震の発生から試算する次の発生時期の予測まで、地震への備えに役立つ知識がふんだんに記載されている。筆者は地球科学の専門家であり、科学的に(例えば地震の発生の危険性などを)伝導する役割を担ってきた方だ(肩書としては京大の教授を勤められていた)。ただ地震の恐怖を科学的に説明するだけでなく、聞いた読んだ人々がそれを自分事として理解し、備える気持ちが起こさせる事を自らの使命としている。
地震は備えが大切であるが、それは食糧や水の平時からの準備など、物理的な準備にとどまらず、心の準備が必要である事を強く説いている。地震が起こる事を理解し、正しく恐れることが大切だ。恐れがなければ備ができない。本書はその基礎的な知識を我々にインプットしようと試みている。よってどこで発生するか直感的な理解が難しい「南海トラフ巨大地震」は「西日本大震災」、30年以内ではなく10年後、とわかりやすく噛み砕いて伝えることに徹している。私も本書を読みながら、目の前の2メートルある本棚をチラチラ見ながら準備の必要性を感じた1人になれた。きっと恐らく私の場合、寝ている途中で四方八方から本が落ちてきて、それらの重さに幸せを感じながら窒息死するだろう。 -
Posted by ブクログ
物理なんてやった記憶もないけど、すごく楽しめました。
おそらく高校1年生で物理基礎はやったけど、本当に覚えていない。嫌いなら嫌いで覚えているはずだけど、それすらも覚えてない。
でも仕事関係でちょっと気になることがあり、それ自体は理解できたが、もっと本質を勉強したいと思い、最近は物理の本を片っ端から読んでます。
そうすると、身の回りがなんてこんなに面白いんだろうと感じる日々です。
この世の諸原理なるものを理解するためのアプローチが物理だと勝手に解釈していますが、物理ってとっても面白い。
あとがきに、物理の苦手を払拭するための方法、文系のための、ビジネスマンのための物理の勉強の方法なんかも書いてあって、タメになった。
「棚上げ法」「不完全法」「基本問題を解きまくる」なんかはどの勉強方法でも応用できると思います。